月刊短波2017年2月号(第2版)
編集 赤林隆仁  時間 JST


◎国内AM/FM DXing向「ラジオ受信バイブル」発売!
 
三才ブックスより「ラジオ受信バイブル」が発売された。国内AM/FM放送DXerを対象として、受信状況の改善、DXingの仕 方に加え radikoの活用方法等を解説したものである。同社の「ラジオライフ」誌及び「ラジオマニア」誌に記載された記事の中から選択・加筆したもので ある。カ ラー企画(国産ラジオベストバイ、radiko使いこなしテクニック)と4つの章(第1章 実験編、第2章 機材編、第3章 工作編、第4章 知 識編)か らなる。工作記事も入っており、国内AM/FM派にとっては知識の整理・獲得に便利な一冊である。A5版177ページ(「ラジオマニア」等と同じ 体裁)、 価格\1,296。目次の詳細、内容見本はhttp://www.sansaibooks.co.jp/radio-bcl/ラジオ受信バイブ ル.htmlを参照のこと。(赤林) http://www.yodobashi.com等で送料無料で購入できます。





◎RTI日本語放送の放送時間変更
 
台湾国際放送(RTI)の朝の日本語放送の放送時間が、2月1日より再び変更され、以前の07:00~08:00に戻った。周波数 は 9735kHzで変更はない。1月20日(金)夜放送の番組「お便りありがとう」の中で告知された。2月1日当日聴いてみたが、放送開始当初の時 間帯は聴 こえなかった。放送時間変更が早かったようだ。(滋賀県 居松重和氏)

◎ブルガリアKostinbrod送信所が南極向独自送信開始か

 英国のAlan Roe氏が「Shortwave Airtime」の報道として伝えたところによると、ブルガリアのKostinbrod送信所を運営するSpaceline社はRadio Nova Newsと協力してブルガリアの南極越冬隊基地に情報を伝えるために南極向送信を2017年1月1日より開始する。スケジュールは10:00-11:00 に11600kHzである。但しSpaceline社のwebサイト(http://www.spaceline.bg)にもRadio Nova Newsのwebサイト(https://nova.bg)にもこれに関する記述はない。(WWDXC TP 1282)
 ブルガリアのGeorgi Bancov氏によると、実際には南極基地への資材搬入の遅れで、放送開始は1月中旬または下旬に延期された。但し1月1日に試験送信が11600kHz で行われた。その結果周波数の11600kHzは伝搬上不適切であることが判明し変更される予定となった。この送信はSpaceline、 Nova、 Bulgarian Antarctic Insitiuteの共同プロジェクトである。(WWDXC TP 1283)

◎フランス162kHzは標準時報局に
 英国のAlan Pennington氏によると、フランスAllouis送信所の長波放送162kHzは12月末にFrance Interが使用を中止した後も時報局として存続することになった。これは同国の国立周波数機関(ANFR)が発表したもので、国内にある電波時計の時刻 合わせ用に使用されることになった。時報信号(1時間に1度だけ送信される)を受信しても普通の受信機では何も聞こえないが、専用の電波時計では 原子時計 に基づくフランスの標準時と正確に同期する。フランス国鉄、空港、電力施設等を中心に約20万台の専用電波時計が存在する。(WWDXC TP 1282) アナログ時代の日本にはNHK教育TVの時報で時計を合わせるビデオがありましたが、その部類だと思います。フランスの Christian Ghibaudo氏は「フランス政府はこんな時報に支出するカネがあるのに、同じ国営のRadio Franceは放送に支出するカネもないなんて」と皮肉っています。多分軍事上の理由で全土をカバーできる長波送信機を維持しておきたいのでしょう。

Allousにある162kHzの送信鉄塔 高さ350m (Wikipediaより)


