Trans World Radio - India (インド/スリランカ)

  インドは中国に次いで世界第2位の人口を有し、人口の80%はヒンズー教徒で、キリスト教徒は2%しかいない。そこでキリスト教各局は布教を目的としたイ ンド亜大陸向放送行っている。米国の宗教放送局Trans World Radioもインドに早くから着目し、1977年にTrans World Radio -Indiaを設立し、1979年より短波はSwaziland送信所、また中波は隣国スリランカ(仏教国でありヒンズー教徒は少ない、キリスト教徒の率 はインドより多い)北部のPuttalam送信所をSLBCから借用して放 送を開始した。Puttalam送信所はTWR-Indiaの設立に先立つ1975年にスリランカ政府の許可を得ており、400kW中波送信機 (200kW送信機を2台結合)がTWRにより設置されていた。1979年当初はインド・スリランカ向に15の言語で放送を開始したが、 その後拡大され、現在では65言語(インドでは言語が多いため英語が共通語となっており、知らない人どうしは「How do you do ?」と挨拶する)、1日19.5時間の放送を行っている。インド向中波放送は2005年までは「Radio Vishwavani」と称していた。当初短波放送はTWR-Swazilandからであったが、1993年からは強化が行われ、旧ソ連の Novosibirsk、Irkutsk、Samara、Alma-Atyにある高出力短波送信所から効果的に送信を行うようになった。また同年にはスリ ランカ政府よりPuttalam送信所の反政府タミール人組織「タミールの虎」向ジャミング及び謀略放送用12.5kW短波送信機を譲り受け、これを改造 して一時6035kHzでも放送した。但しこの放送は1995年にスリランカ政府が中波の大電力放送の長期継続を正式に認可したため休止された。日本では Puttalam送信所からの短波放送は良く聞こえなかったが、旧ソ連短波送信所からの放送は送信 方向が異なるものの出力が大きいので受信可能である。

 インドには信教の自由はあるが、80%はヒンズー教徒でキリスト教徒は2%しかいないため、インド政府からは良く思われていないようで、本部はインドに あるのにインド国内に送信拠点はない。インド政府は2003年には 同じ882kHzを使用していたAIR-Imphaalの中波送信機の出力を50kWから300kWに増力、インド東部では混信が生じるようになったた め、短波放送にも注力するようになって現在に至っている。
 上述のようにインドでの布教活動には困難が伴うようで、2007年には東部ジャルカンド州で布教に当たっていた職員が殺害されたり、2009年にはイン ド人職員に対して過重労働を強いているとしてマスコミで叩かれたりしている。なお2010年にはスリランカ政府との間でPuttalam送信所の使用契約 が更新されている。現在Puttalam送信所にはNautel社製200kW中波送信機2基と3基のビームアンテナが設置されている。
 
 同局の本部はニューデリーにあるが、インドでは郵便事情が悪いためと日本はターゲット外であるため、レスポンスの良くない局であった。この局のHPに は、主としてインドのリスナー向に 「Technical/QSL」の受信報告ページが設けられている。このページには受信報告入力フォームがあるが、記号は一切受け付けないという 甚だ使い勝手 の悪いものである。それにもめげず受信報告をこのページから送付したところJohn Rajput氏からメールが届いた。「ニューデリーのアドレスに手紙を出しても 一向に返事が来ないのだが」と返信したところ、「じゃあ受信証を送ろう」と返事があり、2週間後にQSLカードが届いた。

  受信報告の宛先:  P.O.Box 4310, New Delhi - 110019, India
 E-mail:  info @ twr.in
 URL:  http://www.twr.in



QSLカードはスリランカPuttalam送信所のアンテナ鉄塔設置工事風景(本当の焼き付け写真である!) − 1999年に行われたら しいが鉄塔を大人2人で抱えている!
大きさ 154×102mm 裏面に貼られた15ルピー切手の人物はタタ財閥の総帥であったJehangir Ratanji Dadabhoy Tata氏 (1904-1993)  小型車のタタ自動車もタージマハルホテルも
皆タタ財閥の配下である  Dateに年号が落ちているが2010年である
    



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