ベルセルクとデビルマン

一方、ベルセルクはどうであろうか?
個人のためにまるっきり戦っているわけである。つまり、デビルマンとは間逆に進んでいるのである。
ガッツは集団に裏切られたわけではない。個人が個人に裏切られたのである。
グリフィスのガッツに対する嫉妬から、全ての悲劇が始まったのである。そして、それに対する憎しみでストーリーは 成り立っている。デビルマンは悪魔を倒すという希望から始まり、絶望へと変化し、最後にまた希望へと変わりゆく所で終わっている。 ということは、ガッツの憎しみが何に変化していくのか?これが今からのベルセルクの見所である。
変わらないという可能性もあるが今の話の流れからすると愛に変わる可能性が非常に高いと思われる。
それは、最近キャスカが非常に頻繁に出てきているということだ。
デビルマンにとって最後の一線を越えない理由は美樹にあった。それは、ガッツにとってのキャスカも同じ事。
デビルマンは美樹を殺すことで憎しみを作り出した。ベルセルクはあえてキャスカを殺さないことで愛を作り出すのでは ないだろうか?つまりは、キャスカを守るためにガッツが戦い出すのではないかということである。
今までのガッツはキャスカを見ないようにすることで憎しみを保ち続け、振り返ることで正気を保っていた。
しかし、今の話の流れだと、キャスカを直視しないわけにはいかないのである。
これはあくまで推測でしかない。
それでは最後にベルセルクとデビルマンの決定的に違う点を上げたいと思う。
それは武器の有無である。
デビルマンは武器を持っていなかった。つまり、彼自身も悪魔の一員には違いないということを暗に示していたのだ。
しかし、ガッツは武器人間といってもいいほど武器を持っている。
これは、人間と怪物が戦っているのだということを一番わかりやすく説明しているに他ならない。
ガッツが武器を持てば持つほどそれが人間ばなれしてはいるもののあくまでも人間であるということを我々に印象づけているのである。