月刊短波2016年9月号(第5版)
編集 赤林隆仁   時間 JST

◎RAEが一時番組制作停止 5版新規
 
ドイツのRalf Urbanczyk氏によると、アルゼンチンRAEは、全ての外国語番組の制作を9月16日から10月5日の間停止し、その間は音楽のみが放送されると発 表した。この措置は短波放送のみでなく、インターネットのライブストリーミング放送にも適用される。(WWDXC TP 1268) RAEのストリーミングサイトは汚染されている模様で「危険サイト」との警告が出ます。

◎ABCのNorthern Territory HF Service一時廃止 ~すぐ復活 3版新規 4版追加 5版追加
 オーストラリアのBob Padula氏によると、同国政府による予算カットのため、ABCのNorthern Territory HF Service(Alice Springs、Tennant Creek、Katherine)を運営していたBroadcast Australiaは9月より短波放送を廃止した。(BC-DX Topnews 9/5)
 ドイツのWolfang Bueschel氏によると、予算カットで廃止されていたABCのNorthen Territory HF Serviceが9月13日より全周波数で復活した。現在以下の周波数で放送中である。出力は50kW、無指向性送信。
 17:30-06:30 2325(Tennant Creek) 2485(Katherine) 4835(Alice Springs)
  06:30-17:30 4835(Alice Springs) 4910(Tennant Creek) 5025(Katherine)
 オーストラリアのRob Wangner氏によると、正確には9月13日の08:00より復活した。予算削減による突然の公共放送の廃止に対してリスナーからの風当たりが強かった ものと推測される。この短波放送は現地だけでなくオーストラリア大陸を旅行する人にも重宝されている。(WWDXC TP 1268)

◎Babcock社がIBC Amsterdam記念特別送信を実施 5版追加
 英国Babcock社は世界最大の家電ショーであるIBC Amsterdam 2016に Digital Radio MondialeがDRM洋の新型送信機、新型受信機を展示したのを記念してWofferton送信所から7240kHz(100kW)にて9/9の 22:30-23:30、9/10の 20:30-22:30、9/11の22:30-23:30にDRM特別放送を行った。
(WWDXC TP 1268) 現地の午後に会場来場者に直接デモして見せるためと思われます。

◎台風10号の影響でRadio Rossiiの中波・短波復活 ~Vladivostokの送信所より 3版新規 4版追加
 
Radio Rossiiの短波放送が9月初旬より復活している。スケジュールは以下の通り、
 11:00-16:00 7245
  16:00-19:00 9895
  19:00-24:00 5900
  00:00-06:00 7350
  Radio Rossii Primor'e(Радио России Приморье)を中継している模様で、05:10-06:00、11:10-12:00、21:10-22:00にローカルプログラムが出ていてRadio Rossii Primor'eのIDが確認されている。05:10と11:10の放送は
Radio Rossii Primor'e のHPにローカル放送の記述があるが、21:10は記載がない。同時に810kHz(Rozdolnoye送信所)でも復活しているのが確認された。台風10号の水害被害に対する臨時放送か? 短波送信所のロケーションは未確認。(NDXC 長谷川清一氏) 
  ロシアのAnatoly Klepov氏がVladivostok在住のハムSergei氏(
RV3DSA) から得た情報では、Sergei氏は9月5日にこの事実を明らかにするためにValdivostok郊外のRozdolnoye送信所に直接出掛けて行っ て説明を受けた。その結果中波・短波放送ともに間違えなくRozdolnoye送信所から送信されていることを確認した。中波放送の出力は75kW、短波 放送の出力は100kW、送信方向は270度。中波、短波放送復活の理由は台風「Layonrok」(10号)が沿海州に到来したためで、緊急事態が宣言 された事により9月3日より810kHzの放送で注意を喚起することが命令された。但し中波放送は昼間では30km内外にしか届かず、沿海州全体をカバー できないため短波でも放送することにした。台風による緊急事態が終息すれば放送も終了するのかどうかは不明。(WWDXC TP 1267) Радио России ПриморьеのHPはhttp://vestiprim.ru/radio_russia_prim.htmlです。810kHzは以前Vesti FM(89.8MHz)が使用していました。 

