第110回

記名力障害、性格変化で発症した60才女性

01.1.26

記名力障害、性格変化で発症した60才女性

60才女性のAさんはもともと、たいへん几帳面な方でした。昨年10月頃よりだんだん生活がだらしなくなりました。いつもきちんと片づけ物をしていたのにこれが出来なくなりました。このため、今年の1月初め近くの内科の医院を受診しました。この内科医院の紹介で私の病院を受診されました。MRI上、大脳に脳腫瘍を認めました。脳実質内の脳腫瘍で造影剤で増強されます。右の大脳から発症していますが、正中部を越えて左側にも浸潤しています。MRIの性状からこの脳腫瘍はGlioblastomaという悪性の脳腫瘍であると思われました。化学療法、放射線治療などで治療予定ですが予後はたいへんきびしいと思われます。記名力障害、性格変化で発症した脳腫瘍の一例です。

MRI T1 強調画像

脳腫瘍は正常脳実質とほぼ同じ信号強度のため境界がはっきりしない。


MRI T2 強調画像

T2強調画像では腫瘍の境界がはっきりわかる。


MRI 造影

腫瘍の内部が増強される。


MRI 造影

前額断

白く増強されているのが脳腫瘍

もどる