Radio Hargeisa(ソマリランド)

 海賊で有名なソマリアは昔はソマリランドと言った。しかも北半分は英国領、南半分はイタリア領であった、1960年に先ず北の英国領が独立し、同じ年に 南のイタリア領も独立し、合併してソマリアとなった。強力な独裁政権が全土を抑えている間は統一が保たれていたが、これが弱体化すると昔の北半分、南半分 の問題が再 燃し、1991年には北の旧英国領ソマリランド部分が「ソマリランド」(以下単にソマリランドと称する)として独立宣言を行った。これを機に、南も各部族 に分 裂して、手のつけられない内戦状態に 陥って現在に至っている。元々英国の軍事会社が組織した海賊がこの地域の収入の源となっており、英米欧だけでなく日中韓の軍隊まで海賊退治に駆り出される 状況 になっている。

 南部の旧イタリア領地域にはソマリア暫定政府が設立されたものの混沌状態は収拾できず、短波放送もいくつかが出現しては消えて行った(内戦 以前は首都Mogadishuから国営のRadio Somaliが短波放送を行っていた)。一方北部のソマリランドには議会もあり、大統領もいて国の体裁を取っているが国際的にはまだ国としては承認されて い ない(NASWAのカントリーリストでは南側とは別国になっている)。

 ソマリランドの首都がHargeisaで、そこから実施されている短波放送がRadio Hargeisaである。この放送の歴史はソマリア全体でも一番古く、初めての放送は英国軍によって1941年に開始された。当初わずか100W であったが、1943年には600WとなりRadio Kuduという名称で放送、その後1kWに増力した。初めてのソマリ語放送局としてRadio Hargeisaが組織されたのは1948年であり、1951年にはRadio Kuduの施設を受け継いで放送するようになった。そして1955年には新局舎を建設して5kW短波送信を行い、独立時の1960年には英国から Marconi社製のBD268型10kW送信機を贈られ、ソマリアになった後も地方短波局として国営局Radio Somaliの番組の中継を行う他に独自の番組を放送していた。この放送は7120kHzで行われ深夜に日本でも良く受信された。局舎は1988年にソマ リランドが反乱を起こした時鎮圧に当たった当時のソマリア政府軍に破壊されてしまったが、送信施設は温存され、その後も25mbまたは 7120kHz(時々6MHz台にVすることもあった)で放送が継続した。ソマリアが崩壊した後も放送は続けられ、21世紀になってからは7530kHz を使用していた。2002年にはUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)からの設備援助も受けた。送信機は前述のBD268を修繕して使用していたらしい が、このところ信号が途絶えていた。

 ところが今年(2009年)の3月16日より突如7145kHz(当初7120kHzと発表していた)で試験放送、3月30日には本放送を再開し、深夜 の日本を含め世界各地で良 好に受信できるようになった。送信機やスタジオを新調したらしく(政府発表では送信機は3基あるとしている)、国民に「ほこりをかぶっていたラジオを取り 出して放送を聞こう」と呼びかけている。ソ マリランド政府によると放送は青少年の教育を目的としているが、強力な短波放送で近隣諸国にソマリランドの存在をアピールする目的も当然あると思われる。

 ソマリランドは混乱の続く旧ソマリアでは民主制度が保たれて安定した地域である。定期航空機(Addis Ababa, Djibouti, Mogadishu, Nairobi等を結んでいる)も飛んでいるし、国際電話やインターネットの 利用もできる。但し郵便については私書箱を持っているにも拘わらず現時点で日本から郵便物を出すことは出 来ない。

  ソマリア時代から受信が容易な割に返信はほとんど期待できなかった難局であったが、2000年よりドイツに代表事務所(Konsulting of Somaliland)が開設され、QSLの代理発行が行われるようになった。当初のQSLマネージャーはHarold Kahl氏、2002年よりは現在のBaldur Drobnica氏(DJ6SI)に引き継がれた。Baldur Drobnica氏は2004年には旧英領ソマリランドを訪問してアマチュア無線局の運用も行い、今年も訪問する予定があるという。QSLは今回の 7145kHzの受信に対して同氏から 発行されたもので、2000年以来使用されているデザイン(スタジオ内部の写真)である。なお7145kHzはA09シーズンからはオフバンドの周波数と なってしまったため、同氏はソマリランドの通信省に対して41mbで空いている 7500kHzに周波数を変更するように進言する予定であるという。なお受信報告にはIRCまたは現金(2ドルまたは1ユーロ)を返信料として同封する必 要がある。

 局の所在地: P.O.Box 14, Hargeisa, Somaliland  (郵便は届かない、WRTH2009ではメインストリート近くTima-Caddleの旧インド人クラブとなっている)

 QSL代理発行アドレス: Konsulting of Somaliland, c/o Baldur Drobnica, Zedernweg 6, 50127 Bergheim, Germany

  URL:  http://www.radiohargeysa24.com/   (live放送あり)

 E-mail:  
radiohargeysa @ live.com


QSLカード表面 大きさ 141×91mm
スタジオ風景の写真 但し10年前のもので、下記の写真のように現在では大幅に近代化されてい




QSLカード裏面
過去に使用された周波数が並んでいる Baldur Drobnica氏のサインとソマリランドの国章入りのスタンプが押してある
BerlinにあるQSL-SHOP社製




Radio Hargeisaのロゴ  左はソマリランドの国旗(上部のアラビア語「
لا إله إلا الله محمد رسول الله」は「アラーの他に神はなし ムハンマドはアラーの使 徒である」という信仰告白)
右は国章(天秤は「公正」、鷲は「民主主義」、握手は「自由平等」、オリーブは「平和」を表す、上部のアラビア文字は「慈悲 深く慈悲あまねきアラーの御名において」)




Radio Hargeisaのスタジオ風景 QSLカードに描かれた設備と比べると近代化されている

 


(左)町の北側の丘に立っていた旧局舎(1988年に破壊)

(右)町からよく見える「両乳山」(Buurta Nasso Hablood)
   



2004年にソマリランドを訪れて6O0W/0Xを運用したBaldur Drobnica氏のQSLカード(http://www.pileup.de.comより)
左から2人目が同氏





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ful ability of the Radio Hargeisa staff(*).