第68回

大腸癌の手術後1年目に転移性脳腫瘍が発症した65歳男性

00.9.16

大腸癌の手術後1年目に転移性脳腫瘍が発症した65歳男性

65歳の男性Oさんは1年前に大腸癌の手術を受けました。進行癌でした。
その後経過は順調でしたが、1週間前から頭痛を訴えるようになり、
徐々にだらしない表情になってきました。
一日中ボ-として過ごすようになり、元気がなくなってきました。
脳の精密検査目的で私の病院に紹介となりました。
CTスキャン上、左前頭葉に転移性脳腫瘍を認め、周囲の脳が著明に腫れていました。
MRIにて更に詳しく調べましたが、やはり転移性脳腫瘍と思われました。
大腸癌の脳転移と診断しました。
左の前頭葉は手術の出来ない部位です。
そのため、残りの余生を有意義に過ごしてもらうために
ガンマナイフ治療をするかどうか家族に考えてもらうことにしました。
転移性脳腫瘍のガンマナイフ治療は一時的に腫瘍を小さくすることが出来、
神経症状の改善が期待できますが、延命効果はほとんどない様です。
化学療法等も考えられますが、残念ながら著効する治療法はありません。

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造影 CTスキャン

左前頭葉に転移性脳腫瘍を認める

MRI T1強調画像 (ガドリニウム造影後)

左前頭葉に強く増強される転移性能腫瘍を認める


FLAIR画像

転移性脳腫瘍の周囲の脳浮腫(白い部分)の様子がよくわかる

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