NBC Bougainville (パプアニューギニア)

 数少なくなったパプアニューギニアNBCのローカル短波局の中でも比較的良く受信できる局である。 Bougainvilleの名称からブーゲンビル島にあると思われてしまうが、実際にはブーゲンビル島の北方に位置するブカ島にある。ブーゲ ンビル・ブカ両島はパプア・ニューギニア本土の東 600kmに位置しており、現在はブーゲンビル自治州となっている。長らくオーストラリア領であったが、第二次大戦中に日本軍が占領し、 1943-45年には日本軍守備隊6万人と米豪連合軍との間に死闘が繰り広げられた激戦地である。1943年4月に山本五十六連合艦隊司令長官の 搭乗機が撃墜されたのもこの地であり、日本とは大きな因縁のある場所である。

 1975年にオーストラリアからパプアニューギニアが独立した際に同国のブーゲンビル州となったが、民族の違い、豊富な銅資源を有すること を背 景に分離独立運動が起き、ついに1988年ブーゲンビル革命軍が放棄して内戦が勃発し、1998年に停戦が成立するまで内戦が継続、その間には革命軍側か ら秘密放送も出た。また内戦でブーゲンビル島にあった主都Kietaは廃墟となって放棄され、北部ブカ島が臨時主都となった。 2005年 には自治政府が成立してより自治権が強化され、パプアニューギニアの他の地域の人は居住が許されなくなった。2019年に最終住民投票が行わ れる予定で、その時の結果によりパプアニューギニアに残るか、独立するかの判断がなされることになっている。

  この地域に初めて放送局が誕生したのは独立前のオーストラリア領の時代1968年で、当時の主都Kietaにオーストラリア製2kW短波送信機を設置し Radio Bougainvilleの名称で周波数3322kHz、コールサインVL9BAで放送を開始した。1975年にパプアニューギニアが独立すると Radio North Solomonと改名し、送信機はオーストラリア製10kW送信機にレベルアップされ、更に1985年には日本のODAにより日本NEC製の10kW送信 機HFB-7840が導入された。3322kHzとともに6020kHzも不定期に使用されるようになった。しかし上述のように内戦が勃発す ると、主都Kietaは戦闘地域となり、1990年代初めには放送局や送信施設が破壊されて放送は休止状態になった。停戦成立後はBuka島 に旧送信機を移してNBC Bougainvilleとして放送していた模様だが保守が悪く2013年頃には故障して放送が途絶した。そこで新たな10kW送信機を調達して2016 年1月に3325kHzと6020kHzで放送を再開した。但し6020kHzは不定期使用の模様で2017年現在は確認されていない。従来 受信状態は余り良くなかったが2016年の更新時以降は比較的良好に入感するようになった。2016年9月には現地政府により新たなスタジオ 設備が落成し放送機能が強化された。

 NBC(National Broadcasting Corporation)の支局扱いだが、独立的色彩が強化され、ロゴは独自にブーゲンビル州の紋章を入れたものを使用している。2019年の国民投票で 独立が決まればNBC Bougainvilleも過去のものとなることが予想される。

 パプアニューギニアは郵便事情が悪く(基本的に郵便の配達システムが存在しない)受信報告が届きにくい国で、特に僻地や離島には滅多に届か ないのでQSLの獲得は困難であったが、2016年以降Station DirectorのEddie Rasin氏にE-mailで受信報告を送れば返信を得ることができるようになった。


 受信報告の宛先: P.O.Box 35, Buka ARB, Papua New Guinea (郵便は原則配達されない)
 
 E-mail: rasineddie @ gmail.com

  電話:  +675 9739911

  URL (facebook):  https://www.facebook.com/NBCBougainville/

 

2016年にEddie Rasin氏より取得したE-QSL(ロゴと州旗は筆者が追加)
同時に郵便で送った手紙はまだ届いていないと書いてあるがついに届かなかったようだ




(左) 夕暮れの局舎鉄塔
(右) 2016年9月に新設されたスタジオ(パプアニューギニア情報サイト「the NATIONAL」より)

 


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