月刊短波2015年1月号(第3版)
編集 赤林隆仁  時間 JST


謹賀新年

 22年前の1993年に発行された「世界を聴こう ~短波放送の楽しみ方」(コロナ社)の「あとがき」に当時台頭してきた衛星放送に関連して「メディア としての短波はやがて不要になるのではないかという懸念を抱く人もある。しかし使用できる衛星の数や受信機の価格や機動性、送信コストから考えて衛星に移 行できるのは大手の短波局の一部のみと考えられ、短波放送が将来なくなることはあり得ないと思われる。」と書きました。
 「前門の虎」である衛星放送が隆盛 しないという予測は当たりましたが、当時は「後門の狼」に当たるインターネットの出現(日本の「インターネット元年」は1995年)、前提をすべてひっく り返してしまう「利益至上主義」(利益の期待できない短波放送はリストラ)の考え方の出現までは考えが及びませんでした。
 その後「利益至上主義」は「後門 の狼」の出現(インターネット自体は短波放送を補完する存在であり、脅かす存在ではないと思いますが)を理由として、「短波は時代遅れのメディア」という キャンペーンを繰り広げ短波放送をひっくり返しにかかり現在に至っています。欧州の例を見て分かるように短波の次は、中波・長波がリストラされ、多分最終的に はラジオ放送(有料のラジオ放送は成立しないので)の消滅にまでつながる恐れがあります。ラジオ放送は公園、橋、道路、学校と同じような「公共財」であり、 「カネがかかる」、「儲からない」というだけで廃棄されるべきではないと思われます。短波は小出力で地球の裏まで到達します。「カネがかかる」という問題には 技術的な対処方法が見つかるのではないかと思いますし、「儲からない」という問題には「儲からなくても良い」短波放送というソリューションがあると思うのです。

◎朝鮮の声日本語放送新年メッセージをビデオ公開 2版新規
 
北朝鮮「朝鮮の声」日本語放送の2015年新年メッセージがYou Tube上にビデオ公開されている。

http://www.youtube.com/watch?v=PfKtFhcyQ9c&sns=em
 1分45秒で、呉英淑(オ・ヨンスク)アナウンサーが出演している。
(北朝鮮放送受信家 
蠇氏)

◎中央人民廣播電台の民族語放送新年より拡充・再編成 
2版新規
  
中央人民廣播電台の第8放送「民族之声」(CNR-8)が1月1日から放送を拡充している。朝鮮語放送は5975kHzで 15:00-24:00の連続放送になっている。当初は時報も局名アナウンスもない連続放送であったので、韓国からの新しい対北放送かと色めき立ったのが CNR-8のISが2200、2300に確認された。同局のHP(http://www.cnrmz.cn/)でも12月29日付けで放送時間拡充の情報がリリースされていた。
 新たに確認されたCNR-8の周波数・時刻は以下の通りである。
 CNR-8 民族之声 蒙古語 06:00-15:00 9610 11810kHz (北京土城491送信所 100kW 283度)
  CNR-8  民族之声 朝鮮語  15:00-24:00 5975 9785kHz (9785kHzは1/2開始、
何れも北京土城491送信所 100kW 63度
 従来CNR-8で放送されていたカザフ語は分離独立し新しくCNR-17カザフ語
播となった。
 CNR-17 カザフ語
播 23:55-12:00 11630 12055kHz  12:00-18:05 6180 9630kHz (何れも山西霊石752送信所 100kW 11630 6180 286度 12055 9830 298度)
  この拡充に伴い
延吉に朝鮮語放送用のスタジオも新設された。また放送は各対象地域で中波及びFMでも放送されている。
 これでCNRの民族語放送は以下の系統で放送されることになった。
  CNR-8   蒙古語・朝鮮語

  CNR-11  蔵西語

  CNR-13  ウイグル語

  CNR-17  カザフ語

(NDXC  長谷川清一氏)


◎QSL-Calendar 2015発行 2版新規
 ドイツのRMRCがADDXと共同で毎年制作している「QSL-Calendar」の2015年版が発売された。RMRCのHarald Gabler氏とADDXのMichael Schmitz氏が選択したもので、表紙を含めて珍しいQSLカード全14枚が掲載されている。1957年発行の日本FEN、1957年発行のモロッコ Voice of Tangier等珍しいカードが山盛りである。価格は一部
€15、送料や送金方法はRMRC(http://www.rmrc.de)上の「kontact」フォームで問い合わせること。(赤林)

表紙はRadio Botswanaの「ライオン交尾カード」(1965年)とRadio Afghanistan(1974年)



