Today's Shot

きょうの呟き




2000(平成12)年1月にスタートして
  毎日このページを更新してきたけれど、
容量が膨大となり過去20余年の呟きを消去した。













 編集者・坂本忠雄さん  2022 02 09




元『新潮』編集長の坂本忠雄さんが亡くなった。
川端康成、小林秀雄などをはじめに多くの作家を担当したことで知られている。
大家であっても何度も書き直しを依頼する編集者として高名であった。
新宿の飲み屋で、多くの作家との交流話をされた折のこと、
「かといって自分は決して作家との思い出を綴るようなことはしない」
と一編集者の芯棒を語っておられた。

小生に小説を書け、と勧めたのは作家の丸山健二さんだった。
丸山さんの紹介で最初の小説『つらつら椿』を坂本さんに読んでいただいた。
書き直しをすべき箇所を指摘されたことは言うまでもない。
原稿用紙に書き込まれた文字は達筆の草書体で、すらすらとは読めなかった。
その後も、ちょうだいする手紙や賀状も同様で、
万年筆の文字には「一編集者」を貫く芯棒に触れる思いがしたものだ。
今も、小説文に対する坂本忠雄さんの厳しさが胸裏にある。








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