◎Finnish DX Associationからのメッセージ
 Finnish DX Association(FDXA)のRisto Vaehaekainu氏によると、今年の8月18-20日にTampereで開催される同クラブがホストとなるEDXC(Europen DX Council)会議2017への参加を歓迎する。折しも2017年はフィンランド建国百年、EDXC創立50周年に当たる。今回の会議の運営は FDXA(もうすぐ創立60周年を迎える)と地元のローカルクラブTampereen DX-Kuuntelijatとの共同で行う。フィンランドでは過去に1971、1987、1992、2002、2008年と5回のEDXC会議が開催さ れている。今回の会議も今迄の伝統を踏まえて盛り沢山の趣向をこらすつもりである。1月中には専用のwebサイトを立ち上げる。開催時期のフィン ランドは 白夜に近い状態なので、会議が済んだ後も明るい夜を楽しめる。またLapland、Nordkapp(欧州の最北点)、DXペディションの聖地へ のツアー も企画しているので、まだ飛行機の予約をとらないで欲しい。現在会議運営委員会を組織中で、会長にはRisto Vaehaekainu氏が就任することになっている。(WWDXC TP 1282) 

◎DSWCI解散後の措置
 Danish Shortwave Club International(DSWCI)のRolf Wernli氏によると、同クラブは12月31日で解散した。クラブのHP(http://www.dswci.org)は今後少なくとも4年間は維持さ れ、次の資料をアーカイブとして参照することができる。
 ・200-2016年に発行されたShortwave News 
 ・1996年の第1号から2016年の第570号までのDX Windowのほぼ全部
 ・1999年から2016年迄のDomestic Shortwave Survey
 ・2005年から2016年迄のTropical bands Monitor
  ・Niels Jakob Jensen氏のDXコレクション
 ・その他
 クラブ解散に伴い会員用のパスワードは消滅するので誰でも自由にアクセスすることができるようになる。
 「Tropical Bands Monitor」の制作はAnker Petersen氏が毎月継続して行い、上記のHPからダウンロードできる。また2017年版の「Domestic Shortwave Survey」は例年通り制作され、HP上でリクエストした人にはE-mailで送付される。DSWCI Newsletterの発行は中止される。旧メンバーからのニュースはKlaus-Dieter Scholz氏がhttp://www.dxer.info上で扱う。1975-2015年に発行されたShortwave Newsを収録したDVDはhttp://www.dswci.org/dvdより引き続き購入可能である。またドイツのADDXは1975-2016年 のShortwave NewsにテキストサーチのソフトをつけたDVDを今後発売する予定である。(WWDXC TP 1282)

◎RAの短波廃止に怒りの声
 英国のMike Cooper氏によると、フィージーのPacific Islands News Associationが12月19日、Radio Australiaの短波放送廃止に対する反対声明を発表した。メディア手段がない太平洋の離島では過去80年近くに渡りRadio Australiaの短波放送が情報源として大きな役割を果たしていた。特に台風やサイクロン等の災害予報は離島住民のライフラインとなっていた。 Radio Australiaは短波が無くなっても、FM放送やインターネットで聞けば良いと言うが、そのような環境がない島が多い.短波放送の廃止は今迄培ってき たオーストラリアとの関係を断ち切ることになる、としている。(DXLD 1652) オーストラリア側の言い分は、そのための援助をオーストラリア政府が各国に行っているのだから、何もRadio Australiaが担う必要はないというものです。「America's First」のオーストラリア版?

◎ABC北部地域向短波放送の廃止に地元から怒りの声
 英国のMike Cooper氏によると、オーストラリアABCのNorthern Territory Shortwave Service廃止に対して地元選出の国会議員等から「北部地域の住民を『二等国民』として見捨てる措置だ」と怒りの声が上がっている。北部地域には大き な都会がなく、FMや携帯の電波が届かない地域に住んだり、活動している人々にとっては、特に災害時には欠くことの出来ない情報手段であるとし て、ABC幹部には廃止の撤回を求めてきたが聞く耳を持たなかったという。(DXLD 1652) この地域は原住民も多く居住しています。短波廃止と関係があるかどうか不明ですが、「トランブ旋風」の影響で「白豪主義」の復活が囁かれてい ます。

◎チリの短波局Radio Triunfal Evangélicaが復活!
 アルゼンチンのArnaldo Slaen氏によると、12月25日の08:00過ぎに5825kHzでチリTalaganteにあるRadio Triunfal Evangélicaが復活しているのを発見した。スペイン語による説教と賛美歌。出力は100W。現地チリのClaudio Galaz氏がFacebook「Radioescucha en Onda Corta desde Chile」で伝えた情報を元に受信、確認した。(DXLD 1652)

