月刊短波2016年7月号(第3版)
編集 赤林隆仁  時間 JST


◎Radio Northern Ireland再びアジア向試験送信 3版新規
 アイルランドのAlan Gale氏によると、Radio Northern Irelandは来る7月10日の08:00よりアルメニアGavar送信所より17490kHzにて再びアジア・太平洋向試験送信を実施する。 (WWWDXC TP 1249) 普通の放送の他SSTV信号も送られるようです。受信報告の宛先はradionorthernireland @ outlook.com、同時に返信料として$2以上をこのメルアド向にPaypalで送って欲しいとしています。

◎ナイジェリア秘密局Radio Niger Delta  3版追加
 ナイジェリアによる秘密放送Radio Niger Deltaが7月1日より短波放送を開始した。スケジュールは以下の通りである。送信所はIssoudunと推測される。
 14:00-14:55 9515
  04:00-04:55 11985
(ブルガリア Ivo Ivanov氏) 
 カナダのRichard Langley氏によると、同局のURLはhttp://www.radionigerdeltavop.com。この局は反政府局ではなく、秘密局を偽 装したナイジェリア政府賞賛局である。(WWDXC TP 1259) Niger Deltaとはナイジェリア南西部のギニア湾に面したニジェール川の三角州地帯のことを言います。局の連絡先はradionigerdelta @ yahoo.com。




◎ニュージーランド短波放送は1台の送信機のみに ~短波終焉への序曲か? 2版追加

 7月1日よりRadio New Zealand Internationa(RZNI)lは短波送信機1台のみの体制で運用する。6月いっぱいまでは2台で運用していた。(ブルガリア Ivo Ivanov氏) 
 ブルガリアのIvo Ivanov氏らによると、RZNIのLinden Clar局長は次のような声明を発表した。同局は設置してから27年を経過した送信機1台を廃止するため、7月1日以降は残る1台の短波送信機のみでAM 及びDRMの放送を行う。AM放送は個人の短波リスナー向、DRM放送はRZNIを中継する太平洋の他の放送局向に送信される。今後は衛星放送をメディア の主流と考えているために新たな短波送信機の調達を行う予定はない。現在の短波放送はその補完手段として当面実 施するものである。
 米国のGlenn Hauser氏によると、7月1日からのスケジュールは以下の通りである。送信方向は太平洋向、*はクック諸島・トンガ・サモア向、**はパプアニュー ギニア向。
 09:00-13:58 15720AM
 13:59-15:58 11725AM
  15:59-19:58 9700AM
  19:59-21:58 9700AM**
  21:59-01:50 6170AM
 01:51-03:58 7330AM
  01:51-03:50 5975DRM*  月-土曜
 03:50-04:50 9760DRM*  月-土曜
  03:59-04:58 9700AM 日曜
 04:51-05:50 11690DRM 月-土曜
 04:59-05:58 11725AM 日曜
 05:51-09:00 15720AM
(DXLD 1626) 24時間中1台の送信機に負荷が集中するので、故障した時が短波放送の終焉になるものと思われます。

◎PCJ Radio Internatinalが7月に特別放送 2版追加
 PCJ Radio Internationalは1947-1995年のRadio Netherlandsのオーディオアーカイブから、有名であったJerry Cowan、Dody Cowan、Harry van Gelder、Eddie Startz、Tom Meijer氏らの出演番組を抽出し、特別番組として7月の放送する。番組の進行はPaulette MacQuarrie氏、番組編集は社長のKeith Perron氏が当たる。放送預手は以下の通り。
 7/18 10:00-12:00 7570 北米向
 7/17 15:00-18:00 7780 欧州向
 この番組への受信報告には特別QSLカードが発行される。(DXLD 1626) 日本じゃちょっと無理かも。

