里見英樹
by Eiki Satomi
2005年の新春企画として、有名なIT企業「メディアマジック」の
社長でハム(ex.JH8JWF)でもある札幌市の里見英樹氏よりマ
ダガスカルのRadio Nederland 中継局訪問の記事と写真をご
提供いただきました。貴重な資料をご提供いただきました里見
氏に感謝したいと思います。なおマダガスカルもインド洋大津
波の被害を受け、同国南東部の海岸に押し寄せた2メートル近
い波で約150軒の家が波にのまれ1200人が家を失ったと報道
されています。
Mr.Eiki Satomi, an IT industrialist (president of MediaMagic Co.)
as well as an radio amateur(ex.JH8JWF) in Sapporo, stayed in
Madagascar on November 20-26, 2004, to present amateur radio
equipment to Madagascar Radio Relay League. During the stay he
visited Radio Nederland Madagascar Relay Station, guided by the
relay station staffs, Solofo and Eddy, who have been employed for
more than 20 years, and also radio amateur operators 5R8ET and
5R8FT. The station is located at the hill , 30 minutes car ride
from Antananarivo, the capital city. They showed him 2 x 300kW
transmitters and new 250kW transmitter which is now in
construction. They said 130m new antenna will also be constructed
along with the new transmitter. The used transmitter tubes, which
are still very expensive, are sent to the US manufacturer,
recycled, and reused. This time, the special permission to
photograph the 300kW transmitting tube in operation was
given! When the operation begins, warning siren is blown to
promote to get away from the high power or high electric field
areas. Finally he received the special QSL card of the
station to commemorate the visit. This is Satomi's 3rd visit to
Madagascar. He has made DXpeditions to Madagascar with the call
sign of 5R8DF since 1992 when the amateur radio was banned in
Madagascar.
Note: One month after he left, south-eastern coast of Madagascar
was attacked by 2m high tsunami (Indian Ocean Tsunami on December
26). About 150 houses were swept away, and 1200 people were
reported to be rendered homeless.
2004年11月20日より26日まで、マダガスカルのアマチュア無線連盟にトランシーバやリニアアン
プなどのアマチュア無線の機材をプレゼントする目的でマダガスカルに渡り、その間5R8DFのコールサインでローバンドを中心にQRVし
てきました。
今回お世話になったのはRADIO
NEDERLAND MADAGASCAR中継局に勤務するSolofoさん(5R8ET)です。彼に会うのは1年ぶりです。前回マダガスカルを訪問した
時は、中継局の見学をして いなかったので、今回はじっくりと案内していただきました。
私自身、小学生の頃からから中学1-2年の頃にかけてはBCLに夢中だった時代がありました。RADIO
NEDERLANDも当然聞いたことはありましたが、まさか30年後に訪問するチャンスが巡ってくるとは夢にも思いませんでし
た!・・・・感慨深いものがあります。
RADIO
NEDERLAND MADAGASCAR中継局はマダガスカルの首都アンタナナリボから車で約30分くらいの小高い丘にあります。送信所はSolofo
さんと、Eddyさん(5R8FT)に案内をしていただきました。お二人とも中継局に20数年間勤めており、日本のBCLブームの事も
知っていました。
中継局は広大な敷地にアンテナがそれぞれ、アジア、オセアニア、アフリカ向等複数設置されており、タイム
スケジュール毎に切り替えて放送されています。
送信機は現用されているものが3台あり、出力は50-300kWで送信する地域や時間によって使い分けて
