月刊短波 2017年7月号(第3版)
編集 赤林隆仁   時間  JST


◎アジア放送研究会「第39回近隣諸国放送研究フォーラム」開催 3版新規
 
アジア放送研究会は、今年も「近隣諸国放送研究 フォーラム」を開催する。このフォーラムは、近隣諸国の放送を調査研究するために必要な知識を共有することを目的に、日本を含めた東 アジア地域の放送事情に関する研究発表やパネルディスカッションを中心に構成しているもので、1998年以来一般に公開している。現 在当日参加者の募集を行っている。
 日時: 2017年8月20日(日曜) 午前10時~午後5時(予定)
 会場: 東京都内(文京区千石駅近く)
 内容: (仮題、順不同、予定)
  ・補完FM放送と放送受信
  ・北朝鮮乱数放送の今昔
  ・香港の放送事情
  ・日本の宗教番組の動向
  ・『月刊短波』から見た2017年の短波界
  ・中国解放区の放送について
 参加費: 2,000円(資料代、昼食代込み)
 参加申し込み期限: 8月4日(金曜)
 参加費振込み期限: 8月4日(金曜)
 詳しい参加要領等については、以下のホームページを参照すること。
  http://www.abiweb.jp/act/forum2017.htm
(アジア放送研究会)


◎Kostinbrod 送信所からもradiogam送信  
2版新規

  米国のKim Elliott氏によると、7月2日より、ブルガリアのSpaceline社Kostinbrod送信所より欧州向に毎週日曜日の01:00-01:30 に9400kHzでradiogramの送信が行われることになった。この放送はインターネット上の http://websdr.ewi.utwente.nl:8901でも受信することができる。MFSK32形式が使用される。VOAが廃止した後 radiogramを送信するのはWRMIに続き2局目。(DXLD 1726)

◎WRTH2017のスケジュールUpdate発行 
2 版新規
 
英 国のMike Terry氏によると、WRTH2017のスケジュールUpdateが発行された。A17スケジュールに対して7月初旬迄に変更のあった、国際放送局、秘 密放送局のスケジュールを掲載している。http://www.wrth.comより無料でダウンロードできる。 (WWDXC TP 1305)

◎Santa Maria di Galeria短波送信所を日本が買収か?

 
米 国のAdrian Peterson氏がAustralian DX News3月号の報道として伝えたところによると、日本のNHKはVatican RadioのSanta Maria di Galeria短波送信所を買収する検討に入った。バチカンの現通信担当であるDario Vigano数機卿はVatican Radioのすべての短波放送を廃止する予定で、Santa Maria di Galeria短波送信所を廃止するか売却する意向であるという。(DXLD 1721) 法皇の「待った」の影響はないのでしょうか?

Santa Maria di Galeria送信所の遠景(Radiomap.euより)



◎米国BBG 2018会計年度予算要求でVOA等大幅縮小
 
ドイツのKai Ludwig氏によると、米国Broadcasting Board of Governors(BBG)は2018会計年度予算要求でVOA等の大幅削減を行う。
 廃止・削減項目は次の通り。
 ・VOAのキンヤルワンダ語・キルンディ語・クルド語・ダリ語・パシュトン語・ラオ語・タイ語・インドネシア語放送の廃止。
 ・VOAのラテンアメリカ向放送(ハイチ向を除く)の廃止。
 ・VOA各地向英語放送の統合と最小化。
 ・VOA及びRFAの中国語ラジオ放送の縮小。
 ・RFE/RLのベラルーシ向放送及びRadio Mashallの廃止。
 ・RFE/RLのRadio Fardaラジオ放送、VOA-PNN(ペルシャ語放送)の削減。
 ・Alhurra TV及びRadio Sawaの夜間ニュース番組の廃止。
 ・「Afia Darfur」の廃止。
  ・中波・短波の周波数大幅削減。
 強化される項目は次の通り。
 ・Greenville・Tinian・Tinang・Sao Tome送信所の修復。
 ・Kuwait中継局の拡張(主としてアフリカ向)。
 以上の廃止・削減の結果VOAの聴取者数は現在の2億3700万人から1億4100万人に減少する。特にスペイン語聴取者数は 6000万人減少すると見込まれる。強化される項目もあるので予算要求規模全体は6億8000万ドルと前会計年度と変わらない。 (WWDXC TP 1302)「America's First」(外国人向に米国の予算をこれ以上使わない)が前面に出た政策ですね。短波放送の全面廃止はなさそうですが。


◎Hamburg Local Radio中継の4局

 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、Hamburg Local Radioからは9485kHz(搬送波添加上側波帯方式)にて次の3局を毎週日曜日に中継している。送信所はGohren、出力1kW、230度。
 Hamburg Local Radio 日曜 18:00-19:00 ドイツ語
 
PCJ Media Network Plus 日曜 19:00-19:30 英語
 World of Radio 日曜 19:30-20:00 英語
 Radio Tropicana 日曜 19:00-21:00 スペイン語
(DXLD 1721)

