Radio Sandaun / Radio West Sepik  (パプアニューギニア)

 
 パプアニューギニアにはほぼ各州別にNational Broadcasting Corporation(NBC)の地方局が設置されているが、実際には個別局の色彩が強い。NBCは「短波は時代遅れ」と宣言し、すべての局で短波放送 を廃止しFM放送に切り替える方針であるという。パプアニュギニアは日本の1,2倍の面積のところにNBCの放送局は19局と各州(全部で22ある)に1 局もない状況であるため、現在90mbで行われている短波放送では何とかカバーできても、FM化すればほんとんど全土が「ラジオの電波も届かない」地域に 逆戻りしてしまう。そのため各地方局は古くなった短波送信機を何とか修理して放送を続けているのが実情である。

 Radio Sandaun(旧名Radio West Sepik)はパプアニューギニアの西北部、インドネシアと国境を接するSandaun州(正式名West Sepik州)で、これっといった産業もなく同国では最も経済的に遅れた州の一つである。「Sandaun」は「日没」の意味で最も西に位置するためにこ の名称がついたものと思われる。現在West Sepik州を通称名で呼ぶようになったため、局名も2008年頃からRadio Sandaunと言うようになった。ニックネームは「Maus Blong Sandaun」で「Saundaunからの口声」という意味である。

 局はインドネシア国境に近い海辺の町Vanimoにある。北側の海岸に突き出した半島に町があり、周囲の森から切り出した木材を加工する製材所等 が立地する。地形の関係で波が高い海岸は10月〜4月の夏期にはサーファーで賑わう。
 放送開始は1979年で、4kW短波送信機を設置し、周波数はその時以来現在と同じ3205kHzが使用されている。その後1988年には日本の援助で NEC製10kW短波送信機HFB-7840Bが設置され現在に至っている。現在の放送スケジュールは16:00-23:00と夕方〜夜間のみでTok Pisin語と英語の放送である。放送はNBC本局からのものの他NPO団体等が現地制作したコミュニティー番組も行われている。聴取者数は約18万人で Sandaun州全体の人口をカバーしている。FMの90.7MHzでも出ているが、Vanimo周辺の約1万人をカバーするに過ぎない。このことからも FM化政策は逆戻りであることがわかる。

 パプアニューギニアは局の財政状況、郵便事情ともに悪い状態なので、地方局からの返信は中々期待できない。2010年4月にこの局を受信した時に思いつ いたのが、Sandaunは「日没」、日本は「日出る国」。聖徳太子が隋の煬帝に送った「日出る処の天子、書を日没する処の天子に致す、恙なきや」の文章 を思い出した。そこで「日出る処のBCL、報告を日没する処の局長に致す、恙なきや」と英文で書いた受信報告を2米ドル同封(パプアニューギニアは国際郵 便連合加盟国であるがIRCは扱っていない)の上送ってみた。返信は来なかったので郵便が途中で消えてしまったと思っていた。ところが2年半後の今年 (2013年)10月突然郵便受けに返信が来た。地方放送局長(Director of Provincial Radio)のRichard Ali氏発行のQSLレターであった。QSLレターには局スタッフ12名に氏名や局の8種類の番組等の情報も書かれてあった。
多分BCLに理解のある局長が赴任し、受信報告が目に止まったのであろう。焦らずじっくりと返信を待つのもBCLとしての甲斐性かも知れない。

 受信報告の宛先: P.O.Box 37, Vanimo 551, Sandaun Province, Papua New Guinea

 E-mail: alirichard @ yahoo.com

  FAX: +675 857 1305

  TEL: +675 857 1149/1144/1112



QSLレターの1ページ目(左)及び2ページ目(右) 大きさはA4版
Ricahrd Ali氏のサインと局印が押してある

   

(左)レターヘッドにあるNBCのロゴ 鳥はパプアニューギニアの国鳥であるフウチョウ(ゴクラクチョウ)
(中)スタジオでの収録風景
(右)Sandaun州の旗  左上の6つの星は同州内の6地域を表す 中央には山の端に沈む太陽 右下は州の鳥である黄金鳥

     


(左)Vanimoの中心街 町の人口は1万人ほど (右)突き出した半島にあるVanimoの全景
  


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