Radio Habana Cuba (キューバ)

 世界に残る数少ない社会主義国として気を吐くキューバの国際放送がRadio Habana Cubaである。現政権系の最初の短波放送は1958年に有名なChe' Guevaraが開始したRadio Redelde(だから現在でも別局として短波放送を行っている)だが、国際放送としてはRadio Habana Cubaであり試験送信の開始は1961年4月16日、正式送信の開始は同年5月1日である。当時スイスぼBrown Boveri社製の10kW周波数固定送信機(6000kHz)にダイポールアンテナで世界に向けて短波放送を開始した。送信所は現在と同じBauta送 信所(首都Habanaの西郊にある)であった。当時のソ連の援助もあり、欧州系の新型送信機が続々と導入され、1965年には100kW送信を行う中米 最大の短波放送局に成長した。また一時はベトナム(南北に分割されていた時代の北ベトナム)、北朝鮮、ソ連から放送が中継されたこともあった。ソ連崩壊後 は中国の援助で送信機設備の増強が行われており、Bauta送信所ではCRIやRadio Nacional de Venezuelaの送信も行っている。なお他国と同様に現在は放送局と送信所管理会社の分離が行われておりRadiocubaという送信会社が Radio Rebeldeの分も含めて送信を行っている。

 現在英語、スペイン語等9つの言語で放送を行っているが、送信施設が整備されているため日本でも受信のチャンスは多く、また受信状態も概ね良好な事が多 い。英語放送でDX番組「
DXers Unlimited」を担当するArnie Coro氏は同局の人気アナウンサーである。

 社会主義国では対外放送は重要なプロパガンダの手段であるため、同局も中南米局としてはリスナーに対するサービスが良い方である。しかし他の社会主義国 の例に漏れず同国でも経済が停滞しており、郵便事情が悪化して古くからある私書箱6240番(Apartado 6240)に手紙を出しても届かない事が多いようでこのところ返信はあまり安定していない。最近は同国でもインターネットが通常の通信手段となりつつある ため受信報告や手紙はE-mailの方が安全である。これは旧社会主義国であるロシアにも言えることであるが。
 掲載のQSLカードは昨年受信報告を送り、今年になってcorrespondent departmentのLoudres López氏に再度直接E-mailして送られてきたもので、2006年発行の開局45周年記念カードである。今年は開局48周年に当たりキューバで発行 された切手に関しての作文コンテストを実施している。

 社会主義国として「気を吐いて」おり、先進国で起こっている恐慌騒ぎには巻き込まれてはいない。社会主義国の常として経済は停滞気味で、外国人と現地人 の二重通貨制度(外国人はCUC、現地人はNM)がとられているほどであるが、それでも昨年度の一人当たりGDPは$9,500と、同じ社会主義国の北朝 鮮の5.5倍、中国の1.5倍とまあまあ健闘している。国家方針として教育、医療の平準化を進めた結果、5倍の一人当たりGDPを有するが貧富の差が激し い米国と平均寿命は同じ水準(77歳)である。1月に紹介したブータン提唱のGNHでも世界6位と高い位置にある。一人一人の欲望を抑える方策でスローラ イフを実践している国といえる。1962年以来米州機構(OAS)からは米国によって追放されていたが、今年4月に行われた米州機構首脳会談では次期総会 でキューバ復帰を議題として取り上げる方針が事務総長から示されるなど、米国との関係もこのところ修復の兆しがある。米国流の強権資本主義は拒否するが、 貿易や観光客(スローライフだけでなくサルサに代表される音楽、食べ物、カリブ海リゾート、世界遺産等観光資源は豊富である)は受け入れて更に国力の充実 を図りたいところであろう。
 
 参考のために100kW送信体制が完成して受信が容易になった1966年のQSLカードも掲載する。世界の切手を配しているが、日本の当時の10円切手 が懐かしい!周波数は最近受信したものとほぼ同じである。当時からカードは横長のものが好まれているようである。

 受信報告の宛先:  Infanta No.105, esq.25, 6to piso. A.P.6240, Habana, Cuba

  E-mail:   radiohc @ enet.cu

  URL:    http://www.radiohc.cu



2006年発行の45周年記念QSLカード (大きさ 96×210mm)
背景は1956年にゲバラ・カストロらの革命軍が「グランマ号」でメキシコから上陸したキューバ南岸Desembarco del Granmaの灯台と要塞で、現在世界遺産となっている




45周年記念カードの裏面 ハムのQSLカードの形式である 文言はスペイン語



1966年受領のQSLカード   文言は英語とフランス語 ロゴが現在のものとは若干異なる (大きさ 99×203mm) アンテナの位置はBauta送信所を示す
下右から3枚目の切手は当時の日本の10円切手(桜の図柄)



(左)太陽黒点が再現して喜ぶArnie Coro氏  (右)最新式機器を備えたスタジオ
    


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