RIAS-Berlin / Deutchlandradio Kultur (ドイツ)

 
   今回はドイツのベルリン(Berlin-Britz)につい最近まであった短波局である。最近の名前は「Deutchlandradio Kultur」、名称の通り音楽など文化的な内容の番組を放送する局で、日本で言えばNHK第2放送に当たる。勿論全国各都市においてFMで放送されてい るが、その他に全国をカバーするために長波の177kHz(Oranienburg)、990kHz(Berlin)を使用し、更に短波の6005kHz (Berlin)も使用していた。日本では早朝に時刻に比較的良く受信でき、短波で延々とクラシック音楽を流す局として有名であった。しかし今年 (2007年)の7月16日ベルリン市街南部のBritz地区にあった短波送信所の施設が突然の火災に見まわれ、Telefunken社製 S4001型送信機(1983年製、出力100kW)を燃損してしまった。復旧費用は10万ユーロ(1680万円)と見積もられ、費用対効果を算定 したところ同社では検討の結果復旧せず短波放送を中止することを決定した。
   6005kHzの短波送信は非常に複雑な運命を辿って来た。短波送信の始まりは1948年のRIAS-Berlin局に始まる。「RIAS」は Rundfunk Im Amerikanischen Sectorの略で「アメリカ地区の放送」という意味であった。RIAS-Berlinの創立は第二次大戦終 結直後の 1946年だが、1948年に東西冷戦が激化し、ソ連 によるベルリン封鎖という事態になった。そして1949年に米軍が進駐していたアメリカ占領地域に当たるBritz地区から東独向にRIASの短波放送が 西ドイツ政府と米国政府によって 開始された。東西方向のダイポールアンテナを張り、東独全体をカバーできるようにした。周波数が6005kHzになったのは1951年とのことであるの で、実に56年間この周波数が使われた事になる。なお1954年には西ベルリンの公共放送として新たな放送組織「自由ベルリン放送」(Sender Freies Berlin:2003年に旧東独側のOstdeutscher Rundfunk Brandenburgと合併してRundfunk Berlin-Burandenburgとなった)が組織された、こちらの方も東側での聴取を前提にRadio Bremenの送信機を借りて6190kHzでも放送した。勿論RIAS-Berlinはその後も併行して「西側の声」としての役割を強め、 テレビが普及する前は東独で非常に人気の高い放送であった。1973年には中波の990kHz(この周波数も現在Deutchlandradio Kulturに受け継がれている)も加えられた。RIAS-Berlinの放送は東西ドイツが統一されてその役割が終わる1994年まで続いた。
   第二次大戦前はドイツの放送は「Deutchlandsender」によって行われていたが、東西に分割後は、西独では 「Deutchlandfunk」、東独では「Berliner Welle」後には「Stimme der DDR」という名称で行われていた。1990年にドイツが統一されると旧東独の局名は戦前の「Deutchlandsender」に戻され、 「Stimme der DDR」の第2放送は「Deutchlandsender Kultur」と改称された。そして1994年に「Deutchlandfunk」と 「Deutchlandsender」が完全に合体して「Deutchelandradio」となりその時RIAS-Berlinも短波送信機ごと吸収さ れ 「Deutchlandsender Kultur」を受け継ぐ「DeutchlandRadio Berlin」となった。そして更に2005年3月に再編成されて第2放送は現在の「Deutchlandradio Kultur」、第1放送は「Deutchlandfunk」となった。
  6005kHzの廃止で、「Deutchlandradio Kultur」はドイツに行かないと受信できくなった(番組はインターネットでも聞くことができる)が、これでBerlinに短波局が無くなってしまった 訳ではなく、第1放送「Deutchlandfunk」用の6190kz(こちらもRadio Bremenから受け継いだ送信機でかってSender Freies Berlinが中継放送していた由緒あるもの)が残っているので受信のチャンスはまだある。QSLカードも共用である。
   RIAS-Berlinの本拠地として使用されていた丸い建物は現在も「Deutchlandsender」の本拠地として使用されているが、玄関の上に は「RIAS」の文字が健在である。


  宛先:  Hans-Rosenthal-Platz, 10825 Berlin, Germany
  E-mail:  hoererservice @ dradio.de
  URL: http://www.dradio.de/kulturnachrichten/


Deutchlandradio KulturのQSLカード Deutchlandfunkと共用 AM、FM、DAB、DRM、衛星モードが記述されている 大きさ148×105mm

  



冷戦時代の1967年に獲得したRIAS-BerlinのQSLカード 焼付けの白黒写真と当時の車が時代を感じさせる 局舎の上にはダイ ポール アンテナが見える
周波数は当時も6005kHz、出力は50kWであった カード表面の左上に「自由な世界からの自由な声」と書いてある  大きさ155×102mm

 


現在のDeutchlandradio Kulturの建物 RIAS時代と同じ建物で、「RIAS」の文字が残っている
屋上には「Deutchlandradio」の文字が




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