Radio Veritas Asia (Philippines)

  Radio Veritas Asiaはフィリピンを代表するカトリック放送局で、1976年から1992年には日本語放送も行っていたことがあった。同局の 始まりは1961年で Quezon市のSanto Tomas大学から当初「Santo Thomas University Radio」(コールDZST)という名称で放送を開始し、Voice of the Catholic Philippinesに改名したあと現在の局名Radio Veritasとなった。放送は中波の他、低出力の短波でも行われたので日本でも受信可能であったが、アマチュア局に毛が生えた ような小規模な放送局であっ た。しかしカトリック教会の強力な援助で1968年にはコールサインがDZRVと改められ局もSanto Thomas大学からFairview  Parkに移転し、Malolosに2基のドイツ製100kW短波送信機を設置した。そして1969年4月に国際局に改組し 1970年には日本語の試 験放送も行うようになったが、1973年に創始者のCardinal Santos氏が死亡すると経営危機に陥り一時放送の縮小を余儀なくされた。しかし1975年には再び資金の目処をつけコールサ インはDWRVに変更し、 更に1976年には日本語を含む各国語による短波放送を開始した。 同局はフィリピンの民主化運動にも大きな影響を与え、1986年に独裁者マルコスが追放された時に重要な役割を果たした事は記憶 に新しい。なお現在の短波 送信施設はParauig Zanbalesにある。

 最初のQSLカードはRadio Veritasと改名した直後の1967年のもの、この頃の周波数は9690kHz(短波のコールはDZH5)であった。写真は Santo Thomas大学のメインビルディングである。伝統ある同大学のメインビルディングは現在も当時のままそびえている事は勿論であ る。

 最近の同局はインド・東南アジア向放送に徹しており極東向はロシア語のみで英語放送もないため日本では馴染みの薄い放送局と なってしまった。横長の QSLカードは昨年の受信報告に対するもので、1994年発行の国際放送局25周年(1969年4月の改組から)記念カードをわ ざわざ送って来てくれた。

  なお局名の「veritas」はラテン語で「真実」の意味であり、世界各国のカトリック局(例えばLiberia)で使用されて いる名称である。

  受信報告の宛先:  P.O.Box 2642, Quezon City - 1166, Philippines
  URL:    http://www.rveritas-asia.org/
  

1967年Radio VeritasのQSL (左)表面 Santo Thomas大学の写真 (右)裏面 当時の局長Peidag G.Roales女史のメッセージ  大きさ 139×90mm

 

2005年の受信報告に対する1994年の25周年記念QSLカード(表面) 鳩と「25」の文字は銀色  大き さ 220×100mm



同カードの裏面 サインはAudience Relations OfficerのCleofe Labrindao氏




(左)Fiarview Parkの同局スタジオ  (右)
Parauig Zanbalesの短波送信施設
 


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