月刊短波2014年6月号（第４版）
編集　赤林隆仁　　時間　JST

◎インドDRMを止めてFMにシフト
　英国のAlan Pennington氏によると、インドAIR（Prasar Bharati)のJawhar Sircar局長は、「AM放送のデジタル化(DRM)は愚かで思慮を欠く計画であり、早急にFM放送に切り替えるべき」との考えを示した。DRM放送の 整備に投資してい た資金をFM放送整備用に回し、中波の放送塔の脇にFM用の放送塔を建設し、まず中波とFMで同内容の放送を実施する。短波でDRM放送を計画していた 50の放送局から着手する予定である。今まで送信機メーカーの言うままにDRM送信設備を100局あまりに整備してきたが、整備見通しの中に「受信機のコ スト」が全く考慮されていない事に気づいた。DRM対応の受信機は5千〜1万ルピーもして、とてもインド人の買える値段ではない。DRM設備の運用を停止 し、DRM設備に投資する予定のカネをすべてFM設備に回した方が経済的であるとしている。(WWDXC TP 1160)

◎Radio Tamazuj /Radio Dabangaのスケジュール追加
　ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、スーダン向放送2放送局は7月1日より以下のスケジュールを追加する。言語はすべてアラビア語。送信所はMadagascar、 出力は 250kW。
　Radio Tamazuj
  13:00-13:30 7205 320度
　00:00-00:30 11805 350度
　Radio Dabanga
  14:00-14:30 15150 350度
(WWDXC TP 1160)

◎Shortwave Radio Africa短波放送を削減
　英国のAlan Pennington氏によると、Shortwave Radio Africaは4月1日より短波放送を1日2時間から1時間（火−土曜のみ02:00-03:00 4880kHz 100kW)に短縮し、また週末は放送を中止することになった。但しwebサイト（http://www.swradioafrica.com）上では従来通り2時間（イ ンターネット）放送を行う。(WWDXC TP 1160)

◎ドイツ周波数ハンドブック春補充版無料発行
  日本の「周波数帳」に当たる2014年版ドイツ周波数ハンドブック（Sender & Frequenzen 2014）の春補充版(pdf形式）が無料提供されている。http://www.vth.de/よりダウンロードできる。(WWDXC TP 1160) 冊子版の元リストは€29.80で販売されています。

５６ページの大部である

◎世界の放送局webサイト表
　主要な正解の放送局webサイトへのリンク表英国BDXCのAlan Roe氏によって提供されている。http://www.w4uvh.net/hitlist.htm。　(DXLDyg 5/5)

◎オーストラリアVintage FMの現状
　オーストラリアのVintage FMは3210kHzで、1950〜60年代のpoposを放送している。受信報告はwilmo ＠ vintagefm.com.au宛に送ればQSLマネージャーのIan Baxter氏またはCraig Allen氏に転送されてeQSLが発行される。放送は05:00頃と16:00頃に確認されている。(DXLD 1419)

◎WAPSリスト無料配布
　英国及びアイルランドの教会にはWAPS(Wireless Public Address Service）という無線業務が認められており、27MHz帯にてNBFMモードで土曜・日曜や特別の日に公衆に向けて放送を行っている。2014年版 のWAPSリスト が以下のHP上で無料公開されている。http://www.udxf.nl/WPAS%20List%20March%202014.pdf。 （DXLD 1419)

◎Radio Nacional da Aamzoniaの49mb復活
　ブラジルRadio Nacinal da Amazoniaの6180kHzは一時停波していたが、このほど復活した。17:44頃確認、11780kHzとパラ。(WWDXC TP 1161)

◎Voice of Russiaは解散・清算に
　ロシア政府はVoice of Russiaを解散・清算する決定を行い、5月14日Andrei Bystritsky局長を解任した。（WWDXC TP 1161)　短波廃止後に継続されているインターネット、衛星放送も危なさそうですね。

◎VORに対する新たな支出組織を整備
　ウルグアイのHoracio Nigro氏によると、ロシア国家安全保障会議はVoice of Russiaを今後財政的に支えて行くための新たな支出組織を創出することを決定した。この措置で今後同局の長波・中波・短波放送の復活が検討される可能 性もある。 (DXLDyg 5/27) 上記の解散・清算との関係は不明です。旧組織を廃止して新会社を作るということでしょうか？

◎「New Summer 2014 International Shortwave Broadcast Guide」Kindle版で発行
　Teak Publishing社より「New Summer 2014 International Shortwave Broadcast Guide」（Gayle Van Horn, W4GVH著）が発行された。かってMonitoring Times誌に毎月掲載されていた米国で受信可能な時刻別英語短波放送表を電子出版物としたものである。周波数等の更新はhttp://mt- shortwave.blogspot.com/上で行われる。価格はamazonのKindle Store（http://www.amazon.com/dp/B00K6YKNFM）で$5.15である。（WWDXC TP 1161)