◎マレーシアからの短波放送の実情

 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、マレーシアのRadio Television Malaysia (RTM)は次のように短波放送を登録している。送信所は7270kHz(Sarawak)以外はKajan。言語は特記したもの以外はマレー語。米国の Ron Howard氏によると、実際に聞こえているのは9835、11665kHzのみで、全体の状況は末尾に記した通りである。
 24H 5965 100kW Klassik Nasional   FM 2014/11より不感
 10:00-01:00 6050 10kW ND Asyik/Salam/Info FM  2016/4に一時復活したが現在は聞こえていない
 13:00-16:00 6080 100kW ND RTM  FM 以前から全く出ていない
 09:00-01:00 6100 100kW ND RTM  2011/4迄は使用していたがその後7325kHzに移動した
 19:00-01:00 6175 100kW 0度 RTM 2 011年末以来聞こえていない
 07:00-01:30 7270 100kW 45度 RTM  公式に閉局宣言が出されているのだが!
 24H 7295 100kW ND Traxx FM(英語)  長らく聞こえていない
 19:00-01:00 9750 150度 RTM(オーストラリア向英語・マレー語) 2010年に「Suala Islam」の番組が確認されたのを最後に出ていない
 24H 9835 100kW 93度 RTM Sarawak   現在受信可能
 10:00-01:00 11665 100kW 93度 Wai FM(サラワク、Iban語) 現在受信可能、月・木曜の22:15-23:00には「Limbang FM」が中継される
 13:00-19:00 15295 250kW 133度 RTM(オーストラリア向英語・マレー語)   旧海外向Voice of Malaysiaの周波数、2011年6月以降聞こえていない
(WWDXC TP 1255)

◎VOAのベンガル語短波放送復活
 VOAベンガル語チームのAnish Lalit氏によると、同局のベンガル語短波放送が2016年6月5日より復活する。スケジュールは以下の通り。送信所はUdon Thani、出力は250kW。
 09:00-10:00 6040 280度
  12:00-13:00 7350 276度
 ベンガル語放送は01:00-02:00に中波の1575kHz(Bangkok送信所)のみで行われていたが、この放送が継続されるのかは不 明。(WWDXC TP 1255) webサイトには言及なしです。

◎VOA記者アンゴラで逮捕・殴打される
 VOAが5月25日に伝えたところによると、VOAポルトガル語放送の現地記者Coque Mukuta氏が、5月24日アンゴラの首都ルアンダの市場にて警察官による脅迫や賄賂の要求について取材中、突然制服及び私服の警察官数人に取り囲ま れ、カメラを奪われた上現場で激しく殴打され更に警察に連行された。現地の記者組合が警察幹部と交渉したところ、数時間後にMukuta氏は解放された。 この件についてBBGはアンゴラ当局に抗議する声明を出した。(DXLD 1621)

◎Paul Ormandy氏南極AFANのQSLカードを売却
 米国のArtie Bigley氏によると、ニュージーランドのDXerであるPaul Ormandy氏は同氏が1980年代に獲得したAmerican Forces Antarctica Network(6012kHz)のQSLカードをeBayで売却した。落札価格はUS$224.5で、これは古いQSLカードとしては最高の価格であ る。MacMurd基地にあった同局は1980年代半ばまで6012kHzで放送していたが、QSLは容易に発行されず、持っている人は数えるほ どで大変 な珍品であると言える。(DXLD 1621)

珍品南極AFANのQSLカード



◎55周年記念RHCコンテスト

 ドイツのWolfgang Bueschel氏によれば、Radio Habana Cubaは創立55周年を記念してリスナー・コンテストを実施する。コンテストの課題は「今までの55年間Radio Habana Cubaの短波放送が存在し続けてきた事をどう評価するか」。上位5人にはキューバの民芸品等が賞品として用意され、残り50人は放送で名前を読み上げ る。締切は2016年12月31日、提出はE-mailではradiohc @ enet.cu、郵送ではP. O. Box 6240, Havana, Cuba。(DXLD 1621) この種のコンテストはかっての社会主義国では広く行われていましたが、現在では北朝鮮、キューバ位になりましたね。

