月刊短波2015年4月号(第2版)
編集 赤林隆仁  時間 JST

◎トルコ日本語インターネット放送開始
 トルコTRT(「トルコの声」)は2月末に日本語のHP(http://www.trt.net.tr/japanese)を新設した。ページ の中に 「ラジオ」と「podcast」の項目が設けられており、4月2日より、前日分(4月1日)の放送のpodcastがアップされた。4月1日分は2時間14分あり、担当は浅田洋子アナウンサー。(赤林) 良いニュースですね。短波でも放送してもらいたいものです。

TRT日本語HPの中のラジオ受信部分




◎アラスカKLNSが嵐で被災・停波

 ロシアのDmitry Kutuzov氏によると、アラスカKLNSは、2月中旬に猛烈な嵐に遭い、アンテナ線が切れて吹き飛んだ。修理のためには一度鉄塔を解体しなければなら ないが、厳しい寒さで地面が凍結している上に強風が吹きすさんでいるために3月末までは修理に着手できない状態である。同局は過去30年間放送を行ってきているが、こんな事態は初めてである。(WWDXC TP 1199) HPにはこれと言った記述がありませんが?

◎新局Follow The Bible Ministries放送開始
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、BABCOCK社の仲介により新局Follow The Bible Ministriesが2月8日より放送を開始した。スケジュールは以下の通り。
 月曜日のみ 04:00-04:30 12050kHz Ascension送信所 250kW 55度(アフリカ西部向) 英語
 A15も同一スケジュールで放送する見込み。(WWDXC TP 1199)

◎Hamada Radio Internationalがドイツより送信再開
 ドイツのHansjörg Baker氏によると、ナイジェリア向秘密局Hamada Radio Internationalは2015年1月19日よりNauen送信所よりのハウサ語放送を再開した。スケジュールは以下の通り。
 毎日14:30-15:00 7350 100kW 180度
 火-土曜 04:30-05:00 11865 100kW 180度
 なお同時に14:30-15:00に11590kHzにてWRMIのOkeechobee送信所(100kW、44度)よりも送信が行われたが、 WRMIのJeff White社長によると、アフリカ西部での受信状況確認のための送信であり、1月26日以降は打ち切られた。(WWDXC TP 1199)
  A15スケジュールでは14:30-15:00の放送は11740kHz(Nauen送信所、125kW、185度)に変更された。(DX REMIX NEWS #903)
 連絡先はabd2t @ yahoo.com。

◎RTLの1440kHzは2015年いっぱいで廃止
 ルクセンブルグRTLのMarnach送信所に残っている中波1440kHzの送信機(昼間300/夜間600kW)からの放送は2015年いっぱいで 打ち切られ、送信所の敷地は国が買い取る事が決まった。これは送信所近隣の住民の中に1440kHz中波放送の高電界強度による健康上の不安が長年募っていることが廃止の大きな理由である。敷地を2016年以降どう利用されるかは明らかにされていない。
 現在1440kHzの放送は3つの放送局が利用している。
 RTL Radio 13:00-16:00 21:00-04:00
  China Radio International  16:00-21:00 04:00-09:00 (ドイツ語放送)
 Lutherische Stunde   03:25-03:30
 China Radio Internationalはドイツ語中波放送の新たな中継先を探す必要がある。候補としては同じく2015年末で中波送信を廃止するDLF Saarland Heusweiler局(1422 kHz)の継続使用が有力である。(WWDXC TP 1199)

◎WRMIのJeff White氏がHFCCの議長に
 WRMI社長のJeff White氏は去る2月1-5日にオマーンで開催されたHFCC(High Frequency Coordination Conference)総会において新しい議長に選出された。HFCCの議長は1990年の創立以来Radio PragueのOldrich Cip氏が長年勤めていた。(DXLD 1509)

Jeff White氏(中央)左は妻のThaisさん(WRMI HPより)


◎Ictimai RadioはVoice of Justiceの妨害用
 アゼルバイジャンのIctimai RadioがFMモードで17:50頃、20時台にアゼリ語放送を9677kHzで開始しているのが受信される。この放送は同一周波数で同国ナゴルノ・カ ラバフ地域のStepanakert送信所から送信されているTolishstoni Saedo Radio(Voice of Talyshistan)を妨害するするための放送であることが、BDXCの研究で明らかになっている。(WWDXC TP 1200) ナゴルノ・カラバフ地域はアゼルバイジャンの一部ですが、アルメニア人が多く、一方的に独立を宣言しています。Ictimai Radioはアゼルバイジャンの首都BakuにあるFM局。