◎ウクライナの国際放送中波で再開 2版追加
 
ブルガリアのGeorgi Bancov氏によると、ウクライナlが12月2日の00:00-04:00に1431kHzより中波による国際放送を再開した。00:00-02:00 がロシア語、 02:00-04:00がウクライナ語である。Mykolayiv Luch送信所から800kW、55度でロシア北東部に向けて送信されている。但し英国のDavid Kernick氏によれば「Radio Ukraine International」というアナウンスは放送中に出ておらず、「Ukraine RadioのWorld Service」と言っている。 (WWDXC TP 1188)
 Arctic Radio ClubのBengt Ericson氏(元SCDX Co-ed)とWRTHのWeb-edのMauno Ritola氏からのメールによるとこの国際放送は Mykolayiv送信所 1431kHz 800kWから北・北東ビームで、00:00-02:00にRadio Ukraina Internationalのロシア語、02:00-04:00にNatsionalan Radiokompaniia Ukrainiのウクライナ語というスケジュールで放送されている。12月10日までは4時間全てウクライナ語であったが12月11日からロシア語放送を開始した。
 ウクライナ南西部から北東ビームで800kWなので日本でも受信チャンスは有ると思われるが、昨年から今年に書けて東、西、北方面共にコンディションが悪 く、まだ確認どころかそれらしき局も受信されていない。(NDXC 長谷川清一氏)
 放送時間が1月2日より変更された。新スケジュールでは01:00-03:00がロシア語、03:00-05:00がウクライナ語である。周波数は1431kHzで同じ。(ブルガリア Ivo Ivanov氏 1/3)

◎Voice of HopeがCVCのLusaka短波送信所を買収 ~ CVC Africaの短波放送は消滅

 
米国KVOHのRay Robinson氏によると、同国のStrategic Communications Group(SCG) はキリスト教放送Voice of Hopeの放送用にザンビアにあるCVC(Christian Vision)のLusaka送信所を12月8日に買収・取得したことを発表した。SCGのJohn Tayloe会長によれば「中国の台頭を見て分かるように短波放送の影響力はまだまだ大きい。特に衛星放送の受信、地元放送局の中継、印刷メディアが禁止・制限されている 地域ではその力を発揮する」としている。今後Voice of Hope-Africaを設立し音質にも配慮した短波放送をアフリカ地域向に届ける。既に放送局用として150エーカー、12棟に土地・建物を確保してお り、Continental社製の100kW短波送信機2台、TCI社製のビームアンテナを使用して短波放送を開始する。SCGは1998年に設立された NGOで、現在のVoice of Hope-Americas(KVOH)の送信所も同社が管轄している。
 英国のDave Kenny氏によると、CVC-AfricaのLusaka送信所より行われていたアフリカ南部向短波放送(14:00-02:00 6065、02:00-14:00 4965)は最近中止された。(WWDXC TP 1189) CVC Africaはこれで短波放送をすべて廃止し、本部も隣国Malawiに移り、同国内でのFM放送に力を入れるとのことです。

◎元RAE高木一臣氏死去
 アルゼンチンRAEの日本語放送を創設し、アナウンサーとしても活躍した高木一臣氏が去る11月10日にブエノスアイレスで死去した。89歳であっ た。 氏は1964年のRAE日本語放送開始時より約40年間に渡り日本語放送に佐藤ハイジ女史とともに出演して、日本とアルゼンチンの架け橋として活躍した。 また氏はジャーナリストとしても活躍し、「ラブラタ報知新聞」(La Plata Hochi)を発行。数々のTVコマーシャルを制作すると共にタレントとしてTV放送に直接出演しただけでなく、「Plata Dulce」、「Exterminator II」、「Explosive Brigade」、「the dark side of the heart」等の映画には俳優として出演した。アルゼンチンタンゴの伝説的作曲者「Juan de Dios Filibertoの家」を訪れるのが好きであった。また日本語放送開始前後にはジャーナリストとして当時最期の病床にあった有名なタンゴ バイオリニストのFrancisco Canaro氏とのインタビューも行った。氏は1925年三重県に生まれ、大学では政治学・経済学を専攻した。第二次大戦中は中国戦線に日本軍兵士として 派遣され、壮絶な体験をした。戦後の1951年かねてから憧れていたアルゼンチンに渡航し、ここを終生の地とすることを決断した。氏はアルゼンチンでフラ ンスから移住したJoelleさん(現在墨絵を教えている)と出会い結婚した。RAEでは日本へのドアを開いた恩人として氏に対して深い敬意を表するものであ る。(RAE webページ) 氏は昨年まで映画に出演されていました。詳しくはhttp://blog.livedoor.jp/abechan_matome /archives/35093973.htmlをご覧下さい。

高木一臣氏



◎今年はDW壊滅の年に?
 
