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リウマチ科クリニック

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リウマチ性疾患について
  リウマチというのは関節・骨・軟骨・筋肉・腱・靭帯や結合組織などに腫れや痛みなど(これをリウマチの愁訴 といいます。)を認める、およそ100あまりの疾患をまとめて呼ぶ場合に使う名前です。 主なリウマチ性疾患には 関節リウマチ全身性エリテマト−デス 強皮症多発性筋炎・皮膚筋炎結節性多発動脈炎シェーグレン症候群混合性結合組織病成人スティル病ベーチェット病側頭動脈炎(巨細胞動脈炎)高安動脈炎(大動脈炎症候群)強直性脊椎炎バージャー病(閉塞性血栓血管炎)抗リン脂質抗体症候群ウェゲナー肉芽腫症、 アレルギー性肉芽腫性血管炎(Churg-Strauss症候群) 痛風変形性関節症骨粗鬆症などがあります。一方、全身性疾患でリウマチの愁訴を伴う疾患があります。例えば後天性免疫不全症候群(エイズ) や慢性疲労症候群、感染性心内膜炎、白血病、悪性リンパ腫などです。リウマチの愁訴がある人は日本全国で1560万人、 人口の13%を占め、内科・整形外科外来患者のおよそ70%にリウマチの愁訴を伴います。 関節リウマチのみでも患者数は日本全国でおよそ100万人であり1年に1万5000人が新しく発病しているのです。 また、例えば筋肉の痛みを訴えて来院した方が実は甲状腺の病気であったり、リウマチ反応がでないために関節リウマチ ではないと診断され適切な治療を受けていないことがあります。リウマチ性疾患の診断では決め手となる画像診断(例えば内視鏡 や心電図などです。)がないために診断はリウマチ科を専門とする内科医の広い識見が必要とされているのです。

関節リウマチについて
関節リウマチ患者さんとご家族の方々ヘわかりやすくリウマチについてと治療について紹介されています。
   

関節リウマチの新しい治療
1. はじめに
関節リウマチの治療の進歩は最近めざましく、あと数年もすればさらに優れた治療法が臨床の場でも使えるようになると思われます。最終的には発症を防ぐワクチンの開発を完成させなければなりませんが、早晩遺伝子治療が安全に行われるようになるものと思われます。現在使われている治療体系は関節リウマチの病態を是正するもので、それらをまとめて疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)といいます。メソトレキセート(MTX)は1980年代半ばにFDAが認可して以来、治療の要となり、現在アメリカの専門医に最も多く処方されているDMARDです。他のDMARD(シオゾール、アザルフィジンEN、リマチル、メタルカプターゼ、リドーラ、カルフェニール、モーバー、オークル(以上は日本での保険適用)、イムラン、サンディミュン)と比較して有効率が高く副作用が少ないために長期にわたる関節リウマチの治療には適していることがわかってきました。MTX単独で効果が不十分な場合は他のDMARDと組み合わせて治療を行います。1998年頃から関節リウマチの治療薬は開発ラッシュでなかでも
1)抗TNF療法剤 @Etanercept(TNF-αと結合する蛋白、年間費用$6000、AInfliximab(人-マウスキメラ抗TNFモノクローナル抗体、1999年11月FDA認可。年間費用$7000-11000)、BD2E7(人抗TNFモノクローナル抗体、現在治験中)、CPEG sTNF RI(pegylated soluble TNF typeT receptor)
2)新しいDMARD:Leflunomide(経口dihydro-orotate dehydrogenのpirimidine合成阻害剤)
3)選択的Cox-2阻害性非ステロイド系抗炎症剤 @Celecoxib、ARofecoxib
は最も注目されているものです。日本では未だ認可されていませんが、多くはFDAが認可しており、日本以外の国々ではすでに使われているものです。それらについて関節リウマチの病態のどこにはたらくのか、治療成績などを中心にご紹介いたします。