◎AIRの短波放送廃止加速
 インドのJose Jacob氏によると、All India Radioは次の5局の短波放送をA16スケジュールで廃止した。何れも出力は50kW。
 1. Kolkata 4820 7210
 2. Shimla 4860 6020
 3. Imphal 4775 7335
 4. Itanagar 4990 6150
 5. Kohima 4850 6065
 なお既に次の5局の短波放送は2014年9月以来行われていない。
 1. Gorakhpur 3945 7250
 2. Guwahati 4940 7280 7420
  3. Jammu 4830 5965
  4. Mumbai 4840 7240
  5. Ranchi 4960 5985
  また次の中波放送も最近廃止された
 Delhi 1017 kHz 10 kW
 Kolkata 1323 kHz 20 kW
(DXLD 1621)
 インドのJose Jacob氏によると、AIR Luckow局の短波放送は送信機が故障し、真空管や部品を取り寄せることができないため去る4月1日より停止している。同局には50kWの短波送信機が あり、朝晩は4880kHz、昼間は7440kHzで放送していた。これでAIRの短波局は11局が停止していることになり、残りは19局となっ た。 (DXLD 1622)

◎AIR海外放送次々と削減
 インドのJose Jacob氏によると、All India RadioはA16海外放送スケジュールより次の放送を削減した。
 09:00-00:45 11985 タミール語
 09:45-10:15 11985 シンハラ語
 10:00-11:00 9635 シンディー語
 20:45-22:15 11845 中国語
 21:15-22:15 11710 ビルマ語
 22:30-24:00 11620 英語(当初から放送されていなかった)
 01:15-02:30 17670 スワヒリ語
 01:15-02:30 17670 ヒンディー語
 02:45-04:45 17670 英語
 ドイツのHansjoerg Biener博士によると、これらはDelhi-Khamour送信所からのもので、当初は同送信所の故障によるものと説明されていたが、短波放送廃止計 画の一環であることが明確になった。(WWDXC TP 1255)

◎AIRペルシャ語はインターネット・モバイル化
 インドのJose Jacob氏によると、All India Radio(AIR)のペルシャ語サービスは「マルチメディアwebサイト」とモバイルアプリを立ち上げた。これらはモディ首相のイラン訪問に合わせて行 われた。AIRのペルシャ語放送は1941年より実施されており、AIRで最古の海外向外国語放送である。現在1日2回1時間45分づつの放送を 短波で行っており、月に1000通程度リスナーからの手紙が主としてE-mailで来る。今回2つのメディアを新たに立ち上げた背景には、ペル シャ語放 送で競合 するBBC、CRI、Radio Pakistanがイラン向に同様のサービスを開始したことと、イランの若い世代はラジオで放送を聴かず、インターネットかスマホでしかアクセスしない傾 向になっていることがある。マルチメディアwebサイトはhttp://airworldservice.org/persianである。 iPhone用モバイルアプリはアップルストアで提供されている。(DXLD 1621)

iPhone用モバイルアプリのアイコン



◎イラン向秘密放送Sedove Bahar

 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、イラン向の新秘密放送Sedove Bahar(Voice of Spring)はBabcock社の仲介で以下の様に放送している。放送はペルシャ語。
 金・土曜 02:30-03:00 7495 Moldova送信所 500kW 116度
(DXLD 1621)

◎韓国からの中波ジャミング
 米国のGary DeBock氏によると、Chris Kadlec氏は韓国・北朝鮮境界線付近で韓国からの中波ジャミングが出ていることを確認した。中波ジャミングは低出力のものが多数の地点から高い鉄塔等 を使用せずに目立たないように発射されている。そのため場所により信号強度が異なり強い場所では70dBuであっても数マイル離れると聞こえなく なる。 ジャミングは30-40dBuにハム音で受信品質を悪化させるものである。北朝鮮・開城からは810kHz、50kWの放送が行われており韓国か らも送信塔が見えるが、ソウルの地下鉄車内でこの放送を聴くと同じようなジャミング音が聞こえる。(DXLD 1621)

◎WWRBの最新スケジュール
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、米国WWRB局の最新スケジュールは以下のみとなった。放送は英語、中南米・アフリカ・欧州・中東向。The Overcomer Ministryの放送は行われなくなった。
 日・月曜 00:00-08:00 9370 115kW 45度
  日・月・火曜 08:00-13:00 5050 60kW 45度
(DXLD 1621)