◎関西・東海地区HCJB日本語放送リスナーの集い 2版新規
 
来る10月2日(日)にHCJBの尾崎一夫師を京都にお迎えし、「関西・東海地区HCJBリスナーの集い in京都」を開催する。2013年以来の3年振りの京都開催である。京料理ランチをいただきながら、尾崎師を囲む。参加希望者は文末のEメールアドレスま で、下記要件をご記載の上申し込む。
 【日時】2016年10月2日(日曜日)  12:00-14:30
 【場所】京すいしん  電話:075-365-8888
 【住所】京都市 下京区東塩小路町719 SKビル1階 (JR京都駅から徒歩2分)
 【会費】3500円 (京弁当+飲み物代を含む)
 【アクセス】JR京都駅前SKビル出口を出たところ、あるいは、京都駅7条側中央出口(1F)から烏丸通りを北へ。カメラのキタムラ、京都IT会計法律専門学校を越えた次のビルがSKビル。
 
【締切】  9月17日(土曜日)
 【申込記載事項】 氏名、住所、年齢、連絡可能な電話番号、メールアドレス、コメント
 【申込先】 
aor7030 @ gmail.com
(幹事 京都府 永野正和氏) 尾崎一夫師を迎えてのHCJB日本語リスナーの集いは「2016日本ふれあいの旅」として京都以外では仙台・岡山・東京でも開催されます。また各地の教会で集会も行われます。詳細はReach Beyond日本語HP(9月よりURLが変更になっている http://japanese.reachbeyond.jp/)を参照して下さい。

◎ラジオマニア2016発行
 
AM、FM、短波と広い放送ファン向のMook「ラジオマニア」が8月29日「ラジオマニア2016」(三才ムックvol.894)として発行 された。今号はFM補完局(ワイドFM)の受信テクニック、radiko.jpプレミアムの番組情報や録音術のほか、番組では決して聴けないパーソナリ ティ対談、最新受信機の使用レポートなど内容で、例年通り特別付録に、受信・radiko聴取に役立つ手帳「radiko radio-mania handbook2016-2017」も付く。
 構成は以下の通り、●巻頭カラー; ラジオマニアニュース、スぺシャル対談&座談会、工具メーカー製の現場用ラジオが熱い!“男気ラジオ”カタログ、 さぁ、ワイドFMを受信してみよう!、●第1章「radiko.jpプレミアム完全攻略!」; radiko.jpプレミアム録音テクニック,部門別オススメプログラムガイド、●カラー特集; 1局集中特集 KBCラジオ聴き倒しガイド、最新ラジオ 使用レポート ソニー・SRF-V1BT。ラジオ実践レビュー、ソニー幻の逸品ICF-J40使用レポート、●第2章 受信実 験で電波の性質を知る; データ・実験でわかるFM補完放送の電波、ワイドFM vs 韓国FM局 対馬でFM受信の旅、J-WAVE み、と中継局はどこまで聴ける?、夏休み特別企画 ラジオの電波の不思議を探る、●第3章 ワンランク上のラジオ生活; 短波BCLの最新動向2016、 「i-dio」の中の人にいろいろ訊いてきました、未対応ラジオの改造も! FM補完放送の補完的なお話、読者投稿コーナー ラジオの広場、回想DJイン タビュー、RADIO-MANIA handbook徹底活用術、●第4章ラジオ番組表アーカイブ; 30年前の1986年春にタイムトリップ!。三才ブックス刊、価格1,620円、A5版 177ページ。(赤林) 「さぁ、ワイドFMを受信してみよう!」、「データ・実験でわかるFM補完放送の電波」、「ワイドFM vs 韓国FM局 対馬でFM受信の旅」はBCLエバンジェリストである星浩二氏が執筆、「短波BCLの最新動向2016」は小生が担当。





◎ベラルーシ10月で有線放送を廃止

 RUSdx7月24日号によると、ベラルーシの情報通信省は2016年10月1日以降有線放送を廃止すると通達した。放送近代化計画の一環で、既に8月 1日よりはGomel、Vitebsk、Brest、Grodno地区での有線放送が廃止された。10月1日には残るMinsk、Mogilev地区での 放送も廃止される。有線放送設備の寿命が来ていることと、無線放送の方が送受信設備にかかる費用が少なくて済むことが廃止の理由である。今まで有線放送で提供されていた番組は以降は無線放送で提供される。(WWDXC TP 1262) 21世紀に有線放送残っているのですね!共産主義時代に外部の放送を聞くことを防止するために設置されていたのでしょう。