います。現在4台目の250kWの送信機(赤い筐体)を設置工事中で、木箱に入った送信管が近くに置いてあり、ヒーターが灯されるのを
じっとまっていました。またこれにあわせて130m高の新アンテナも設置予定とのことでした。送信管は非常に高価なもなので、この局では
使用済みの送信管はアメリカのメーカーに送り、リサイクルして使用していました。 パーツが保管されている部屋には、ドライブ用、中押し
用、ファイナル用の真空管やソケット、バキュームコンデンサ・・・etc、高圧パーツ好きの方には涎の出そうなものばかりが陳列されてい
ました。
送信機が設備されている隣の棟に、アンテナ切り替え器が設置されており、放送を開始するアンテナに高周波
を通し、接点を切り替えるためのモーターが沢山ありました。 このアンテナ切り替え器の棟から、各アンテナに同軸を通してドライブされて
います。
送信棟の屋上には、送信管を冷却するための巨大なラジエーターとブロアが設置されていました。
丁度送信所を見学している最中にサイレンが敷地内に響き渡りました。午後2時の放送が始まる合図で、高周
波や高圧がかかるところから退避しなくてはなりません。 放送をモニターしている卓では、RADIO
NEDERLANDのインターバルシグナルが小さく流れてました。私が近くによるとボリュームを上げて、放送をしっかり聞かせていただき
ました。オランダから衛星経由で放送番組を受信し、マダガスカルから世界に向けて短波放送をしている訳です。
最後に300kWで運用中の送信機の前でEddyさんとSolofoさんを撮影。送信中の真空管を特別に
撮影、お土産に送信所のQSLカードをいただき、見学を終えました。
マダガスカルへは1992年に同国でアマチュア無線が解禁になった直後に5R8DFのコールサインを取得
しペディションを行いましたので、今回を含めて3度目の訪問となります。インターネットの時代になり日本ではアマチュア無線を趣味とする
方が減っていますが、マダガスカルでは高校生、大学生への無線工学の学習や、世界観を身に着けるための良き教材としてまだ活用される余地
がありそうです(マダガスカルでもインターネットが普及し始めてますが)。今後、年に1回はマダガスカルを訪れ、現地のハムたちと交流を
図り、マダガスカルのアマチュア人口を増やすお手伝いをして行こうと考えています。
左: 首都アンタナナリボの風景 右:マダガスカル名物のアンモナイト屋
Left: Antananarivo, the capital city of Madagascar
Right: ammonite shop
左: Radio Nederland中継局の入り口 右: マダガスカル北部に生息するキツネザル
Left: entrance of the relay station Right:
lemurs found in the northern part of Madagascar
左: 局のEddy氏 右: Solofo氏
Left: Eddy Right: Sofolo both the relay station staff
左: 300kW送信機と両氏 右: 送信中の300kW送信機真空管
Left: Eddy and Solofo in front of the 300kW transmitter Right:
300kW transmitter tube in operation (dangerous!)
左: 現用300kW送信機全景 右: スペア送信管群
Left: 300kW transmitter, the general view
Right: spare transmitter tubes
左:巨大な送信管用ソケット 右: 赤い筐体に納められた建設中の250kW送信機
Left: huge socket of the transmitter tube Right: new
250kW transmitter in construnction in red case
左: 新250kW送信機の内部 右: 現用300kW送信機の背面
Left: inside of the new 250kW transmitter Right: back
of the 300kW transmitter
左: 電源部 右: 冷却用ブロワー
Left: power supply Right: blowers for
cooling (at the top of the building)
左: 制御卓 右: 制御室のスタッフ
Left: control desk Right: staff in control room
左: 送信室とアンテナとの間の巨大なバラン 右: アンテナ切換機
Left: huge balun between the transmitter and antenna
Right: antenna changer
送信アンテナ群
transmitting antennas
左: 送信アンテナ 右: ホテル内の里見氏のシャックでQSO中のSolofo氏(5R8ET)
Left: transmtting antenna Right: Solofo(5R8ET) at
Satomi's schack in the hotel
左: マダガスカルのアマチュア無線家達 右: アマチュア無線家とテレコム関係者(前列右から2人目の黒いジャケットを着ているのが
里見氏)
Left: radio amateurs in Madagascar Right: radio
amateurs and telecommunication officers in Madagascar (Mr.Satomi
is at the front row, second from the right, wearing black jacket)