Croatian Radio and Television/Hrvatska
Radiotelevizinia 〔HRT〕(クロアチア)
クロアチア(Croatia)は現地語(クロアチア語)ではHrvatskaという。この国の公共放送は英語ではCroatian Radio
and Television だが現地語ではHrvatska Radiotelevizinia
(略称HRT)と言う。この国のラジオ放送の開始は1926年5月1日と、日本とそんなに変わらない古さである。当初は現在と同じHrvatska
Radioと称したが後にRadio stancia
Zagrebと改名した。当初民間局として開局したが1940年に旧ユーゴスラビア王国の国営局となった。
戦前の旧ユーゴスラビア王国、戦後の共産主義ユーゴスラビアの時代、人口(クロアチアの約400万人に対しセルビア700万人)でも政治でも中
心はセルビアであったが、放送やそのネットワークではクロアチアの方が勝っていた。セルビアとは言語もほぼ同じ(文字はセルビアのキリル文字に対
してクロアチアはローマ文字)であるにも係わらず宗派(クロアチアはカトリック、
セルビアはセルビア正教)が違うためか犬猿の仲で、1945年には相互に数十万人の大虐殺があり、更にユーゴスラビア崩壊時には1991年のクロアチア戦
争、それに続くボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で相互の殺戮が繰り返された。現在でも民家の壁には当時の銃弾の跡が生々しく残っている。1991年
の独立宣言後は西側の国としての歩みを深め2013年にはEUに加盟した(通貨統合には未参加)。
HRTのラジオ放送は全国向第一・第二・第三(HR1、HR2、HR3)と8局のローカル放送(Dubrovnik、Knin、Osijek、
Pula、Rijeka、Sljeme、Split、Zadar)、そして国際放送のGlas Harvatske(Voice of
Croatia)がある。クロアチアはユーゴスラビアの中でも独立の機運が強かったものの国際放送は許されず、1980年代後半からはアドリア海に面した
Zadar中波送信所を 600kWに増力し、欧州のクロアチア人向にZagrebの放送を送信していた。
独立後の1991年からは国際放送Voice of
Croatiaを独自に放送するようになった。国際放送は在外クロアチア人向でクロアチア語が中心であったが、2000年から英語・スペイン語の放送も行
われて本格的な国際放送の体を整えつつあった。。当初Zadar送信所が使用されたが、独自の短波送信所を持たなかったためドイツの
Juelich短波送信所(今はない)を借用し、後には更にシンガポールのKranji送信所も借用して短波放送を行っていた。短波放送は高出力
であったため日本でも良好に受信することができたが、2013年1月1日に廃止された。その後も国際放送そのものは残り、衛星
(Eutelsat16Aで欧州・北アフリカ・中東向に放送)、インターネットに加え前述のZadar送信所(紛争で被害を受けたことから
150kWに減力)からの中波高出力送信で欧州をカバーする方策がとられた。しかし2014年1月1日には1134kHzで行われていた
Zadar送信所からの送信は中止され、その後同中波送信所は廃止された。 現在同国では中波は全廃、FM放送のDAB+化も開始されている。
従って現在の国際放送は衛星・インターネットのみで、クロアチア語、スペイン語、ドイツ語の番組が制作されている。同時にRijeka局制作の
イタリア語番組、Osjek局及びボスニア・ヘルツェゴビナのRadio
Žepče制作のハンガリー語番組が流されている。またスペイン語番組はアルゼンチンの2局、チリの3局でも中継されている。
QSLカードは1999年に短波放送を受信して獲得したもの。この時も1日数十時間短波で放送していた。短波廃止後はご無沙汰していたが、
2018年9月に同国を訪れる機会があり、アドリア海沿岸のリゾート地SplitでHR1のFM放送(91.3MHz、Labinštika送信所)を受
信、帰国後Zagrebの本部に受信報告を送ったところ何と「Voice of
Croatia」のカードが送られてきた! 局舎を描いたカードのデザインは20年前と同じだが、大きさも一回り大きくなり多色刷りで豪華なカードとなっ
ている。
受信報告の宛先: Prisavlje 3, 1000 Zagreb, Croatia
URL(HRT Radio): http://radio.hrt.hr
URL(Voice of Croatia): https://glashrvatske.hrt.hr
(左)1999年発行のHRTのQSLカード表面 Zagrebの本部局舎 大きさ 140×90mm
(右)同裏面 発行者はZelimir Klasan氏(別途QSLレターも添付)
(左)2018年SplitでのHR1の現地受信に対するQSLカード表面(Voice of
Croatia専用カード)Zagrebの本部局舎 大きさ 148×99mm
(右)同裏面 左上はクロアアチアの国旗 発行者はTomislav Sikic氏
(左)2018年に送られてきたGlas Hrvetskeのメモリーカード
(中)1999年のカードと同じ角度から見たZagrebの局舎~パラボラアンテナの本数が激増している! (Wikipediaより)
(右)Zegrebの本部局舎全景 (Wikipediaより)
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