◎THE NETWORK. THE BATTLE FOR THE AIRWAVES AND THE BIRTH OF THE COMMUNICATIONS AGE
 米国のTom Schoen氏によると、「The Network. The Battle for the Airwaves and the Birth of the Communications Age」(Scott Wooley著)が発行された。ラジオの黎明期からの発展を発明人物別の伝記で辿った興味ある歴史本である。(DXLD 1621) Amazonで入手可能です。288ページ。価格は送料共で\3,105、Kindle版は\1,840。





◎論文「BCLブームの盛衰」

 立教大学社会学部の井川充雄教授による論文「BCLブームの盛衰」が発表された。https://rikkyo.repo.nii.ac.jp /index.php?active_action=repository_view_main_item_detail& page_id=13&block_id=49&item_id=12055&item_no=1にて参照することがで きる。 (東京都 鳥居英晴氏) 同教授は昨年10月17日に「1970年代における海外短波放送のリスナー -BCLブーム研究序説-」という題名で講 演を行っ ています。

◎Radio Tiranaの海外向放送廃止に
 Radio TiranaのHead of Monitoring CenterであるDrita Çiço氏によると、Radio Televizioni Shqiptar(RTSH)は海外向放送Radio Tiranaを1日も早く廃止すべきとの結論に達したため。(DXLD 1622) 近日中に廃止確実ということです。

◎今年のラマダン期間
 デンマークのAnker Petersen氏によると、イスラム世界の断食月ラマダンは今年は6月6日~7月5日となっている。この期間イスラム地域の放送局は中波局を中心に24 時間放送することが多い。(DXLD 1622)

◎リトアニアからロシア語放送の計画
 米国のSergei Sosedkin氏によると、西側諸国が相次いで短波のロシア語放送を廃止しているため、リトアニアはバルト海沿岸のロシア語を話す住民向に独自のロシア 語放送を計画している。これはリトアニアのRolandas Krischyunasa駐米大使が述べたものである。西側諸国のロシア語放送廃止でバルト3国(エストニア、ラトビア、リトアニア)に住むロシア系住民 に対するロシアからのメディア攻勢が強まり、再びロシアへの併合を招くことを防止する目的である。そのため現在の送信施設を増強して新たなロシア 語放送を 開始する予定である。(DXLD 1622) これらの国はEU及びNATOに加盟しているため直ちにウクライナのような事態にはならないと思われますが、ロシアへの警戒感は強いようで す。 具体的にはSitkunai短波送信所を使うものと思われます。

◎NZDXLのDavid Ricquish氏心臓発作で倒れる
 New Zeland DX Leagueの機関誌「New Zeland DX Time」の編集長であるDavid Ricquish氏が5月初旬突如心臓発作で倒れ、Wellington近郊のPukeruaにあるKenepuru病院に緊急入院した。危険な状態は脱 してリハビリフェーズに移っているが、まだ元気のない状況であるという。(DXLD 1622)

◎2016年EDXC会議参加案内
 British DX Club(BDXC)のKari Kivekäs氏によると、2016年のEDXC(European DX Council)会議はBDXCをホストとして英国のManchesterのCastlefield Hotel(http://castlefield-hotel.co.uk/)にて来る9月9日-12日に開催されることになっている。会場は Castlefield運河沿いに位置し、ショッピングゾーンや飲食街、美術館、画廊に近く便利な場所に位置している。
 参加登録は9月9日(金)の午後より開始される。参加に関する詳しい情報はhttps://edxcnews.wordpress.com /category/edxc-conference-2016/を参照のこと。(DXLD 1622) EUからは離脱したがEDXCには残留。

EDXC2016の会場となるCastlefield Hotel



◎Radio - Menschen & GeschichtenがRadio 700より放送

 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、ドイツのRadio - Menschen & Geschichten(「人と歴史」放送)がRadio 700より次のスケジュールで短波放送を行っている。放送は毎月最後の日曜日のみ。19:00以降の放送は17:00からの放送の再放送である。
 17:00-19:00 7310(Kall) 6045(Nauen)
  19:00-20:00 6005(Kall)
  22:00-23:00 17760(Gavar)
 翌日02:00-03:00 3985(Kall)
(WWDXC TP 1256)