◎ギリシア政府ERT復活の意向 ~NERITはどうするのか?
 スペインのMarty Delfín氏によると、ギリシアの新政権は、2013年6月に解体したERTを復活し、従業員を元のポストに復帰させることを公約している。しかしギリ シア政府はERT復活のための予算配分決定を先延ばしした。前政権が既に設立してしまっている新放送組織NERIT(従業員にはすでに不安が広がっている といわれている)をどうするのかの議論も含めて今後検討して行くことになる。(DXLD 1510)

◎アイルランドに新たな短波局誕生?
 BDXCのAlan Gale氏によると、アイルランドに新たな短波局「CBS FM International」が誕生し3月17日より放送を開始する。既に7820kHzで試験信号が出ており03:00頃終了しているが、英国北西部で は大変強力に受信されている。短波とともにインターネットでのストリーミング放送も行われる予定で、URLは http://cbsfminternational.comである。同局によると、局はアイルランド南西部にあり、21世紀的かつ革命的な放送を行うと いう。放送内容は、おしゃべりの部分を極力抑えた各国の音楽番組で、言語は主として英語となる。スマホでも放送しており、既にカルカッタ(コルカタ)、ロ ンドン、ロスアンジェルスにリスナーを獲得しているといる。(DXLD 1510) http://tunein.com/radio/CBS-FM-International-s188006/で既に放送が聞こえます。短波は海賊局でしょうか?

◎BBC北朝鮮向ラジオ放送を計画
 「The Telegraph」紙によると、BBCは人口2500万人の北朝鮮向にWorld Serviceの新たなサービスを計画中である。北朝鮮の国家メディアから全世界に一方的な情報がもたらされていることに対抗することが主目的である。過 去に「鉄のカーテン」の向こう側のソ連やワルシャワ条約諸国にBBC、RFE、VOAの手法を北朝鮮向に応用する。しかし英国は北朝鮮と外交関係を有して おり、放送が実施された場合、平壌にある英国大使館が危険に晒されたり、退去せざるを得ない事態を想定しなければならない。また北朝鮮が 「SONY Pictures」に仕掛けたような強力なサイバー攻撃も覚悟しなければならない。BBCはこのようなリスクのため従来北朝鮮向放送の実施を「費用に見 合った効果が期待できない」として躊躇してきた。英国議会内には北朝鮮の人権状況に鑑みBBCが動くべきであるとの圧力が強まった。平壌にある西側諸国の 大使館は英国も含めて北朝鮮政府に対しての影響力はなく、メディアの自由がない同国向放送にこそBBC World Serviceの真の目的だというものである。またビルマのアウンサンスーチー女史や南アフリカの故マンデラ氏が軟禁状態に陥っていた時にBBC放送で情 報を得て希望をつないでいたことを忘れるな、というものである。BBCによれば放送内容はニュース中心となり、メディアとしては短波が使用される。同国で はインターネットや衛星放送の聴取が不可能なためである。中国製の安価な短波ラジオは入手可能であり、小型なため目につきにくいし、電池を入れれば数ヶ月 は聴くことができる。現在放送は準備状態であり、実施に至るまでは数年かかると予測される。(DXLD 1510) ルバング島の故小野田少尉もBBC日本語放送を聴いていました。

◎韓国気象局音声を修理?
 米国のRon Howard氏によると、5857.5kHzで行われている韓国気象庁の気象放送HLL2は過去数年間音声が歪んで聞こえていたが、3月5日の22:07 に確認したところでは歪みがなくなり送信機を修理した模様である。英語の気象通報では風向、風速(m/s)、気圧(ヘクトパスカル)、気温(度C)が放送 される。(DXLD 1510) 放送は搬送波低減USBのようで、AMでは歪んで聞こえます。21時からの放送は21:00 韓国語、21:09 英語、21:18 日本語、21:27 中国語で、21:40に終了します。この時刻には風向、風速、天気、波高が放送されていました。

◎Radiodifusión Nacional del Uruguayが6125kHzで復活
 ウルグアイのRodolfo Tizzi氏は、長らくQRTしていたRadiodifusión Nacional del Uruguayが05:05頃6125kHzで復活しているのを3月5日に確認した。出力はわずか300Wで、現地ウルグアイでもかすかに受信出来る程度 である。WRTHによれば24時間放送を行っているとのこと。同国のHoracio Nigro氏も復活を確認している。(DXLD 1510)