2. 関節リウマチにおけるTNF
@ TNFはマクロファージが産生するサイトカインです。TNFはcachexinとも呼ばれ、慢性炎症を伴う個体で悪液質を招来(lipoprotein lipaseを阻害するため)します。プログラムされた細胞死、すなわちアポトーシスを誘導します。また、炎症性サイトカイン(IL-6,IL-8,IL-1)を誘導します。線維芽細胞、軟骨細胞、白血球から基質metalloproteinase(MMPs)を遊離させます。接着分子産生を促し、白血球が血管外へ遊走させます。これらの作用は炎症反応を増大させますので、関節リウマチ、多発性硬化症、全身性血管炎、移植後拒否反応、GVH病などの慢性炎症性疾患では主要な役割を果たしているものとして注目されてきました。
A TNFはTNF-α変換酵素(TACE)でTNFに変換されます。
B 3つの分子が凝集して、線維芽細胞、白血球、内皮細胞のTNF受容体(p55(typeT)、p75(typeU)の2種あり)に結合します。
C TACEはTNF前駆蛋白に作用するだけでなく、受容体に作用して可溶性TNF受容体を作ります。可溶性TNF受容体の半減期は極めて短くせいぜい数分です。
D 可溶性TNF受容体はTNFを介した炎症反応を抑えます。
E 関節リウマチではTNFは関節液中で増加しています。関節液中のTNF濃度は血中の4、5倍に達します(健康な状態では等濃度)。また、可溶性TNF受容体も血中、関節液中いずれでも増加しています。これらの知見からTNFだけを標的とする治療法方法が考えられだされることとなりました。
3. 抗TNF療法 抗TNF療法は関節リウマチや関連疾患の方と医師に新しくて胸躍らせる治療法です。サイトカインの生物活性や機能が解明され今後も新しい抗TNF療法が開発されつづけることと思います。例えば、選択的にTACE阻害することや、TNFやTNF受容体の機能を調整する遺伝子治療などが研究されていくものと考えられます。また、他のサイトカインやmetalloproteinases、接着分子を制御することによりTNFを鎮静化することができるわけです。抗TNF療法で最も懸念すべきものは感染症の罹患率の増加ですがおよそ3年間の使用成績では有意に増加することはないとされています。また、他の治療法と同様に治療によく反応する人と反応しない人がいることを念頭に置く必要があるかと存じます。抗TNF療法は高価ですので、今後の高齢化社会においては費用対効果についても社会のコンセンサスが得られなければならないでしょう。現在、実用段階にあるいくつかの抗TNF療法についてお話します。
1) Etanercept
@ Etanerceptは人工的に作り出された可溶性TNFp75受容体をIgGのFc部分につけたものです。このため半減期を3-4日まで延長させることが可能になり、3分子凝集したTNFに対する親和性を高めることができました。
A Etanerceptが血中から消失するとTNFがふたたび増加してきますので、週2回注射する必要があります。しかし、一方でTNFは感染症のコントロールに必要なものですのでTNFを完全に無くすことはできません。
B Etanerceptの効果は強力なDMARDに匹敵しますが、副作用はDMARDより少ない結果が出ています。第U相:用量決定試験では16人の関節リウマチの方に投与して、関節scoreを45%改善(Placeboは22%)し、感染症などの副作用は認められませんでした。Etanerceptに対する抗体の出現も認めませんでした。
C 第V相二重盲検試験(Morelandら)では180人の関節リウマチの方に3ヶ月間投与して、16mg/uが0.25mg/u、2mg/u、placeboより優れた効果でました。16mg/u投与された75%の人がACR core setの20%改善を認めましたが、注射部位の発赤以外の副作用は認めませんでした。ACR20というのは元の状態を100とすると50まで改善したことを示します。また、ACR70というのは30まで改善したことを示します。