◎HAARPの巨大短波送信施設解体に
　米空軍が計画から撤退したことに伴い、HAARPプロジェクトは解散し、アラスカ州Gakonaにある電離層の軍事利用を目的とした巨大短 波送信施設が6月より解体されることになった。当初アラスカ大学はHAARPで行われていた研究の一部を引き継ぐ事を考えていたが、結局年間 500万ドルに及ぶプロジェク ト費 用を捻出することはできなかった。解体される短波送信施設は2億9千万ドル以上を投入して建設されたもので、30エーカーの敷地に電離層（高度 55-370マイ ル）照射用の180基の送信アンテナが設置されている。責任者はもうこんな研究を行うことは2度とないだろうとしている。(DXLD 1420)

巨大なHAARPのアンテナ群


◎ブラジルRádio Itatiaia情報
　イタリアのDario Monferini氏によると、ブラジルBelo HorizonteにあるRádio Itatiaia（5970kHz、コールZYE523）は受信報告に対してFabiana Souza氏よりQSLカード及びステッカーの返信があった。同局のE-mailはitatiaia ＠ itatiaia.com.br、URLはhttp://www.itatiaia.com.br、QTHはRua Itatiaia 117, Bonfim, Belo Horizonte MG 31210-170 Brasilである。(WWDXC TP 1162)



◎FEBCの新アドレス
　英国のAllen Dean氏によると、フィリピンのFEBCのアドレスが以下のように変更されている。
　FEBC, P.O.Box 14205, Ortigas Center, Pasig City 16051, Philippines
(WWDXC TP 1162)

◎ロシアの国営残存中波局
　RusDXによると、3月20日現在ロシアに残存している国営の残存中波局は以下の通りである。　周波数(kHz)/出力(kW) /所在地/名称の順に記載している。

　Radio Russii
   567 / 500 / Volgograd, Russia / GTRK "Volgograd"
　 567 /  75 / Kyzyl, Tuva Republic / GTRK "Tuva"
   576 /  50 / Khabarovsk, Russia / GTRK "Dalniy Vostok"
   585 / 150 / Perm, Perm / GTRK "Perm"
   594 /  40 / Izhevsk, Republic of Udmurtia
   621/   50 / Makhachkala, Dagestan / GTRK "Dagestan"
   621 /  50 / Syktyvkar, Komi Republic / GTRK "Komi"
   639 /  75 / Omsk, Russia / GTRK "Irtysh"
   657 / 150 / Murmansk, Russia / GTRK "Murman"
   693 / 150 / Ufa, Republic of Bashkortostan
   711 /   7 / Naryan-Mar, Nenetskiy AO / GTRK "Zapolyarje"
   738 /  25 / Palana, Kamchatka Region / GTRK "Kamchatka"
   738 /  40 / Chelyabinsk, Russia / GTRK "Yuzhny Ural"
   792 /  25 / Abakan, Republic of Khakassia / GTRK "Khakassia"
   792 /  50 / Aleksandrovsk -Sakhalinsk, Russia / GTRK "Sakhalin"
   810 / 150 / Vladivostok, Primorsky Krai / GTRK "Primorye"
   846 /  40 / Elista, Republic of Kalmykia / GTRK "Kalmykia"
   855 /  50 / Penza, Russia / GTRK "Penza"
   873 /  25 / Kaliningrad, Russia
   873 / 250 / RC "Lesnoy", Moscow region
   873 / 100 / Samara, Russia / GTRK "Samara"
   873 /  75 / Saint-Petersburg, Russia
   918 / 150 / Arkhangelsk, Russia / GTRK "Pomorje"
   936 /   5 / Matveyevka, Orenburg region / GTRK "Orenburg"
   945 /  40 / Novocherkassk, Rostov region / GTRK "Don-TR"
   963 /  20 / Zakamensk, Buryatia / GTRK "Buryatia"
  1008 /   1 / Tuapse, Krasnodar region
  1080 / 100 / Kovylkino, Mordovia / GTRK "Mordovia"
  1089 /   5 / Tilichiki, Kamchatka Region / GTRK "Kamchatka"
  1089 /   5 / Nikolsk, Vologda Region / GTRK "Vologda"
  1116 /  30 / Sochi, Krasnodar Krai / GTRK "Kuban"
  1251 /   7 / Cherkessk, Karachay-Cherkess Rep / GTRK "Karachay-Cherkessia"
  1287 /  50 / Grozny, Chechen Republic / GTRK "Vainah"
  1350 / 2x5 / Ust- Kan and Ust- Ulagan Altai Republic / GTRK "Gorny Altai"
  1395 /   1 / Buguruslan, Orenburg region / GTRK "Orenburg"
  1458 /   7 / Kudimkar, Perm / GTRK "Perm"
  1476 /  20 / Onguday Altai Republic / GTRK "Gorny Altai"
  1485 / 2x1 / Kamenskoe and Keys, Kamchatka Region / GTRK "Kamchatka"
  1602 /   1 / Ust- Barguzin, Buryatia / GTRK "Buryatia"

