Observatório Nacional (ブラジル)

  日本では短波時報局JJYが廃止されて久しいが、地球の裏側のブラジルには21世紀になって新装開局した短波時報局がある。Observatório Nacional(ブラジル国立天文台)の時報業務部(Divisão Serviço da Hora)の時報局PPEで、送信開始は2008年の11月で、10000kHzにて24時間放時を行っている。運営してい るブラジル天文台は日本では江戸時代であった1827年9月27日の創立で、今年で185周年と恐ろしく古い歴史を持っている。ブラジル国立天文台は主と して天体観測業務を行っているが、時報サービス課は国立産業標準・品質研究所(Instututo Nacional de Metrologia, Normalizaçao e Qualidade Idustrial:INMETRO)の管理下にある。

 なお時報業務そのものはもっと古くから行われており、同じコールサインPPEを使って以前は一日3回5分間ずつ海岸局の周波数帯である8MHz帯で時報 送信が行われていた。またこれとは別に海岸局PPRからマリンバンドで同様の時報送信が行われていたこともある。何れも船舶向であったものが、2008年 からは一般向標準電波に変身したのである。まさかRio de Janeiroでの五輪開催立候補(決定は2009年)と関係がある訳ではないであろうが。

 セシウム原子時計で作り出された正確な時刻を英国Redifon社製のG453型1kW送信機から10000kHzにてA3H(搬送波低減単側波帯)方 式(USB)で送信している。送信所はRio de Janeiroのはるか北部にあり、1/2波長の水平ダイポールアンテナから出ている。
 ブラジルには3種類の標準時があるが、この時報局で採用しているのはBrasilia、São Paulo、Rio de Janeiroで使用されているブラジル中央時間(Hora Legal Brasileira:UTC-3時間、略称HLB、10月中旬〜2月終わり迄は夏時間のためUTC-2時間)である。時報は1kHzのドット音が1秒お きに0.05秒間送出され、更に女声によるポルトガル語の時刻アナウン スが「Observatório Nacional 〜horas 〜minutos〜segundos」の形式で10秒おきに出る。また毎分58・59・60秒には1kHzのダッシュ音が0.2秒間送出される。

 日本では夕方に受信されることが多い。10000kHzはWWVH他の時報局も使用しているので混信は免れないが、USBを使用している(通常のAMで も受信できるが、受信モードはUSBにした方が良好に受信可能である)ことと、音声アナウンスが10秒おきに出ることで容易に識別可能である。但し時報 のドット音とダッシュ音の区別は他局の時報音と重なってしまうため難しい。
 今年2月に同局を受信しIRC1枚を同封してポルトガル語で受信報告を送ったところ、24日後にDivisão Serviço da Horaのchefe(部長)であるRichardo José de Carvalho氏より返信があった。QSLレター(局のデータの記入のみであり不完全ベリである)、Observatório Nacionalの業務を紹介したパンフレットの他「Da Energia escura à luz que vem da sacada」(エネルギーは暗黒星雲からも明るい星からもベランダに注いでいる)という小冊子まで同封されていた。今年2102年は創立185周年でそ の記念ロゴも設定されているが、レターには2007年の創立180周年のロゴシール(余っていたらしい!)が貼られていた。

 受信報告の宛先: MCT - Observatório Nacional, Divisão Serviço da Hora, Rua Gal. José Cristino, 77 - São Cristóvão, CEP 20921-400, Rio de Janeiro - RJ, Brasil
  E-mail: dsh @ on.br
  電話: +55 21 2580-7781
  FAX: +55 21 2580 6071
  URL:  http://www.horalegalbrasil.mct.on.br



送られてきたQSLレター
A4版2ページで文書番号が入った正式なものである科学技術革新省(Ministério da Ciência, Tecnologia e Inova
çao)の便箋が使用され、右上に創立185周年の ロゴがある
サインは時報業務部の部長
Richardo José de Carvalho氏
  

(左)貼られていた2007年の創立180周年記念シール (中)2012年の創立185周年記念ロゴ 人間は無理だが亀は185年位は生 きるという (右)
Observatório Nacionalのロゴ
      


(右)時報業務部の建物 (中)セシウム原子時計 皮肉なことだが福島原発事故ではセシウムのせいで標準電波業務が一時停止し電波時計が正常に動かなく なった! (右)送信機類
    



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