D 長期第V相二重盲検試験では6ヶ月間、10mgまたは25mgを週2回投与しましたが、25mg投与した59%の人がACR20(40%の人はACR50)を認めました。QOLの改善をHAQでみるとplacebo2に対し39の改善を認めました。注射部位の発赤はplaceboでは10%でしたが、Etanerceptoでは37%でした。
E 長期投与試験では713人に投与し、75%は30ヶ月後も投与しており、感染症、悪性腫瘍の発生は増加せず、薬物誘発性エリテマトーデス、抗燐脂質抗体症候群は認められませんでした。
F MTXとの併用療法の成績 平均週18.3mgのMTX投与を受けているMTXに対して反応が悪い関節リウマチで25mgのEtanerceptを併用投与すると71%はACR20の改善を認めましたが、placebo投与群(MTX単独投与群)では27%の人がACR20の改善を認めました。併用群ではMTXやPSLの投与量を減らすことが可能となりました。
G 早期関節リウマチにおける成績 632人の発症3年以内の関節リウマチが参加しました。(1)Etanercept25mgとplaceboの錠剤、(2)Etanercept25mgとplaceboの錠剤、(3)MTX週7.5mgから20mgとplaceboの注射の3群に割り付けました。MTX投与群では投与開始8週以内にMTX投与量は週平均18.3mgとなりました。1年後骨びらんを認めないのはEtanercept25mgでは75%で、MTXでは57%(P<.001)。関節裂隙の狭小化は両群で有意差を認めませんでした。ACR20改善はEtanercept群では2週目から16週目までは有意にMTX群より高くその後は有意差はありませんが常に高くなっていました。副作用のため投与中止を余儀なくされたのは217人のMTX群では10人でしたが、207人のEtanercept群では5人でした。無効のため中止を余儀なくされたのは両群で有意差を認めませんでした。感染症の発生はEtanercept群が有意に低く、検査値異常は肝機能検査(SGOT(MTX32% vs Etanercept16%)、SGPT(MTX44% vs Etenercept23%))を除き有意差がありませんでした。
2)Infliximab
@ Infliximabは人の免疫グロブリンとマウスの免疫グロブリンのキメラでモノクローナル抗TNF抗体です。
A 第U相試験 対象は平均罹病期間10.5年の20人の関節リウマチ。いくつかのDMARDs(中央値4)に反応しない方々。20mg/kgを12-14日間静注。6週後にはAMS中央値180分→5分、疼痛点数7.1→1.9(73%改善)、腫脹関節数18→5、CRP39.5mg/dl→8mg/dl、HAQ2.0→1.1と改善を認めました。注目すべきは最終投与後8週から25週(中央値14週)に渡り効果が持続した事です。
B 第U相単回投与試験 対象は73名のDMARD不応性関節リウマチ。投与量は1mg/kgまたは10mg/kg。4週目10mg/kg投与群の79%がPaulus基準で20%改善、50%が50%改善。A,Bいずれの治験でも臨床的な副作用は認めず、抗キメラ抗体も認めませんでした。
C Infliximab-MTX併用二重盲検治験成績 対象:101名の関節リウマチ 投与方法:Infliximab(1,3,10mg/kg)。またはInfliximabのplaceboとMTX週7.5mgまたはMTXのplaceboを併用投与。結果:Infliximab投与群では60%がPaulus基準で20%改善。MTXを併用投与することによりInfliximab投与間隔を伸ばすことが可能となり、抗キメラ抗体の発生率は3分の1に低下。薬物誘発性エリテマトーデスは認めなかったが、Infliximab投与群の8%に抗二本鎖DNA抗体を認めた。抗キメラ抗体の発生率はInfliximab群全体では17%で、MTX非投与Infliximab1mg/kg投与群では50%、MTX投与Infliximab10mg/kg投与群では7%であった。副作用は頭痛が最も多かった。

