Italian Radio Relay Service (イタリア)

 現在イタリアに拠点を置く唯一の短波放送がItalian Radio Relay Service(IRRS)である。但しイタリアにはVatican RadioのSanta Maria della Galeria送信所以外に放送用の短波送信所は既に存在せず、IRRSもすべて国外の送信所を利用している。また「Radio Relay Service」の名称通り、他の局の番組中継を主な仕事にしている。
 この局の運営はNPO・NGO法人のNEXUS International Broadcasting Association(略称NEXUS-IBA)によって行われており、同社は番組制作、放送中継、インターネットプロバイダー、メディアサービスの開 発を総合的に手がけてい る。「nexus」とはラテン語で「絆」のことであり、「放送やインターネットを通じて人々の絆を深める」という意味がある。
 同局の開始は1979年である。当時イタリアを含む欧州のラジオ放送はすべて国営のみであり「堅い」内容の放送に飽きた若者が放送の自由化を求めて 「free radio」の運動を開始。無免許で海上からロック音楽を放送する海賊局が盛んであった。そのような中でミラノにイタリア初の民間FM局 (88.85MHz)を設立したのが同局であった。当初は「柔らかい」内容の音楽番組等をミラノ市内向だけに放送していたが、1987年には欧州向に広く 放送することが計画され、その為にの手段として短波放送が最適との結論に達した。そして1988年よりミラノ郊外のCassano d'Abba送信所に7kW短波送信機を設置し、土曜・日曜のみ欧州向短波放送を実施した。当時は「未来の技術」としてら短波放送のSSB化が計画されて いたため、その実験放送実施を名乗り出て、A3H(搬送波低減単側波帯放送)で実効30kWの出力を出すことに成功したという。但しSSB化はその後全世 界的にストップしてしまった。
 短波放送の成功で自局以外で制作したニュースや宗教の番組を放送することになり、1990年にNEXUS-IBAが設立され、短波放送ブローカー兼短波 送信プロバイダーの仕事も開始、この分野でも先鞭をつけた。更に「インターネット元年」と言われた1995年の1年前の1994年、インターネットによる 番組供給の可能性に着目してインターネットプロバイダーにも進出、現在のインターネット事業分野の基礎を築いた。
 短波中継ビジネスはその後も順調に推移したため、送信所の拡張が必要となった。Cassano d'Abba送信所の送信機が老朽化して買い換えが必要となった2006年、送信所を全面的にブルガリアのSofia送信所に移すことを決断し送信出力は 100〜150kWと大幅に増強された。中継される局は宗教局、ロック系音楽局が多かったが、2007年には国連スーダン派遣団のRadio Mirayaの中継を受託し、一躍注目を浴びた。送信拠点は、2007年にはスロバキアのRimsavska Sobota送信所に、同送信所の閉鎖に伴い、2011年にはルーマニアのTiganeshti送信所に移転して いる。

 この局のQSLポリシーは「中継している局に直接受信報告を送って欲しい」というもので、IRRSに受信報告を送っても番組を制作した局の転送されるの が原則である。但し独自番組(現在はあまりない)、試験放送、スケジュール変更直後に送った受信報告(現在局では先着50名までとしている)には独自の QSLカードを発行している。従ってQSLポリシーに従って受信報告を出して見るのが良い。その場合IRC2枚またはUS$2の同封が要求される。 2012年8月1日よりスケジュール変更を行っているので「月刊短波8月号」を参考に受信して見ると良い。
 
受信報告の宛先:  P.O.Box 10980, I-20110 Milano, Italy
 
  E-mail:  reports @ nexus.org

  TEL:  +39 02 266 6971

  URL: http://www.nexus.org


2011年9月に新スケジュールで送信を開始した時に発行されたQSLカード  大きさ150×104mm
(左)QSLカード表 19世紀頃のスカラ座を描いたリトグラフ
(右)QSLカード裏 番号記入欄があるが記入されていない

      

(左)現在のスカラ座(Wikipediaより) 
   


(左)1988年導入時の7kW送信機(NEXUS HPより) (右)初期のQSLカード
   


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