有線ラジオ受信機 左はスイッチ/ボリューム、右は音質、中央のボタンが選局、現在ホテルについているラジオや旧式の飛行機についているオーディオサービスもほぼ同じ構造だ



◎フランスIssoudun送信所からの東アフリカ向秘密放送状況

 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、TDFのIssoudun送信所からの東アフリカ向秘密放送の一部は7月26・27日現在次のように行われている。
 Eye Radio: 01:00-01:30 17730 250kW 130度  アラビア語・英語
         01:30-02:00 17730 250kW 130度 Dinka Nuer Shilluk Bari Zande Lutoho各言語
 Radio Xoriyo: 金・日 01:00-01:30 17630 250kW 130度  ソマリ語 エチオピアからのデジタルジャミングあり
 Radio Adal: 木・日 00:00-00:30 15205 100kW 125度  アラビア語
                    木・日 00:30-01:00 15205 100kW 125度  ティグリナ語
 Oromo Voice Radio:  木・日 01:00-01:30 17850 250kW 130度 オロモ語  エチオピアからのデジタルジャミングあり
  Radio Publique Africaine: 03:00-03:30 15480 250kW 145度  キルンディ語
                                      03:30-04:00 15480 250kW 145度  フランス語
(WWDXC TP 1262)

◎モルドバCoduru送信所より中波DRM試験放送開始
 Digital Radio Mondialによると、モルドバのCordu送信所に2013年7月に設置されたTRAM50型送信機より873kHzでDRMの試験放送が開始された。この周波数はRadio Moldovaの標準中波放送に使用されている。(WWDXC TP 1262) 本来は873kHzで24時間放送を行っていますが、インドのように併行してDRM電波を発射するのではなく時間を区切ってDRMの試験を行うものと思われます。

◎ロシアのノボシビルスク地方時間ゾーンを変更
 RUSdxによると、DX2016年7月24日よりロシアのノボシビルスク地区の時間ゾーンが変更され、この地区の時間は従来のモスクワ標準時間+3時間から4時間と従来より1時間進む。(WWDXC TP 1262)

◎Radio Belarusの最新スケジュール
 RusDXによると、Radio BelarusはドイツKall送信所より短波放送を継続中だが、7月31日現在次のスケジュールで放送中である。
 月-土 16:00-18:00 3985
  火-土 06:00-08:00 3985
  月-金 16:00-18:00 6005
(DXLD 1631)

◎廃止圧力の中で頑張るAIR-Jeypore
 インドのAlokesh Gupta氏によると、All India Radio-Jeyporeはインド政府の廃局方針の中で、送信関係人員を12名、番組制作関係の人員を19名も削減され、ギリギリの日常運営を続けてい る。同局はこの地方唯一の放送局であるのに、政府は45年を経過した同局の放送設備更新の予算を認めなかった。地域で重要な役割を果たしているのに中央に対するアピールが少なかったのが原因。(DXLD 1631)

◎Radio RankingmanよりeQSL
 ブラジルのDaniel Wyllyans氏によると、イラン向LGBT支援局Radio Rankingman(01:00-01:30 7575kHz)はeQSLを発行中である。発行者はSergio Omelette氏で、同局ではこの人だけが受信報告に理解を示してくれる。宛先はprtc.prtc @ idknet.com。(DXLD 1631)

◎Radio Puntlandが再び聞こえる
 ドイツのThorsten Hallman氏によると、13800kHzCUSBでソマリアのRadio Puntlandが再び聞こえている。この地域の音楽とコーランの朗読が現地時間の昼に延々と続き、00:00にs/offしている。パラで出ていると言 われる6160kHzは受信されていない。(DXLD 1631)

◎Radio Romania Internationalが第3回国際ラジオ音楽祭クイズ
 Radio Romania Internationalは第3回国際ラジオ音楽祭クイズを挙行する。クイズの内容は以下の通り。①第1回の国際ラジオ音楽祭はいつ開催されたか、②第3回国際ラジオ音楽祭の名誉総裁は誰か、③2016年Radio Roumniaではいくつのオーケストラが演奏することになっているか、④国際ラジオ音楽祭の主催者は誰か。クイズ応募の詳細は短波放送または web(http://www.rri.ro)またはSNSを参照のこと。応募は郵便またはE-mailで行う。締切は10月1日。賞品はルーマニア及び世界のクラシック音楽を集めたルーマニアのアーティストによるサイン入りCD。(DXLD 1631)