◎IRRSのKostinbrod送信
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、IRRSはKostinbrod送信所より次の3局の放送を行っている。出力は50kW。
 Euroepan Gospel Radio; 月曜 00:00-00:30 9510 306度 欧州向英語
 Radio Santec; 月曜 00:00-00:30 15190 90度 南アジア向英語・ドイツ語
 Warra Wangeelaa-ti : 日曜 00:00-00:30 195度 アフリカ東部向 オロモ語
(WWDXC TP 1256)

◎Radio Publique Africaine放送開始
 カナダのRichard Langley氏によると、6月初めよりブルンジに拠点を置くRadio Publique Africaineが放送を開始した。
 放送時間は03:00-04:00で周波数は15480kHz、送信所はIssoudun(250kW、145度)で言語はキルワンダ語、スワ ヒリ語、 フランス語である。同局のURLはhttp://www.rpa.bi/、アナウンスで15480kHzと言っているので単なる現地FM局の中継 ではなさそうである。(WWDXC TP 1256)

◎IBB Iranawila送信所閉鎖
 6月9日付でスリランカのIBB Iranawila送信所が閉鎖された。理由は保守に費用が掛かりすぎるためである。同送信所からはRFAの送信が行われていたが他の送信所に変更され た。(WWDXC TP 1256)

◎AIRがバングラデシュ向特別サービスに命名 ~サービス開始は延期に 2 版追加
 インドのJose Jacob氏によると、All India Radioは中波でChinsurahから行われているバングラデシュ向のベンガル語放送を6月28日より特別放送「Akashvani Moitree Channel」と命名するすることにした。(DXLD 1623)
  インドのAlok Dasgupta氏によると、AIR Chinsurahから中波1000kWで行われる上記のバングラデシュ向放送のスケジュールは以下の通りである。594kHzAMと 604kHzDRMは同一送信機からの同時送信である。
 09:30-18:00 19:00-02:30 594AM  604DRM
(WWDXC TP 1257)
 上記新サービスの開始は「予期できなかった理由」により延期された。6月28日に大統領出席の上Kolkata(番組制作の中心は Kolkataらしい)で開局式を行う予定であった。いつまで延期されるかは発表されていない。但し6月28日よりChinsurah局の周波数 は1134kHzより予定通り594kHz(DRMは604kHz)に変更され、AIRの海外向GOS、タミール語、ビルマ語、ネパール語、の番組が 594kHzでは中継されており、604kHzのDRMにはDelhiのRainbow Channelが出ている。(DXLD 1626)

◎またCRIの放送同士が混信
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、China Radio Internationalの東ヨーロッパ向英語放送(21:00-23:47 17630 Urimiqi送信所 500kW 308度)と中央アフリカ向英語放送(23:00-00:57 17630 Bamako送信所 100kW 85度)は周波数と送信時間がだぶっており相互に混信している。(DXLD 1623)

◎Radio Mi Amigo夏期特別放送fe
 Radio Mi AmingoのProgramme DirectorであるTony Currie氏によると、英国Harwich岸壁に係留中の旧灯台船LV18より放送している同局はLV18の係留費用を捻出するためHarwichの夏 期フェスティバル期間中特別放送を実施する。ローカルにはFMの106.8MHzを使用するが、以下の期日にはChannel292より 6070kHzで短波放送も実施する。
 7/30 14:00-15:00 Tony Currie Show
  8/1 01:00-02:00  John Ross-Barnard
  8/2 07:00-08:00 Dave Kent
  8/3 05:00-06:00 John Cavanagh
  8/4 03:00-04:00 Garry Lee
  8/4 16:00-17:00 Enda Caldwell
  8/5 22:00-23:00 Alan Turner
  8/6 21:00-22:00 Roger Day
  8/7 20:00-21:00 Dave Rogers
  8/8 07:00-08:00 Final programme of the 9 day venture featuring all the DJs
(DXLD 1623)

