第101回

排便後の痛みで発症した58才の女性

01.1.5

58才女性が、排便後の痛みがありある総合病院を受診しました。
大腸肛門科にて検査し痔と直腸炎を指摘されました。
内服処方され内服を続けましたが症状はとれず、
その2週間後、腹部膨満感が出現しました。
明らかに腹囲が増大していました。
このため近くの内科医院を受診し、私の病院に紹介となりました。
CTスキャン上、大量の腹水を認めました。
骨盤の中には、子宮の左側に腫瘍を認めました。
左の卵巣腫瘍を疑い、最初の総合病院の産婦人科に紹介しました。
手術の結果、左卵巣から発症した癌でした。
結局放射線治療後、子宮附属器の全摘術を施行され退院となりました。
抗癌剤治療も施行されていますが、再発の可能性が高いということです。
最初に大腸や肛門の症状で発症したのは、
すでにこの時骨盤内に浸潤、リンパ節転移していたため、
肛門や直腸の痛みで気づかれたものと思われます。
発見されたときはすでに進行癌であった症例です。

CTスキャン

腹腔内に大量の腹水を認める。


CTスキャン

骨盤内に卵巣腫瘍(癌)及び腹水を認める。

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