第145回

甲状腺癌の手術後2ヶ月後に転移性脳腫瘍が発見された69歳男性

01.6.21

甲状腺癌の手術後2ヶ月後に転移性脳腫瘍が発見された69歳男性

69歳男性のFさんは、甲状腺癌の手術を耳鼻咽喉科にて受けました。
しかしその2ヶ月後にMRI上脳転移が発見されました。
放射線治療後、手術で摘出されましたが残念ながら数ヶ月でまた転移性脳腫瘍の再発を認めました。
もうほとんど治療ができないということでTerminal care 目的で私の病院に紹介されました。
家族には救命困難な状態だと説明していましたが、予想に反してステロイド剤や脳浮腫をとる点滴で症状が改善してきました。
しかし、経過中今度は小脳虫部という第4脳室のすぐ後ろに転移してきました。
このため脳室が圧迫され水頭症が出てきました。徐々に意識障害が進行してきました。
家族の意向もあり今度はガンマナイフでこの腫瘍の治療をすることになりました。
今度は改善不可能かとも思われましたが、ガンマナイフの治療後水頭症は徐々に改善してきました。
厳しい状態にかわりはありませんがガンマナイフのお陰で意識障害は改善してきました。

MRI T1画像 Gd造影

小脳虫部に脳転移を認める

Gd造影にて白く染まっている


MRI T1画像 Gd造影

左側頭葉に転移性脳腫瘍を認める

Gd造影にて白く染まっている

周囲に脳浮腫を認める

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