Ulbroka Transmitting Station (Lativa)


 ラトビアには国際放送はないが、国際放送の送信所はある。それが有名なUlbroka送信所である。勿論かってはRadio Rigaという立派な海外放送があり、長いこと5935kHzで放送を行っていた。その時の送信所がUlbrokaで1972年 に設置されたGrom社製 の100kW送信機を使用して欧州向に行われていた。海外放送はソ連時代から行われてきたが、皮肉な事にラトビアが独立を回復し た後は予算削減のために 1999年に廃 止されてしまった。海外放送廃止後しばらくは5935kHzのままで
他 の放送局への賃貸 し専用の送信所と なった。その後周 波数は北米向にも使用でき る 9290kHzに変更された。一時英国のLaser Radio社が送信時間の賃貸を取り仕切っていたが、2004年からはKrebs TVという地元のメディア企業が送信時間の管理を行ってきた。勿論所有権は国営の管理機関Latvijas Valsts Radio ir Televizijas Centrs (LVRTC)にある。

 Ulbroka送信所の借用時間は他の国際放送と比べると格段に安く、欧州の海賊局などを中心に多数の放送局が「合 法的に」同送信所から放送 を行ってきた事は良く知られている。中にはARDXCのようにDXクラブが時間を借りて特別放送を実施した例もある。

 Ulbroka送信所から放送している放送局はそれぞれ独自のQSLを発行しているが、送信所独自でも発行が行われている。こ れは昨年末にKrebs TVに直接受信報告を送って獲得したレター形式のQSLだが、「月刊短波2006年7月号」に記述したように同送信所の管理権が Krebs TV社からRadio Neptune Interntional(RNI)社に移行されることが決定されたため、貴重なQSLとなってしまった。以前のログをお持ちの 方は今から送って見るのも 一法であろう。但しKrebs TV社もRNI社も社長はRaimonds Kreicbergs氏で同一人物である!社名が変わっただけではないかとも思われるが。

  RNI社は「短波放送業者」として免許を受けているため、今年の年末からは独自の短波放送も行う予定であるという(
Bernd Trutenau氏によるとそんな事はあり得なく、単なる放送利用者である筈とのこと!)。な お Ulbroka送信所は現在オー バーホール中で送信再開は秋か年末となる。Radio Rigaが廃止後特別放送を行った事もあったが、このところ放送はない。是非近いうちに特別放送でも良いから出てきて欲しいもの である。
 なおUlbrokaはラトビアの首都Rigaの市街地の東方にあり、森林地帯であったが最近は人口が増加している。

  受信報告の宛先:  Krebs TV, P.O.Box 371, Riga, LV-1010 Latvia


Krebs TVから届いたQSLレター(大きさはA4版、サインはDirectorで同社のオーナーのRaimonds Kreicbergs氏)



(左)Ulbroka送信所の鉄塔 (右)100kW送信機  何れもMV Baltic RadioのHP http://www.mvbalticradio.de より



Ulbrokaの航空写真 中央のJuglas湖の畔に鉄塔が見える 密集した市街地の外で森が多い



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