D 長期Infliximab-MTX併用二重盲検治験成績 期間:54週。投与方法:Infliximab3mg/kgまたは10mg/kg またはplacebo4-8週毎、静注とMTX。結果:3mg/kg投与群の42%、10mg/kg投与群の59%がACR20改善を獲得しました。Placeboと比較して副作用は有意差を認めませんでした。X線所見は併用投与群ではMTX単独投与群に比べ有意に進行が抑えられていました。
3) D2E7:人抗TNF抗体。
@ 用量決定試験 対象:283名の関節リウマチ。方法:D2E7を20mg、40mg、80mg、placeboを3ヶ月間投与。結果:ACR20の改善が認められたのは20mg投与群では49%、40mg投与群では57%、80mg投与群では56%でplacebo群では10%であった。
A 単独投与試験 対象:66名の関節リウマチに対し1年間2週間に1度投与。結果:66名中22名では1年後もX線所見の進行を認めませんでした。現在第V相試験進行中。
4) PEG sTNF-RI:ペギル化可溶性TNF受容体で、第T相試験で免疫原性は認めず、現在第V相試験進行中。有用性が示されている。
4. Leflunomide Leflunomideは経口のdihydro-orotate dehydrogenaseのpirimidine合成阻害剤です。
@ Smolen,らの投与成績 1年目、leflunomideとSulfasalazineがplaceboに比べ有意にX線所見の進行を遅らせることと2年後のfollow upでもLarsen scoreによるX線所見の評価をしてLeflunomideはX線所見の進行を遅延させることを確認しました。
A Tugwellらの投与成績 QOLがHAQで評価して1年後にはplaceboに比較して有意に改善していることと、2年後のfollow upでも同様であることを確認しました。
B 第V相二重盲検試験(CohenらのULTRA治験) MXT週7.5-20mg投与群、Lefluromide1日20mg投与群、placebo投与群の3群について1年目は482名を対象に行われ、安全性と有効性が確認されました。2年目は235名を対象に追跡しましたが、最終的にはplacebo投与群は検討可能な例数を維持できませんでしたのでMTXとLefluronomideの比較成績を得られました。
1年目 2年目
Lefluronomide Placebo MTX Lefluronomide Placebo MTX
ACR20 77☆ 61 60☆ 79¶ 64 67
ACR50 57☆ 25 32☆ 56 36 43
ACR70 32☆ 14 13 26 7 21
HAQ -0.45☆ -0.23 -0.25☆ -0.43¶ -0.17 -0.28
☆placeboとの有意差ありP<.05 ¶MTXとの有意差あり
Sharp scoreを用いてX線所見の比較検討をすると1年目より2年目のほうが改善していました。重篤な副作用はLefluronomide群で2%、MTX群で4%に認めました。Lefluronomide群で最も多かったのは下痢(37%)で、可逆性の脱毛11%、感染症6.4%と続いていました。
C Kaldenらの多国籍Lefluronomide治験成績 LefluronomideとSulfasalazineの比較検討を行っていますが有用性が示されています。
5. Cox-2選択的阻害薬 アメリカでは非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)使用中の関節リウマチ1000人につき13名の重篤な胃腸障害を認めます。また、年間死亡率は0.22%に達し、NSAIDsを使わない人に比べ4.21倍となることが知られています。NSAIDs使用に伴う死亡数は16500人でAIDSによる死亡数16685人に匹敵しているのです。そこで胃腸障害のないNSAIDsが望まれていました。Cox-2阻害薬は大幅に胃腸障害を減少させます。Cox-1は胃粘膜や腎組織に常に存在する酵素ですが、Cox-2は炎症や細胞分裂により誘導される酵素です。Cox-2阻害薬はCox-1に比べCox-2を100倍抑制します。Cox-2阻害薬は大腸がんやArzheimer病の発生を抑える可能性が示唆されていますが、腎障害や、排卵抑制を来すことも考慮に入れる必要があります。
@ SimonらのCelecoxib12週間投与成績 対象:250名の関節リウマチ。方法: Naproxen、placeboを対照薬として抗炎症効果と胃腸障害の発生率を検討。結果:Celecoxibの抗炎症効果はplaceboより有意に優れ(P=.008)、200mg、400mgのCelecoxibの抗炎症効果はNaproxenと同等。胃潰瘍発生率はplacebo4%、Celecoxib6%,Naproxen26%.
A LangmanらのRofecoxibに関するmeta-analysis結果 NSAID投与を受けた5435人中10%に胃潰瘍が発生。5435人中3357人がRofecoxib投与を受けていました。胃潰瘍の発生率はRofecoxib1.3%で他のNSAIDの半分でした。
6.このほかの新しい治療法
Prosorbaカラム すべての薬物が効かない場合、この血液濾過装置を用いることにより、Placeboに比較して有意に効果があり、30%の有効率が確認されています。なお、新しい方法ではありませんが、ミノサイクリン療法は1940年代から関節リウマチに対し投与され、1971年にマサチューセッツ総合病院から否定的な論文が発表されましたが、1990年以降に有用性を示す論文が立て続けに発表されています。
痛風入門
はじめに
 痛風は高尿酸血症を基礎疾患とし、尿酸結晶に起因する急性の関節炎(とくに第一中足趾節関節に好発)、痛風結節および尿路結石、さらに腎の間質・血管病変を主な症状とする人類特有の症候群である。尿酸は体液中で比較的難溶性で、その理論的溶解度は6.4mg/dlであるが、実際には7.0mg/dlまで過飽和の形で存在し、それ以上になると尿酸結晶として析出しやすくなり、種々の臨床症状をひきおこす。痛風といえばまず急性の関節炎を想起しがちであるが、痛風の治療にあたってはその基礎疾患である高尿酸血症を治療することがもっとも重要であることを銘記する必要がある。それは、高尿酸血症を是正しなければ痛風の再発を防止出来ず、痛風に伴う重篤な合併症である痛風腎や付随してくる動脈硬化症を防止することが困難となるからである。現在、痛風患者の死因は虚血性心疾患や脳梗塞などの動脈硬化性疾患が60%で最も多く、痛風腎による腎不全より多くなっている。わが国では、高尿酸血症および痛風は戦前はきわめてまれであったが、戦後のわが国の経済の高度成長とともに国民の栄養摂取量が増加した結果、患者が激増し、いまや高尿酸血症患者は200万、このうち痛風患者は40万に達して成人病の代表的な疾患の一つとなっている。

