USCG Radio Station NRV (グアム)
米国沿岸警備隊(USCG:United States Coast
Guard)は米国の沿岸と領海を警備する軍隊であり、米国における5大軍隊(他は陸軍、空軍、海軍、海兵隊)の一つで42,000人の兵力を有してい
る。日本に最も近い場所にある本拠地(支所は日本の横田にもある)がGuamのApra HarborにあるUSCG Guamである。USCG
GuamはUSCG Honoluluとともに太平洋地区の第14管区に属している。基地のあるApra
Harborはグアム島の西岸に位置し、大きな内湾の中に更に3つの内湾を抱えた天然の良港で、現在はほぼ全域が沿岸警備隊と海軍・海兵隊の基地(沖縄普
天間基
地の移転先の一つとして名前があがっている)になっている。なお海軍もここにNPNという無線局を持っている。
USCGの無線局をCOMMSTAと称するが、USCG
GuamのCOMMSTA(コールNRV)は1972年に米本土のカルフォルニア州Point
Reys局(コールNMC)が創設された時に、ハワイ(コールNMO)、アラスカ(コールNOJ)の局とともに整備された。1970年代は軍用、気象情報
用のCWを中心とする無線局として大活躍したが、衛
星通信等の普及に伴い徐々にその役割は縮小して行った。そして1993年には自局のオペレーションを中止し、送信施設のみとなり、オペレーションは
Point Reysの本局から遠隔で気象・海路通報が行われる形になった。従って現在送信施設はあるが、保守中心のCommunications
Unitがいるだけである。現在でもコールサインNRVは健在で、音声による気象通報(近
日中に廃止される可能性が大)2波とSITOR(simplex teletype over
radio、テレタイプ)信号3波を送信中である。SITOR信号は通報時以外も24時間出ており、信号にはCWの部分があり"NRV"のコールサインが
現在でもCWで打たれて
いるので確認は容易である。USCGの本拠地(従ってNRV局も)はApra HarborのVictor埠頭にあるが、地域的にはSanta
Risaに属する。送信アンテナは内陸部のAgana南方にある。送信出力は5kWとのことである。QSLレターは2009年に8422kHzで
SITOR信号を受信した時のもので、1ドル紙幣同封の報告に対して52日後に送られてきた。当時は8MHz帯も使用していたが現在は使用されなくなっ
た。2011年2月現在判明している周波数・スケジュールは以下の通り。
音声海路・気象通報
6510kHzUSB 18:30 00:30
13089kHzUSB 12:30 06:30
SITOR海路通報 11:30 18:00 気象通報 14:00 00:00
04:00 08:15 12579 16806.5 22376kHz
受信報告の宛先: Communications Unit, USCG Sector Guam, PSC 455, Box 176,
FPO-AP 96540-1056
URL: http://www.uscg.mil/d14/sectguam/default.asp (NRVについての記述はない)
なお宛先のFPOはFleet Post
Officeの略で米海軍・海兵隊用の軍事郵便局、APは太平洋地区の軍事郵便に特別に割り当てられたZIPコードである。FPO宛の郵便物は日本国内で
米軍事郵便局に引き渡されるが、国外宛の場合は米国に送るのと同じ料金が必要である。
レター形式のQSL 発行者はRyan S.Tolentino氏 冒頭の「Hafa Adai」はグアム島で話されるチャモロ語で「こんにちは」
(左)NRVのロゴ (中)Victor埠頭にあるUSCGの建物 米国旗の下に掲揚されているのはUSCG Guamの旗 (右)Apra
Harbor全景
右側のOrote半島には海軍の設備がある(Wikipediaより)
1972年開局当初の(左)オペーレーションルーム (右)モニタリングルーム (Coast Guard CW Operators
AssociationのHPより)
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