◎太陽国点数減少期に入る
 英国のMike Terry氏によると、このところ太陽黒点数の減少が著しく、6月3日にはついに0となってしまい、数日間その状態が続いた。このことは太陽の活動が明らかに減少期に入っていることを示し、「太陽黒点数最小期(Solar Minimum)」がやってくることを意味する。専門家の間では次の太陽黒点数最小期は2019-2020年になると予測されているが、それまでの間でも 今回のように一時的に0となる期間が続くことは起こりうる。その期間は数日から一月程度続く。こういう状態が持続すると太陽からの紫外線量が減少 するため宇宙線が容易に地上に達するという減少が発生する。(DXLD 1623) 電離層の電子密度が下がり高い周波数が安定して使用できなくなり、代わりに低い周波数での伝搬が良くなります。

◎中国にも心理戦専用航空機
 英国のMike Barraclough氏によると、中国陸軍は敵国に対して空中から宣伝謀略放送を行う心理戦専用航空機Y-8GX7を装備した。4発のプロペラ機で、中 国名は「高新7号」である。この飛行機は米国の心理戦機EC-130Jを真似たもので、空中から中波、短波、FM、TVの宣伝放送を行う事ができる。 (WWDXC TP 1257)

心理戦機 高新7号



◎中国24Hジャミングの現状
 ドイツのWolfgang Bueschel氏によると、中国は西側の放送が出ていなくても24時間ジャミング(ホワイトノイズまたはキーキー音)を発射し続けているチャンネルを 持っている。モニターした結果では、13590、13695、11810、9410、7375、6195、6080kHzがこれに該当する。ソ連 時代モス クワや他の大都市でRFE/RLに対して発射されていたものと同様、北京等の大都市での放送聴取を出来なくする目的らしい。(WWDXC TP 1257)

◎北朝鮮球場送信所の不調続く
  北朝鮮球場(クジャン)送信所の11710kHz用送信機は故障している模様でこのところ受信できていない。また11910kHz(200kW、271 度)で行われて いる筈の03:30-05:27のアフリカ南部向英仏語放送、05:30-06:20のアフリカ南部向朝鮮語放送も聞こえていない。(WWDXC TP 1257)

◎TWR-Africa送信所をDhabayyaからGrigoriopolに変更
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、Trans World Radio-Africaは次の放送の送信所をDhabayyaからGrigoriopolに変更した。
 01:30-02:00(月曜のみ01:45) 15105 300kW 160°アフリカ東部向ソマリ語
 03:00(土曜のみ03:15)-03:45(月曜のみ04:00) 9940kHz 157° アフリカ東部向ティグリナ語・ティグレ語・ クナマ語
(WWDXC TP 1257)

◎Unique Radio移動中!
 ドイツのManfred Reiff氏によると、オーストラリアのUnique Radioは目下のところHalls Creekにあった送信所を移動中で、移動先での送信許可が降りるのを待っている状況である。理由は地形の関係で信号がごく近隣にしか届かないためである。送信許可が出るまではインターネットのみで放送する。(DXLD 1624)

◎AIR-Itanagarデジタル放送化
 インドのAlokesh Gupta氏によると、AIR-Indiaは現在行っているAM放送をDRM化する方針を発表した。既にDRM対応の送信機が設置されており、出力もアナ ログ時代の100kWから200kWに倍増されている。信号が良好に届きにくかった辺境地域での受信品質の向上が期待されるという。 Itanagar局に 続きPasighat(東シアン州)、Dirbrugarh(アッサム州)でもNautel社製DRM送信機を設置して同様の動きがある。DRM 対応受信 機は今のところ普及していないが、インドMahindra社製のものが大都市では入手可能であるし、今後DRM対応カーラジオが整備されるという話もあ り、その内に大丈夫になると見られている。それまではDRM放送とAM放送を同時に出すことができるので全く問題はないとしている。(DXLD 1624) AIRに対しては無線ラジオ放送を停止してインターネット化すべきという提案も出されています。