◎フランス側旧Felsberg長波送信所ついに売却
 Europe1が183kHz(900kW)で使用していたフランス側のFelsburg送信所が地元自治体に12万ユーロで売却処分された。送信所は そのままの状態で引き渡される筈であったが既に送信機等はスクラッブにされた状態であった。同送信所は2013年に閉鎖計画が持ち上がり、Europe1 は 1.5km離れた場所(フランス国境からわずか10m入ったドイツ領)に設置してあった予備送信所に移転して新たな20kV発電機を調達して放送を継続し ている。(DXLD 1631) 送信鉄塔はフランス側に1つ、ドイツ側に3つあり、送信所本体はドイツ側にあります。放送はフランス向フランス語で、独仏の微妙な関係が感じ られます。

◎Radio Vietnam上でのストリーミング機能削除
 英国のDavid Kernick氏によると、Voice of Vietnamは「Radio Vietnam」(http://radiovietnam.vn)上では5年前から地方放送局のストリーミング放送を受信できるようにしていたが、7月 1日よりこの機能が停止された。(DXLD 1631) {Radio Vietnam」のURLは事実上廃止です。なお「Voice of Vietnam」(http://vov.vn)上で中央放送局のストリーミングは提供されています。

◎「短波放送の興隆」掲載
 英国のMike Terry氏によると、Radio Worldの8月1日号にはJames Careless氏による記事「短波放送の興隆」が掲載されている。20世紀初めに短波帯が国家による国際放送、アマチュア無線、海上通信に使用されて長 距離通信の主流となって行く過程を説明している。http://www.radioworld.com/article/the-evolution- of-shortwave-radio/279335で閲覧できる。(DXLD 1631)

◎SM Radio InternationalがErevan送信所より試験
 Alan Gale氏によると、ロックロール専門局SM Radio Internationalが去る8月14日の03:00-05:00にErevan送信所より11845kHz(100kW)で欧州向試験放送を実施した。(DXLD 1632) 英国Gloucestershereに本拠地を置き、通常はドイツRohrbach送信所から6060、6005kHzで出ています。今後アジア向も行う可能性があります。受信報告の宛先はinfo @ shortwavecommunity.com。



◎ボリビアでは200局が無免許放送

 ボリビア電波交通監理局のCesar Böhrt氏は、現在ボリビアでは200のラジオ放送局が無免許放送を行っていると発表した。今後無免許局の電波を停止させて行くという。最も無免許局が多い都市はEl Altoで25局にのぼる、次いでLa Paz、Santa Cruzと大都市が並ぶ。El Altoでは電磁気を扱う作業所が多く、放送機器を簡単に自作できてしまうという。(DXLD 1632) 大半はFM局だと思います。中南米では町の至る所に送信アンテナが立っているのが普通ですので!

◎Deutscher Wetterdientが周波数変更
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、ドイツ気象庁放送局Deutscher Wetterdientは8月初めより周波数を5905kHzから6180kHz(Pinneberg送信所、10kW、無指向)に変更した。確認されたスケジュールは次の通り。
 15:04-15:30
21:04-21:30
05:04-05:30
 ドイツのWolfgang Bueschel氏によると、上記に加えて01:04-01:30にも放送があるらしい。
(DXLD 1632)

◎Conakryの9650kHz再復活 2版追加
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、一時復活したものの再びQRTしていたRadio Guinée Conakryが8月初めに際復活した。周波数9650kHzで04:15-05:35頃確認した。上下のCRIがうるさい。言語はフランス語・現地語で番組はコーラン朗読など。(DXLD 1632)
 Radio Guineeの9650kHzが再び欧米の広い範囲で受信されている。時刻は15:00(s/on)-09:00過ぎ(s/off)でフランス語、現地方 言の放送。01:55迄はRadio Sonder GrenseのQRMがある。(WWDXC TP 1266)