(左)同局のロゴ (右)同局のアンテナ (同局のHPより)
 

◎BBC Monitoring Service廃止に
 BBCは2013年に政府からBBCに移管されたBBC Monitoring Service(BBC MS)の業務を廃止し、100人の職員をリストラする方針である。この方針に対して英国議会下院の情報関連議員連は12月20日に声明を出し、米国ととも に情報収集活動に当たってきたBBC MSを全体にかかる費用も大したことがないにも係わらず「儲からない」という理由だけで廃止するのは「愚の骨頂(height of folly)」で、今後の英国全体のセキュリティに大きな悪影響を与えると警告した。(DXLD 1652)

◎ブラジルEBCの提供するwebストリーミング
   ドイツのHansjoerg Biener博士によると、ブラジルの国営EBC-RadioはRadio Nacional Amazoniaを含む次の各局をwebストリーミングで配信している。
  Nacional FM Brasilia  http://radios.ebc.com.br/sites/_radios/player_streamer/index.html?emissora=radio-nacional-fm-brasilia
   Nacional Rio AM   http://radios.ebc.com.br/sites/_radios/player_streamer/index.html?emissora=radio-nacional-do-rio-de-janeiro#
   Nacional Alto Solimoes   http://radios.ebc.com.br/sites/_radios/player_streamer/index.html?emissora=radio-nacional-do-alto-solimoes
   Nacional Brasilia AM    http://radios.ebc.com.br/sites/_radios/player_streamer/index.html?emissora=radio-nacional-de-brasilia#
   Nacional Amazonia    http://radios.ebc.com.br/sites/_radios/player_streamer/index.html?emissora=radio-nacional-da-amazonia#
   MEC FM - Rio de Janeiro    http://radios.ebc.com.br/sites/_radios/player_streamer/index.html?emissora=radio-mec-fm rio-de-janeiro#
   MEC AM - Rio de Janeiro    http://radios.ebc.com.br/sites/_radios/player_streamer/index.html?emissora=radio-mec-am rio-de-janeiro#
 (WWDXC TP 1283) http://radios.ebc.com.br/にアクセスして上に並んでいる局名ボタンをクリックすれば該当の局が受信出来ます。

◎TWRのアルバニア中継中止の代替措置
 Trans World Radio欧州総局によると、同局はアルバニアのFllake送信所からの中波中継(1395kHz 500kW)を2016年12月31日で中止したが、以降は次の中波送信で補完される。
 フランス 05:45-07:45 Roumollet送信所 1467kHz 1000kW ポーランド語、アラビア語、北アフリカ諸言語
 エストニア 12:00-1400 02:00-05:00 Tartu送信所  1035kHz 100kW  ロシア語
 モルドバ 03:00-05:45 Griogoripol送信所 1548kHz 1000kW  東欧諸言語 999kHz 1000kW ロシア語・ウクライナ語
 キプロス 05:25-07:11 Cape Greco送信所 1233kHz 600kW アラビア語・方言
 (WWDXC TP 1283)

◎フランスの残存中波局
 フランスのChristian Ghibaudo氏によると、フランス残っている長波・中波局は次の5局となった。
   162 kHz Allouis 2000/1000kW Syrte  PSKモードの時報 24H.
  216 kHz Roumoules 1400/900kW RMC (12:56-08:08)+ローカル
  1071 kHz Brest Quimerc'h 8kW  France Bleu Breizh Izel DRMモード 24H
  1467 kHz Roumoules 1000kW TWR(06:00-06:15)+ローカル
  1593 kHz St Goueno 10kW  Bretagne 5 
 (WWDXC TP 1283) 特殊な用途の局、外国の放送局が使用している局になりました。

