刹那の探偵
第一話・笑い撃つ
僕は今、母校銘渓学園の前に立っている。
卒業してから半年近くたったがいまだにそれは不気味な監獄に見えた。
きっかけはある事件、そう、鱸肇が死んだときからだった。
そこから、さらに昭太郎が死に、さらに担任の名賀西先生が死んだ。
奇妙なのはそこからだった。
僕の記憶がなくなったのだ。
でも・・・
なぜか、ここに全てがあるような気がした。
半年前
「仲嶋昌和。」
「はいっ!」
思えば長いようで短い高校生活だった。
卒業は僕の高校生活を完全に過去のモノにしてしまうだろう。
感傷的な気分に浸りながら僕は、ステージへの階段を一歩一歩上がっていった。
最後の階段に足を乗せたその時に後ろで音がした。
バタッ
振り返るとクラスメ−トの喜多島がイスから転げ落ちていた。
誰もがギャグだと思い笑い、僕は少し喜多島を恨んだ。
(何も俺の時にやらなくても。)
立ち上がった喜多島を睨んだ僕が、異変に最初に気がついた。
(目がいってる??)
正直ギャグにしてはやりすぎだと思った。
現にみんな引いている。
クラス委員の二市が一応席に着かせようとした。
パンッ
乾いた音が体育館に響いた。
笑っている。
喜多島が・・・
パンッ
笑ってる。
パンッ
パンッ
何度目かの音で女生徒が悲鳴をあげた。
転がっている死体
赤く染まった床
そして、
向けられた銃口