Radio Sultanate of Oman (オマーン)

 
 オーマン(正式国名はSultanate of Oman、オマーン国)はアラビア半島東南部に位置する砂漠国である。1971年に英国保護領から独立した比較的新しい国である。湾岸諸国と同じように石 油や天然ガスが産出するため経済的には比較的豊かである。絶対君主制国家であり、スンニー派イスラム教徒が多いが、隣のサウジアラビアほど厳格ではない。 しかし2011年になってからは中東の「ジャスミン革命」の影響がこの国にも及んでいる。ホルムズ海峡を挟んでイランと対峙しているが、アラブ諸国の中で はイランとの関係は良い方であるとされている。Muscutの夏の最高気温は40度と熊谷並で、ペルシャ湾岸ほどには暑くない。
  この地域で中波放送が始まったのは1970年7月30日と比較的新しく、Muscut近くの Bait al Falaj 送信所から1kWの放送であった。海外向短波放送が開始されたのは独立4年後の1975年12月15日で、当時は1日2時間の英語放送を実施した。翌 1976年には放送時間は1 日6時間に強化された。また1984年には海外向英語放送の国内FM中継が開始され、SalalahとMuscatで90.4MHz、Thumratで 91.3MHzで放送されるようになり現在に至っている。1999年には衛星放送も開始、2001年にはアラビア語放送を含めて1日17時間の放送となっ た。

 1975年の開始時にはSeeb送信所(北部の首都Muscut近く)等にオランダPhilipps社製50kW短波送信機2台、10kW送信機1台を 設置していたが、1980年代始 めにSeeb送信所には100kW短波送信機2台(Continental社製及びHarris社製)、1985年にはThumrait送信所(南部)に Continental社製100kW短波送信機1台が導入されて短波放送が大幅に強化された。但しその後の強化は行われておらず既に四半世紀以上を経て いる。現在はSeeb送信所は使われず、Thumrait送信所の100kW送信機1台のみで運用されている。

 2011年現在の放送時間はアラビア語が1日10時間、英語が1日2時間と2001年以来変わっていない、内容は国内向に行われているアラビア語、英語 放送と同内容である。15140kHzが比較的良く聞かれている。

 国内向放送は各都市にFM局を設置している他、広域をカバーする高出力の中波を併用している。中波は従来100kWが2ヵ所(Haima、 Salahah)、200kWが1ヵ所(Seeb)であったが、最近Seebの送信機を廃止し、新たに4ヵ所に500kW送信機2台、100kW送信機2 台を設置する計画が発表された。

 資金が豊富なせいかサービスは比較的良かったのであるが、最近はかなり鈍くなったようである。英語による受信報告に対してQSLカードが発行されるが、 ドル札ないしは
IRC3枚程度の同封が求められる。いささか旧聞だが、1985年発行の当時話題に なった大型フォルダーカードを掲載する。


 受信報告の宛先: P.O.Box 600, 113 Muscat, Oman

 URL:  http://www.oman-tv.gov.om (更新されていない)

  E-mail:  omanet @ omantel.net.om

 FAX:  +968 24 604629



1985年発行の大型フォルダーカード表面 大きさ 285×205mm
(左)左側: 当時新規開設のThumraint送信所と思われる鉄塔(一基のみ)
(右)右側: 特産のナツメヤシの収穫風景

 

1985年発行の大型フォルダーカード裏面
(左) オマーン国の紹介 当時の人口は150万人であったが現在は285万人に増加している
(右) QSL部分 まだ時刻はGMTが使用されている サインはM.Said氏 宛先は現在も同じ

  


(左)スタジオ内風景
(中)主調整室内風景
(右)同局のロゴ 中央に国章と鉄塔を配している

    


Muscut港に浮かぶDhowと呼ばれる伝統的な舟 建物もアラビア的 (Wikipediaより)




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