◎Radio Mehr Iranian
 Media BroadcastはA14シーズンに一度放送した謎の秘密局Radio Mehr IranianをA15シーズンで復活させる予定である。World Radio Network内の放送として以下のスケジュールで出る予定。
 火・土 01:30-02:00 15670 Issoudun送信所 500kW 91度。(WWDXC TP 1201)

◎RTE唯一の定期短波放送
 アイルランドのRTEは唯一の定期短波放送をA15シーズンも継続する。スケジュールは以下の通り。放送は英語、アフリカ向。
 火-土曜 04:30-05:00 5820 Madagascar送信所 125kW 315度
  (WWDXC TP 1201)

◎ウクライナLuch送信所一時送信停止
 ウクライナ第一放送(549kHz)と国際放送(1431kHz)を出しているウクライナLuch送信所は3月5日より一時送信を停止した。電力料金等 が未払いで送電を止められたため。スウェーデンのBengt Ericson氏によると、政府は電力料金を支払った模様で3月14日より放送は復活した。 (WWDXC TP 1201)

◎バヌアツのサイクロン放送局も破壊 ~国営短波放送は復旧 2版追加
 バヌアツを襲ったサイクロン「Pam」は首都Port Vilaにあるすべての放送局を破壊し、放送が中断した。国営のVBTCは短波・中波の送信機が破壊されて放送が中断したままである。VTBCでは短波の 3945kHzを優先的に復旧する作業を進めており、リニアアンプやアンテナの臨時調達を考えている。米国のDaniel L. Srebnick氏によると、Port VilaのVanuatu Capital FM107はFM放送とインターネット放送(http://vanuatufm107.com/player/)を再開し、放送で赤十字への献金を求めている。 (WWDXC TP 1201) 
 ニュージーランドのBryan Clark氏によると、3月20日に3945kHzが復活していることが確認できた。信号は強力で通常運用に戻っている模様である。(WWDXC TP 1202)
  すべての放送が停止していたがニュージーランドの軍用機でNZBCの技術者が現地に入り、3月20日の午後にまず3945、7260kHzの短波を復旧さ せたものである。日本でも3月20日の夕方には7260kHzで同局と思われる不明局が同波のモンゴルの混信の中で受信され、深夜R.adio Nikkei 2の終了後に3945kHzが受信された。またニュージーランドからの情報によると、4月に入り中波の1125kHz, 1179kHzも復活したという。(NDXC 長谷川清一氏)

◎BBCバヌアツ向に特別放送 2版追加
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、バウアツのサイクロン被害に鑑み、BBC World Serviceは3月19日よりバヌアツ向の英語放送を増設した。04:00-05:00 9855 Singapore送信所 250kW 130度。(WWDXC TP 1202)
 上記の放送は4月2日より周波数を11945kHz(Singapore中継)に変更している。(NDXC 長谷川清一氏)
  英国のChiris Greenway氏によると、BBCの特別放送は現地でBBC WSを中継しているFM送信機がサイクロンで損傷を受けたことによる代替措置である。上記の朝の放送の他に18:00-20:00に放送することも計画されている。(DXLD 1512)
 上記の計画については
、3月31日からTWRの協力でGuamのKTWRの通常放送が開始する前の18:00-19:00に11695kHzで1時間の特別中継を開始した。放送は月~金曜日。(NDXC  長谷川清一氏)

◎ナイジェリア向新局Radio APC / Radio Chanji
 Media Broadcast社の仲介でナイジェリア向の新局Radio APC / Radio Chanjiが放送を開始した。スケジュールは以下の通り。西アフリカ向で放送はハウサ語。
 15:00-15:30 11720 Nauen送信所 125kW 185度 
(DX REMIX NEWS #901)
  Australian DX Newsによると、この局はナイジェリアの最大野党
All Progressive Congress(APC)が与党People’s Democratic Party(PDP)によるメディア独占に反発して開始した秘密放送である。正式名がRadio APCで副名の「Radio Chanji」は人々の政治に対する意識を変える(change)という意味である。ナイジェリア国内でモニターした結果では各地で受信可能で、24時間 放送も開始するとアナウンスしていた。(DXLD 1512) All Progressive Congressは2013年にナイジェリアの左派政党が連合して形成した野党です。現在最大野党となっており下院では50%弱の議席を有していますが、 過半数には1名足りない状況です。放送はhttp://tunein.com/radio/APC-ONLINE-RADIO-Muryar- Chanji-s239340/でも聞こえます。