◎インド新海外向サービス「AKASHVANI MAITREE」 ~中国に対抗か? 2版追加 4版追加
 インドのAlokesh Gupta氏によると、AIRは無線放送の廃止等先進的な政策を発表しているが、8月23日にバングラデシュ国境地域に開始したベンガル語新サービス「AKASHVANI MAITREE」はむしろ古風なサービスであり、初日にはPranab Mukherjee大統領が出演しベンガル語で挨拶を行った。
(DXLD 1632)
インドのJose Jacob氏によると、新しく開始されたベンガル語サービスはKolkata近郊のChinsurahに設置された1000kW中波送信機より594kHz、1000kWで放送されている。サービスぼ開始は当初6月28日であったが、諸般の事情で8月23日に延期され、その間はAIR-Delhiの「Rainbow FM」の番組をDRMモードで送信していた。送信機は1基だが時間を違えて594kHz及び1134kHzで送信することができる。またAMとDRMの波を9kHz離れて同時送信することができ、その場合DRMは603kHz及び1143kHzで出ることになる。(WWDXC TP 1265)
インドのJose Jacob氏がモニターしたところ、放送はすべてベンガル語ではなく、英語やヒンズー語でも行われていた。09:30-02:30にベンガル語放送が行われていた時間は09:30-11:30、12:00-17:30、19:00-00:15、01:00-02:30であり18:00-19:00は休止、他はヒンズー語・英語によるAIR国内放送が流されていた。インターネットのストリーミング放送はhttp://airworldservice.org/responsive-audio-player/bangla.php#で聞くことができる。ドイツのHansjoerg Biener博士によると、ベンガル語ニュースはBangladesh Betarとの共同制作であり、これがバングラデシュとのジョイントプロジェクトであることが分かる。この地域で覇権を狙う中国はCRIベンガル語放送を強化してきており、それに共同で対抗するという意味が背景にあると考えられる。594kHzの波はNHK東京が出ているために米国西海岸では難しいが、米国中部以東では西回りで伝搬してきた波が受信されている。(DXLD 1635)
インドのJose Jacob氏及びSudipta Ghose氏によると、同サービスの連絡先は次の通りである。
 E-mail:
maitreebandhu @ gmail.com
S-mail: All India Radio, Akashvani Bhavan, Eden Gardens, Kolkata -700001, India
(DXLD 1636)
「maitree」(मैत्री )はヒンズー語で友好の意味
です。中国のCRIベンガル語放送は現在1日5時間の放送で短波の他、雲南省の昆明(1188kHz 300kW)、宣威(1269kHz 600kW)両送信所から高出力中波送信も行っています。
 



◎リトアニアSitkunai送信所2017年には200kW化

 ロシアのDmitry Mezin氏が、Radio Baltic WavesのRimantas Pleikys氏より聞いた情報による、リトアニアSitkunai送信所では昔からある152mの鉄塔を使用して旧式の75kW短波送信機がまだ稼働中である。同じ送信所に置いてあったVikhr社製500kW中波送信機は解体されスクラップとなった。75kW送信機の後釜として現在Nautel社製NX200(200kW)送信機を発注中で、2017年には稼働開始となる予定である。(DXLD 1632)

◎BBCビルマ語放送もMyanmar Radioから放送
 BBCのプレスリリースによると、同局ビルマ語放送が歴史上初めてMyanmar Radioから放送されることになった。放送されるのは若者向ショー番組「Mobigeno」、新技術紹介番組「Cool Tech」、農業改善方法紹介番組「San Thit Tehtwin Lai Myay Ta Kwin」の3番組である。放送はMyanmar RadioよりFM、中波、短波で放送される。BBCではビルマ語放送聴取者拡大のためTV番組や携帯電話放送番組の提供も開始している。(DXLD 1632) ミャンマーでは「賢い人はBBCを聞かない」運動が行われていたのですから、隔世の感ですね!

◎ロシア制作の「DX Panorama」WRMIから放送
 ブルガリアのRumen Pankov氏によると、モスクワのVadim Alexeyev氏が制作している週間DX番組「DX Panorama」は現在08:15-08:30に11850kHzで放送されている。http://www.wrn.ruでインターネット放送も行われている。(DXLD 1632)
◎BBC Radio1の聴取者数100万人減少
 BBC Radio 1の週間平均聴取者数は昨年4-6月の調査時の1044万人に比べて今年は946万人と約100万人も減少したことが明らかになった。これについてRadio 1のトップは「聴取者数は絵画の一部のようなもので気にすべきではない」と発言した。なおRadio 4、Radio 6 Music、Asian Networkの方は過去最高の聴取者数をマークし、Radio 2は微減、Radio 3は微増でラジオの聴取者数が減少したとは言えない。(DXLD 1632)