ドイツのKai Ludwig氏によると、Deutche Welle(DW)のPeter Limbourg社長は、このままドイツ政府の予算削減が続けばDWは壊滅すると警告した。それによれば現在インターネットで維持されている10カ国語の 放送はすべて廃止、DW-TVのドイツ語・アラビア語・スペイン語も廃止せざるを得ない。そのためベルリンでは「DW廃止反対デモ」も行われた。中国語部門の 維持のためには中国CCTVから資金面での協力を得る必要がありこれも物議をかもしている。
 既にスタッフの大半は既に非世紀雇用となっている。また2015年にはKigali送信所を廃止し、それに伴いわずかに残っているアフリカ向短波放送も廃止 されることになっている。(DXLD 1451)

◎KTWR-Guamの住所変更
 
KTWR-Guamの受信報告送付先の住所が変更されている。新住所はP.O.Box 6095 Merizo,Guam 96916-0395である。旧住所(P.O.Box 8780, Agat, Guam 96928)は12月初めまで使用されていた模様だが、この住所に送ると転送されずに返送される。QSLカードには旧住所の上に新住所のシールが貼られて いる。同局の日本語放送の受信報告はpdf化したファイルを日本語放送の施策団体であるフレンドシップラジオ(ktwr @ friendshipradio.net)に送付することになっているが、pdf化が困難なリスナーの中には直接受信報告を局に送る人もいるという。なお 住所変更についてはフレンドシップラジオに対しても連絡はなく、リスナーからの問い合わせで初めて判明したとのことである。(埼玉県 松永 志〔のぞみ〕 氏) USPSも転送はしてくれる筈なのですが、転送手続をとらなかったのでは?

◎Ictimai RadioがFMモードで

 アゼルバイジャンのIctimai Radioは周波数を9677.5kHzから11760kHzに変更している。周波数帯域が広く11748-11771kHzを占有しており、FMモード で出ている。確認されたのは14:00-14:40、01:00-02:00など。言語はアゼリ語、アラビア語、トルコ語など。(WWWDXC TP 1187)

◎グリーンランドの中波復活
 ドイツの Hansjoerg Biener氏によると、グリーンランドのKalaalit Nunaata Radioa は12月より中波放送を復活することにした。但し一気に復活するのではなく徐々に各地の中波送信機を復活させて行く。復活スケジュールは次の通り。
 Qeqertarsuaq局       650 kHz ( 5 kW)  2014年12月1日
 Nuuk局                 570 kHz ( 5 kW)  2015年3月1日
 Simiutaq局       720 kHz (10 kW)   2015年6月1日 
(WWDXC TP 1187)

◎AIR Jeypore復活するも低出力送信
 インドのPradeep Kundu氏がAIR Jeyporeの局長に確認したところによると、同局は5040kHzの放送を復活させたものの、修理部品が不足しており、Continental社製 50kW短波送信機の機能を発揮させることは出来ず、当面半分の25kWで運用せざるを得ない状況である。(WWDXC TP 1187) メンテナンス部品を在庫しておくという考え方がないようです。

◎RTEの長波廃止延期
   英国のMike Terry氏によると、アイルランドRTEの長波放送(252kHz)は2015年早々に廃止される予定であったが、RTEは廃止の決定を2015年1月 19日に延期すると発表した。ユダヤ問題担当省、外務省、逓信省が長波放送の維持を求めているためである。また長波放送維持を求める署名も英国のアイルラ ンド人社会を中心に多数寄せられ、英国のマンチェスター市だけで一千名を越えたという。但しRTEは国の機関ではないので、省庁といえども長波の維持を命 令する権限はない。(WWDXC TP 1187)

◎パキスタン日本の援助で高出力デジタル中波送信機を導入
 インドのAlokesh Gupta氏によると、Radio PakistanはFaqeerabadに新型の500kWデジタル中波送信機を設置した。同時に同地の放送局のスタジオも更新した。周波数は 585kHzで、38年前に製造された今までの送信機と比べてサービスエリアが大幅に拡大した。これらはすべて日本の援助で実現した。施工は日本の八千代 エンジニアリングが行い、送信機・スタジオ設備はNECが納入した。日本はパキスタンの放送設備改善のためにJICAを通じて13億8500万円の援助を 実施している。Faqeerabad局は元々ウルドー語、パンジャビ語、ポトハリ語、ヒンドコ語、パシュトン語、シナ語、バルチ語で放送していたが、サー ビスエリアは従来の半径70kmから1200km(夜間)に拡大した。(WWDXC TP 1187)