◎MWVロシア語部門特別QSL限定発行
 RusDXによると、Madagascar World Voiceのロシア語部門は7月1日~9月1日の間の受信報告に対して特別のスタンプを押した特別QSLカードをマダガスカルより発送する。発行枚数は限 定200枚である。レポートの送付先はmwvradio @ gmail.comである。(DXLD 1624)

◎BBC Atlantic Relay Station開設50周年記念切手発行
 英国領Atlantic諸島では同島にあるBBC Atlantic Relay Station開設50周年を記念して、6枚組の記念切手を7月3日に発行する。図柄は開設時の制御盤(20p)、「BBC Klinka Klub」と呼ばれた当時の送信所の建物と送信アンテナ群(25p)、Enaglish Bay Beachから望んだ当時の送信所風景(50p)、送信所の現在の建物群(55p)、2007年に新設された風量発電用タービン(65p)、送信所の現在 の入口風景(£1.60)である。英国の切手商Avril Hadden氏の仲介で入手可能である。希望者はahadden @ pobjoy.comまたは+ 44 (0) 1737 818108に問い合わせること。(DXLD 1625)




◎ボコハラムが宣伝放送開始

 スペインのJose Miguel Remero氏によると、ナイジェリアのイスラム過激派勢力ボコハラムがカメルーンとナイジェリアの国境のカメルーン側に放送局を設置し、 FM96.8MHzで宣伝放送を開始した。カメルーン北部のTolkomariの住民が放送を確認した。(DXLD 1625)

◎「Voice of The Report of the Week」がアジア向試験放送実施
 ドイツのChristian Milling氏等によると、「Voice of The Report of the Week」は去る6月22日の20:00-21:00に15780kHz(100kW、100度)でアルメニアのGavar送信所よりアジア向試験放送を 実施した。今後も同送信所やドイツKall送信所から放送を行う予定である。受信報告の宛先はvorwinfo @ gmail.comである。(DXLD 1625)

◎米国MNNが短波で聖書伝送計画 ~KTWRと協力
 米国のキリスト教布教団体Mission Network News(MNN)は、世界の人口72億人の内、42億人はインターネットに接続不可能として、聖書を持っていない人々に聖書を送り届ける手段として短波 放送によるファイル送信を行うことを計画している。既にGuamのKTWR送信所からタイに聖書ファイルを短波(250kW送信機)で送信する実 験に成功 した。短波受信機と専用アプリケーションでPC上に聖書ファイルを送り届けることができるため、今後Trans World Radioと協力してこの方法を普及させて行く。(DXLD 1625) KTWRのDRM送信機が持つデータ伝送機能を活用したものと思われます。

◎AIR Thiruvanathapuram局の中波用鉄塔が倒壊 ~ 12日で再建 2 版追加
 インドのJose Jacob氏によると、All India Radio Thiruvanathapuram局の中波用鉄塔(高さ122m)が6月17日暴風雨のために倒壊した。同鉄塔からは1161kHz(20kW)で中波 放送が送信されていた。5010/7290kHz(50kW)で行われている短波放送は平常通り出ている。現在中波放送は停止しており、地域の情 報は FM101.9MHz(10kW)で放送している。 Alokesh Gupta氏によれば風雨による送信用鉄塔の倒壊はThiruvanathapuram局が1937年に放送を開始して以来初めてとのことである。 (DXLD 1625)
 インドのJose Jacob氏によると、1161kHz用鉄塔の再建はいち早く行われ、6月29日の現地時間05:50より1161kHzでの中波放送を再開した。その間 Thiruvanathapuram局の番組は上記の短波放送、FM放送の他、Allapuzha局(576 kHz、200 kW)、Kavaratti局(1152 kHz、10 kW) 及びwebサイト(http://allindiaradio.gov.inでMalayalam語を選択) でのストリーミング放送で聞くことができた。なおFM101.9MHzは2014年10月2日以降使用されていないGyan Vani送信所からのものであった。(DXLD 1626)