  "Mayak"
 828 /  75 / Kyzyl, Tuva Republic
 918 /  50 / Makhachkala, Dagestan / GTRK "Dagestan"

  "Vesti FM"
1089 / 1200 / Tbilisskaya, Krasnodar region
1215 / 1200 / Sovetsk, Kaliningrad region
1413 /  500 / poselok Mayak, Prednestrovie
 (WWDXC TP 1162)

◎台湾・虎尾鎮送信所送信設備入れ替え
　オーストラリアのIan Baxter氏が台湾国際放送の報道として伝えるところによると、1967年に建設が始まり、1972年5月より中国大陸北部、中部、朝鮮半島南部、ロシ ア、インド向に送信を行っていた台湾雲林県の虎尾鎮（Huwei)送信所は2013年末で従来設備による送信を終了して休止状態に入った。今 後はDRM対応可能の新送信 機、新型アンテナを装備した最新型の送信所に生まれ変わる予定である。（WWDXC TP 1162）

◎Santa Maria di Galeria送信所の中波アンテナ撤去される
  イタリアのLuigi Cobisi氏によると、5月8日朝にイタリアSanta Maria di Galeria送信所より4本のマストに支えられた大型中波アンテナが撤去された。これはVatican Radioの1530kHz用に使用されていたものである。1530kHzの放送は2011年に廃止されたが、送信設備はそのまま残っていた。送信所周辺 の強力な電磁気が懸念され、13年前より撤去が要請されてきた。1530kHzは大電力で欧州・中東をカバーしており、インターネット接続を 待たない旅行者には情報手段と して手頃なものであった。なおVatican Radioのローマ市内向中波放送585及び1260kHzはこの送信所からではなく、バチカン市国内の送信所より出ているためそのまま継続されている。 (DXLD 1420)

撤去された1530kHz用アンテナ（www.waniewski.deより）



◎Radio Ndeke Luka英国からの送信を中止
　ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、昨年より02:00-02:30に英国Wofferton送信所より17500kHz(250kW、152度）で 中央アフリカ向に放送していたスイスHirondalle系の放送局Radio Ndeke LukaがHFCCへの登録を取り消し、送信が中止された模様である。(DXLD 1421)

◎エリトレア向秘密局Radio Erenaはフランスにスタジオ
 フランスのChristian Ghibaudo氏によると、エリトレア向秘密局Radio Erena(別名Radio Erythrée Internationale）はフランスParisにあるスタジオでTigrina語の番組を制作しており、ブルガリアのSofia送信所より 02:00-02:30に11560kHzで放送している。URLはhttp://www.erena.org、E-mailはradioerena ＠ gmail.comである。 (DXLD 1421)

◎バルト海にフィンランドの海賊局出現
　スペインのArtur Fernández L.氏によると13910kHzLSBにフィンランドの海賊局Baltic Sea Radioが05:00頃出現した。試験送信であった。連絡先はbalticseapirate ＠ gmail.comである。(DXLD 1421)

◎Echo of Europe5月21日より放送開始
　Echo of EuropeのSimon Marty氏によると、欧州の情報提供局である同局（略称EOE）は5月21日より毎週水・土曜日の03:30-03:45に7315kHz(Nauen 送信所、 125kW、230度）で英語・フランス語による放送を開始した。QTHは09 rue de Sebastopol, B.P. 21531, 31015 Toulouse Cedex 6, France、URLはhttp://www.echoofeurope.euである。同氏宛のE-mailはsimon.marty ＠ echoofeurope.euである。（WWDXC TP 1162)



◎Sedaye Radio-ye Mehr Iran周波数変更
　イラン向秘密局Sedaye Radio-ye Mehr Iranが5月24日より01:30-02:00の放送（毎週土曜日・火曜日、ペルシャ語）の周波数を15680kHzから 15670kHz（Issoudun送 信所、500kW、91度）に変更した。(DX RE MIX NEWS #853)

