ジョホールバルのサルタン放送局(マレーシア)
Sultan Stations in Johor Bahru (Malaysia)


 「BCLライフ2010」で星浩二氏も取り上げられている(「海外での受信でBCLを200%楽しむ!」)が、シンガポールは受信拠点として実に便利な ところである。小さな島であるためFMラジオを持って行け ば国内各局は勿論のこと、マレーシア、インドネシアの放送局も多数受信できることも魅力の一つである。今回はシンガポールで受信できるマレーシアの町、 ジョホールバルの放送局を取り上げる。

  ジョホールバル(Johor Bahru)はシンガポールの北にジョホール水道を隔てて対峙している。シンガポールとの間はコーズウェイと呼ばれる埋め立て道路(真ん中に小さな橋があ り海水は通じているが、船は通れない)で結ばれており、バスでウッドランドに行けば歩いて国境を渡ることができる。本数が 少なく、シンガポール駅の位置が不便だがマレー鉄道の列車で行くと最高である!
 現在は繁栄を極めているシンガポールも19世紀以前はここジョホールバルのサルタンの領土シンガプラ島であった。この島を英国東印度会社が1819年に サ ルタンから買い取って英国植民地シンガポールとした訳である。だから実はジョホールバルの方がシンガポールの「本家」である。
 ジョホールバルの町にも高層ビルが立ち並び、一見シンガポールの続きのように見えるが、国境を越えると広々としたサルタンの宮殿(イスタナ・ブサー ル)、大きなモスク(スルタン・アブ・バカール・モスク)など急に イスラム色が強くなり、名産品のスズや繊維製品の土産店が並び、観光施設のマレーシア文化村などもあり東洋の町という印象が強くなる。
 ここはユーラシア大陸の最南端の都市で、マレーシア南部の文化・情報の拠点でもある。今はシンガポール側のKranjiにあるBBC極東中継局も 1950年から1979年まではこの近くのTebrauに設置されていた事もあるし、マレーシア国内各ネットワーク局の支局も集まっている。
 サルタンの宮殿(一部が公開されている)に対面する丘の上に現在は州庁舎として使われているSultan Ibrahim Monumentがあるが、ここは1942年山下奉文将軍がシンガポールを攻略する時の臨時司令部となったことで有名である。更に1997年には日本サッ カーチームがこの地でイランを下しワークドカップ初出場を決めた「ジョホールバルの歓喜」の地としても有名で、日本とは少なからぬ縁がある土地である。
 ジョホールバルでローカルに番組を制作・放送している放送局がここで紹介する、RTM Johor FMとSuara Johorであり何れも地元のサルタンが運営・経営する局である。なおマレーシアでは国家政策で国土全体をカバーする高出力中波放送以外のローカルな中波 は一部を除いてほぼ廃止されており、ジョホール バルの放送局も FM放送中心であるが、市内は勿論、シンガポール全域で良好に受信することができる。

■RTM Johor FM
 国営Radio TV Malaysia(RTM)のジョホールバル放送局なのであるが、日本のNHK地方局とは異なり、地元の運営で「Johor FM」の名称でローカル番組を中心とした放送を行っている。放送局の開局はマレーシアが成立した1963年で、マレーシア成立後初めての地方放送局(局名 Stesen Johor Bahru)であった。開局当時は中波621kHz(10kW)で電波を発射していた。当初国の直営であったが1966年には地元サルタンのイスマイ ル・イブラヒム家に運営が委託され、局名はRadio Malaysia Johor Bahru(RMJB)となった。1989年には新たにFM放送「FM Stereo Johor Baharu」(FMJB)が開局し、FM/AMそれぞれの別番組となった。AM放送の方は1989年にRadio 3と改称、1992年には中波を廃止し、FM化された。FMJB、Radio 3ともに1994年には今年の1月22日に死去したサルタン故Mahmud Iskandar Al-Haj ibni Ismail Al-Khalidi殿下が建設した建物Sultan Iskandar Broadcasting Complexに入居した。1996年にFMJBは商業放送局Suara Johorとなった。残ったRadio 3は1998年にはRadio Malaysia Johorと改名、更に2005年にRTM Johor FMと改名して現在に至っている。放送時間は現地時間06:00-24:00で、Kuala Lumpurからのニュース以外は大半が自主制作番組で、制作スタッフも多数いる。主力周波数はGunung Pulai送信所の101.9MHzで、シンガポールでも良く聞こえる。他にBukit Tinggi送信所から東部向に92.1MHz、Gunung Ledang送信所から北部・西部向けに105.3MHzでも行われている。なおKuala LumpurのRTM本局からの6系統のラジオ番組の中継はJohor FMとは別に6つのFM周波数で行われている。
   受信報告は英語で良いが、現地切手、IRC、または米ドル紙幣の同封が必要。2007年9月にシンガポールにて101.9MHzを受信した時の報告に対し て のPFCでの返信があった。