T.痛風の臨床
 痛風の成因
 痛風はその成因から表1のように分類される。特発性痛風が90%以上を占め、二次性痛風患者は10%弱である。
 痛風の臨床症状 
1)急性期 痛風の85〜95%は中高年の男性で、閉経前の女性では極めて希である。痛風性関節炎の発症は他の多くの関節炎と異なり、突然で、しかも夜間が多いのが特徴である。ときに、発作の1〜2日前に関節の違和感が前兆としてみられることもある。好発部位は第一中足趾節関節で、症例の75%で初発部位となる。単関節炎のことが多いが、同時に2つ以上の関節がおかされることもある。罹患部位としては第一中足趾節関節のほかには足根中足関節、足根間関節、膝関節など下肢の関節が多く、肩や股関節、顎関節におこることはきわめてまれである。痛風発作は飲酒、過激な運動、過労、打撲などのほか、血清尿酸値の急激な変動(低下を含む)により誘発されることを忘れてはならない。特に発作中に尿酸値を下げると発作がながびいたり、再発作を招くことがあるので注意を要する。
2)慢性期 以上のような発作を反復し、慢性期に入ると痛風結節が出現する。好発部位は耳介であるが関節炎の好発部位にもみられる。手指関節などに出現すると関節リウマチ等との鑑別がときに困難となることがある。放置していると体内の尿酸プールが次第に増大し、腎の主として髄質の間質に尿酸が沈着して腎機能障害を引き起こす。これがいわゆる痛風腎で慢性腎不全のため血液透析を要することになる。また、痛風腎では腎におけるアンモニアの産生が減少し日中でも酸性尿となるため尿路結石を生じやすい。尿路結石は痛風の約20%に見られる。
痛風の合併症 痛風患者においては、腎機能障害、高血圧、そして高脂血症が最も頻度の高い合併症である。未治療群の56%が高脂血症をともなっている。この頻度は尿酸値がコントロールされている既治療患者においてもほぼ同様である。高脂血症の内訳はW型が最も多く69%を占め、ついでUb型が15%となっている。また、高血圧の頻度は一般人口の約10倍(22.5%vs2.1%)であり、原因は腎障害による腎性高血圧、肥満、動脈硬化等が関与している。
痛風の診断 痛風の診断は急性期の特徴的な第一中足趾節関節の単関節炎をみとめた場合には困難ではない。多くの場合高尿酸血症を伴っているが、尿酸値が正常であっても痛風である可能性を否定できない。痛風の確実な診断は関節液中の尿酸結晶を証明することである。アメリカリウマチ協会(ARA)の診断基準を表2に示す。
U.痛風の薬物療法
 はじめに述べたように痛風の治療は痛風性関節炎発作のコントロールに加え、ほぼ生涯にわたる長期の高尿酸血症の管理を行うことである。しかしながら、痛風性関節炎発作中に尿酸値を下げすぎると痛風性関節炎発作を遷延化させることになり、一方痛風性関節炎に対する薬物療法だけでは高尿酸血症を増悪させることもあることを銘記しなければならない。
1)痛風性関節炎の治療  関節炎発作に対しては、現在非ステロイド系の抗炎症剤を用いる。尿酸代謝に影響を与えず、半減期が長く、かつ短期大量療法を行う際に腎血流量を極端に減らさぬ安全性の高い薬がよい。この条件にあった薬剤としては、ナプロキセン、インドメサシンなどがある。ほかに、オキサプロジン、ピロキシカム等も痛風の発作の治療に有効である。ナプロキセンであれば1回300mg、1日3回〜4回、4日間から7日間投与する。いずれの薬剤にせよ、非ステロイド系抗炎症剤の1剤を選んで、出来るだけ早期に最大量を使用し、症状が軽快したならば徐々に減量するのがコツである。2剤併用は効果を増強するより副作用を増強することになると心得た方がよい。コルヒチンは痛風に特異的に効果があり治療と同時に診断にも役立つが、毒性が著明なため、現在では発作の前兆期にのみ用いる。ステロイド剤は通常は使用しないが、炎症反応が極めてはげしく他剤が無効の場合か、または副作用のため使用できない場合に用いる。関節炎発作の寛解期には抗炎症剤は使用する必要はない。