◎中波放送廃止に困惑する仏領ポリネシア
 英国のMike Terry氏によると、フランス本国の中波廃止の方針は、植民地にもそのまま適用される。フランス領ポリネシアではRadio Polynesie Premiereがフランス政府の方針に基づき2016年12月初めに中波放送を全廃してFM放送に切り替えた。その結果、FM電波の届かない渓谷や離島 の住民はラジオを聞くことができなくなった。一応全土で48のFM中継局を新設したが、Radio Polynesie Premiereのサービスエリアは欧州全土より広いためにカバーすることは不可能である。これらの地域や海域では悪天候時の気象通報が受信出来なってし まった。悪天候に備えて離島等にはラジオを含む緊急器財が配布されていたが役に立たなくなってしまった。 (WWDXC TP 1283) WRTHには738kHz(20kW)が記載されており、同局のHPにも掲載されていますが、これが廃止された模様です。中波放送はまだ残っているようで す。短波放送を聞こうにも2月からはRadio Australiaも廃止です。かってはRadio Tahitiの短波放送もあったのですが。

◎ロシアのDXerに人気の局は?
 ロシアのDmitry Kutuzov氏によると、同国のDXクラブ「deneb-radio-dx」はロシアのDXer26名に対して2016年の人気放送局アンケートを実施 した。その結果は次の通りであった。
 1位 KBS World Radio 65ポイント
  2位 Radio Romania International  46ポイント
 3位 Radio Japan  21ポイント
  4位 Radio Taiwan International  17ポイント
  5位 Radio Poland  16ポイント
  6位 China Radio International 12ポイント
  7位  Vatican Radio  11ポイント
  8位  Voice of Vietnam  9ポイント
  9位  Madagascar World Voice 8ポイント
 10位 Voice of the Islamic Republic of Iran  6ポイント
 11位 Voice of Turkey  5ポイント
 12位 Radio Pridnestrovie、Radio Slovak International、Voice of the Andes、Birinchi Radio、Radio Ukraine International 各3ポイント
 17位 Voice of Greece、Ovozi Tojik 各1ポイント
(WWDXC TP 1283) 母数が26名なので何とも言えませんが。 17位の「Ovozi Tojik」はTajik Radioのことです。 

◎ギリシアERT中波送信施設復旧へ
 英国のMike Terry氏によると、当時のギリシア政府による強制廃局で設備もすっかり痛んでしまったERTの中波送信施設の復旧が本格的に始まった。まず着手された のはアテネの放送センターで、建物の修繕、100kW中波送信機の清掃・修理が行われた。多くの送信機が盗まれて失われた中、666kHzと 729kHz 用に使用されていたNAUTEL社製NX-100送信機は稼働可能であった。Megara送信所の設備も復旧され、再送信が可能な状況になった。 ThessalonikiのMalgara送信所は復旧していないが、周辺のKomotini、Corfu、Volos、Tripoliからは送 信が行わ れている。またRhodes送信所では送信機が盗まれてしまい復旧の目処は立っていない。(WWDXC TP 1283) 

◎AIR-Port Baliar短波放送再開
 インドのJose Jacob氏によると、過去数週間QRTしていたAIR-Port Blairは12月30日に4760kHzで短波放送を復活した。(DXLD 1701)

◎ABC中波局周波数を呼称に入れるのを止める
 IRCAのGraham Himmelhoch氏によると、ABCの中波局の一部は周波数を局名の中に入れ例えば612kHzのBrisbane局(コール4QR 50kW) は「Six-twelve ABC Brisbane」と称していたが、1月9日以降ABCはこの呼称を廃止し、単ABCの次にRadioを入れて「ABC Radio Brisbane」とすることに決めた。今後DAB+化及びインターネット化が行われるため中波の周波数で呼ぶのは不適切であるというのが理由。
 呼称変更が正式に行われたのはBrisbaneの他、次の6局である。 666 kHz 2CN Canberra (5 kW)、702 kHz 2BL Sydney (50 kW)、720 kHz 6WF Perth (50 kW)、774 kHz 3LO Melbourne (50 kW)、 891 kHz 5AN Adelaide (50 kW)、936 kHz 7ZR Hobart (10 kW)。(DXLD 1701) 中波廃止の序曲といえますね。

