MRHS Coastal Station KSM
〜旧San Francisco Radio KPH/KFS〜 (米国)

 KSMは米国Maritime Radio Historical Societyが現在所有・運用する海岸局のコールサインである。この局の運用はかってのSan Francisco Radioと呼ばれた海岸局KPHとKFSとの関連で行われている。
 太平洋岸で最も初期に当たる海岸局KPH(開設当時のコールサインは2文字コールでPH)が
サ ンフランシスコに 開設されたのは1906年である。KPHはその後RCA社の所有となり通信量の増大により1920年代にはサンフランシスコの北方約50kmの太平洋岸に 突き出した岬であるPoint Reyesに局舎と受信所を、その途中でサ ンフランシスコの北方約20kmのBolinasに送信所を設置した、何れもサンフランシスコ市内から金門橋を北に越えた太平洋岸で霧や季節風の吹き付け る場所である。送信所と受信所を別の場所に設置した理由は、同一周波数での送受信を行う場合に送信 波が遠方からの受信波に与える悪影響を最小にするためである。この頃はCWが中心であったが、1930年代に入るとRTTYの送受信も開始し、太平洋 側を代表する海岸局となり、多数のRCA社製送受信機を備えて黄金時代を迎えた。戦後も1970年代位までは黄金時代は続いたが、通信が徐々に衛星経由に 移行するに至り、同局は1997年に衛星通信会社であるGlobal Wireless社に売却されるに至り、同社は縮小しつつある短波通信を同年7月2日に、サンフランシスコの南方40kmの太平洋岸のHalf Moon Bayに本拠地と受信所があったKFS局(開局は1912年、送信所は南方30kmの湾岸にあるPalo Alto)と統合してPoint ReyesにあったKPH局は廃止となった。KPHのコールサインはその後は旧KFS局に受け継がれたが、旧KFS局からのCW信号の送受信も1999年 7月 12日に廃止され、その後KPHのコールサインはSITOR信号のみで聞こえたが、最近ではこれも廃止されでデジタル信号のみとなり事実上は受信対象から 外れて しまった。なお現在でもITUにはKPHのコールサインはCalifornia Radio、KFSのコールサインはPalo Alto Radioとして登録されてはいるが、運用実態があるのかは不明である。
 旧送信士やアマチュアで構成されるMaritime Radio Histrorical Society(MRHS)はこの事態に危惧を覚え、1997年に「KPH Project」を発足させ、旧KPH局の設備・建物を引継いで維持して行くことになった。その後旧KFS局の送受信設備も引き継ぐことになった。また CW/RTTY通信技術の維持・訓練を目的とした独自の海岸局KSMをFCCに申請して認められた。
 MRHSでは旧KPH、KFS局の設備を修理・利用して、ボランティアにより毎週月曜日の04:00-08:00にCWは426 500 4350.5 6474 8348.3 12993 16914 22445.8kHz、RTTYは8433 12631kHz(何れもKPH/KFS局が使用していた周波数)でKSM局の定期運用を行っている。更に年1-2回(第1回目はKFSのCW廃止後一周 年にあたる2000年7月12日であった)、KPH及びKFSのコールサインも使用した長時間の特別運用も実施し、この時にはアマチュア無線 局K6KPHを開設してCW の交信も行っている。
通 信士をリタイヤした金 持ちが多くしかも職能別組合の強い米国ならではである。経済的凋落で悪い面ばかりが強調される米国だが、こういう活動が可能であるという良い面もある。
 最も最近の特別送信は2009年1月1日の午 前〜夕 方(日本時間)に行われ たが、1950年代のRCA社製の送信機を実際に使用した6474kHzの CW信号が夕方の送信終了直前に入感した。受信報告に対してはGobal Wirelsss社の「電報用紙」を利用した粋なQSLが発行された。ボランティア活動によるものなので返信料として2ドル程度を同封するのが礼儀であ る。
 なお古いQSLカードの中から旧KFS局のQSLカード(局の手作りのものである)が出てきたので合わせてこれも紹介する。

  受信報告の宛先:
 
Ms. Denice Stoops, QSL Mistress, Maritime Radio Historical Society, P.O. Box 381, Bolinas, California 94926, U.S.A

  E-mail:   info @radiomarine.org

 URL:  http://www.radiomarine.org


(左) Point Reyesの旧KPH局舎 (http://www.radions.net/comrcial.htmより)  (右)Bolinasの送信アンテナ群(MRHSのHPより)
  

Globe Wireless社の電信用紙を利用したQSL  
サ インはStoops女史


同QSLの裏 受信周波数とサイン KPH KFS K6KPHの周波数や送信機・アンテナが記入されている 


(左)MRHSが修復したRCA製PW15送信機(MRHSのHPより) (右)K6KPHのQSLカード
 


1975年に取得したSan Francisco  Radio KFSのQSLカード 当時はITTの配下であった 送信機は上記の写真にあるPW15!
本部と受信所はHalf Moon Bayだが送信所はPalo Altoでやはり分かれていることが記載されている
 


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