ドクター吉本の必殺こぼれ話


1.サブタイトルの秘密

第2弾 「必殺仕置人」のサブタイトルの秘密知っていますか??

実はそれぞれの頭文字を続けて読むと「いろはにほへと・・・・」の順番で並んでいるんです。

なかなか気づかないことですよね。下に列記します。

確認してください。

放映リスト
サブ・タイトル
1  いのちを売ってさらし首
2  牢屋で残す血のねがい
3  はみだし者に情なし
4  人間のクズやお払い
5  仏の首にナワかけろ
6  塀に書かれた恨み文字
7  閉じたまなこに深い淵
8  力をかわす露の草
9  利用する奴される奴
10  ぬの地ぬす人ぬれば色
11  流刑のかげに仕掛あり
12  女ひとりの地獄旅
13  悪いやつほどよく見える
14  賭けた命のかわら版
15  夜がキバむく一つ宿
16  大悪党のニセ涙
17  恋情すてて死の願い
18  備えはできたいざ仕置
19  罪も憎んで人憎む
20  狙う女を暗が裂く
21  生木をさかれ生地獄
22  楽あれば苦あり親はなし
23  無理を通して殺された
24  疑う愛に迫る魔手
25  能なしカラス爪をトグ
26  お江戸華町未練なし

2. 必殺効果音の音源の秘密

ブスッ! ズビュッ! などの必殺の「斬る」「刺す」時の効果音はどうやって作ったのでしょうか??
実は「川の流れる音」、「水を流したまま石けんで手を洗う音」なんです。
これらを録音したテープを手で回転させることにより各種の音が作り出されていたんです。

勇次の三味線糸の音は、本物の三味線の糸をボールペンの握り部分で擦って出されています。

では、秀の簪(かんざし)を回す音はといいますと・・・実はジッポーライターをあける音なんです。

必殺はこの効果音なしでは語れません。
必殺独特の効果音はかなり苦労して作られたものなんです。

3.「必殺」文字のない必殺

必殺 TV 30シリーズ のうちで「必殺」の文字が付いていないシリーズがある。
みなさんご存じでしょうか??
第3弾「助け人走る」と第4弾「暗闇仕留人」である。
なぜ必殺シリーズなのに「必殺」の文字がないのであろうか・・・
ドクター吉本も不思議に思い調べてみました。(疑問に思ったらそのままに出来ない性格
なもので・・・)
実はこれは必殺シリーズ最大のピンチだったのです。
第2弾「必殺仕置人」の放映中の事件です。
ホステスが自宅で「必殺仕置人」を視聴中、ある男性に絞殺されました。
マスコミは「仕置人を見て興奮した」のが原因と派手に報道しました。
放送打ち切りかと思われた必殺でしたが、犯人が「おれはテレビに影響されるほど安易な人間ではない」と否定。。この発言で必殺は九死に一生を得ました。
しかし、制作サイドは自粛し、第3弾、第4弾で必殺の文字をタイトルに使用しなかったのです。
また助け人の主題歌の歌詞の改変も行っています。
「汗と涙と血がまた騒ぐ」と唄う部分を「熱い明日の風が呼んでいる」に改変しています。
血という部分にかなり過剰に反応した結果のようです。

4.殺さない必殺

「必殺」は文字通り「必ず殺す」はずなんですが、全768本中3本の「殺し」のない回があります。

第1作目は、第5弾「必殺必中仕事屋稼業」20話「負けて勝負」です。
人形師・伊三郎(役・津川雅彦)を仕事屋がポーカーゲームで大負けさせる。つまり、博打の勝負の上で「殺す」わけなんです。
仕事屋である半兵衛(緒形拳)の女房・お春を口説いていた伊三郎が、勝負に負けた後に半兵衛がお春の旦那であることを知らずに「ある女と待ちあわをしたが行けない」ので、半兵衛に代わりに行って人形を渡してくれと頼む。半兵衛が代理で来ているとも知らず来るお春だが、考え直して寸前で引き返す。自分を裏切らなかったお春に半兵衛は安堵し、伊三郎から渡された人形の首をカミソリで切る洒落たラストになっている。殺しのない必殺であるがその内容の素晴らしさはドクター吉本の期待を裏切る作品ではなかった。それどころかたいへん印象に残っている傑作である。

