Radio Kuwait  (クウェート)

 ある日クウェートから大きな郵便物が届いた。早速開けて見ると立派な卓上カレンダーが同封されていた。カレンダーを取り出すと、10ヵ月前に送った受信 報告(21:45-22:30 17885kHz)のQSLとおぼしきカードがひら ひらと飛び出してきた。石油景気で湧くクウェートであるが、放送局からの返信にはムラが多くあまりサービスは良い方ではない。このところ「完全不完全ベ リ」(要するに証明する事項が何一つ記入されていない単なるお礼の絵葉書)の発行しか行われないようだ。局を所轄しているのは情報省(Ministry of Information)だが、このところオイルマネーで外国のメディアやコンピュータ関連企業の買収に熱中しているらしく、本業(?)の放送の方はおろ そかになっているような感じもする。昨年は局内で人事トラブルがあった事も報じられ、数年前に開始したインターネットの24時間多チャンネルストリーミン グ放 送も最近中止されてしまった。
 比較のために1966年のQSLカードも掲載して見た。こちらの方は図柄は地味だが、一応タイプで周波数と日付は記入されており、普通の「不完全ベリ」 である。
 Radio Kuwaitが産声を上げたのは1951年5月12日であるから、今年の5月で開局57周年ということになる。当時の送信出力はわずか500Wで、 Naif宮の一角に中波送信機が設置されていた。その後短波でも放送するようになり、放送局は現在と同じ情報省のビルに移転された。1961年に英国から クウェー トが独立した前後にはJewanに10kW、Magwaに50kWの短波送信機が設置され海外向放送の準備も整っていた。アラビア圏では禁止されていた女 性アナウンサーも独立と同時に一早く起用した(但し女性の参政権が認められたのは2005年)。その後1968年には首都の35km西南の 砂漠の中にKabdに短波送信所が整備され、1990年のイラクの侵攻前には250kW送信機4基と500kW送信機12基を有する大短波放送局に発展し て、欧州・ 北米向に海外放送を実施していた。1990年にイラク軍の侵攻で占領されていた時期には拠点を隣国のサウジアラビアに移して放送を続け、多国籍軍の勝利で 独立を取り戻した1991年3月3日の2日後には元の拠点からの放送(中波)を復活した。Kabd送信所はその後も送信機を整備し、現在 では500kW短波送信機5基を有しており、一部はDRM送信が可能な最新型である。放送局は現在も情報省の直轄である。国際放送はアラビア語、英語の 他、ペルシャ語、ウルドー語、タガログ語で行われている。タガログ語の放送が行われている背景にはフィリピンからの出稼ぎ労働者が多い事がある。

 受信報告の宛先:  P.O.Box 193, Safat, 13002 Kuwait
  E-mail:   info @ media.gov.kw
  URL:   http://www.media.gov.kw  (機能していない)


(左)21世紀の今日はカラーではあるが典型的な「完全不完全ベリ」(単なる「お礼の絵葉書」) 図柄は上左がLiberty Towerと上右が王宮、下はバザール 大きさ 95×145mm
(右)所轄するクウェート情報省のHPに見られる国章は海洋国家であることを表している

 



(左)1966年のQSLカード(実際には2つ折りのフォルダーカード)の表 Kabd送信所の緯度・経度が記入されている Kuwait はまだマイナーな国であったためArabiaと書いてある 大きさ163×112mm
 世界地図には台湾、フィリピン、ジャワも省略されているが日本は大きく描かれている
(右)同カードの裏 一応受信月日(1966年5月9日)と周波数9520kc/sがタイプで記入されている 当時の所轄官庁名はMinisty of Guidance & Information(指導情報省)




(左)イラク軍撤退後に完成した372mのTV塔「Liberty Tower」 東京タワーより高い (右)局舎から送信所に信号を送るマイクロ波回線のアンテナ
 


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