Radio Fly (パプアニューギニア)

 パプアニューギニア西南部のWestern Provinceはニューギニア島の最も太い部分を占め、インドネシアと国境を接する広大な地域である。Western Provinceの北部地域で鉱山業を営んでいるのがOK Tedi Mining社である。「OK Tedi」は「オクテジ」と発音するので、「オクテジ鉱業」とでも訳すのが正しいのであろう。この会社は1984年にFubilan山で採掘を開始し、 2010年には銅16万トン、金15トン、銀46トンを産出、日本などに鉱石を輸出し、一社でパプアニューギニア全体のGDPの18%を稼ぎ出した。当初 はカナダのInmet Mining社が大株主であったが、2011年には国営ファンドが株式の約40%を取得し半国有化された。従業員は2000人を数え、この地域で最大の雇 用 の場を提供している。

 Western Provinceには主都DaruにNBCのRadio Westernがあるが現在は短波送信機が故障して放送が出ていない状況である。従業員が多く住む北部地域向けに同社が独自に設立したコミュニティ放送局 がRadio Flyである。Radio Flyの「Fly」は「蝿(ハエ)」のことではなく、この地方を流れる長さ1000kmに及ぶオセアニア最大の大河フライ川(Fly River、19世紀に初めてこの川を発見した英国の軍艦HMS Fly号にちなんだ名称)からきている。採掘された鉱石はフライ川を使って船で河口の主都Daruに運ばれ外国に出荷される。放送が開始されたのは 2004年で、Tabubil(103.8MHz)とKunga(95.3MHz)の2都市で出力30WのコミュニティFM局として誕生した。

  小出力のコミュニティFM局だけでは広い地域をカバーできないので、2010年5月初めより短波放送が開始された。短波送信機はKinungaに設置さ れ、出力は1kW、周波数は5960kHzと3915kHzである。同年5月18日には長谷川清一氏らの日本のDXerにより確認され世界中に報告され た。毎日の放送時間は05:00-21:00となっている。3915kHzの信号は一昨年末に一度途絶えたが、その後復活したと言われているが最近は未確 認である。不思議な事にWRTH2012にはこの短波放送に関する記述が掲載されていない(周波数表にのみ掲載されている)。

 短波放送開始後世界各地から数十通の受信報告が寄せられたため局はその反響の多さにびっくりし、一昨年末にはQSLカードを発行すると宣言した。それが 実行に移されたのは昨年(2011年)の夏で、8月8日にSenior Broadcast JournalistであったJames Kaltobie氏より受信報告を出した世界各国のDXerにE-mailで発送通知が来た。しかし実物のQSLカードを受け取ったのは米国のRon Howard氏だけで、「一通しか発送していないのでは?」と言われた。世界中のDXerが問い合わせたり、助言した結果、11月22日になって James Kaltobie氏(この時点ではOK Tedi Mining社を退社していたが、メールは利用できた)よりQSLが届いたかどうかを問うメールが届き、E-QSLを希望する場合にはBroadcast Officer - Media & Public RelationsであるKabua J. Momo氏より発行する方針も示された。

 筆者は2010年5月に受信報告を送付し、8月の発送通知も受け取っていた。11月の問い合わせに対しては「QSLカードが届いていない」事を返信し、 更にKabua J. Momo氏に対してE-QSLを希望する旨メールを送った。
 その結果12月初めにE-QSLが氏より送られてきた。また年末にはJames Kaltobie氏よりQSLカードが郵便で届いた、消印は12月8日となっておりメールによる返信を受け取ってから送付したらしい。同氏が復職したのは 不明である。
 困難な状況の下で世界中のDXerに対応してくれた同局のスタッフに感謝したい。
 OK Tedi Mining社の主力鉱山であるFubilan山は鉱石を掘り尽くしたため2013年に閉山されることが決まっている、同社は他の地下鉱脈を見つけて採掘 を続ける計画だが、大幅な減産が予想され、Radio Flyがどうなるのかが気がかりなところである。


 受信報告の宛先: P.O.Box 1, Tabubil, Western Province, Papua New Guinea

 James Kaltobie氏のE-mail: James.Koltobie @ oktedi.com
 Kabua J. Momo氏のE-mial: Kabua.Momo @ oktedi.com

  電話: +675 649 3924
  FAX: +675 7190 9119


Kabua J. Momo氏より送られてきたE-QSL pdf形式でA4サイズ 受信日付は1年間違っており2010年 100m高の三連アレーアンテナから送信されて いる
サインはJames Kaotobie氏らしい  現地部族の写真がついている(楯で見えないが巨大なペニスケースをつけている)


James Kaltobie氏から送られてきたQSLカード 大きさ 149×104mm (左)表 (右)裏 サインはE-QSLと同じでJames Kaltobie氏 データは未記入であったので自分で記入
E-QSLと同じ文面だが写真がない

   


(左)同封されていた手紙 日付は8月7日なので、夏に送った筈のものがどこかにそのままになっていた可能性もある サインからQSLカードのサインも同 氏であることが分かる
(右)封筒に貼られていた切手 上は2008年の「世界AIDSデー」記念 − 同局はAIDS予防や健康番組も放送している、下はオウゴンフチョウモド キというニワシドリ科の鳥

   


(左)Radio Flyスタジオ風景(同社HPより) (右)OK Tedi社の採掘拠点 確かに掘り尽くされている(Wikipediaより)
  


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