第142回

膵臓癌が再発した76歳女性

01.6.22

76歳女性のKさんは3年前膵臓癌の手術を受けました。
その手術のストレスのためか術後に痴呆症状が出現しました。
一時期、痴呆の進行はかなり深刻でしたが、犬を飼ったことにより痴呆が改善した方でした。(第8回 動物介在療法の効果
しかし、結局徐々に痴呆も進行してきました。
最近急速に糖尿病が悪化し詳しく調べましたところ膵臓癌が再発していました。
再手術はほとんど困難な状況でした。
癌による腹痛は徐々に進んできています。
これからもっともっと激しい癌性疼痛が予想されます。
しかし、本人は痴呆のため病識が少なく、末期癌の悲壮感はありません。
家族にとってそれは救いです。
しかし、そうはいってもこれからだんだん痛みが増してくるでしょう。
今後少しでも痛み苦しみを取ってやることが私の仕事です。
これからいつ癌性疼痛に対して医療用の麻薬を使用すべきか考えていかねばなりません。
残り少ない余生を少しでも苦しまない様にお手伝いしていきたいと思います。

CTスキャン(造影)

膵臓癌の術後再発を認める

すでに腹部大動脈、上腸間膜動脈をまきこんで浸潤している

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