Radio Monte Carlo Doualiya
(キプロス)
キプロスには有名なBBC東地中海中継局(現在短波放送は廃止され中波のみ)の他にもう一つ有名な国際放送局がある。それが
Radio Monte Carlo
Doualiyaであり、中東向に1233kHzの中波でのみ放送を行っている。アラビア語でdoualiyaは「国際」という意味であるため、「モンテ
カルロ国際放送」ということになる。元々この放送局はRadio Monte
Carloという名前でモナコから宗教放送を行っていたTrans World
Radio(TWR)が1973年にモナコ、オランダ領ボネールに続く第3の送信拠点として設立した放送局で、1974年5月1日より
1230kHz(600kW、現在は1233kHz)で中東向に放送を開始した。キプロスにスタジオはなく番組は当時はモンテカルロで、
現在はフランスで制作されている。
長い間「RMC Moyen
Orient」という名称で放送してきたが、1996年にTWRが放送局をフランスのRFIに売却し、RFIグループ配下の公営放送局となった。そして
2007年には現在の局名Radio Monte Carlo
Doualiya(略してMCD)に改名された。中東向放送という性格は変わらないが、現在は宗教放送局ではなくニュース放送局となっている。
2014年版WRTHにはCape
Greco送信所はTWRとなっているが、NDXCの長谷川清一氏によると放送局の移管時に送信所も持ち株会社のFMM(France
Média
Monde)に移された模様である。QSLカードの説明でも記したように実際にはSOMERAの職員が運用しているので、FMMからSOMERAに運用を
外注しているのかも知れない。ちなみにTWRのキプロス向放送この送信所からは一切行われておらず、アルメニアのGavar送信所から
1377kHzで行われている。
出力が600kWと大きいため、中国局、青森放送、長崎放送等の混信があるものの日本でも直接受信されることもある。
現在のスケジュールは12:30-05:20でありすべて中東向アラビア語放送である。なお同じ送信機から別の放送が臨時に行われる場
合もある。
送信所のあるCape
Greco(グレコ岬)はキプロスのLarnaka国際空港から東に約50kmの地点(途中英国領になっているDhekeliaを通って行く)にあり、地
中海に断崖絶壁が突き出した景勝地でもあり、現在は観光客で賑わっている。キプロスは地理的には中東になるが、EUにも加盟し、住民も大
半がヨーロッパ人であるため事実上欧州圏の一員である。地勢的に見れば中
東に深く突き出した欧州の一部分ということになり、通信戦略上極めて重要な位置を占める。そのため英国軍の大規模な通信基地を初め、BBC東地中海中継局
など数多くの送信施設が設置されている。BBC東地中海中継局からの短波送信はなくなってしまったが、強力な中波の電波で中東をカバーす
るという役割はまだ残されている。中東のどこでも聞こえる中波として990kHzのRadio Sawaがあるが、実はRadio
SawaもCape Greco送信所にあるもう一基の600kW送信機を借用して出ている。
Monte Carloの名称がついているが、長波(216kHz)で放送している「Monte Carlo
Info.」とともに現在の本拠地はフランスのParisである。受信報告は本局に送っても良いが、現地の送信所からも返信が来る。掲載のものは2012
年にキプロスを訪問した時現地受信し、後日Cape Greco送信所から直接受け取ったPFCによるQSLカードである。
受信報告の宛先:
本局(RFIと同じ) Monte Carlo Doualiya, Maison de la Radio, 116
Avenue du Président Kennedy, F-75220 Paris Cedex 16, France
送信所 MCD Transmitting Station, Cape
Greco, Cyprus
URL: http://www.mc-doualiya.com/ (すべてアラビア語)
(左)送信所からPFCで届いたQSLカード
局印の「SOMERA」とはSociété Monégasque d'Explotation et d'Eetudes de
Radiodiffusion(モナコ放送研究開発協会)の略称であり、モナコ系フランス人がこの送信所を運用しているようだ。
(右)現在のMCDのロゴ
(左)Cape Greco送信所遠景(1233kHz用と990kHz用アンテナ)(Émetterus
radiodiffusion et télévisionより)
(右)Cape Greco突端の絶壁(Wikipediaより)
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