◎アイスランドでは長波を廃止して中波に転換
 IRCAのReynir Heidberg Stefansson氏によると、アイスランドのRUVは長波送信を廃止して中波送信に切り替える意向である。長波付ラジオが少なくなってきたことと、長 波の送信設備に費用が掛かりすぎることがその理由である。そのため昨年から中波送信の試験を行って来た結果、Eiđar送信所と Gufuskálar送信 所から送信されている長波放送を中波に切り替える目処が立った。Gufuskálar送信所の送信鉄塔は412mとアイスランドで一番、 Eiđar送信所の鉄塔は210mで三番の高さを誇っている。長波放送の主要な利用者は近海の船舶である。長波送信所は電力を大量消費するほか、 Eiđar送信所では悪天候でしばしばアンテナが倒壊して周囲住民の生活にも影響を与えてきた。中波の試験送信はVatnsendi送信所から行 われた が、長波の1/4の電力で、鉄塔も低くて済み、カバー範囲も長波と同じで、満足の行く結果が得られたという。最終結論はまだ下されていないが長波 放送は 近々廃止される可能性が大きい。(DXLD 1701)

◎VOA新年より予約無しで見学可能
 VOAでは毎日見学ツアーが実施されているが、1月9日よりは予約無しでの参加が可能となった。ツアーは現地時間の月曜~金曜(国民の祝日と特 別行事の 場合を除く)の12:00より先着順で毎回20名が参加できる。希望者はhttp://www.voatour.comで参加可能日等を参照のこ と。なお 集合場所はVOAの公式住所(330 Independence Avenue)ではなく、C streetにある見学専用入口である。なお見学希望者は少なくとも11:45にはセキュリティーチェックを終了している必要がある。また見学の際、米国 民は免許証またはパスポート、米国民以外はパスポートの持参が必須である。見学は徒歩で行うが、車椅子での参加は可能である。説明は英語のみで行 われ無料 である。(DXLD 1701)

(左)VOA studio tourを案内する広報係のGeorge Mackenzie氏 (右)VOAのstudio tour用玄関  (VOA News 2017/1/3より)
  


◎Richard McVicar氏QSLコレクション公開
 米国のDXerでHCJBの「DX Partyline」のホストでもあったRichard McVicar氏がQSLコレクションを公開した。https://www.flickr.com/photos/85723566@N03 /albums。(DXLD 1701) 1970年代を中心に膨大な量のQSLが地域別に公開されています。

◎Radio Tiranaのストリーミング音声停止 ~ 実はURL変更
 ドイツのKai Ludwig氏によると、1月3日よりRadio Tiranaの海外向放送(Radio Tirana 3)のストリーミング放送が停止されている。同局のwebストリームを中継しているサイトはhttp://www.rotanastyle.comという 局に乗っ取られてしまっている。他の国内向FM番組は正常に受信出来る。 同局には2016年いっぱいで閉局という噂があったが、新年になってもShijak送信所からの短波放送は出ている。閉局に先立ってwebストリームを 切ったのか?(DXLD 1702)
 英国のAlan Roe氏によると、 「Radio Tirana 3」のwebcastingは現在も行われているが、URLが従来のものと異なっている。新しいURLはhttp://rtsh.al /radio-tirana-3-live/である。(DXLD 1704)

◎著作権のある音楽を放送できなくなったブルガリアBNR
 Medium Wave News 1/5によると、ブルガリア国営放送BNRは1月1日より、著作権の切れたクラシック音楽、ジャズ、民謡しか放送できなくなった。同国の音楽著 作権協会MusicatorとBNRとの話し合いがこじれて、BNRに対する著作権了承が解除されたことによる。これによりブルガリア及び世界の 現代音楽 や流行歌は著作権の関係で一切放送できなくなった。MusicatorはBNRに対して従来の3倍の著作権料の支払いを求めたのに対して、著作権 料を支払うためには番組系統を一つ廃止しなければならなくなったBNRがこれをつっぱねたためである。(DXLD 1702)