◎Polish Radio長波放送を廃止?
 英国のMike Teryy氏によると、Polish Radioは国内向放送に使用している長波の225kHzを2015年3月1日で廃止する見込みである。廃止の理由は政府の予算カットで送信施設の維持費 用が捻出できなくなったためである。(WWDXC TP 1187)
  ポーランドのDmitry Mezin氏によると、Polish Radioの技術者Roman Czejarek氏はこのニュースを否定した。氏によれば同じ広さの地域をFM放送網でカバーするのと比べて長波放送は40-50%のコスト安となる。 Solec Kujawski長波送信所の施設はPolish Radioが直接保有しているが、FM放送放送網は民間会社から借用しているのもそのためである。また国内向第一放送のリスナーの40%は長波で聞いてお り、2012年に長波放送の廃止が検討された時には国内外から反対の手紙が殺到して廃止が中止された経緯もある。ドイツのKai Ludwig氏によると、EBU(欧州放送連合)は欧州でのAM放送終結を目指しており、そこから流された誤報ではないかとしている。なおPolish Radioは2009年に198kHzの長波放送は廃止している。(DXLD 1450)

◎Radio Sputnikのドイツ語オーディオストリーム
 ドイツのMarkus Weidner氏によると、Voice of Russiaから改名したRadio Sputnikのドイツ語放送のオーディオストリームがhttp://nfw.video.ria.ru/flv /audio.aspx?ID=97594110&type=mp3に出ている。(WWDXC TP 1187) ストリーム放送の画面には「Voice of Russia」と表示していますが、放送内でのIDは確かに「Radio Sputnik」と言っています!



◎タイRadio Saranrom
 英国のDavid Kernick氏によると、タイ外務省は米国BBGのBan Pachi中継局よりRadio Saranromの放送を1575kHzで行っている。放送は大部分タイ語であるが、毎週月曜日の20:00-20:30には英語の「News & Views」がある。またhttp://saranrom.mfa.go.th上ではストリーミング放送及びオンデマンド放送も出ている。(WWDXC TP 1187)




◎オーストラリアのVintage FM 1kWに増力許可
 オーストラリアのJohn Wright氏によると、ローカルコミュニティ短波局であるVintage FMは当局より出力を1kWに増力する許可を取得した。周波数は5045kHzである。(DXLD 1449)

◎Deutschlandfunk及びDeutschlandradio Kulturが長波放送を廃止
 英国のMike Terry氏らによると、ドイツのDeutschlandfunkは2014年いっぱいで153kHz及び207kHzで行われている長波放送を廃止す る。また1269kHz及び549kHzで行われている中波放送も2015年末までには廃止する。またDeutschlandradio Kulturも177kHzで行われている長波放送を2014年いっぱいで廃止する。同局は990kHzで行われていた中波放送を既に2013年に廃止し ている。廃止される3波の長波はすべて500kW送信機から出ていた。2010年にドイツの公共ラジオ放送は今後デジタル化(DAB+方式)に注力し、そ れ以外の提供手段(長波、中波)からは撤退するとい申し合わせが行われている。今回の措置はそれに従ったものであり、ドイツ、オランダ等の国から長波・中 波が消え去る日は近い。(DALD 1449) 複雑な受信機が必要となるラジオのデジタル化は逆にラジオ離れを加速しそうでうが。遠くで聞く楽しみを奪いますね。欧州に行っても長波を聞け なくなるのは残念なことです。

◎FEBAの姉妹局Gaweylon Radio短波で放送
 米国のRalph Perry氏によると、アラブ首長国連邦(UAE)より「Gaweylon Radio」という局がインド、ネパール、ブータン、チベット向けに短波放送を行っている。周波数は15215kHz、送信所はDhabbayaで、毎日 21:00-21:30にはチベット語放送が出ている。局自体はインド北部、ネパールに西隣のウッターラカンド州Dehradunにあり、FEBAと関連 するキリスト教団体が経営する局である。URLはhttp://gaweylon.com/である。(DXLD 1449) QTHはPost Box No.286, Dehradun, GPO 248001, Uttarakhand, Indiaです。




◎IBB Greenville送信所に新オーディオプロセッサー導入
 VOAのKim Andrew Elliott氏によると、米国北カロライナ州にあるIBBのGreenville送信所は最新型のAM放送用デジタルオーディオオプティマイザー Orban9300型(仕様についてはhttp://www.orban.com/products/radio/am/9300/参照のこと)を導入し た。普通のAM放送でFM並の音質が簡単に確保出来る効果があるという。但し混信やジャミングの除去まではできない。新オーディオプロセッサー導入に対し てGreenville送信所ではリスナーからのフィードバックを期待している。新オーディオオプティマイザーからの音が送信されるのはGB-5送信機から で、その送信スケジュールは以下の通りである。
 13:00-16:00 7405 Radio Martí
  21:30-22:00 9610 Vatican Radio
  23:00-05:00 13820 Radio Martí
 以上の放送で音質がどれ位改善されたかをradiogram @ voanews.comのKim氏に送付して欲しい。(DXLD 1449)

