Radio Dechovka (チェコ)

  Radio Dechovkaはチェコの民間音楽専門放送局である。チェコ語の"dechovka"はブラスバンドのことで、チェコの西半分を占めるボヘミア、東半分 のモラビア、北部でポーランドの部分も含めたシレジアの民族音楽を専門に放送している。これらの音楽はチェコ国民ならば誰でも親しんでいるもので、ブラス バンドで演奏される。主な対象リスナーは、プラハの古い音楽ファン、1960年代のポップスファン、トランピング(足踏み)音楽のファンなどである。

 プラハ北郊KojeticeのラジオファンであったRoman Culek氏は、古くからこのような放送局の存在を望んでいたが、2009年ついに自分でRadio Dechovkaを立ち上げ、インターネット上で放送を開始した。スタジオは当時Culek氏の家の書斎であった、局はその後Kojeticeの旧鉄道駅の駅舎等を経て、現在はプラハのHolešoviceにある。2013年にはチェコ・ラジオ・テレビ放送審議会から全国放送免許が交付され、文字通りの放送局となり、プラハBořanovice-Libeznice送信所より1233kHz(10kW)でオンエアーが開始された。送信所はその後Brno–Řečkovice(500W)、České Budějovice–Husova Kolonie(2kW)、Ostrava – Svinov(2kW)、Dobrochov(5kW)に増設された。これらの中波中継局は親局と同じ1233kHzで放送していた。更にDVB-T2 MUX 23のテレビ放送にも参入し、ボヘミア地方南部ではFMネットワーク(Tábor 94.5MHz、České Budějovice 96.8MHz、Písek 99.4MHz、Strakonice 101.1MHz、Třeboň 96.8MHz、České Budějovice 95.5MHz)を形成している。更にプラハ、Plzeň (ビールで有名)、OstravaではDAB+でも受信できる。2017年1月にČeský Rozhlasが使用していたプラハZbraslav送信所に1233kHzの送信機を移設した。2018年にはHradec Králové-Stěžeryにあった旧無線通信センターを取得し、新たに送信機を自作して792kHz(10kW)を追加した。放送は1日24時間行われている。2021年2月末にはZbraslav送信所及び4中継局から行われていた1233kHzをすべて廃止した。プラハの送信所はBořanovice-Libezniceに戻され、周波数は1260kHz(10kW)となり現在に至っている。

 
2023年5月18日はチェコで放送が開始されて100周年に当る。現在のČeský Rozhlas、当時のČeskoslovenský Rozhlasが1923年の同日、最初の放送をプラハのKbely区に設けられた仮設テントの中より「Radiožurnál」の名称で行った。日本に先立つこと2年、世界では早い時期のラジオ放送開始であった。それにちなんでČeský Rozhlasの第一放送は現在も「ČRo Radiožurnál」と称している。これを記念してRadio Dechovkaでは5月18日の19:00より特別記念放送をプラハのZbraslav送信所(1955年建設、2002年以降は民間放送局等が借用して使用)より古い周波数1233kHz(10kW)で実施した。1233kHzは Radio Dechovkaが最初に使っていた周波数であるとともに、2002年までČeský Rozhlasが使用していた伝統ある周波数でもある。なお2023年6月2・3日には同じ送信所・周波数でCzech Radio ClubによりOL100Rのコールサインで、アマチュア無線の記念クロス通信(1233kHzで呼びかけて短波のアマチュアバンドで応答する)も行われ た。現在Český RozhlasはFM化が完了しており、チェコで中波を使用しているのはRadio Dechovka、Český Impuls、Country Radio(この局はZbraslav送信所を使用している)の3民間放送局のみである。
 
 日本で出力1233kHz・10kWのこの記念放送を直接受信することは不可能であるため、リモート SDRの助けを借りることにした。放送開始の5月18日19:00は現地では昼間(12:00)であり、プラハのSDRでは受信できたが、チェコ国境近くのドイツのSDRではもう信号が弱くなり、ごく近隣で受信できるのみであった。そこで現地が早朝となる翌日の11:40(現地時間04:40)に今度は約600km離れた(欧州は狭いので、オランダーチェコ間でもこんな距離だ!)オランダEnschedeのTwente大学SDRで受信を試みたところ、E層伝搬の空間波が良好に受信できたので、早速受信報告を書いてメールで送付した。約1ヵ月後航空便で紙の特別QSLカードとステッカーなどが送られてきた。


 
古く美しい町プラハは、「音楽の町」でもある。夜間には随所の教会や劇場で小さな演奏会が催され、水より安い値段でビールの飲めるビアハウスではRadio Dechovkaで放送されているようなフォーク音楽が生演奏されているところも多い。十数前プラハに一週間滞在し夜な夜な音楽を堪能した夏の日々を想い出した!

 受信報告の宛先; Ralsova 1262, Úvaly, 250 82 CZ, Chechia

 E-mail; <onair @ radiodechoka.cz> <studio @ radiodechovka.cz>

 URL; http://www.radiodechovka.cz/


(左) 100周年記念放送の特別QSLカード 周波数1233kHzは記載されていない ラジオの上で寝そべるネコの顔が可愛い 大きさ146×103mm
(右) 1233kHzの送信が行われたプラハZbraslav送信所の中波鉄塔群(Wikipediaより)

  


(左) 放送開始100周年の記念ロゴステッカー (右) 金管楽器をデザインした同局のロゴステッカー
     


同局のスタジオ内風景 コンピュータはまだWindows7で動いてた時のもののようだ! 中央の写真では周波数が1233kHzと表示されている

     


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