Radio Studio "Otkrovenie" (ロシア)
Радио Студия "Откровение"
ロシアの短波局は原則消滅した筈だが短波放送の番組作成は続いている。Radio Studio "Otkrovenie"(Радио Студия "Откровение")とは聞き慣れない名称であるが、現在のReach Beyond(旧HCJB、以下HCJBと称する)のロシア語放送を制作しているロシアのプロテスタント系番組制作会社である。「Otkrovenie(Откровение)」とはロシア語で(神による)啓示・黙示を意味する。
HCJBはエクアドルより送信していた頃は原則として番組はすべてQuitoで制作していた。日本語放送の尾崎一夫師も同地に駐在していた事は記憶に新
しい。しかし最近は他の米局キリスト教局(TWR、FEBC、AWRなど)と同様に世界各地のプロテスタント系放送団体が制作した番組を局の管理する
送信所から短波等で出す形式に変更されている。本部や主送信所がエクアドルから撤退した後は更にこの傾向が強まった。現在同局への受信報告に対する対応は
原則番組制作団体が行っているので、HCJBロシア語放送の受信報告に対するQSLはこの団体から発行される。
HCJBはエクアドルから1931年に放送を開始した時はスペイン語、英語のみの放送であったが、開局10年後の1941年には早くも世界放送を目指す
ようになりロシア語、スウェーデン語、ケチュア語の放送が追加された。当時のソ連はスターリンの独裁が続いており、凄烈なキ
リスト教弾圧が行われ、教会と関係があると疑われただけで処刑された。このような状況の中でも信仰を続ける人々を支援するためにいち早くロシア語放送が開
始された。ロシア語放送はソ連で隠れてキリスト教を信仰する人々の間で好感を持って迎えられ、聴取者による秘密の教会がソ連全土で2万以上設立されたと言
われている。当時の番組制作に精力的に取り組んだElizabeth
Lewshenia女史(1915-2015)は「HCJBロシア語放送の母」として慕われた。スターリン死後のソ連でも弾圧は継続されたため、放送は強
化されていったが、ソ連からのジャミングによる妨害も無視できない状況になった。そこでHCJBでは1975年に米国インディアナ州Elkhatに対ソ連
放送技術拠点を設立し、エクアドルにいた放送技術者等を集結させた。その聖歌として50kW送信機等が自作されて対ソ放送に活用された。この技術拠点は後
に「HCJB Engineering
Center」に発展し、HCJBのみならず世界各地のキリスト教放送局に廉価な送信機を提供するようになった。
キリスト教の弾圧はソ連の崩壊で終結し、HCJBのロシア語放送は縮小された。しかし今度は力を得たロシア正教会がロシア民族主義の高まりとともに
事実上の国教として君臨するようになり、カトリックやプロテスタントは再び厳しい状況に置かれるようになった。そこで2006年にHCJBはロシアやウクライナの国内放送局と連携して内部での布教放送を維持強化する方針を打ち出し現在に至っている。
Radio
Studio "Otkrovenie"は2000年にVoronezhに設立されたプロテスタント系番組制作会社で、2004年より「Golos
And」(Голос
Анд:アンデスの声)の名称で短波で行われるHCJBロシア語放送の制作を行っている。この他にエストニアのTartu
Family Radio(1035kHz)の番組も制作、またロシア国内向には直接「Radio
Life」の名称でインターネット・モバイル放送及び衛星放送も実施している。
Reach Beyondのロシア語放送は現在週1回次の様に行われている。送信方向はロシア向なので日本では比較的容易に受信可能である。
日曜 00:30-01:00 Moosbrunn送信所 13800kHz (B15よりは11900kHzに変更予定)
これとは別にHCJB-GermanyよりKall送信所から3995kHzにて毎日12:00-12:30(出力1.5kW)にロシア放送が行われており、Radio
Studio "Otkrovenie"でも言及されている。但し上記と同一番組か不明。
米国のReach Beyond本部(P.O.Box 39800, Colorado Springs, CO 80949-9800,
USA)に直接送付した受信報告もロシアに転送されるので、ロシアに直接送った方が良い。返信料としてIRCまたは$2程度の同封が必要である。
受信報告の宛先: Radio Studio "Oktrovenie", P.O.Box585, Voronezh, 394036 Russia
ロシア語では 394036 Руссия, Воронеж а/я 585, "Голос Анд", Радиостдия "Откровение"
E-mail: radio @ radiolife.su
URL: http://www.radiolife.org
http://www.radiolife.su
(左)QSLカード表面 ヴォロネジ市内の写真(中央の川はヴォロネジ川) 上部に「放送開始10周年」 右下に詩篇10:3の内容が記されているが日本の聖書と異なる 大きさ 144×102mm
(右)QSLカード裏面 上部中央にロゴ、左右に提携局のロゴ 「アンデスの声の受信を証明します」との記述がある
(左)グリーティングカード 流水に紅葉と日本的な主題だ 左上に旧訳聖書の詩篇21:28の内容が記載されているが、日本の聖書では詩篇22:28に当たる
(中)番組録音中のスタジオ風景
(右)同局のロゴ ЗВУКОЗАПИСИは「録音」の意味
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