Radio Southern Highlands (パプアニューギニア)

 パプアニューギニアというと遠い国のイメージがあるが、昨今(2010年現在)は成田からニューギニア航空の直行便が週2便運行されており、夜乗って早 朝には Port Moresbyに着いてしまうほど身近なところになっている。パプアニューギニアには概ね各州(province)の州都に国営NBCの支局が配置されて おり、部族や言語の数が多いために独自番組の放送割合が高 い。3000m級の山が並ぶ中央部の南部山岳州(Southern Highlands Province)の州都Mendiから短波3275kHzで全州をカバーしているのがRadio Southern Highlandsである。パプアニューギニアの独立後の1970年代に、当時の他局と同じようにAWA社製の2kW短波送信機で放送を開始した。その後 日本の援助で1989年にNEC製10kW送信機HFB-7840Bが設置され、受信状況が改善されて今日に至っている。
 
 放送は順調に出ていたとは言えず、2003年には中央政府からの送金が途絶えて長期間に渡り電力料金が支払えなくなり、他の政府機関ととも に電力会社から送電を止められてQRT、2006年には短波送信所のあるLongoの地主との間で道路維持料の不払い問題が生じて、地主が送信所に通じる 道路を閉鎖してQRTするな ど、何回か放送が長期間中断した。この地域をカバーするメディアは Radio Southern Highlandsのラジオ放送だけであるため住民にとってはライフラインといえるもので影響も大きかった。

 南部山岳州は54万人の人口を抱え、パプアニューギニアで最も人口密度の大きな州である。また天然資源も豊富でオーストラリアに天然ガスを供給する パイプラインがPort Moresbyまで通じている。国家財政に寄与している割に中央政府の投資が少ないことと、部族が多いことで中央政府に対する反発もあるようで、2006 年 には州政府が中央政府に対して反乱を起こしたとして、非常事態宣言が出されたこともある。なお2012年には州が2つに分割されて、新たにヘラ (Hela)州が新設される予定で あるが、局のあるMendiは南部山岳州に残るので変わらない。

 局のニックネームは「Karai Bilong Muruk」というこの地方に棲むコヒクイドリの名前である。現在の南部山岳州の旗にもこの鳥が描かれてい る(下図参照)。タリ盆地のフリ族(男性は「Wigman」と呼ばれる特殊な風貌で有名)など原始的な生活形態を残す部族も多く、「シンシン」と呼ばれ る「歌い」な ど ユニークな民 俗音楽を豊富に聞くことができる局である。パプアニューギニア局は概して受信報告に対する反応は鈍い。しかしこの局はBCLに理解ある局長が歴代続いてい るら しく、手紙さ え届いていれば(この国には郵便の配達制度がないため、必ず私書箱に出す)返信が得られるようである。掲載したQSLレターは2008年2月の受信報告 (返信料として1ドル同封)に対して約1ヵ月後に送られてきたものである。パプアニューギニアは万国郵便連合加盟国で、 IRC(国際返信切手)を国内で売っていることになっているに もかかわらず、大 半の地域では通用しないと言われている。返信料は現地 切手、現地貨幣(日本までの航空送料は25gまでが1.45キナ、50gまでが5.35キナ)、またはドル札(1.45キナは約0.6ドル、5.35キナ は約1.8ドル)の方が良いらしい。

 受信報告の宛先: P.O.Box 104, Mendi, SHP, Papua New Guinea

 FAX:  +675 549 1017




(左)レター形式のQSL 発行者は2008年当時の局長Andrew Meles氏 「第二次大戦の時は日本軍が上陸してきたため、戦跡も沢山ある」と書いてある
(中)貼ってあった5.35キナの切手 右側にはwigman風の風俗の人が
(右)2010年現在の局長Jacob Mambi氏
          


(左)南部高地州の位置 Mendiの北東にはニューギニア第二の高峰Giluwe山(4368m)がそびえる 州の形自体がコヒクイドリに似ている!
(中)南部高地州の旗 中央には局のニックネームにもなっているコヒクイドリが描かれている
(右)コヒクイドリの図(wikipediaより)


                              




フリ族のWigmann(wikipediaより)



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