Radio Vlaanderen Internationaal (ベルギー)

 Radio Vlaanderen Internationaalはベルギーのフラマン系社会の国際放送であるが、A09シーズン限りで短波放送は全廃されてしまった。短波放送発祥の地であ る ベルギーだけに実に残念である。

 短波放送というものを世界に最初に実施したのは実はベルギーである。1914年3月28日、BrusselsのKaeken宮殿に設置された ユーティリティ用の短波送信機よりモールス符号とともに、アナウンサーのJoseph Longé氏が仏語でアウナウンスを行い、その後にクラッシック音 楽を流したのが最初の番組と言われている。しかしこの送信機はこの年に勃発した第一次世界大戦でドイツ軍によって破壊されてしまった。その後1923年に フランス語系のRadio Belgiqueが本格的な中波放送を開始し、1930年には国立のInstitute National Belge de Radiodiffusionとなり、フランス語とフラマン語の放送が中波で行われることになった。第二次大戦で再びベルギーはトイツに占領されたため 1940年に放送は中断、 同国の亡命政府は同年に当時のべルギー領コンゴ(現コン同年にゴ民主共和国)に短波送信機を設置、1942年には亡命先のロンドンにOffice de Radiodiffusion National Belge(ORNB)を設立、英国からベルギー向に中波放送を行うとともに、べルギー領コンゴからOTCの コールサインで短波放送も開始した。これが現在に続くベルギーの短波放送の始まりである。つまり放 送母体が英国、送信所は植民地という変則形態で短波放送 が始まったのである。ベルギーが独立を取り戻した1945年にはRuyselede送信所に5kW送信機2機が設置されてORUのコールサインでベルギー 本国からの短波放送が開始されたが、海外放送の主流はコンゴのOTCにあり、ORUの電波を中継して世界中に放送した。この体制は1952年にWavre 送信所が開設され100kW短波送信機2台の導入により、本国からの送信が主流になるまで続いた。

 ベルギーには大きくフランス語系とフラマン語系の人々がおり(他にドイツ語系もある、数はフラマン語系の方が多い)仲が悪く、現在では単一国家ではなく 連邦制をとっている。放送団体も1960年には Radio Télévision Belge (RTB、1972年以降RTBF)とBelgische Radio en Televisie(BRT)に分裂したが、国際放送はRTBによりニックネーム「La Voix de l'Amitie」(友愛の声)、ついで「La Voix de la Concorde」(融和の声)として継続されてきた。そして1977年には海外放送もRTBFとBRT(私書箱等はBRTに受け継がれた)に分裂した。 そして BRTはフラマン語(オランダ語)の他、英語、スペイン語、ポルトガル語、アラビア語、ドイツ語の放送を行いベルギーを代表する国際放送局となった。 1992年にBRTは名称を現在のVlaamse_Radio en Televisieomroepに改名したため、国際放送はRadio Vlaanderen Internationaal(RVI)と改名して現在に至っている。ベルギーの国際放送の継承という意味では1950年以来使われている 「P.O.Box 26」の私書箱を使用している点、外国語放送を展開していた点でRVIに継承されたと見るべきであろう。RVIはその後1994年には衛星放送を開始、 1995年にはいち早くインターネットサイトを開設するなど20世紀には増強に努めたが、21世紀に入ると一転縮小傾向になり、2001年にはWavre 送信所の使用を停止し他国の中継局の使用に切り替えた。この措置で一時は極東ロシアからも中継が行われるようになり日本で強力に受信できたこともある。し かし2005年に外国語放送はすべて廃止、1日4時間の国内向放送の中継のみになり、以降馴染みの少ない局になってしまった。ベルギー政府の「短波不信」 は大きく、今回の電撃的な短波放 送廃止措置となった。

 国家プロパガンダ、植民地支配、軍事上の優位確保のために青天井で国家予算を国際放送につぎ込む国際競争時代は終わったが、折角近代的設備を備えた Wavre送信所(これも社会資産である)を持っていながら全部これを捨ててしまうのは実に勿体ないことである。

 まだ組織としては残っており、インターネット放送と衛星放送で国内向放送を中継している。アジア向衛星放送はThaicom5衛星によって行われてい る。今となっては衛星放送を直接受信するか、現地に行って聞いてくるしか手がない。国内向中波は927kHz 300kWなので、太陽活動の低調な時期の冬に狙えない訳ではないが。
 もうひとつの国際放送RTBF Internationaleも短波廃止を公言しており、ベルギー発の短波放送はTDP Radioしかなくなってしまうことになる!

 受信報告の宛先: P.O.Box 26, B-1043 Brussels, Belgium
 
  E-mail :  info @ rvi.be

  URL :  http://www.rvi.be


1967年取得のQSL ORUのコールサインが残っておりいかにも海外放送局のQSLという感じである 大きさ150×105mm
当時のニックネームは「La Voix de la Concorde」




2001年のQSL 大きさ148×104mmm この頃の送信所はロシアのPetropavlovsk
(左) 表面: ブルッセルのラーケン王宮温室(Koninklijke Serres van Laken: 19世紀の国王レオポルド2世による温室、毎年GW頃公開)
        RVIのQSLだけにフラマン語、英語、ドイツ語、フランス語の順
(右) 裏面: こちらはフラマン語、フランス語、ドイツ語、英語の順

  

2001年当時のリスナーマガジン「Brussels」1043号 小生の手紙が紹介されている



(左)RVIの母体であるVRT本部(Wikipedhiaより)
(中)Wavre送信所の短波鉄塔(2001年まではRVIが使用、その後はRTBFが使用、2003年 Jéròme Pellot氏撮影) http://pagesperso-orange.fr/tvignaud/galerie/etranger/be- wavre-am.htmより
(右)RVIのロゴ
  




TopPage