 受信報告の宛先:  
Jalan Tasek Utara, 80900 Johor Bahru, Johor Darul Takzim, Malaysia

 FAX:       +60-7-224 5773

 E-mail:  rmj @ rtmjohor.gov.my

 URL:  http://www.rtmjohor.gov.my


2局の創始者故
Mahmud Iskandar Al-Haj ibni Ismail Al-Khalidi殿下(Wikipediaより)



(左)スタジオ風景 (中)新入出関システムの開所式中継 (右)局のロゴ
  


PFC 利用のQSLカード 受信地点はシンガポール キャッチフレーズは「南方の宝石」 





■Suara Johor
 Suara Johor(ジョホールの声)は上記のFM Stereo Johor Bahru(1989年開始)が、1996年に完全な商業局(経営会社はSuara Johor Sdn.Bhd.)として独立した局で、サルタンの経営である(先代サルタンの故Mahmud Iskandar 殿下が自分の好みに合う放送を行わせた)。同局では1989年に遡って「マレーシア最初の民間放送」であると言っている。ニックネー ムは「Best FM 104」で、設立当初から使用している。キャッチフレーズは「Sensasi Selatan」(南のセンセーション)で英語、マレー語による娯楽性の高い番組が特徴である。商業局化された1996年以降は24時間放送を行ってお り、シンガポールで最も人気 のあるバイリンガル放送局である。2000年10月にはBurhan Mohtaruddin氏が104(周波数と同じ) 時間連続 DJという世界記録を打ち立てたことでも有名である。本送信所は Gunung Pulaiの104.1MHzでシンガポールだけでなく更に南のインドネシア領リアウ諸島もカバーエリアにしている。他に北部をカバーする Gunung Ledang送信所(94.8MHz)、東部をカバーするBukit Tinggi送信所(102.5  MHz)があるが、特徴的なのはGunung Ulu Kali 送信所から同じ周波数104.1MHzで首都Kuala Lumpurもカバーしている点である。首都でも人気局になっているとの事である。FM山梨が東京をサービスエリアにしているのと似ているが、ジョホール のサルタンは首都にも文化的影響を及ぼしているのであり正に「Sensasi Selatan」なのである。2007年9月の受信報告に対してレ ター形式の受信証が送られて来た。
 あまり知られていないことだが、マレーシアはサルタン制度を残した王国であり、ジョホールを含めた9つの州にサルタンがおり、輪番制で国王の位につくこ とになっている。
故Mahmud Iskandar 殿下は1984-1989年には国王の位についていた。 現在は息子のTunku Ibrahim Ismail Ibni Almarhum Sultan Iskandar 殿 下(51歳)がジョホールのサルタンを務めている。

 受信報告の宛先:  
Bukit Pelangi, Jalan Pasir Pelangi, 80050 Johor Bahru, Johor, Malaysia

 FAX:    +60-7 335 1104

 E-mail:  下記のURL上からメール可能

 URL:  http://best104.smileyforum.net/



送られてきたQSLレター


(左)同局のステッカー 中央はロゴ 下部の「Max air play」は上述のDJ世界記録 (右)キャッチフレーズは「南のセンセーション」 
     


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