Orban9300の正面

 
◎Eternal Good NewsのB14スケジュール

 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、米国の宗教局Eternal Good NewsのB14スケジュールは次の通り。
  土曜 13:45-14:00 9820 Furman送信所 250kW 47度 欧州西部向英語
 日曜 02:30-02:45 21600 Furman送信所 250kW 85度 アフリカ中部向英語
 日曜 03:00-03:15 9715 Moosbrunn送信所 100kW 115度 中東向英語
 日曜 04:30-04:45 6030 Nauen送信所  100kW 90度 欧州東部向英語
 日曜 20:15-20:30 21480 Madagascar送信所 125kW 45度 東アジア向英語
 日曜 21:30-21:45 9930  Palau送信所 100kW 318度 東アジア向英語
 月曜 03:15-03:30 7365 Nauen送信所 100kW 105度 西アジア向英語
 月曜 06:00-06:15 9505 Furman送信所  250kW 47度 欧州西部向英語
 月曜 11:00-11:15 7385 Furman送信所 100kW 315度 北米西部向英語
(WWDXC TP 1188)

◎Radio Andernachの新スケジュール
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、ドイツの軍局Radio Andernachは12月8日以降以下の新スケジュールで放送している。放送はすべてDRMモードである。放送時間は延長されることがある。
 19:30-21:30 5925 Nauen送信所 100kW 122度 中近東向
(WWDXC TP 1188) 以前は夏期9735kHz、春・秋期7325kHz、冬期6110kHzで出ていましたが。

◎ELWAが6050kHzにも
 米国のDave Valko氏はリベリアのELWAが07:00頃4760kHzでパラで6050kHzで放送していることを確認した。ドイツのWlofgang Bueschel氏も09:00頃まで両波で出ていることを確認した。
(WWDXC TP 1188)

◎Radio Mil短波放送再開
 米国のRon Howard氏は12月11日の11:18-14:04にかけて、長らく短波放送を中断していたメキシコのRadio Milが6010kHzで復活していることを発見した。ドイツのWolfgang Bueschel氏も翌日の10:00頃に確認した。(WWDXC TP 1188)

◎ロシアから「コミンテルン・ラジオ」! 3版追加
 ブルガリアのRumen Pankov氏によると、ロシアから「Komentern Radio」が23:45頃7199.4VkHzで出ている。ロシアの古い軍歌やVladimir Visotskiの歌が放送されていた。放送局はロシアVoronezh地方のRossoshにあり、自作送信機から0.5kWで出ているという。 (WWDXC TP 1188)
 ドイツのWolfgang Bueschel氏によれば、これはハム用の送信機から出ているアンカバ局である。Voronezh地区の共産党委員会(E-mailはKPRF- Rossosh @ mail.ru)から出ていると言われている。(DXLD 1450)
  同局は周波数を6989.8kHzに変更し23:20-24:00に出ている。出力はわずか1kWである。(Ivo Observer 1/9) 「コミンテルン」は1940年代まで旧ソ連に存在した国際共産主義運動組織。Vladimir Visotskiはソ連時代に人気のあった反体制(共産主義に対する)的シンガーソングライター。

◎Teak Publishingより「Winter 2014-2015 International Shortwave Broadcast Guide」電子版で発行
 米国のTeak Publishing社より「Winter 2014-2015 International Shortwave Broadcast Guide」が発行された。世界の短波放送局を放送時刻別に局名・周波数・言語を記述したもので、今現在聞こえる可能性の局がどこかを明確にすることがで きる。著者はGayle Van Horn氏。Amazonから電子出版で提供され、Kindleプラトフォーム上で読むことができる。価格は$5.10、米国の Amazon(http://www.amazon.com)から購入することができる。 (WWDXC TP 1188) 前段のチャプターはhttp://www.amazon.com/dp/B00QU8LC6M#reader_B00QU8LC6Mで読むこ とができます。




◎マカオの緑屯廣播電台一時閉局

 オーストラリアのTony Magon氏によると、マカオの緑屯廣播電台(Emisora Vila Verde、738kHz)が一時閉局した模様である。同氏が12月初めにマカオを訪れた際738kHzには何も出ていなかった。この件についてマカオ政 庁に 問い合わせたところ、同局は2015年7月まで免許されているが、放送を継続するか否かは放送局の判断に任されている。マカオ政庁からも同局に連絡がとれ ないとのことであった。同局のURL(http://www.am738.com/)は存続しているが、URL内で流されている筈のストリーミング放送も 現在受信できない。E-mailも届かない。(DXLD 1450) 12月31日現在オンライン放送は復活していますので閉局ではないようです。