◎海外中波放送局から遠隔BCL取材
 DXerが海外の国内向中波放送局に受信報告を送っても無視されて何の返信もないことが結構ある。BDXCの会誌 「Communications」誌1 月号によると、英国のDavid Ansell氏はカナダNewfoundland州GanderにあるCBG局(1400kHz)に受信報告を送ったところ、昨年12月19日の夕方突如 局から電話がかかってきた。電話の主は女性で「受信報告なるものを特にスカンジナビア諸国から受け取ることがあるのだが、送っているのはどういう 連中なの かを知りたい。12月21日に番組内で直接電話をかけるので説明してもらえないか」という内容であった。番組はNewfoundland州で放送 されて いる「Central Morning Show」というもので、当日電話出演し7分間にわたり「SWLとかDXerはどういうものか、英国のBDXCはどんな活動をしているか、RCIの廃止を 世界のDXerがどれだけ悲しんでいるか」について説明した。http://www.cbc.ca/listen/shows/central- morning/segment/11205613にその内容が収録されている。(DXLD 1702)

◎AFN-Kaiserslautern FM周波数を変更
 英国のMike Cooper氏によると、ドイツのAFN-Kaiserslauternは1月18日の現地時間11時より現在の100.2MHzから105.1MHzに 周波数を変更した。これは米国車のカーラジオにおけるFMの同調可能周波数が200kHzおきで、末尾が奇数の周波数しか指定できないことに対応 した処置 である。これに伴い同地域で105.1MHzを使用していたDeutschland Radioは98.7MHzに移動、更に98.7MHzを使用していたAFN-Wiesbaden(Wiesbaden及びManizがサービスエリア) は103.7MHzに移動した。この結果AFN-Kaiserslauternのサービスエリアは以前と変わらないものの、AFN- Wiesbadenはサービスエリアが減少した。周波数が劇的に低くなったDeutschland Radioはサービスエリアが大幅に広くなり5百万人に達すると予想される。これは10年越しの交渉の結果実現したもので、米軍が撤退しつつあるドイツで AFNの周波数が変更されるのは異例のことである。(DXLD 1702)

◎Radio Öömrangの短波放送今年も実施
 毎年行われているドイツAmrum島にあるRadio Öömrangの短波放送は今年も2月22日の01:00-01:59に15215kHzで実施される見通しである。送信所はIssoudunまたは Nauenの予定。放送はドイツ語と英語。QSLはMedia Broadcast社(qsl-shortwave @ media-broadcast.com)より発行される。(DXLD 1702)

◎AIRが「Uttarakhand州向特別番組」を復活
 インドのJose Jacob氏によると、All India Radioは2014年迄Delhiから短波で放送されていた「Uttarakhand州向特別番組」をB16スケジュールで復活させた。放送時間は 11:00-11:30及び21:15-23:30で周波数は6030kHz。(DXLD 1702)

◎SLBC放送開始50周年
 英国のMike Terry氏によると、スリランカのSri Lanka Broadcasting Corporationは2017年1月5日で放送開始50周年を迎えた。これを記念してSLBCでは特別番組を編成、そこで新社屋とスタジオのお披露目 が行われる。また記念切手、スリランカにおける放送の歴史本も発行される。新社屋の完成を祝って当時は徹夜の読経会も開催された。新社屋は政府が 国家予算 2億700万ルピーを投じて完成させたものである。また同時に1億ルピーをかけてHaputaleに送信所も建設された。(DXLD 1702) 1967年1月5日に当時Ceylon Broadcasting Corporationの名称で正式に国営放送に改組された日を放送開始としています。現在のSLBCの名称になったのは1972年です。



◎VOA放送開始75周年
 英国のMike Terry氏によると、米国VOAは2017年2月1日に放送開始75周年を迎える。VOAの発表では2016年の聴取者数(ラジオ、TV、インターネッ ト)は2億3660万人と過去最高であった。VOAのwebサイトにアクセスする人は1週間当たり700万人に登っている。これを記念して 2017年の VOAカレンダーでは「多文化・多民族の国家」米国を象徴する風景(Los Angelesにおけるペルシャの元日祭、New Yorkにおける西インド出身者のパレード、Washingtonポトマック河畔の桜など)を取り扱っている。2017年VOAカレンダーは https://docs.voanews.eu/en-US-INSIDE/2017/01/03/561d9621-e45c- 4ef5-93c2- b49f658c826c.pdfよりダウンロードできる。(DXLD 1702)