第2作目は、第8弾「必殺からくり人」7話「佐渡からお中元をどうぞ」です。
佐渡金山より将軍へ献上の品を横取りする話である。

第3作目は、第9弾「必殺からくり人・血風編」5話「死へ走る兄弟の紅い情念」です。
米国人の襲撃に失敗して幕府に捕らえられた男の救出劇である。

第2作、第3作は明確な悪人が登場しない共通点があるが殺しがなくても十分納得出来る「ドラマ」である。

5.せん役を嫌った菅井きんさん

安定路線として定着した主水シリーズであったが、身内から思わぬ危機が発生する。
主水をいびる、せん役の菅井きんさんが、必殺の降板を希望してきたのである。
その理由はと言うと、当時菅井きんさんの年頃の娘に縁談があり、せん役のイメージで破談になると困ると言うのが理由だった。シリーズ第9弾として予定されていた「新必殺仕置人」は菅井きんさん説得のため制作がおくれ、急遽せん役が出演しない「必殺からくり人・血風編」が制作される。TV番組は1クール「3ヶ月13回」を基本単位としているが、「必殺からくり人・血風編」は11回、「新必殺仕置人」は41回と中途半端な回数になっている。この11回と41回の合計が52回、つまり4クールになる。つまり、本来4クール52回の「新必殺仕置人」が、菅井問題で11回分「必殺からくり人・血風編」に化けたわけである。

6.最低視聴率を記録した

  「シリーズ第14弾 翔べ!必殺うらごろし」

オープニングナレーション

二つのまなこを閉じてはならぬ。
この世のものとも思われぬ。
この世の出来事見るがいい。
神の怒りか仏の慈悲か、恨みが呼んだか摩訶不思議。
泣き顔見捨てておかりょうか。
一太刀浴びせて一供養、二太刀浴びせて二供養、合点承知の必殺供養。

エンディングナレーション

超自然現象。それを証明する多くの伝承が古来より東西に渡って受け継がれている。この一行はこれからもこの様な未知の世界への旅を続けるであろう。たとえあなたが信じようと信じまいと。

 ↑ ん〜〜〜・・・くさい!かっこわるい!
「シリーズ第14弾 翔べ!必殺うらごろし」は「オカルト時代劇」なる前人未踏のジャンルに挑んだ超カルト作品でありました。心霊現象の裏に隠された悪事を主人公が「超能力」を駆使して解決し「仕置き」する。殺しも白昼ダイナミックに展開されました。「陰」から「陽」へのイメージ・チェンジを計るが視聴率的には大失敗でした。歴代最低視聴率3%を記録し、必殺打ち切りの危機を招きました。26回の予定を23回で終了となりました。ドクター吉本もあまり好きではありません。しかし一部に熱狂的な支持者をもっているのも事実です。内容は意欲的で結構おもしろいと評価する人もいます。でもドクター吉本はやっぱり嫌いだ。超能力で仕置きされるとしらけてしまうのは私だけでしょうか??

7.放送禁止となった必殺

必殺シリーズでは、再放送をしない(出来ない)、いわゆる「お蔵入り」の作品がある。
必殺仕掛人4話「殺しの掟」、必殺仕掛人21話「地獄花」、必殺仕掛人28話「地獄へ送れ狂った血」の3本である。原因はすべて差別問題にからむ内容だからである。必殺シリーズファンクラブとらの会 会長 山田誠二氏は「必殺シリーズ完全百科」の中で以下の様に解説している。
「28話を除いて、4話や21話は現在見ても放送可能な作品である。ただ、4話は一部にやや問題かもしれない程度の描写はあるが、21話は全く問題はない。実際21話は後に解禁となり、2回の舞台化や後のシリーズのなかにエピソードが流用されるなど、名作として再評価されている。問題は28話である。タイトルを読んで気づかれると思うが、この話は仕掛人が精神障害者を闇に葬る内容で、再放送はおろか、当時ですらよく放送できたものと感心してしまう。二重人格の殿様に、妻を犯され、娘までも捕らわれた家来が、それでもお家のために忠義を尽くす。納得のいかない依頼を受けた林隆三演じる助っ人仕掛人と梅安の前に、謎の剣の達人が立ちはだかる等、テーマがテーマだけに、ドラマや演出・映像のグレードは仕掛人中ベストの出来である。」


参考文献:

必殺シリーズ完全百科  山田誠二  データハウス
必殺シリーズ完全殺し屋名鑑 月が笑ってらぁ編 必殺党編  ザ・テレビジョン文庫
必殺シリーズ完全殺し屋名鑑 荒野の果てに編 必殺党編  ザ・テレビジョン文庫
必殺シリーズ完全闇知識 やがて愛の日が編 必殺党編  ザ・テレビジョン文庫
必殺シリーズ完全闇知識 瞬間(
ひととき)の愛編 必殺党編  ザ・テレビジョン文庫


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