◎Radio Australia太平洋4島でのFM中継中止
 BBCMによると、Radio Australiaは11月いっぱいでミクロネシアのパラオ、キリバティ、ポナペ、マーシャル諸島のマジュロで行われていたFM中継を突然中止した。理由 は12月以降予算が認められなくなったことによる。(DXLD 1450) これらの諸国では短波放送かインターネット放送を聞くほかないですね。

◎スーダン短波放送を再開
 一時中断していたスーダンの短波放送が再開された。スケジュールは次の通り。
 Radio Omdurman; 11:15-13:30  23:30-24:30 7200 (100kW 210度) アフリカ中部向アラビア語
 Voice of Africa; 15:00-18:00 9505(100kW 110度) アフリカ東部向(15:00 ティグリナ語 15:30 アムハリ語 16:00 スワヒリ語 17:00 英語)
             01:30-02:30 9505(100kW 210度) アフリカ中部向フランス語
(DX RE MIX NEWS #884)

◎BDXCより「Broadcast in English B14版」発行
 B14スケジュールにおける各国の英語放送を時間別に掲載した「Broadcast in English」は今年もBritish DX Club(BDXC)より発行された。32ページ。今年は付録としてストリーミング放送で楽しめる音楽番組のスケジュールも掲載されている。価格は冊子版 の場合、送料込みで£5、またはUS$7、またはIRC6枚、電子版(pdf)の場合は£3。詳細はhttp://www.bdxc.org.ukに。 (DXLD 1450)

◎RTÉの長波は2017年まで存続
 英国のMike Terry氏によると、廃止問題で揺れていたアイルランドRTÉ(Raidió Teilifís Éireann)の長波放送(252kHz)について同局の経営委員会は一応の結論を出した。それによれば2015年は現状通り第一放送の番組を放送す る、2016年には放送時間を縮小する、そして2017年に廃止するというものである。同局は当初2014年10月27日で廃止する決定を行い、英国在住 のアイルランド人等からの反対が強かったことから廃止を2015年1月19日に延期していた。廃止が大幅に先延ばしされた理由について同局では多数の関係 者の理解を得る時間が必要なためとしている。但し同局の最重要事項は費用の削減であり、廃止の方針は不変であるとしている。これに関連してアイルランド外 務省は英国でRTÉの長波放送を聞いているアイルランド人に対しての聴取状況調査を2015年に実施することにしている。(WWDXC TP 1189)

◎Radio Bangladesh新URLに
 英国のDavid Kernock氏によると、Radio Bangladesh(Bangladesh Betar)のwebsiteがhttp://www.betar.gov.bdに変更となっている。以前と比べストリーミング放送へのアクセスがわかりにくいが、AM及 びFM放送を聞くことはできる。(DXLD 1451)

◎キューバ向秘密局Radio República放送時間延長
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によれば、キューバ向秘密放送Radio Repúblicaが放送時間を1時間延長した。現在のスケジュールは10:00-13:00 9490 (Issoudun送信所 250kW 285度)である。(DXLD 1451) 米国とキューバの国交回復でこの局やRadio Martíは不要となり、この関係のビジネスに携わっていた人々は失業の危機に。

◎Radio France財政危機からAM放送廃止に
 フランスのRémy Friess氏によると、フランス国営放送Radio Franceは目下2億ユーロが予算的に不足した状態であると同局幹部が明らかにした。放送番組の縮小も検討されている。またその前に中波、長波の全AM 放送を緊急に廃止して費用を浮かす案が浮上してきている。廃止日時は明らかにされていないが、いつ廃止されておもおかしくない状況となっている。 (DXLD 1451)

◎NDRが主要な4都市での主要中波放送を廃止
 英国のAlan Pennington氏によると、ドイツのNordeutcher Rundfunk(NDR)は来る1月15日で、Hamburg-Moorfleet (972 kHz)、Flensburg (702 kHz)、Lingen (792 kHz)、Hanover (828 kHz)の4主要都市で中波放送を廃止する。なお他の公共放送(WDR、SR、BR)もこれに習ってAM放送を全廃する予定である。(DXLD 1451) いよいよ短波はおろか中波も「過去のもの」になりつつありますね。技術の進歩からではなく予算削減のためですが。

◎カナダNowfoundaland島の気象局
 米国のKen Zichi氏らによると、2598kHzでカナダNowfoundaland島の気象局が受信できる。St.John's局(VON)は 09:08-09:13に、Placentia局(VCP4)は09:55に、St. Anthony局(VCM)は10:07に受信できた。英語のIDと気象通報が出る。(DXLD 1451) Newfoundland島の気象局は同一周波数(USB)で数局あります。上記の他にはVCP St.Lawrence、VOJ Stephenville、VOK Cartwright、VOO Comfort Coveがあります。ルートさえ開ければ順次受信できる可能性もあります。

