日本短波クラブ特別放送
(Japan Shortwave Club special broadcast)

 日本短波クラブ(JSWC: Japan Shortwave Club)は1952年創立の日本で最も伝統あるDXクラブであり、現在も数百人の会員を擁する日本を代表するDXクラブである。会誌として月刊「SW DX Guide」を創立以来連綿として発行している。またこの十数年毎年の「HAM FAIR」への出展を継続している他、特別講演会、各地での特別ミーティング(鎌倉では夏・冬2回定期的に開催)、AWR Wavescanへの情報提供、クラブ出版物の発行、WRTHの特別斡旋、各国DXクラブとの交流等を行っている。

 2012年は創立60周年に当たるため、会員である細谷正夫氏、岩沙一彦氏の調整で各国の放送局(HCJB、KBS、Voice of Vietnam、Voice of Russia、CRI、IRIB、Voice of Mongolia、Radio Japan)が創立60周年記念番組を放送した。また2012年11月3〜4日にはTDP社長Lud Maes氏の好意でPalau、Issoudun(フランス)、
Montsinery
(仏領ギアナ)の各送信所から30分間JSWC特別制作の独自番組が全世界に向けて30分間放送された
 
そのスケジュールは以下のようであった。
 11/3 19:30-20:00 Palau送信所 9955kHz 100kW 日本向日本語
 11/4   02:00-02:30 Issoudun送信所 6015kHz 250kW 欧州向英語
 11/4  08:30-09:00  Montsinery送信所 15775kHz 250kW 北米向英語

 日本語放送はクラブ発祥の地仙台で収録されたクラブ創立時からのメンバーである和田謙郎氏、大武逞伯氏、白石晋一氏、大森 信夫氏による「クラブの想い出話」、英語放送は2012年8月に東京のホテルサンルート有明で開催された「JSWC60周年記念パーティー」での石川俊彦 会 長、和田謙郎氏の挨拶及びドイツで開催された EDXC2012における各国代表からの祝賀メッセージが、会員である辻由紀子氏のナレーションで放送された。
  JSWCではこれらの60周年記念放送に対する受信報告に対して「60周年記念特別QSL」を発行した。QSLは印刷によるもの2種類(各国記念番組用、 独自番組用)とeQSLによるもの1種類が発行された。
 日本のDXクラブが外国の送信施設を直接借りて放送を行ったのは2009年10月8日・9日の22: 00-22:30に12085kHzで35周年記念放送を行ったアジア放送研究会が最初である。但しこの時は送信所やブローカーは正式には明らかにされな かっ た。

 JSWCによれば独自放送を含めた一連の60周年記念番組に寄せられた受信報告に対して発行されたQSLの内訳は以下のようになっている。


          日 本           世 界 合計
eQSL 印刷 eQSL 印刷
各国局 67 80 8 0 155
Radio Japan 10 13 66 28 117
特別放送 15 35 11 24 85
合計 92 128 85 52 357

 総計は357通であった。特別放送は直前に実施が決まったこともあり規模の割に若干報告が少なかったように感じられる。日本以外で受信報告が多く寄せら れた国は英国(21通)、米国(19通)、ドイツ(17通)、インドネシア(17通)、インド(16通)などであり、他にウクライナ、ロシア、オーストラ リア、ウズベキスタン、ラトビア、ベネズエラ、メキシコ、カナダ、ニュージーランド、スウェーデン、イタリア、中国、フランス、デンマーク、南アフリカ、 スペイン、ポーランド、フィンランド、ハンガリー、コロンビア、ブラジルからも寄せられた。結構色々な国にBCLがいることが分かる。

 
なお JSWCでは創立50周年記念に当たった2002年にも各国局から記念番組を流してもらい特別QSLカードを発行した。その時の圧巻は2002年3月16 日に行われたIBB Delano送信所(2007年に廃止された)からの「貸し切り」に近いVOAの記念特別番組で、前代未聞の出来事であった。その後JSWC制作のDX番 組(現在はAWRの WAVESCANのみ)に対する受信報告にも特別QSLカードを発行するようになった。そして最近はeQSLも発行するようになった。
 JSWCのQSLカードは大阪在住の会員であった金英一(キム ヨンイル)画伯によるものであり、60周年記念QSLも氏の絵筆によるものである。残 念 なことに金画伯は2012年4月12日に死去し、60周年記念QSL用の図(原画は60周年記念パーティー会場に展示されたが大きな紙いっぱいに描かれて いる)は最期の作品となってしまった。なお2012年のHAM FAIR(記念パーティーもその近くの会場で期間中に行われた)期間中の受信報告に対して米国のRadio Free Asiaは特別記念QSLカードを発行した。そしてこのデザインにも同じ金画伯の絵が採用されたので、合わせて掲載する。

 国営の国際短波放送の衰退で、短波放送を維持するためにはBCL自体が体を張る必要が出てきた。その意味でDXクラブによる特別短波放送の実施は 新たな時代の傾向を感じさせる出来事である。短波放送に限らず、これからの時代はどこの国でも財政難と人材難で政府・行政に頼ることが不可能になりつつあ り、社会の問題解決には市民の組織的努力が必要になってくる。


 受信報告の宛先: 〒248-8691 神奈川県鎌倉郵便局私書箱44号 JSWC QSL係 (SASE必要)
 E-mail: jswcqsl @ live.jp  (eQSLを請求の場合)
 入会・その他の情報:  http://www5a.biglobe.ne.jp/~BCLSWL/jswc.html




(左)60周年記念QSLカード − 印刷バージョン1表面 大きさ149×101mm 金英一画伯の遺作となった60周年記念画、 JSWC60周年を祝って可愛らしい動物たちが集っている
(右)同裏面 放送局別(この時はVOR)に発行番号が記載されている。発行者は大武逞伯氏。

        


(左)60周年記念カード eQSLバージョン Palauからの特別記念送信に対して発行されたもの、背景デザインは印刷バージョン1と 同じ、発行者は岩沙一彦氏
(右)60周年記念カード 印刷バージョン2 11月3・4日の特別記念送信に対してのみ発行された、金英一画伯による2012年の干支「龍」

        


(左)JR
仙台駅近くの寿司屋の二階で60 周年記念特別放送の番組を収録中の(左から)大武逞伯、白石晋一、大森信夫、和田謙郎の各氏
(中)Radio Japanで特別番組を収録する大武逞伯氏
(右)ありし日の金英一画伯 シャックにはGrundig Satellite 800が
       


(左)Radio Free Asia 特別祝賀QSLカード 表面 大きさ107×141mm ハムフェア期間中の2012年8月25・26日の受信報告に対してのみ発行、この直前 に開催されていたロンドン五輪を祝福するパンダの衛兵に金画伯 の記念画を組みあわせた
(右)同 裏面 限定QSLカードであることが記載されている

       


(左)2002年3月16日 Delano送信所からのVOAによる創立50周年記念特別放送 記念QSLカード 表面   大きさ148×100mm 金英一画伯による片瀬海岸から見た江の島・富士山の風景
(右)同 裏面 発行番号は国内(J)の22号 発行者は丹野秀夫氏 当時クラブ本部は仙台にあった 50周年記念スタンプも押してある!

     


JSWC50周年記念の別バージョンのQSLカード 金英一画伯による江の島稚児ヶ淵から見 た相模湾・富士山風景



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