◎AIR Port Blairの現状
 インドのJose Jacob氏によると、同氏はインドアマチュア無線連盟NIAR(
National Institute of Amateur Radio)の主催する行事Hamtech2015の一環としてAIR Port Blair局を3月16日に訪問した。これは1987、2004/2005、2006年に次いで4回目の訪問であった。その結果短波放送の出力(公称10kW)は現在4kWに低下していることが分かった。中波放送(公称100kW)も 52kWしか出ていないことが判明した。
 短波放送の現在のスケジュールは以下の通り。
  08:55-12:00 4760
  12:15-18:00 7390
  19:30-02:00(土曜・日曜02:30)  4760
 中波放送のスケジュールは以下の通り。
 08:55-18:00 684
 
19:30-02:00(土曜・日曜02:30)  684
  FM放送は100.9MHz(出力10kW)で08:55-18:00は短波・中波と同内容、
19:30-02:00(土曜・日曜02:30)はMumbaiの「Vividh Bharathi」の番組を中継している。
 現在当局の責任者はAssistant Director of Engineeringの
S. Elangovan氏であり、氏はコールサインVU2WSXでアマチュア無線局も開設している。受信報告の宛先はairportblair @ rediffmail.com。
(DXLD 1512) 

◎中国国際放送不正で人員処分
 台湾のKieth Perron氏がCRI関係者より得た情報によると、中国国際放送(CRI)では習近平主席による腐敗撲滅運動の一環として不正行為の調査が行われ、 3月に入ってからの3週間で18人の責任者が公金横領等の責任を問われて解任された。彼らの罪状は以下の通りである。
 1.公用車車庫管理者が、公用車をタクシー営業用として友人に賃借。
 2.TV部門の責任者が放送局の設備を利用してポルノビデオを制作。
 3.上級管理者2名が公費30万米ドルを高級クラブでの個人遊興費として流用。
 4.管理者が自分の経営する北京市内のバー(7人のベトナム人ホステスを不正雇用)の運営費(警察への賄賂も含む)として公費100万米ドルを流用。
 5.出版局の責任者が公的口座から2年間に25万米ドルを勝手に引き下ろし着服。
 6.偽造ビザ作成の闇会社を設立し、1件当たり300米ドルで偽ビザ作成を請負。
 中国国際放送局の6階には不正行為調査のための事務所が開設された。また上記とは別にCRIとCCTV合同で猥褻な春節記念パーティーを開催した幹部複数名も処分された。
(DXLD 1511)

中国国際放送のビル



◎中国CRIにもリストラの嵐が
 台湾のKeith Perron氏によれば、2月に北京で開催された全国人民代表大会の下部機関である全国人民代表大会常務委員会(議長は張徳江〔チャン・ドーチャン〕氏) 内に12人のメンバーによる短波放送評価機関が組織された。中国国際放送(CRI)による短波放送の効果について評価する機関であり、メンバーは国 家広播電影電視総局(SAFRT)の他、防衛、文化、宣伝等各分野から出ている。委員会ではまずオーストラリア、カナダ、ロシア、英国、米国で行われてい る短波放送の中止縮小について研究分析することにしている。2014年に中国は短波放送に6億元を投入した。この金額にはCRIの他CNRの短波放送の分 も含まれている。またCRIには現在8500人の従業員がいるが、これを40%削減することを目標として削減策を検討する。現在計画されているのは7部門 の廃止、CRI TVの廃止、14言語(タガログ語、ポーランド語、ギリシア語、イタリア語、ドイツ語、エスペラント語、クロアチア語、オランダ語、スウェーデン語、ノル ウェー語、アイスランド語、フィンランド語、ブルガリア語、デンマーク語)の廃止である。但し英語と中国語は逆に拡大することも検討されている。廃止対象 とされているCRI TVとはCCTVが昨年開始した国際チャンネルの内CCTV4(中国語)及びCCTV9(英語)の事を示す。中国の第13次5カ年計画 (2015-2020年)では最初の1年で検討を行い、その後2-3年かけて実行に移すことが原則となっているので、通常であればこれらの削減が実施され るのは2017年頃となる筈だが、習近平主席による腐敗撲滅運動の影響で時期が早まる可能性もある。(DXLDyg 3/22) いよいよ中国でも!