2)高尿酸血症の治療 尿酸は血液中では7.0mg/dl以上では結晶として析出し、臨床症状を引き起こしてくる可能性があるので、7.0mg/dl以上を高尿酸血症として医師の観察のもとにおく必要がある。8.0mg/dl以下の場合は食事療法を行い、8.0mg/dl以上が持続する場合は薬物療法を行うのが原則である。
 食事指導は「簡潔で解りやすく」を旨とし栄養素やカロリー計算の説明などを発病当初から行う愚は避けたい。実際、高尿酸血症の成因において重要なのは内因性の尿酸の生合成過程で、外因性プリン体が直接血中の尿酸へ合成される経路はきわめて少ない9)。したがって、かつておこなわれたような厳しいプリン体制限食は適切な薬物療法を行えばほとんど必要がないばかりか患者の生きるよろこびを奪い、最悪の場合には栄養のバランスを崩すことにもなる。しかし、過食や大量のアルコール摂取をすると痛風発作を誘発する。食事療法のコツはポイントを摂取カロリーとアルコールの適正化にしぼって指導を行うことである。
 高尿酸血症の薬物療法の第1選択薬は現在ではアロプリノールである。アロプリノールは腎機能障害を伴う患者でも禁忌ではなく腎機能に応じて減量投与すれば安全に使える薬である。これまでの臨床例でアロプリノールの長期投与による毒性は認められない10)。尿酸値を急激に下げると痛風発作を誘発することがあるので、アロプリノールは1日100mg〜200mgより開始する。徐々に増量して400mgまで用いることができる。
一方、尿酸排泄剤は腎機能障害がある場合には禁忌である。痛風の患者は酸性尿の傾向があるので、単独投与では腎結石を合併する頻度が高くなる。このため尿をアルカリ化するために重曹等を用いなければならない場合があり高血圧や心不全を伴う症例には使えないことになる。尿酸排泄剤としてはベンズブロマロンが長期投与でも著明な副作用を認めず、アロプリノールに対する過敏症の患者には第1選択薬となる。プロベネシッドはほかの薬剤との競合が多く副作用の頻度も高いので現在では勧められない。ベンズブロマロンは初回1日50mgを投与し、100mgまで増量できる。アロプリノール、ベンズブロマロン、いずれの場合でも尿酸値がコントロールされてきたら尿酸値を7.0mg以下に維持できる量まで徐々に減量し、維持量をほぼ生涯にわたり投与してゆくのが痛風の再燃、再発を防ぐ上に大切である。
3)合併症に対する治療  高尿酸対する治療の基本に加えて仁昨日生涯、高血圧症、講師決勝などの合併症に体する治療を行う。食事療法が主であるが、必要あればそれぞれの薬物療法を行う。高血圧症に対する高圧利尿剤の投与は血中尿酸値を上昇させるので注意すべきである。


表 1 痛風の臨床分類


1.一次性痛風
 1)特発性痛風
2)尿酸合成過程における酵素欠損
   による痛風
2.二次性痛風
1)溶血性疾患、白血病、悪性リンパ腫
真性多血症などの血液疾患
2)悪性腫瘍
3)腎不全
4)乾癬症
5)薬剤性(例 利尿剤、アルコール、レボドパ、アスピリン、フェニルブタゾン、エタンブトール、ピラジナミド)
6)糖尿病性ケトアシドーシス
7)鉛中毒
8)高脂血症
9)肥満


表2 痛風の診断基準(アメリカリウマチ学会) 6項目以上を満たせば痛風と診断される


1)1回以上の急性関節炎の発作がある
2)発症後24時間以内に発作のピークに達する
3)単関節炎である

4)関節の発赤がある
5)第一中足趾節関節の疼痛、腫脹を認める
6)片側性の第一中足趾節関節炎の発作がある
7)片側性の足根関節炎の発作がある
8)痛風結節を認める
9)高尿酸血症の存在
10)X線上非対称の関節腫脹を認める
11)急性発作時の関節液に尿酸結晶を認める
12)急性発作時の関節液の培養が陰性である


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