Rhein Main Radio Club 特別放送(ドイツ)

 今回はDXクラブの特別放送ネタである。Rhein Main Radio Club(RMRC、正式にはRhein Main Radio Club e.V. ~ 「e.V」は「eingetragener Vereinの略で「登録団体」のこと)はドイツのFrankfurtを本拠地とするドイツの中では有力なDXクラブの一つである。「Rhein Main」とはライン(Rhein)川の支流マイン(Main)川という意味である。マイン川はフランクフルトの中央を流れており、同市の正式名称も 「Frankfurt am Main」(マイン川沿いのフランクフルト、Frankfurt/Mainと表示する)である。

 設立は1975年、今年で創立40周年となる。日本的に言えば「多摩秋川DXクラブ」(注:そんな名称のクラブは存在しない)というような名称の地域ク ラブで、会員数は現在約60名である。大クラブではないがセントヘレナに送信機を持ち込んで最後の「セントヘレナデー」を実現させたRobert Kipp氏などの有名DXerがメンバーとなっており、多彩な活動を繰り広げているのが特徴である。

 1975年の創立以来会誌の発行、ミーティングの開催を行ってきたが、1992年に現在終身名誉会員となっている2名の会員(Werner Hoppe、Hans-Joachim Ackermann 氏)が私財をなげ売ってクラブに寄付を行った。それ以来更に積極的な活動を行うようになった。ドイツの全国的DXクラブADDXやDW等の放送機関と密接 に連絡を取り合うとともに、DX番組の制作等も手がけるようになった。現在の主な活動は次の通りで、DXクラブとしてはかなりアクティビティーが高い。 

 ・金曜日開催のDXミーティング(第1金曜日は不定期開催、第2・第3金曜日は市内のビザ屋、第4金曜日は市内各地の会場)
 ・Frankfurt近郊での「DXキャンプ」の開催
 ・会誌「Actuell」の発行
 ・ドイツ各地・隣国の放送局・送信所訪問ツアーの実施(DW、IBB各送信所、
AFN等)
 ・DX番組の制作(
 ・EDXC会議のホスト(2003年Frankfurt、2012年Dessau)
 ・DX番組の制作(現在HCJBドイツ語、Radio Slovakia、かってはドイツERF)
 ・定期的な短波特別放送の実施
 ・podcast「Medienmagazine」(メディアマガジン)の制作・公開
  ・歴史的QSLを網羅した「QSL-Calendar」の発行(毎年、ADDXと共同)

 中でも特筆すべきは、複数回に渡る短波特別放送の実施である。DXクラブによる短波放送は今後の「面白短波放送」のあり方として注目されているが、創立 記念の機会にのみ特別短波放送を行う他クラブと異なり、過去複数回に渡り「セントヘレナデー」や「EDXC」を期に特別短波放送を実施している点に特徴が あり、未来の短波放送のあり方を先取りしているとも言える。

 予定されていた「セントヘレナデー」が中止されたため実施された2010年10月の「セントヘレナデー支援放送」(この時は10月23日にアジア向に特 別再放送を実施、送信料金の一部は日本のJSWCが負担した)を初め、毎年年末に1時間程度の当別放送を実施している。2014年のクリスマスにも特別放 送が実施されたが、日本での受信状態が不調であったため更に12月28日の07:00-08:00の9595kHzで再放送を行ってくれた。送信所として はリトアニアのSitkunai送信所が使用されている。

 毎回の特別送信に対して手紙による受信報告にはQSLカード、E-mailによる受信報告にはeQSLが発行される。2014年の特別番組はフランスで開催されたEDXC2014に関するもので、番組ホストとしてJSWC理事の大武逞伯氏が全面的に出演された。

 とにかく目覚ましいアクティビティーのDXクラブであり。今後の特別放送にも期待したい。

 受信報告の宛先: 
Rhein Main Radio Club e.V., P.O.Box 700849, 60558 Frankfurt/Main, Germany 

  E-mail:  
mail @ rmrc.de

 URL:    http://www.rmrc.de


(左)RMRCのロゴ  (中)食事をしながらのミーティング風景   (右)RMRCの旗 (何れもRMRCのHPより)
  


(左)2010年10月23日「セントヘレナデー支援特別放送」のQSLカード表面 セントヘレナデーの立役者Robert Kipp氏(2010年冬のHerbust DXキャンブにて) 大きさ150×105mm
(右)同 裏面 発行者はHeinz Schultz氏




(左)2012年10月7日の「EDXC2012記念特別送信」のQSLカード表面 ドイツDessauで開催されたEDXC2012のセッション風景 後列左端にJSWCの大武逞伯氏が見える  大きさ149×106mm
(右)同 裏面 2010年のものと微妙に文言が異なる 送信地は印刷されている 
発行者はHeintz Schultz氏で2010年と同じ



2014年12月28日の「EDXC2014特別送信」のeQSL
DXキャンプの横断幕とループアンテナ 発行者はMichail Haun氏




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