Radio Cairo(エジプト)
 
  
 エジプト情報省所轄の国営放送Egyptian Radio and Televison Union(ERTU)の海外向放送がRadio Cairoである。5000年の長い歴史を背景に「アラブの盟主」を自認し、1958年〜61年にはシリアとともに「アラブ連合共和国」を形成していたこ ともあり、国 際政治の上で常に重要な位置にある。それだけに国際放送にも力を入れており最盛期には35ヵ国語、現在も23ヵ国語で、500kW短波送信機5基、 250kW短波送信機9基を含む大送信機群から世界中に放送を行っている。

 エジプトにおける無線通信の歴史は古く、オスマントルコの支配を脱した1914年には早くもMarconi社の送信所がCairo近郊のAbu Zaabalに設置され、SUCのコールサインで長波通信(当時の周波数は55kHzと66kHzであった)を開始した。Abu Zaabal送信所のは1920年代には通信用の短波送信機が導入された。国としての正式な放送はEgyptian Radioとして1934年5月31 日に開始された。その後国外向の短波放送もAbu Zaabal送信所から実施され、第二次大戦直後にはSUXというコールサインで7867kHz、出力10kWで英語・フランス語の海外放送を行ってい た。初代共和国大統領ナセルのスエズ運河国有化宣言に端を発する第二次中東戦争(1952年)によりAbu Zaabal送信所の施設は大きな損害を受けたがその後復旧した。またこの時代にAlexandria近郊のAbisとMakattamにも新たな短波送 信所が建設され、短波送信所の分散が図られた。Makattam送信所はその後廃止されたが、Abis送信所はAbu Zaabal送信所とともに現在も使用されている。現在の主要施設は主として1990年代に増設されてもので、Abis送信所には500kW送信機1、 250kW送信機8基、Abu Zabaal送信所には500kW送信機4基、250kW送信機1基、100kW送信機1基等がある。最新のものでも導入後約20年近く経過して若干老朽 化しているもの の、現在も電波を世界各地に送っており、日本でも受信することができる。また衛星放送、インターネット放送も行われており、インターネット放送はWRN (World Radio Network)のwebサイト上で何時でも聴くことができる。

 アラブ世界で最も親日的な国であり、日本人の旅行客も多く成田−カイロ間にはエジプト航空(回教国の航空会社であるため中で酒類は出ない)の直行便もあ る。放送局のあるCairoは東京と同じ位の緯度だが、南のAswan当たりまで行くと50度という灼熱の世界を体験することもできる。

 国営放送だけにサービスは昔から良好であったが、このところの混乱で郵便事情が大変悪化し、郵便による受信報告等は届きにくくなっている模様である。リ スナーに対しては返信料を要求せず返信を行う方針となっているためメールによる受信報告を技術部門の送るのが最も確実である。現在は絵葉書利用のQSL カードとeQSLの2種類が発行されている。掲載したカードは1965年と2012年に取得したもの。1965年のカードは図案も印刷も優れてお りエジプトらしさがいっぱいである。2012年のカードは絵葉書利用だが、政変後の混乱の影響か印刷が粗雑である。時代が進めば必ずカードの質が良くなる 訳では ないことが分かる! eQSLはPropagation DepartmentのdirectorであるSamia Abdel Hadi氏から直接送られてきたもの。E-mailによる受信報告は同氏宛にするのが確実である。

 受信報告の宛先: Propagation Department, Radio Cairo, P.O.Box 1186, 11511 Cairo, Egypt
         または Propagation Department, Radio Cairo, Broadcast Television Building, Cornish EL Nil, No.11511, Cairo, Egypt

  E-mail:   freqmeg @ yahoo.com

  URL:    http://ertu.org (すべてアラビア語) 



(左)1965年のQSLカード表 テーベ(Luxor)の墓の壁画を図案化し、カルトゥーシュの中に局名を記すというエジプトらしいデザ イン 大きさ150×100mm
(右)同上QSLカードの裏面 アラビア語とフランス語での記述(一時エジプトはフランスと英国の植民地であった)

   


2012年発行のeQSL 実用本位だが見易い 大きさ153×110mm




(左)2012年発行の絵葉書利用のQSLカード Luxorのカルナック神殿に並ぶ雄羊頭のスフィンクス像 印刷は良くない 大きさ  100×144mm
(右)同上QSLカードの裏面 英語とフランス語で記述

    




(左)Cairo市内ナイル河畔に立つERTUのビル (Wikipediaより)
(右)ERTUのロゴ、Eの右下にピラミッドが入っている!

       



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