Radio St.Helena (セントヘレナ)

 セントヘレナは大西洋に浮かぶ英国領の絶海の孤島である。 エルバ島を脱出したかのナポレオンがワーテルローの戦いで敗れた後流され生涯を終えた地であ るといえば聞いたことがある筈である。このセントヘレナ島で放送が始まったのは1967年で、1944-45年Marconi社製送信機を改造した中波送 信機(450W)を使用しての放送であった。同島にはCable & Wireless社のユーティリティ用短波送信機もあったため、アマチュア無線家の要望等により1990年10月に初めて同社の1.5kW短波送信機に中 波の信号を取り込み11092.5kHzUSBで短波放送が実施された。この放送は1992年以降この時期に毎年「セントヘレナデー」として行われるよう になり、同局は1年に1回しか受信できない「七夕局」として世界的に有名になった。しかしCable & Wireless社が老朽化した短波送信機を廃止して衛星通信に切り替えた事により1999年10月23日を持って放送は打ち切られた。一昨年よりこれを 復活させようと世界中のBCLやアマチュア無線家が資財を集めRadio St.HelenaやSt.Herena政府の協力を得て2006年11月5日の早朝に「セントヘレナデー」が復活した。昨年の送信は局舎の前に設置され た13mのタワーから、1kWで過去と同じ11092.5kHzUSBで行われ世界中で良好に受信された。送信機はアマチュア用の八重洲FT-757G (100W)に1000Wリニアアンプを組み合わせたもので、正にアマチュア仕様(コールサインのアマチュア用ZD7RSD)である。放送に協力した Radio St.Helenaは現在島内向に
Harris 社製1kW送信機により1548kHz で放送を行っており番組はBBC World Serviceの中継が主であるという。なお他に同島にはFM局Saint FM(90.0 93.1MHz)もある。
 受信状態は以前より今回の方が良かった位である。下の写真の新旧の送信機を比べて見て欲しい。
 「セントヘレナデー」の実施に当たっては事前にDXクラブ等から寄付を募った他、QSL作成費用として受信報告にも寄付を同封してもらうという苦肉の策 を取った。日本での寄付活動を推進した大武逞伯氏は復活「セントヘレナデー」の放送に録音出演されたため聞かれた方も多かったと思われる。
 受信報告は27カ国から217通寄せられたそうで、ちょっと少ない感じもするが、日本からのものがかなりあったらしい。QSLの発送は4月18日から行 わ れたが、同島には空港(2010年にやっと完成するらしい)がなく、船はアセンション島との間に年14便、Cape Townとの間に年12便、英国ポーツマス港との間には年1便だけである。同日発の船便でアセンションション島に送られ、そこから航空便でロンドン、ロン ドンから世界各地にという経路をとったため、小生の手許に届くまでに何と19日を要した。世界にはまだこんな場所が存在するのである。QSLの送付は Station ManagerのLaura Lawrence女史が専ら行った。比較のために1993年のQSLカードも一緒に掲載しておく。デザインはほぼ同じだが、2006年の方は若干サイズが 小さく、色も赤・青の二色刷と一色減色になっており、苦心の程が伺える。今年以降も是非継続してもらいたいものだ。
 なお同じ時期に丁度DSWCI(Danish Shortwave Club Interntional)が創立50周年を迎え、こちらからも記念QSLカードが発行されたのでこちらも掲載した。
 蛇足だが、石川俊彦氏が受信報告を出そうと郵便局に行った所、「セントヘレナ」と言ってもどこだか分からず、「あのナポレオンが...」と言っても「ナ ポレオンって?」だったそうである。日本の教育崩壊がすぐそこまで来ている感ありだ。

 連絡先:   Station Manager, Radio St.Helena, Pounceys, St.Helena Island, STHL 1ZZ South Atlantic Ocean

   E-mail:     station.manager @ helenta.sh

   URL:       http://www.news.co.sh      http://www.sthelena.se/radioproject/index.html



2006年復活セントヘレナデーのQSL 発行者はLaura Lawrence女史 コールサインはアマチュアのZD7RSD 発行番号は196号 大きさ147×104mm
  

1993年セントヘレナデーのQSL 発行者はTony Leo氏 赤・緑・青の三色刷 C&Wの3文字コールサインZHHが入る 発行番号は225号 大きさ169×110mm



(左)局のある中部の地図 (中左)Station ManagerのLaura Lawrence女史 (中右)貼られていたナポレオンの切手 (右)1999年迄使用されていたC&W社の旧式送信機
    
(左)局舎近くで13m鉄塔を建設中のスタッフ (右)送信機を調整中のRobert Kipp氏




DSWCIからも50周年記念としてQSLカードが発行された 発行者はAnker Petersen氏


地図はhttp://www.sthelenatourism.comより、それ以外の写真は
http://www.news.co.sh より


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