◎韓国の対北朝鮮放送団体は中波放送を希望 ~実現性は薄い
 韓国で「統一メディアグループ」を形成している自由朝鮮放送、開かれた北韓放送、Daily NK、OTVの4メディアは韓国政府に対して中波で放送するためのロビー活動を強化してゆく方針である。Daily NKによれば、今後5年間で北朝鮮の成人聴取者数を100万人の大台に載せる目標を立てているが、TV放送やインターネットでは到底不可能であり、ラジオ 放送以外では達成できる見込みはない。現在は短波放送を使用しているが、受信状態が不安定なことがあることと、北朝鮮のジャミングを逃れるためと季節変化 のためにたびたび周波数を変更しなければならないという問題点がある。そのため中波の使用を希望している。出力の高い中波を使用すれば夜間には簡単に北朝 鮮全土をカバーすることができる。例えばKBSの社会教育放送(972kHz)は北朝鮮のみならず東アジア全体をカバーしている。また強力な中波を使用し ている北朝鮮の平壌放送や朝鮮中央放送の電波は朝鮮半島全体で受信でき、東京で韓国や北朝鮮の放送が夜間普通に受信できることからも効果が期待できるとし ている。これに対して短波放送は周波数を頻繁に変えることでジャミングを逃れられる利点があるが、リスナーはその都度周波数を探さなければならない。中波 の周波数は厳重に割り当てられており簡単には変えることができない、固定した周波数に強力なジャミングをかけられると全く受信不能となってしまう。現に韓 国は855kHzの平壌放送を境界線近くでは受信できないようにブロックしている。また民間の対北朝鮮放送が中波の周波数で放送する免許を取得すること自 体、電波規制の強い日中韓3ヵ国では手続上不可能である。もし仮に中波での放送が許可されたとしても日中韓の隣国間で夜間に新たな混信問題を生じる恐れが あり実現性は更に遠のく。中波で放送したら北朝鮮はどんな反応を示すのであろうか?(North Korea Tech 12/6)

◎ミャンマーからeQSL
 ロシアのDmitry Kutuzov氏はMyanmar RadioからE-mailでQSLカードを受け取った。送信元はnptradio @ gmail.comであった。送られてきたのはQSLカードのイメージであったが、裏面の証明事項が何も記入されていなかったので、記入してくれるように 頼んだが、結局受信データは記入してもらえなかった。(WWDXC TP 1150)

◎ポーランドの乱数放送
 オーストリアのFrank Fischer氏は19:27頃ポーランドZahlensenderからの乱数放送を9610kHzUSBで受信した。送信所はPuchalyにあり、現 在33基のアンテナマストがある。(WWDXC TP 1150) 短波放送を廃してもこの種の放送は残っているのですね。やはり短波は不滅です。

◎ロシアは更に中波放送を削減
 ロシアの送信所を管理するRussian Teleradiotranslyatsionnaya Network(RTRS)は2015年2月1日以降現在残っている中波送信所の内30-40カ所を廃止する。それ以後に残るRTRSの中波送信所は 1-15kW程度の低出力局でカバー範囲が半径50km以内の10局前後となる予定である。基本的にはすべての中波放送をFMに切り替える方針である。モ ルドバのGrigolipolからウクライナ向に中波1431kHz(500kW)で行われている「Vesti FM」の中継も同時に中止される。同じくウクライナ向に中波送信しているRTRS Sovetsk Bolshakovo局1215 kHz、Tbilisskay Krasnodar局1089 kHzも廃止される。中波送信所の維持費用が捻出できないことによる財政上の措置であり、この措置で2015年には約10億ルーブルの節約になるという。(WWDXC TP 1150) 国営局についての話であると思われます。極東地区も対象になる筈です。

◎アルジェリアへの新長波送信機設置の経緯
 ドイツのWolfgang Bueschel氏がドイツTransRadio(旧Telefunken)社に確認したところでは、同社はアルジェリアのTipaza送信所に新型長波 送信機TRAM1500(252kHz)を納入し、1972年以来過去43年間使用されてきたチェコTesla社製の送信機(750kW×2基で 1500kWを得ていた、1992年に真空管入替を行った)と置き換えた。Tesla社の送信機は2014年3月17日に運用を終了した。 TRAM1500を設置し、2014年10月17日に1000Hzの音声送信試験を開始した。なお設置工事に伴い電源・空調装置も置き換えを行い、更に設 置後43年を経過したTesla社製の高さ355mのアンテナ鉄塔の補修(塩害と地震による損傷を受けていた)・再塗装、送信機とアンテナ間のフィーダー 線もデジタル対応のものに交換した。なおこれと併行してOuled Fayet送信所はTRAM600型、Bechar送信所はTRAM400型の中波送信機に置き換えた。(DXLD 1452)