◎インドDRMへのつなぎとしてFM網を整備!
 インドAIRはラジオ放送のDRM化には長期間かかるので、それまではFM放送網の整備を続ける方針を明らかにした。Prasar BharatiのCEOであるJawhar Sircar氏が語ったもので、将来DRM放送が主流になることは確実だが、時間が掛かるためそれまでは一般聴取者にはFM放送を聴いてもらう。そのため にAIRはインド全土でのFM放送網整備に着手し、地方都市でもFM放送が受信出来るようにする。特にFM放送局の少ない北東部及びジャム・カシミール地 域で重点的に整備を行う。現在AIRのFM放送は全国に373カ所で実施されているが、新たに212カ所のFM放送局を設置する。それにより現在30万人 規模以上の都市でFM放送が受信出来るのを、10万人規模以上に拡大する。(DXLD 1511) FM放送は都市だけで聞こえますので、農村部や山間部で聞こえるようにするためにはDRM放送ということのようです。

◎Radio Six Internationalが再度短波放送を計画
 英国Radio Six Internationalの局長Tony Currie氏によると、同局は8年前に短波放送を行っていたことがあったが、現在ではインターネットと地元AM/FM局による中継のみとなっている。そ こで同局では4月に短波の実験放送を行う予定にしている。来る4月25日(土)の23:00-01:00にスウェーデンのRadio Revivalの送信時間を借用しLSB10kW、AM5kWで短波放送を行う予定で詳細を詰めている。詳細なスケジュールは http://www.radiosix.com上に掲載される。受信報告を歓迎する。宛先は21 Sherbrooke Ave, Glasgow G41 4HF, Scotland, U.K.である。(DXLD 1511)

◎PCJ Mediaの財源について
 PCJ MediaのKeith Perron社長によると、PCJ Radio Internationalの年間予算は1400万台湾元(約45万米ドル)である。これはPCJ Media社全体予算の10%になる。PCJ Mediaの収入はモノの販売ではなく、TVコマーシャルの制作、新聞・雑誌の紙面デザインや紙面用の写真制作、中国・台湾での外国TV局の取材支援、音 楽ビデオ・TV番組用映画の制作によって得られている。ラジオ部門の占める割合は小さなものである。なおPCJ Mediaには現在北京に2人、上海に2人、台北に28人(正社員18人、非正社員10人)がいるが、PCJ Mediaでかかる費用の大半は人件費ではなく、3カ所にある制作拠点の借用費用や制作費用である。中国で番組を制作する場合には現地で人を雇い、現地で 撮影機材等を調達することが義務づけられているため制作コストが台湾よりも20%程度高くなる。また台湾元と中国元を交換する場合の手数料も馬鹿にならな い。(DXLD 1511)

◎BCL版エープリルフールBLANDX
 BLANDXのBill Kyle氏によると、BCL版エープリルフール特集号BLANDXの「4月1日版」が公開されている。URLは http://www.blandx.com。当然記載されている記事は「ウソ」である。「ペルセウスで自動的にBrother Stairしか聞こえなくし、解除にはカネを要求する新手のビールスが現れた」と言った具合である。(DXLD 1511)

◎Broadcast Belgium仲介の秘密局15スケジュール
 Broadcast Belgiumが仲介する各秘密局のA15スケジュールは以下の通りである。
 Radio Miraya;  12:00-15:00 11560 送信所隠秘 東アフリカ向英語・アラビア語
 Denge Kurdistan;  12:00-00:00 11510 Moldova送信所 300kW 116度 西アジア向クルド語
             00:00-04:00 11510 Issoudun送信所 250kW 90度 西アジア向クルド語
 Suab Xaa Moo Zoo;  20:30-21:00 11570 淡水送信所 100kW 250度 東南アジア向モン語
              07:30-08:00 7530 淡水送信所 100kW 250度 東南アジア向モン語
 Radio Que Me;  21:00-21:30 9930 Palau送信所 100kW 318度 アジア向ベトナム語
 Oromo Voice Radio/ Raadiyoo Sagalee Oromoo;  火・木・日 01:00-01:35 17850 Issoudun送信所 250kW 130度 アフリカ東部向オロモ語 (火曜のみ01:15-01:30 英語)
 Radio Xoriyo; 火・土 01:00-01:30 17870 Issoudun送信所 250kW 130度 アフリカ東部向ソマリ語
 Radio Assenna; 火・金・日 02:00-03:00 15245 Issoudun送信所 250kW 130度 アフリカ東部向ティグリナ語                             
 Eritrean Forum EYSC; 水・木・土・月 02:00-03:00 15245 Issoudun送信所 250kW 130度 アフリカ東部向ティグリナ語(水・土・月)/アラビア語(木)
                日 03:00-04:00 15245 Issoudun送信所 250kW 130度 アフリカ東部向アラビア語
 Risala International; 土 03:30-04:00 15165 送信所隠秘 東アフリカ向オロモ語
(DX REMIX NEWS #902)