◎米国短波実験局WI2XERに免許
 米国のBenn Kobb氏によると、LLCであるSkycast社が申請していた短波実験局WI2XERが3月に許可されてた。同社によれば純粋に技術開発や科学研究を目的とした実験局で、期間は2年間、送信所はニューヨーク州Farmingville、13.87-21MHz間のアマチュバンド及び放送バンド以外の周波数を使用して実験を行うことになっている。何を実験するのか明らかにされてはいないが、機内でのインターネットや位置情報の表示等を短波を利用して現状より安いコストで行うことを目指しているのではないかと推測されている。現在のFCCは短波を全く重視しておらず、米国での短波利用の許可は比較的簡単に降りるようになっている。(DXLD 1632)

◎RFAより創立20周年記念QSL発行
 Radio Free Asiaは閉ざされた社会向けに自由な報道を提供しているが、その初めは1996年9月30日の96:00に開始された中国語放送であった。現在は中国のみならず、ビルマ、カンボジア、ラオス、北朝鮮、ベトナムにも放送を行っている。1996年9月の開始された最初の放送から20年となるのを記念して同局では「開局20周年記念QSLカード」を2016年9-12月の間の受信報告に対して発行する。これは同局として62枚目のQSLカードとなる。受信報告は郵送の他、専用web(http://techweb.rfa.org)やE-mail(qsl @ rfa.org)でも受付ける。(RFA AJ Janischek氏)

シンプルなデザインの20周年記念QSLカード


◎HFCC会議で新DRM受信機披露の予定
 カナダのRichard Langley氏によると、WRMIのJeff White氏はホストとなりHFCC International Radio Conferenceが8月22-26日に米国MiamiのHilton Downtownホテルにて開催される。オーストラリア、マダガスカル等世界30ヵ国の放送局関係者が参加してB16シーズンの短波放送周波数の調整を行う。米国での開催は2回目、Miamiでは初めてである。参加する放送局はVOA、RFI、RJ、TWR、EWTN、AWR等であり、米国FCCも加わる予定。なお今回の会議の目玉として新型のDRM短波受信機の紹介が行われるとのこと。(WWDXC TP 1264)
インドのAlokesh Gupta氏によると、この会議で新たに公開されるDRM受信機はパナマPantronX社製TitusⅡ受信機で、AndroidOSを搭載しタッチパネル操作で100kHz~2GHz間のDRNを含む全てのモード受信に対応する。(WWDXC TP 1265) 台湾のKeith Perron氏はDRM(
Doesn't Really Matter:問題外)な受信機、機能もデザインも最低と酷評した。(DXLD 1634) 価格は$65とのことですので、価格相当の機能は期待できるのかも知れません。

TitusⅡ受信機 操作ボタンはなくタッチ画面にアイコンが並んでいるだけ 



◎HAARPの短波送信設備新組織で再開

 英国のMike Barraclough氏がRadio World誌8月10日号として伝えたところによると、米国AlaskaにあるHAARP(High-Frequency Active Auroral Research Program)の高出力短波送信所の設備が2017年に再開されることとなった。設備はUniversity of Alaska Fairbanks (UAF)とUAF Geophysical Instituteの所有となり、地球科学の実験用に使用される。詳しくはhttp://www.radioworld.com/article/haarp-facility-to-reopen-in-2017-under-new-ownership/279394を参照のこと。(DXLD 1633) 元々は軍の施設で共産主義諸国の人々に強烈な信号を浴びせて脳の構造を資本主義に変革させると言う秘密の目的で使用されました。



◎MW-List新版発行
 ドイツのChristoph Ratzer氏によると、世界の全長波・中波局を網羅したGünter Lorenz氏制作の「MW-List」が更新され、新機能が追加された。公称周波数を入力するとその周波数を使用中の局と実測の正確な周波数が表示されるようになっている。http://www.mwlist.org/mwoffset.php?kHz=1190(DXLD 1633)

◎6050kHzのAsyik FM再開
 RTMのAsyik FMが8月23日以降再び6050kHzで受信されている。米国のRon Howard氏によると、同局の公式放送時間は10:00-01:00で、Asyik FMの他Salam FM、Info FMの番組も放送されている。長らくQRTしており、今年4月に一時的に受信されたが再び聞こえなくなっていた。(ドイツ Wolfgang Bueschel氏)
 6050kHzの復活が確認されたのは8月22日の20時過ぎであった。8月31日の独立記念日を意識しての再開ではないかと思われる。(WWDXC TP 1265) 日本でも良好です。