◎更に減少する短波国内局
 DSWCI(Danish Shortwave Club International)のAnker Petersen氏によれば、同氏は1973年にTripical Bands Surveyを開始して以来世界の国内向短波放送局(2200-5800kHz間、海賊局・秘密局を除く)が使用している周波数の数の統計をとり続けてき た。2016年の結果は表に示した通りである。

地域 1973年 1985年 1997年 2009年 2016年
アフリカ中部 102 76 40 18 8
アフリカ南部 57 39 33 20 10
中東 9 4 1 0 0
インド亜大陸 62 45 45 29 17
東南アジア 40 29 21 4 1

インドネシア 171 105 65 13 5
中国・台湾・蒙古 119 110 75 32 19
旧ソ連 61 59 47 7 6
日本・朝鮮半島 38 28 28 9 10
パプアニューギニア 17 20 20 15 5
豪州・太平洋 10 4 13 8 10
中央アメリカ 21 23 24 5 1
カリブ海地域 29 3 3 2 3
南米北西部 98 41 19 3 2
エクアドル 47 33 22 5 0
ペルー 78 69 78 28 9
ボリビア 35 42 25 14 5
ブラジル 107 87 67 35 27
南米南部 5 2 1 0 0
合計 1106 819 627 247 138

 この数年間2200-5800kHzで使用されている国内向短波局周波数の数は全世界に渡り一本調子で減少を続けており、2016年には 2015年の147波から更に減少して138波となり、これは過去最低の数字である。
 2014-2015年に消滅した周波数(kHz)・出力(kW)・放送局・最終確認年月は以下の通りである。
 3205   10   NBC Sandaun, Vanimo Papua New Guinea     2015/4
 3210    1   Vintage FM Relay, Razorback Australia     2015/1
 3380    1   Centro Radiofónico Imbabura Ecuador       2014/9
 3905   10   NBC New Ireland, Kavieng Papua New Guinea  2015/4
 4319    3   AFRTS Feeder, Diego Garcia Diego Garcia   2014/12
 4716.7  1   R Yatún Ayllu Yura, S. Antonio Bolivia    2015/4
 4765   10   R Rural, Santarém Brazil  2015/1
 4789.9  0.5 R Visión, Chiclayo Perú  2015/4
 4820   50   AIR, Kolkata India   2015/1
 4860   50   AIR, Shimla India   2015/4
 4885    1   R Maria, Anápolis Brazil   2014/9
 4975    1   R Iguatemi, Osasco Brazil   2015/4
 4976   10   UBC R, Kampala Uganda    2015/4
(DXLD 1625) ほぼ局数の増減と等価と見て良いでしょう。2009-2016年には平均15波減少していますので、最後の1波になるまであと10年は持ちそうです。

◎KBS World RadioがDX番組を打ち切り
 インドのPrithwiraj Purkayastha氏がKBS World Radio英語部のプロデューサーに聞いたところによると、KBS幹部は7月16日以降現在の「KBS Listener's Launge」で行われているDX情報の提供を停止する決定を行った。インドからは「Indian DX Report」が提供されていたが、6月25日版が最後になる。(DXLD 1625)

◎スウェーデンGrimeton Radio夏の特別送信
 英国のMike Terry氏によると、スウェーデンGrimeton Radioは例年行われているAlexander altenatorを使用した超長波17.2kHzの特別送信を今年も7月3日(日)の18:00と21:00に実施する。受信報告はinfo @ alexander.n.seまたはAlexander - Grimeton Veteranradios Vaenner, Radiostationen, Grimeton 72,SE-432 98 Rolfstorp, Swedenに。詳細はhttp://www.alexander.n.se参照のこと。(DXLD 1625)




出典の略称 

DXLD: DX Listening Digest
DXLDyg: DX Listening Digest Yahoo Group
  WWDXC TP: World Wide DX Club Topnews
HCDX: Hard-Core-DX
JSWC: Japan Shortwave Club
NDXC: Nagoya DXers' Circle
ABU: Asia-Pacific Broadcasting Union
WRTH: World Radio TV Handbook


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