◎他の秘密局のA15スケジュール
 
Dandal Kura(新局); 14:00-15:00 7415 Ascension送信所 250kW 55度 西アフリカ向カヌリ語
                03:00-04:00 12050
Ascension送信所 250kW 55度 西アフリカ向カヌリ語
  Voice of Khmer M'Chas Sro; 木・日曜 20:30-21:00 17860 Dushanbe送信所 200kW 125度 東南アジア向クメール語
 Radio ERGO;  21:00-22:00 17845 Dhabbaya送信所 250kW 10度 東アフリカ向ソマリ語
 北韓改革放送; 23:30-00:30 11550 Palauig送信所 125kW 10度 北東アジア向朝鮮語
 Radio Tamazuj; 00:00-00:30 15150(Madagascar送信所 250kW 340度) 15550(Santa Maria di Galeria送信所 250kW 150度) 17600 (Issoudun送信所 250kW 138度) 東アフリカ向アラビア語スーダン方言
 Eritrean Forum;  02:00-03:00 15245 Issoudun送信所 250kW 130度 東アフリカ向 水・土・月 ティグリナ語 木 アラビア語
 Voice of Oromo Liberation; 02:00-03:00 17630 Issoudun送信所 250kW 125度 東アフリカ向 木 02:00 オロモ語 02:30 アムハリ語 月 アムハリ語
(DX REMIX NEWS #903)

◎ナイジェリアがDRM・AM同一周波数同時放送
 Voice of NigeriaはAMとDRMを同一周波数で北アフリカ向英語放送を同時に放送している。
 00:00-01:00 15120 Ikorodu送信所 250kW 7度 AMモード
 00:30-01:00 15120 Avaja送信所 250kW 7度 DRMモード
(DX REMIX NEWS #902) 単なる手違い(連絡ミス)か?

◎Adygeyan RadioのA15スケジュール
 ロシアKrasnodarから出ているAdygeyan RadioはA15スケジュールでは1時間早くなり、周波数は6000kHzから7325kHzに変更される。
 火・土 02:00-03:00 7325 100kW 190度 アディゲ語・アルメニア語・タタール語(火)/アディゲ語(土)
 月 03:00-04:00 7325 100kW 190度 アディゲ語
(DX REMIX NEWS #902)

◎KVOHスケジュール変更
 米国のKVOH局は3月16日で13:00-16:00に9975kHzで行っていたPastor Melissa Scottの番組を打ち切った。以降のスケジュールは以下の通り。送信所はRancho Simi、50kW、100度、中米向。
 09:00-13:00 9975 英語(火-土10::00-12:00は一部スペイン語)
  月ー金 23::00-04:00 17775 スペイン語
(DX REMIX NEWS #902)

◎RFIと縁を切るRTI
 英国のRoger Tidy氏によると、台湾国際放送(RTI)はA15シーズンよりフランスIssoudun送信所から中継されていた欧州向3965kHzとアフリカ向 11975kHzの放送を中止すると発表した。これはフランスRFIとRTIとの間で締結されていた相互中継協定の終了に伴うものであり、欧州、アフリカ の聴取者はインターネットで聞いて欲しいとしている。(WWDXC TP 1202) RFIやIssoudun送信所廃止の序曲との噂もあります。

◎Salam FMが夜間の6050kHzに
 米国のDan Sheedy氏によると、Kajang送信所から行われている6050kHzで最近Asyik FMでなくSalam FMが聞こえている。WRTHによれば00:00迄Asyik FMで、その後Salam FMに切り替わることになっているが、00:00前にSalam FMとなっており、00:00にマレーシア国歌が出て、00:03に終了してしまう。(WWDXC TP 1202) 日本でも確認されています。