◎AIRハッジ特別放送
 インドのJose Jacob氏によると、メッカ巡礼月にサウジアラビアに出掛けるインドのイスラム教徒向にAll India Radioは8月13日~10月11日の14:30-15:00に11670(Bengaluru)、15210(Panaji)、15770(Delhi)kHzでウルドー語によるハッジ特別放送を実施する。今年インドからメッカ巡礼に出掛ける人は10万人以上と見られている。
(WWDXC TP 1265)

◎セルビアも中波放送廃止
 セルビアでは既に中波放送が廃止された。中波放送にかかるコストを負担できないというのがその理由である。(WRTH Update) Radio Televizjia Srbijeは全国で11波(最大出力はBeogradとAleksinacの10kW)残っていました。セルビアの放送を聞くには直接出掛けて行くしかなくなりました。

◎フィリピン中波情報
 フィリピンでは次のよぅな中波局の動きがあった。
 
DXOM Radyo Bida, Koronadal City; 963kHz 10kWで放送開始
 DXUZ Radyo Lipay, Ipil; 公称1035kHzだが、時々1031kHzにシフトする
 DXRC Super Radyo, Zamboanga City; 放送休止中であったが1287kHz 5kWで放送再開、594kHzのManila局を中継している
 DXJR R. Liwan Network, Manolo Fortick, Bukidnon province; 1575 kHz 10 kWで放送開始
(WRTH Update)

◎秘密局Radio Asenna情報
 米国のPaco Alameda氏によると、VICE Newsはエチオピア秘密局Radio Asenna(15245kHzで放送)の内情を伝えた。12分47秒のニュースビデオはhttps://news.vice.com/video/blackout-leaks-from-eritrea-africas-north-koreaで参照できる。スタジオはロンドンにあり、エリトリアのジャーナリストであったAmanuel Eyasu氏が運営を行っている。Radio Asenaの過去の番組はhttps://www.emp3z.com/mp3/radio-assenna-launches-satellite-broadcasting.htmlよりダウンロードできる。同局のwebサイトはhttp://assenna.com、受信報告は
aseye.asena @ gmail.comの上記Amanuel Eyasu氏宛に送るとeQSLが発行される。
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、同局は毎週日曜日の02:00-03:00に15245kHz(Issoudun送信所、250kW、130度)でティグリナ放送を行っている。なお別の日の同時刻にこの周波数で放送を行っていた秘密局(月・火・水曜・土曜 Eritrean Forum、木曜
Eritrean Forum)は8月末現在中止されており、Radio Asennaも放送日が金曜日から日曜日に変更された。(DXLD 1634)

Voice of Independent Oromiya周波数変更
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、Issoudun送信所から行われている
エチオピア秘密局Voice of Independent Oromiyaは8月22日より周波数を17860kHzから17850kHzに変更した。現在のスケジュールは毎週月曜の01:00-01:30 17850(Issoudun、250kW、130度)で言語はオロモ語。エチオピアはデジタルジャミングでこの放送を引き続き妨害している。同様のジャミングは月曜02:30-03:00に17765kHz(Issoudun、150kW、125度)で出ているRadio Front for Independence of Oromoにもかけられている。(DXLD 1634)

◎Radio Puntlandモニタリング分析結果
 ドイツのT
horsten Hallmann氏が8月2日よりソマリアのRadio Puntaland(13800kHz)を15:00-16:00、18:00頃、21:00頃、23:00-00:00過ぎに受信して観察したところ次のような事実が観察された。
 ➀放送は毎日行われていたが一日中連続して放送していない。同一周波数のRadio Dabangaがs/offする14:58に既に開始していることもあれば、開始がもっと遅いこともある。現地時間で午後の放送は23:00頃より放送されており、日によって00:00過ぎまで放送している。現地時間夜の放送は行われていない。6160kHzで行われているかも知れないが未確認である。朝早く開始した場合は午後の放送との間に休止が入る模様である。②信号強度は変動が激しく、何時間聞いていても不安定である。送信機がフルパワーに達していないように見受けられる。変調は良い方である。キャリアが多く残っているCUSBモードで出ているが、LSBにも信号が出ていた日もあった。③番組内容に規則性はない。長い話、ノンストップの現地音楽、コーラン朗読がランダムに放送されている。毎正時にIDやニュースが出ることもない。音楽の合間に予め録音された英語のIDが出ることが稀にある。('DXLD 1634)