◎7995kHzでMacMurdo基地から「クリスマスカロル」
 南極の米国MacMurdo基地では12月25日の08:00より7995kHzUSBに於いて「Listen to Christmas in Antarctica!」と題して、同基地に滞在する観測隊員達が歌うクリスマスカロルの放送を行った。毎年行われているもので本来は南極の他の米国基地 向であったが、2014年は一般に公表し世界の他地域での受信も呼びかけた。受信報告には主催者のNathaniel Frissell氏(W2NAF、E-mail:w2naf @ arrl.net)から私的にQSLカードが発行される。米国での受信結果は思わしくなかったが、ブラジルではRudolf Grimmが受信に成功した。(DXLD 1452) 来年も行われるものと思われます。https://www.youtube.com/watch?v=0q4gFNWdBK0&feature=youtu.be 上に録音が掲載されています。

◎Echo of Europe放送中止か?
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、毎週水・土曜の04:30-04:45に5930kHz(Nauen送信所、125kW、230度)でフランス語放送を行っていたEcho of Europeが12月20日以降出ていない。(DXLD 1452)

◎Myanmar RadioがPhin Oo Lwin送信所からの短波放送開始
 Myanmar Radioが Phin Oo Lwin送信所からの短波放送を開始している。12月17日には6150kHzにて08:19頃より確認された。(DXLD 1452)

◎サウジアラビアのRiyadh新送信施設は中国製
 カナダのLev Lytovchenko氏によると、サウジアラビアが進めているRiyadh送信所の更新はすべて中国の企業によって行われていることが明らかになった。 工事をとりまとめているのは北京中天鴻鴻大科技有限公司で、送信機を製造しているのは北京北廣科技集団(BBEF)である。ドイツのKai Ludwig氏によると、更新といっても現用送信機(Thomson-CSF社製)がある送信所とは別の場所に新たに建設されている。またBBEF社の納める送信機は Continental社短波送信機のコピーと思われる。(DXLD 1452)

◎Radio Revival Swedenの2015年3月までの放送予定
 スウェーデンの「面白局」Radio Revival SwedenのHPによると、同局は2015年3月までは以下の放送予定である。周波数は3950(5kW)、6065kHz(10kW)。Sala送信所。同局からの放 送費用は1時間30ユーロである。
 1月24日(土) 21:00-22:00 SDXF Sveriges DX-Förbund 22:00-24:00 Radio Merkurs 1月25日(日) 18:00-19:00 Atlantic 2000 International
  2月15日(日) 18:00-19:00 European Music Radio 2月28日(土) 21:00-22:00 SDXF Sveriges DX-Förbund 22:00-24:00 Radio Merkurs
 3月15日(日) 18:00-19:00
European Music Radio
 3月28日(土)
21:00-22:00 SDXF Sveriges DX-Förbund 22:00-24:00 Radio Merkurs
(赤林)


◎スペイン語放送データベース提供
 スペインのPedro Sedano氏によると、同国のASOCIACIÓN ESPAŃOLA DE RADIOESCUCHA (AER)は世界中で行われている短波のスペイン語放送データベース「LISTA MUNDIAL DE EMISIONES EN ESPAŃOL」の提供を行っている。現在2014年版(第8版)が公開されている。http://aer.org.es/archivos/2068よりアクセス可能で ある。

◎第28回Winter SWL Fest開催
 米国のRichard Cuff氏(Winter SWL Fest開催副責任者)によると、第28回Winter SWL Festが来る2月27-28日に米国ペンシルバニア州PlymouthのDoubletree Guest Suites hotelで開催される。参加の詳細・申込は専用webサイトhttp://www.swlfest.com を参照のこと。(DXLD 1452)

◎RFAより未年QSLカード 3版新規
 Radio Free Asiaは未年の新年(旧暦では2015年2月19日~2016年2月7日)を祝って第56番目のQSLカードとして「Year of Ram」QSLカードを発行する。1月~4月の間の受信報告に対して発行する。未は十二支の中では地味な存在だが、未年に生まれた人は受動的だが芸術的セ ンスや感受性が強く、親切でおとなしく、他人に同情的であるとされている。(RFA A.J.Janitschek氏) 「ram」とは去勢されていない 雄羊のこと、十二支の「未」にそんな区別ありましたっけ?

「未年」でなくて「羊年」?




出典の略称 

   DXLD: DX Listening Digest
  DXLDyg: DX Listening Digest Yahoo Group
  WWDXC TP: World Wide DX Club Topnews
   DSWCI DXW: Danish Shortwave Club International DX Window
   HCDX: Hard-Core-DX
   JSWC: Japan Shortwave Club
   NDXC: Nagoya DXers' Circle
   ABU: Asia-Pacific Broadcasting Union
   WRTH: World Radio TV Handbook


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