◎シリアのAdra短波送信所壊滅
 ドイツのKai Ludwig氏によると、シリア内戦でAdra短波送信所にあった11基のアンテナの内7基は完全に姿を消し、残った4基も地面に倒れている状態である。 横に5基分の残骸があり、短波送信所の設備をスクラップ化して金属を取り出している模様である。(WWDXC TP 1202) 短波送信所は文化施設でありかつ軍事施設ですので、戦争になれば真っ先に狙われます。

◎オーストラリアで日本語ラジオ番組開始
 「リビング・イン・ケアンズ」のHPによると、クイーンズランド州ケアンズのCairns FM 89.1で4月6日より毎週月曜日の現地時間19:00-20:00(日本時間18:00-19:00)に日本語番組Waku Waku Japanese Radio(わくわくラジオ)が開始される。メイン・パーソナリティは田上潤氏で、「日本のコミュニティーニュースやお知らせ、ローカル情報、懐かしい邦 楽、Jポップ、洋楽音楽を交えて放送する予定」とのこと。(東京都 平原哲也氏)



◎Kall送信所が9560kHzの送信試験実施 ~4月も続行
 イタリアの
Mauno Ritola氏によると、ドイツのKall送信所は3月21-22日の17:00-23:00に9560kHz(1kW)での送信試験を実施した。17:00 DPØ7 Seefunk、17:30 Shortwave Service、18:00 Radio. Mi Amigo、20:00 DPØ7 Seefunk、20:30 Shortwave Service、22:30 DPØ7 Seefunkであった。なお今後これらの局の本放送が行われた場合の連絡先は、以下の通り。
 
DPØ7 Seefunk;  Estedeich 84, 21129 Hamburg-Cranz, Germany 、E-mail: info @ dp07.com
  Radio Mi Amigo;  Avda. de Europa 85, Urb.La Marina, 03177 San Fulgencio, Alicante, Spain、E-mail: info @ radiomiamigo.es
 Shortwaveservice; Funkhaus Euskirchen e.V., Kuchenheimer Str. 155, 53881 Euskirchen, Germany、E-mail: info @ funkhaus-euskirchen.de
(DXLD 1512)
 Kall送信所は3月29日にはRadio 700、DARC(ドイツアマチュア無線連盟)の試験放送も実施した、4月1日以降
DPØ7 Seefunkは定期放送化、Radio Mi Amigoは4月11日以降毎週土・日曜の17:00-21:00に定期放送することに決まっている。(DX REMIX NEWS #903)

◎ドイツ気象庁DWD4月1日より短波放送開始
 ドイツ気象庁
Deutscher Wetterdienst (DWD)の気象放送が4月1日より短波で開始される。バルト海及び北海のドイツ語による海上気象通報でHamburg近郊のPinneberg送信所より以下のスケジュールで実施される。出力は10kWで、無指向性送信。
 15:00-15:30 6040
 21:00-21:30 6040
  05:00-05:30 5905

(DX REMIX NEWS #903)

◎ドイツ海岸局
DP07 Seefunkも4月1日より短波放送開始
 ドイツの
Harald Kuhl氏によると、同国の海岸局DP07 SeefunkがKallは4月1日よりKall送信所のRadio 700送信時間を借用して短波放送を実施する。番組はドイツ語(一部英語)で、スケジュールは以下の通り。
 16:00-16:30 6005 7310 9560
  01:00-01:30 6005 7310 9560
  同局のURLは
http://www.dp07.com/。同局は2014年までManaco Radioの送信機を借用してSSBで放送していたが、結果が思わしくなかったため今回送信所を変更した。 
(DXLD 1512) QTHはKall送信所の記事を参照して下さい。



◎コミンテルン放送短波再開
 ロシアの
Dmitry Kutuzov氏らによると、同国のRadio Kominternは3月15日より短波放送を再開した。電圧を下げて放送しているがRyazan及びBelgorodでは受信可能であった。周波数は6990kHzで時間は21:00-00:00。(DXLD 1512)