◎第49回EDXC会議次第
 DSWCI DX Windowによれば9月9-13日に英国ManchesterのCastlefield Hotelで開催される予定の第49回EDXC会議の式次第は以下の通りである。時間は現地時間。
 9/9(金) 16:00-22:00 ホテルのバーにて参加登録、非公式会合
 9/10(土) Bridgewater Roomにて 10:00 BDXC及びEDXCによる開催の挨拶 10:05 EDXCからのお知らせ(
Kari Kivekäs氏) 10:30 FM DXingの楽しみ(FDXA Jukka Kotovirta氏) 11:00 休憩 11:30 SheigraへのDXペディション(BDXC Dave Kenny氏) 11:50 アフリカ貧民向ソースパン受信機の話 (York大学David Clayton博士) 12:15 ラジオの歴史プロジェクトについて(York大学David Clayton博士)
 9/11(日) 
Bridgewater Roomにて 10:00 カナダとSt. Pierre Miquelonの放送(Play DX Mario Monferine氏) 10:30 Algarve DX招待所(RMRC Harald Gable氏) 11:00 休憩 11:30 中波送信鉄塔プロジェクト(BDXC Dan Goldfarb) 12:00 国境を越える海賊放送の文化的意義(FDXA Jopi Nyman教授) 12:30 未定 13:00 EDXC2017会議と創立50周年記念計画(EDXC Mikael Nurmela氏 FDXA Risto Vähäkainu氏) 14:30-17:30 SalfordのMedia CityにあるBBC Radio & TV見学ツアー (市内電車利用) 19:30-22:00 ホテルにて晩餐会
9/12(月) 10:30-16:00 Moorside Edgeにある中波送信所、Holme Moss FM送信所へのバスツアー(昼食付)
 9/13(火) 10:00-13:00 お別れ非公式会合
(DXLD 1634) 日本からはJSWCの大武逞伯理事が参加の予定です。

◎中波局の将来はないのか?
 オーストラリアのラジオ評論家
James Cridland氏は8月21日号のradio.infoに「中波局の将来」についての次のような寄稿をした。米国では中波局の廃局が相次いでおり、先日もカリフォルニア州Coachella Valleyで放送していたKPSI局とKWYI局が終焉を迎えた。また閉局まで行かなくても「AM Revitalization」(AM復興)の名の下にFMと同時放送(simulcast)を行う中波局が増加中である。これは世界的な傾向でカナダでもオンタリオ州LondonのCKSL局が閉局、イスラエル、ドイツ、ロシア、オランダでは中波局は殆ど無くなってしまったし、ベラルシやセルビアも最近中波を全廃した。英国でも中波のサービスが縮小しつつある。BMW等の高級車のカーラジオでは既に中波は受信出来ないものが多い。電子化された車やLEDを多用した車、ブロードバンドを利用する通信を行う車では回路の発するノイズで中波帯の受信が困難だからである。また中波ラジオ受信機能を現在のスマホ等に組み込むことも困難(FMラジオは可能)であるし、音質等の点でそんなニーズもない。放送局経営にとってみれば、AMの送信施設はFMと比べて高価で、メンテナンス費用や電気代も非常に多くかかり、経営上のメリットが少ない。
でも中波局に将来が全くない訳ではない。国土の広いオーストラリアでは中波局でなければ広いサービスエリアをカバーできないので中波局は隆盛である。また米国でも一定の聴取者層を持って安定した経営の局も多数あるので、中波局がすぐに消え去るとは言えない。中波局の音質を補完する試みとしてDRM等のデジタル化の試みがなされてはいるが、聴取者の支持を得るまでになっていない。ラジオ放送そのものは今後も存在するだろうが中波がその最適なプラトフォームであるとは言えない時代となってきている。
(DXLD 1634)




出典の略称 

DXLD: DX Listening Digest
DXLDyg: DX Listening Digest Yahoo Group
  WWDXC TP: World Wide DX Club Topnews
HCDX: Hard-Core-DX
JSWC: Japan Shortwave Club
NDXC: Nagoya DXers' Circle
ABU: Asia-Pacific Broadcasting Union
WRTH: World Radio TV Handbook


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