第42回

診療裏話6(検査着)

00.8.6

「検査着」


大腸検査にはそれ専用の検査着があります。
下着を脱いでしまって、この検査着を着てもらうのです。
大腸の検査といえば、大腸ファイバ−と注腸透視という検査のことです。
どちらの検査も肛門からファイバ−スコ−プやバリウムを注入するための
管を入れなければいけません。
そうです、この検査着にはお尻の辺りにまるい穴が空いているのです。
普通の寝巻きのような素材のズボンですが、
お尻の辺りに空いている丸い穴が何とも面白いのです。
この穴があるからファイバ−スコ−プやバリウムの管が入れれるわけです。
でもまれにですがこのズボンのはき方を間違える人がいます。
ある日、80歳代の男性の患者さんが何とこの検査着のズボンを
前後反対にはいていらっしゃいました。
男性にとってはやっぱり穴が空いているのが前!という感覚は理解できるのですが、
この穴はとにかくでかい直径10センチくらいあるのです。
男性がこの穴を前にはくととんでもないことになります。
どういうことになるのかは御想像にお任せします。
この患者さんは少し軽い痴呆症がありましたのでこの検査着をきたまま
病院の外来待合室をしばらくうろうろされていたようです。
きっとこれを見た外来待合室の患者さんは大変びっくりされたことと思います。
この連絡を受けた担当の看護婦さんがこの患者さんに説明しました。
「申し訳ございません。Nさん。この検査着ですが前後を反対にはかれています。申し訳ありませんがお尻から検査しなければなりませんので穴のあるほうを後ろにはいて下さい。そうしないと検査の管が入れられないのです。お願いします。」
Nさんは納得されはきかえて下さいました。
ほかの患者さんが迷惑だからはきかえろとはいえなかったようです。

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