第137回

13年前膵臓癌と診断されたがほとんど進行しなかった75歳女性

01.6.8

13年前膵臓癌と診断されたがほとんど進行しなかった75歳女性

75歳の女性が軽い脳卒中で私の病院に入院されました。
脳卒中はたいへん経過が良く退院できましたが、腹部超音波検査及びCTスキャンで膵臓に嚢胞性の腫瘍を認めました。よく話を聞いてみると13年前ある総合病院で膵臓癌という診断を受けていました。悪性の病気も考えられましたが13年の経過からおそらく癌ではなく良性の膵臓腫瘍と思われました。膵管拡張、嚢胞性の腫瘍が特徴の腫瘍としては、

D.D.
1.漿液性嚢胞腫瘍
2.粘液性嚢胞腫瘍
3.粘液産生膵腫瘍(膵管と交通がある)

などがあります。これらの中には悪性のタイプもありますが、13年の経過を考えるとやはり良性の腫瘍で膵臓癌ではないようです。悪性でなく良かったです。

CTスキャン(造影)

膵臓に嚢胞性の腫瘍を認める

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