Voice of Africa (Libya)


  リビアの正式名称は「大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国」という凄い名前である。国の名前に「大」がついているの は、昔の大 日本帝国、隣の大韓民国とそう珍しいことではないが、名前の長さには驚く。放送局の正式名称もThe Great Siocialist People's Libyan Arab Jamahiriyah Broadcasting Corporationととても長い。この「ジャマヒリーヤ」とうのはリビア独自の政体でイスラム法と人民主権に基づく直接民主制を意味すると言 われてい る。

 海外向放送の名称は最近「Voice of Africa」になっている。現在のカダフィ大佐が1969年に王政を倒して政権を取ってから今年9月1日で37年となる、長い間アラブの過激派 盟主とし て米国と対立してきたが、今年5月に米国と国交を回復し、今後はアラブよりもむしろアフリカの盟主としての主導権を発揮しようとしていると言われ 放送局名 にもその意図を伺うことができる。

 国際放送は従来Tripoli郊外のSabrathaにある500kW送信機、Benghaziにある100kW送信機によって行われてきた が、 短波については近年外国からの送信に依存しており、少し前まではマルタ(代表事務所もあった)から送信が行われ、最近はフランスから行われてい る。

 返信にはムラのある局であったが、米国との関係改善以降は観光(地中海沿岸にレプティスマグナやサブラータ等ローマ遺跡の世界遺産がある)に力 を 入れたせいか、観光情報を入れたCD-ROM等が気前良く送られてくるようになった。但しQSLカードは単なる「絵葉書」の、「完全不完全ベリ」 (必要事 項が完全に何一つ記入されていないベリ)となってしまった。元々は正式のQSLを送って来るので有名な局であったのだが。受信報告用紙は中々立派 なものな のであるが!なお受信報告用紙に使われている緑色はリビアのナショナルカラー(マホメットのターバンの色)であり、国旗は緑一色である!

 手元に王政時代の1967年に発行されたQSLレターがあったので合わせて掲載しておく。この頃はLibyan Broadcasting & Television Serviceと称していた。これも今となっては貴重なものとなってしまった。

 なお「Voice of Africa」をググると出てくるのは同局ではなく、ロンドンのコミュニティー局であるので注意すること。同局のHPは建設中で2006年9月初 め現在は ロゴマークしか表示されていない!
 
  内戦で観光どころではない国と比べ、観光に行ける国は確実に良い国である。


  受信報告の宛先:  P.O.Box  4677, Tripoli, Libya  (私書箱番号は2009、4346もある)
 FAX:  +21 821 444 9875
  E-mail:   africavoice@hotmail.com または  info@voiceofafrica.com.ly
  URL    http://www.ljbc.net  (全体)
            http://www.voiceofafrica.com.ly (国際局、建設中)
 

現在発行されている「完全不完全ベリ」 表はサブラータ(本土の送信所もここにある)の古代ローマ円形劇場 裏にはVoice of Africaのシンボルマークがある
大きさ 145×97mm
  
 


(左)放送局のパンフレットも観光案内のようである (右)緑色の専用受信報告用紙
   


(左)同局の最近のロゴ 歴代のアフリカの指導者の中でカダフィ大佐が大きく描かれている (右)最近は米国との友好関係が強調されている (同局のHPよ り)

 


王政時代のQSLレター 当時の短波送信所はTripoliで100kW




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