第64回

突然の胸痛で発症しショック状態になった77歳男性

00.9.11

突然の胸痛で発症しショック状態になった77歳男性

高血圧で通院中の77歳男性が自宅で突然激しい胸痛が起こりました。
救急車で運ばれましたが、心電図上は心筋梗塞の所見ではありませんでした。
CTスキャン上、胸部大動脈から腹部大動脈まで解離性大動脈瘤を認めました。
心嚢に出血があり心タンポナ−デという状態(心臓がうまく動けない状態)でした。
心臓血管外科のある病院に搬送し、この心タンポナ−デの治療をしました。
上行大動脈に解離が存在する病型であったため緊急手術の必要があるのですが全身状態、年齢を考慮して、手術無しで保存的に治療されることになりました。
何とか助かっていただきたいものですが、大変きびしい状態です。

発症の4ヶ月前のCT

異常なしです


同じ部位の発症後のCTです。

上行大動脈の動脈拡大

内部に解離内膜を認めます

発症前のCTです

異常なしです

発症後のCTです

心嚢への出血を認めます

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