◎Transport Radioの夏期スケジュール
　オランダのTransport RadioはA14スケジュールでは、毎週月・水・金曜日の17:00-19:00に6095kHz（Nauen送信所、100kW、230度）で放送し ている。放送はオランダ語。以前は月−金の毎日放送で、火・木曜は20:00まで放送していた。(Ivo Observer 5/22）



◎Radio Free Sarawak周波数変更
　マレーシア向反政府秘密局Radio Free Sarawakは5月20日より周波数変更を行った。　フィリピンPalauig送信所より250kW、280 度の送信。言語はイバン語。
　月−土曜　20:00-20:45 15430 (15460kHzより変更）
　月−土曜　20:45-21:30 15420（15460kHzより変更）
（DX RE MIX NEWS #853）

◎バルカン半島の大洪水で International Radio Serbia停波
　ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、クロアチアの3カ国で50以上が死亡した「バルカン半島大洪水」の影響でInternational Radio Serbia(02:30-07:00 6100kHz)は5月中旬以降受信されていない。(DX RE MIX NEWS #853）

◎HFCC国際災害援助試験送信実施
　AWRのAdrian Petersen氏によると、HFCCはインドネシアJakartaで開催される「Media Summit」で短波放送による国際災害援助計画が議論されることを記念して、来る6月5日及び6日に加盟各国の短波送信機を使用してインドネシア向に国 際災害援助の試験 放送を実施する。スケジュールは以下の通り。PhilippinesはFEBCの送信所を予定。
　 11:00-11:30  Radio Australia Shepparton Australia 21840
   11:30-14:30  BBC   Nakhon Sawan  Thailand 15650
   14:00-14:30  Radio Vatican Santa Maria do Galeria 21840
   14:30-15:00  SLBC  Trincomalee Sri Lanka 15650
   16:30-17:00  MGLOB Talata Madagascar 21840 250 kW
   17:00-17:30  VOA   Thailand　15650またはPhilippines 21840
 　17:30-18:00  VOA   Thailand  15650またはPhilippines 21840
   17:30-18:00  NHK Palau 15650
   18:00-18:30  VOA   Thailand または Philippines 周波数未定
　 18:30-19:00  VOA   Thailand または Philippines 周波数未定
   19:00-19:30  AIR Bangalore India 15650 500 kW
   19:30-20:00  CRI  Beijing China 21840
   20:00-20:30  KTWR  Guam 15650
（WWDXC TP 1163）

◎World Christian Broadcasting マダガスカル局への送信機設置許可降りる？
　米国のJerry Berg氏によると、マダガスカルに大短波送信所を建設中のWorld Christian Broadcastingに対して、マダガスカル政府より漸く設置許可が降りた模様で、米国に待機していた短波送信機が現地に送られ、設置作業に入った。 （WWDXC TP 1163）

◎Sarawak FM短波に復帰
　米国のRon Howard氏によると、一時停波していたSarawakのRTM Sarawak FMが5月28日より9835kHzで復活した。局のAmiruddin Bin Jemaat氏（amiruddinj ＠ rtm.gov.my）によると、送信機の電源トランスに問題があったのを修復したとのことである。（WWDXC TP 1163）

◎パキスタンに日本製大出力中波送信機設置
　インドのAlokesh Gupta氏によると、Pakistan Broadcasting CorporationのPeshawar局はChugalpura送信所日本NEC製の400kWDRM対応中波送信機を新たに設置し、1260kHz にて5月26日より運用に入った。
  同局のMahmood Riazuddin氏によると、西北部のアフガニスタン国境地域をカバーしている。JICAの協力で設置された400kW送信機は、過去20年間使用して 老朽化した 100kW中波送信機を置き換え、この地域での受信状態が画期的に改善される。多民族地域であるため国内向ながら6言語で放送が行われる。統治が十分及ん でいないと言われる西北部地域により大きな影響を与えることが期待される。（WWDXC TP 1163)

◎Dimtse Radio Erena周波数変更
　エリトレア向秘密放送Dimtse Radio Erenaは5月24日より周波数を11560kHzより変更した。02:00-02:30 11855kHz(Sofia送信所、50kW、195度）、オロモ語。(DX RE MIX NEWS #854)




出典の略称　

   DXLD： DX Listening Digest
　 DXLDｙｇ： DX Listening Digest Yahoo Group
　 WWDXC TP：　World Wide DX Club Topnews
   DSWCI DXW： Danish Shortwave Club International  DX Window
   HCDX： Hard-Core-DX
   JSWC： Japan Shortwave Club
   NDXC：　Nagoya DXers' Circle
   ABU：　Asia-Pacific Broadcasting Union
   WRTH：　World Radio TV Handbook