◎BBC WSアジア太平洋での存在希薄に
 台湾のKeith Perron氏によると、BBC World Serviceの英語放送アジア太平洋地域での影響力が急激に弱まっている。例えば台湾では数年前まで30局がBBCを中継していたが現在はわずか4局に 減少した。原因はニュースがアフリカ向のみに制作されているからで、Radio Australia/ABC、RNZI、RFI等に取って代わられている。同様の現象はバヌアツ、ギルバート諸島、パプアニューギニア等でも起きている。 人々が知りたいのは地元メディアが伝えない自国に関するニュースだからである。この面ではアジア太平洋向を中止としたニュース編成を行っている
Radio Australia/ABC、RNZIが強い存在となっている。BBCのFM中継局があるシンガポールでさえ、2005年には聴取率22%であったのが、 現在は5%以下となっている。香港ではRTHKがBBCと中波675kHzで英語放送を中継する契約を結んでいるが、現在の契約が満了した後は更新しない ことが決定している。なお783kHzで中継されているBBC広東語放送の方はローカルな話題も扱っているので人気を維持している。(DXLD 1512) 元々「BBC WSの英語放送が必要なのはアフリカのみ」という考え方で制作運営されているので仕方がないと思いますが。

◎米国Marine Weather Centerの気象放送
 米国のGlenn Hauser氏によると、フロリダ州
LakelandにあるMarine Weather Centerの気象放送が22:08頃より12350kHzUSBで受信出来た。ホンジュラス、ベリーゼ、パナマ、キューバ南部近海の気象通報及び予報で あった。IDは「Marine Weather Center, Whiskey Charlie Yankee」と出る。また船舶に対するアドバイス等の情報も放送された。(DXLD 1512)  カリブ海向のMarine Weather Centerの気象放送は最新スケジュールでは19:00 4045 8137、19:30 4045 8137、21:00(状況に応じて21:30または22:00のこともあり) 8137 12350kHzにて出ています。モードはUSBです。



◎RFIがMeyerton送信所からの送信をキャンセル
 Radio France Internationale(RFI)はA15シーズン用の予約していたMeyerton送信所からの送信(フランス語放送)を直前にすべてキャンセル した。アフリカ向のフランス語以外の言語の放送はIssoudun及びMadagascar送信所からとなった。(Ivo Observer 4/1) 

◎Follow The Bible Ministriesが短波放送 2版新規
 ドイツの
Hansjoerg Biener氏によると、米国の宗教団体「Follow The Bible Ministries」が短波放送を実施している。スケジュールは毎週月曜日の04:00-04:30で周波数は12050kHz(Ascension送信所、250kW、55度)で西アフリカ向英語放送である。同局のQTHはP.O.Box 1332, Alameda, CA 94501, U.S.A.、E-mailはFollowTheBibleMinistries @ yahoo.com、URLはhttp://www.followthebibleministries.com/である。(WWDXC TP 1203)

DSWCI DBS Domestic Broadcasting Survey 2015発行 2版新規
 58年の歴史を持つDSWCI(Danish Shortwave Club International)より第17版の「
Domestic Broadcasting Survey」が発行された。例年通り3つの部分からなる。Part1は第43版の「Tropical Bands Survey」で2300-5700kHz間でアクティブはすべての周波数(秘密局を含む)の情報を網羅している。Part2は5700kHz以上で放送 している国内向短波放送局の情報、Part3は2-30MHz間で使用されなくなったが再使用される可能性がある周波数の情報である。すべて2014年4 月~2015年3月に実際にモニターされた結果に基づいている。なおアクティブな局についてもA(いつも聞こえる)、B(時々聞こえる)、C(滅多に聞こ えない)、D(アクティブでなくなった可能性が高い)のランク付を行っている。また締め切り直前の2015年3月に聞こえた局は「Last Log」として掲載している。Part3では一昨年来受信されていない局は削除されている。購入者は毎月発行される「Tropical Bands Monitor」を参照することができる。体裁はA4版20ページ。pdf版または印刷版がある。価格はpdf版がUS$6またはIRC2枚、印刷版が航空送料共でUS$12またはIRC4枚。申込先はc/o Bent Nielsen, Egekrogen 14, DK 3500 Vaerloese, DENMARK。Paypal等での支払いも可能。(DSWCI Press Release) JSWCでも取り扱うことになる筈です。
 



 
出典の略称 

   DXLD: DX Listening Digest
  DXLDyg: DX Listening Digest Yahoo Group
  WWDXC TP: World Wide DX Club Topnews
   DSWCI DXW: Danish Shortwave Club International DX Window
   HCDX: Hard-Core-DX
   JSWC: Japan Shortwave Club
   NDXC: Nagoya DXers' Circle
   ABU: Asia-Pacific Broadcasting Union
   WRTH: World Radio TV Handbook


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