2017年VOAカレンダー 主題は「米国の異民族社会」 現政権とは反対方向だ



◎Seoul AM Radio Listening Guide発行
 米国のChris Kadlec氏が、韓国ソウルでの現地調査の結果をまとめた「Seoul AM Radio Listening Guide」が発行された。でソウルで聞こえた東アジアのAM放送局260局のリスト(115ページ、昼・夜別)に加えて朝鮮半島での電波戦にの記事 (AM放送局だけでなく、ジャミング、FM放送、短波放送、TV放送についても言及、25ページ)を掲載している。オーディオクリップの付録付 き。 http://www.beaglebass.com/dx/seoul/よりダウンロード可能。(DXLD 1702)

Seoul AM Radio Listening Guide


◎IRCA Slogan List発行
 Interntaional Radio Club of America(IRCA)より「IRCA Slogans List」最新版が発行された。Kraig Krist氏の編集によるもので、米国、カナダの中波局について放送スローガンを周波数順に記述したリストである。42ページ。冊子版は海外一般向送料共 US$11.75、(Paypalでphil_tekno @ yahoo.comに払い込む)、電子版は無料でhttp://www.ircaonline.org /2017%20IRCA%20Slogans.pdf
よりダウンロードできる。(DXLD 1702)

◎EcuadorのHCJBスケジュール変更
 エクアドルPichincha送信所から行われているHCJBの短波放送(6050kHz)は年末に送信機のトラブルで停波していたが1月中旬 には回復 した。スケジュールが従来より若干変更されている。放送開始時にはエクアドル国歌が演奏される。(WWDXC TP 1284)
 1月中旬よりは毎日18:30-23:00及び06:00-11:30に6050kHz、10kW、18/172度、中米・南米向で放送中。言 語は Cofan/Chapala/Spanish/Shuar/Quechua/Waodani他のインディオの言葉。(DX REMIX NEWS #988)

◎Radio Publique Africaine送信所変更
 Madagascar送信所から行われていたルワンダ向秘密局Radio Publique Africaineは1月21日よりIssoudun送信所からに変更されている。周波数11550kHzは不変。
 スケジュールは03:00-03:30 キルンディ語、03:31-03:58 フランス語。出力250kW、145度。(DX REMIX NEWS #988)

◎Voice of Hope Africaスケジュール変更
   Voice of Hope Africaは1月23日より以下の新スケジュールで放送している。14:00-17:00の放送は中止された。出力は100kW。
 火-土曜 02:00-07:00  4965 0度 アフリカ南部向英語  6065 315度 アフリカ西部向英語
 土・日 21:00-02:00  9680 0度 アフリカ南部向英語  13680 315度 アフリカ西部向英語
(DX REMIX NEWS #988)

◎アルバニアShijak短波送信所で銅線盗難か?
 英国のNole Green氏によると、Radio Tiranaの7475kHzは欧州での受信状況は最悪なのに、中東では非常に良好に聞こえる。現地からの情報ではShijak短波送信所では管理が不充 分で、アンテナに使用されていた銅線が地元民に略奪されてしまい、Radio Tiranaは残った使用可能のアンテナを(送信方向は無視して)使用せざるを得なくなっているのではないかと推測される。この点について同局の Drita女史は沈黙している。(WWDXC TP 1285)

◎Bangladesh Betarが海外向中国語放送開始に
 インドのAlokesh Gupta氏によると、Bangladesh Betarは同局海外放送の7つ目の言語として新たに中国語放送を2017年中に開始することを発表した。(WWDXC TP 1285)

◎エクアドルHCJB中波放送廃止
 米国のRichard McVicar氏によると、エクアドルHCJB(Voz de loa Andes)は1931年以来継続してきた690kHz(Pichincha送信所、50kW)の中波放送を12月31日限りで廃止した。この局はエクア ドルで最も古い中波放送局であった。廃止後はFM(89.3 Pichincha、92.5 Manabí, 96.1 Tungurahua、96.1 Cotopaxi、98.3 Esmeraldas)に切り替えられる。(WWDXC TP 1285)

◎マリのwebサイトでストリーミング放送は動作せず
 ドイツのHansjoerg Biener博士によると、マリのL'Office de Radiodiffusion Television du Maliはwebサイト(http://ortm.ml/)上でラジオ2チャンネル分のストリーミング機能を提供しているが、現在動作していない。但し http://ortm.ml/replay-radio/では過去の番組の再生機能は提供されている。(WWDXC TP 1285)
 
