Lao National Radio (ラオス)

 ラオスの国営放送局である。以前はフランス語名Radiodiffusion National Laoが正式局名であったが、インドシナ各国でフランス語が使用されなくなり現在の英語の局名になった。
 ラオスで放送が開始されたのは1953年にフランスから独立した後である。独立直後は7215kHzの1kW短波送信機のみで全土をカバーしていた。そ の後1955年にもう1台1kW短波送信機が整備され周波数も変更されて7145kHz(これは最近まで使用されていた)と9610kHzの2波体制と なった。更に1957年には周波数が6130kHz、7145kHzの2波となり、6130kHzは6150kHzに変更された事があるものの、以後50 年以上この2周波数が使用されてきた。1950年には中波放送も開始された。49mbの短波放送の出力は1961年には10kW、1969年には25kW と増力され行った。1975年に王国が廃止されて社会主義国家ラオス人民民主共和国となったが、その時にSam Nueaにあったパテトラオ放送に併合される形で現在の放送体系が出来上がった。社会主義政権も放送の充実には力を入れ、1970〜80年代には Vientianeの中央局の他にPakse、Houa Phan、Xien Khousang、Luang Prabang、Savannakhet、Oudon sai、Sam Nueaにも短波局が配置され、王政は廃止されたもののラオスは一時「短波王国」であった。なおWikipediaではLao National Radioの創建を1960年としているが、これは後述のパテトラオ放送を起源と見た考え方と思われる。

 1990年代に入り地方局はFM化、中波化が進み、短波送信機が老朽化すると次々と消えて行った。Houa Phan局は比較的最近まで残っていたがもう出ていない模様である。パテトラオ放送発祥の地Sam Nueaは一応4413kHzにリストされているが、ここも出ていない模様である。その中でVientiane中央局は強化され、6130kHzは国内向 となり、7145kHzでは海外向放送を行うようになった。1994年にはContinental社製の50kW短波送信機を導入した。

 21世紀になって送信所のメンテナンスが困難になったようで、6130kHz、7145kHzともに実質出力が低下し、受信状態が悪化した。 7145kHzも昨年迄は聞こえていたが、昨今は出ていないようである。その中で唯一出ているのが55年来使用されている国内向の6130kHzである。 これは弱いながらも夜間の時間に受信できることがある。
 QSLの発行も一時途絶えていたが最近QSLカードを新製した。8月初めに6130kHzの放送を受信し、$2.00同封で海外向放送ディレクターの Inpanh Satchaphansy氏に受信報告を送ったところ、1週間後にQSLを送ったとの連絡がE-mailで届き、20日後にはQSLカードが送られて来 た。比較のためにラオス王国時代の1968年に同じく6130kHzで受信した時のQSLカードも掲載しておく。

 インドシナ半島で騒乱が続いていた1960〜1970年代隣国のベトナム(海岸の背後の山を越えればすぐラオスである)やカンボジアでは大規模な殺戮が 行われていたが、ラオスは大きな騒乱に巻き込ま れず比較的静穏な内に王政が委譲された。1968年頃には反対派のパテトラオもSamNueから放送(1960年よりLa Voix de Pathet Lao)を行っていたが、同局へラオス経由で手紙を送ることが 出来た事が思い出される。

 新QSLカードにも6130kHzは印刷されており、当面短波から撤退する予定はなさそうである。近い将来安価な中国製送信機を導入して再活性化するの ではないかと期待される。

 受信報告の宛先: Director of External Relations, Lao National Radio, P.O.Box 310, Vientiane, Laos

  E-mail: laonradio @ lnr.org.la

  URL: http://www.lnr.org..la (2012年8月現在不都合なソフトを自動インストールする「危険サイト」とされておりアクセス不可)
     http://www.laonationalradio.com (ラオス語のみ)


2012年発行のQSL 大きさ169×124mmの大型カード
(左)表面 Vientiane局の短波(6130kHz)・中波(567kHz)・FMの周波数が印刷されている。 円形は同局のロゴ。背景はラオスの国花である チャンパー。
(右)裏面 発行者はDirector of GeneralのSipha Nonglath氏となっているが、実際はDirector of External RelationsのInpanh Satchaphansy氏

  

1968年王政時代のQSL  大きさ138×100mm
裏面はなく図柄もないシンプルなカードである。周波数は6130kHzで現在と同じ。「GMT」の文字とタイプ打ちが時代を感じさせる。





(左)LNRの送信アンテナ (右)Phayanam通りにある局舎
  


Top Page