◎スリランカVOA中継局の機材はSLBC他に譲渡
 インドのAlokesh Gupta氏によると、スリランカのSLBCと陸軍が廃止されたVOA中継局の機材の一部を譲渡されていたことが明らかになった。VOAは同国内の Iranawila中継局を2016年6月10日に廃止したが、同送信所にはMarconi社製500kW短波送信機2台、250kW短波送信機 6台、 4.2MWの火力発電設備があった。SLBCは少なくとも250kW短波送信機1基の譲渡を受けたとされている。(WWDXC TP 1285)

◎2017年のBCL関係催し物カレンダー
 フィンランドFDXAのRisto Vaehaekainu氏によると、1月現在確定している2017年に開催されるBCL関係の催し物は以下の通りである。
 2/13 UNESCO World Radio Day
 3/2-4 第30回Winter SWL Fest (米国Plymouth、参加予定150名、専用サイトhttp://www.swlfest.com)
 3/19-21 Radiodays Europe 2017 (オランダAmsterdam、専用サイトhttp://www.radiodayseurope.com)
 3/20-26 RMRC DX Camp (ドイツHoherodskopf山、参照先http://www.rmrc.de/index.php/rmrc-der-club /unsere-dx-camps)
 5/5-7 DX-Parlamentet 2017 (スウェーデンJoenkoeping、参照先http://www.sdxf.se)
  5/19-21  Dayton Hamvention (米国Dayton、参加予定2万名、専用サイトhttp://www.hamvention.org/)
 5/17-20 Annual NASB Conference (米国Simi Valley、ホスト局KVOH、参照先http://www.shortwave.org)
 7/1-15 ADXB DX-Camp (オーストリアDoebriach、専用サイトhttp://www.dxcamp.org)
 7/14-16 Ham Radio (ドイツFriedrichshafen、専用サイトhttp://www.hamradio-friedrichshafen.de)
 7/17-19 IRCA Convention (米国Reno、参照先http://www.ircaonline.org)
 8/18-20 創立50周年記念European DX Conference (フィンランドTampere、参加予定150名、参照先http://www.sdxl.fi)
 9/1-6  IFA Internationale Funkausstellung (ドイツBerlin、参照先http://www.b2b.ifa-berlin.com)
  9/2-3   ハムフェアー (日本東京、参加予定3万名、JSWC出展・講演会)
 9/14-19 IBC 2017 (オランダAmsterdam、参照先http://www.ibc.org)
 11/? Ham Fair India 2017 (インドKolkata)
(WWDXC TP 1285)

◎Africalistの新版発行
 ドイツのThorsten Hallmann氏によると、同氏はアフリカ(北アフリカを除く)における短波局の詳細を記述した「Africalist」の最新版を発行した。この地域 の短波局について、周波数別、国別に記載している。
http://www.muenster.org/uwz/ms-alt/africalist/より無料でダウンロード可能である。(DXLD 1704)

◎IRIB日本語放送・中国人リスナーにインタビュー  2 版新規
 中国の李萌氏はIRIB日本語放送の山口アナからイランやイスラムに関して電話インタビューを受けた。中国人リスナーがIRIB日本語放送のイ ンタビューを受けたのは初めてである。この内容は2月24日と3月3日の「金曜広場」で放送される。(中国 李萌氏) IRIB日本語放送は19:50-20:50 13830 + インターネットストリーミング、再放送が翌日の05:50-06:50 5915 7425です。

◎WRTH2017 B16updates提供  2版新規
 WRTH2017年版の第1回B16スケジュールupdatesが発行されている。WRTHのHP(http://www.wrth.com) よりpdf形式でダウンロードすることができる。(WRTH)



出典の略称 

   DXLD: DX Listening Digest
   DXLDyg: DX Listening Digest Yahoo Group
   WWDXC TP: World Wide DX Club Topnews
   HCDX: Hard-Core-DX
   JSWC: Japan Shortwave Club
   NDXC: Nagoya DXers' Circle
   ABU: Asia-Pacific Broadcasting Union
   WRTH: World Radio TV Handbook


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