◎AIRがゾンカ語放送開始の予定
 インドの
Alokesh Gupta氏によると、All India Radio(AIR)はブータン向ゾンカ語放送を開始することを決定した。これでAIRの国外向放送の言語数は16となる。放送時間は 09:00-10:30で送信所はKurseongまたはGantokが使用される見込みである。この放送のためにブータンから言語スタッフ を採用することになっている。(DXLD 1721)

◎韓国からの官営対北放送周波数変更
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によれば、韓国から北朝鮮に向けた「希望のこだま」放送は5月18日より周波数を変更した。新周波数は5995kHz(6003kHzより変更)及び6350kHz(6348kHzより変更)で、送信所は何れも華城、出力100kW、無指向性送信である。パラの3985kHz、 6250kHzは変更なし。放送時間は15:00-09:00である。新周波数にジャミングはかかっていない。
 また「人民の声」放送も5月18日より周波数を変更した。新周波数は3910kHz(3912kHzより変更)、 3930kHz(4557kHzより変更)、6520kHz(6518kHzより変更)。出力は50kW。放送時間は14:30-08:30 である。パラの3480、4450、6600kHzは変更なし。(DXLD 1721)

◎VOAとRLがイラン向及び旧ソ連地域向放送強化に
 Rus-DX5月21日号によると、米国の
American Broadcasting Board of Governors (BBG)はロシア・タジキスタン・イラン・ウクライナの各国向の放送活動を強化するべく2017会計年度に7億7800万ドルの予算を消化する。具体的にはVOA及びRadio Libertyの放送を強化する。VOAについては7月1日より新たなTV放送を開始する。Radio Libertyはタジキスタン国内での放送を強化、ウクライナ向にも新番組が毎時創設される。(DXLD 1721) BBGの2018年会計年度における削減計画と矛盾するのでは?

◎米国に新短波局KIMF準備中
 New Zealand DX Times4月号によると、米国で新短波局KIMFが準備中である。この局はInternational Fellowship of Churchesの経営で、所在地はネバダ州Beowaweである。米国のAdrian Peterson氏によると、KIMFのコールサインによる新短波局(所在地ニューメキシコ州であった)は2003-2004年にも一度報道されたことが あるが実現していない。その局と関係があるかどうかは不明。送信所はBeowaweの町の西6マイルの地点にあり、現在木造の送信棟と1基の アンテナが完成している。計画ではHarris社製50kW及びPTS社製100kW短波送信機各1基を装備し、4基のロンビックアンテナか らラテンアメリカ及びアジア向に短波放送を開始する予定で、周波数は6065、9300、13570kHzが予定されている。番組はカリフォルニア州Los Angelesのスタジオで制作される。Interntional Fellowship of Churchesは既にホンジュラスのComayagüelaに中波局HREZ(1490kHz)を有しており、かっては3340、5010kHzで短波放送も行っていた。希望的観測だが米国からの送信開始と同時にホンジュラスからの短波放送も再開される見込みもある。(DXLD 1721)


International Fellowship of Churches(IFC)のロゴ



◎WRTH Bargraph Frequency Guide A17出版
 恒例の「WRTH Bargraph Frequency Guide A17」が5月22日に出版された。短波・中波・長波の国際放送のA17スケジュール及び国内向短波放送を周波数・時間順にカラーバーグラフ表示したも の。CDの他、pdf及びxls形式でダウンロードも可能。http://www.wrth.com/_shopより購入することができる。 (DXLD 1721) 価格はCD版・ダウンロード版ともに£9.99。




Akhbar MufrihaのA17スケジュール
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、Babcock社仲介による
Akhbar MufrihaのA17スケジュールは次の通り。
 毎日 06:00-06:145 7300 Wofferton 250kW 170度 北アフリカ向
06:00 Tachelhit語 06:15 アラビア語
 金-水曜 06:45-07:15 9530 Ascension 250kW 27度 アフリカ西部向
Hassinya 語
(WWDXC TP 1302)

◎BonaireからのTWR中波放送増力に
 ドイツの
Hansjoerg Biener博士によると、Trans World Radioはラテンアメリカ諸国での受信状態を改善するためにBonaire中波送信所の出力を100kWから450kWに増力する計画を進めている。増力によりキューバを中心に聴取可能人口は5000万人から一挙に1億人に増加する。2017年には450kW送信機を購入・設置する予定である。ドイツKai Ludwig氏によると、送信機は中波が廃止されたドイツのWachenbrunn またはBurgで使用されていた中古のものを調達するものと見られる。(WWDXC TP 1302) 

◎Radio Bulgariaがインターネット放送も全面廃止
 Radio Bulgariaは短波放送廃止後も継続していたインターネット放送を5月31日で廃止した。6月1日以降は英語、ロシア語のテキストベースの情報ページが残るのみとなる。理由は短波放送の廃止で聴取者がほとんどいなくなったため。(WWDXC TP 1302) インターネットに切り替えても結局廃止となとなる典型例です。音声で聞こえるのはブルガリア音楽だけになっています。

◎CHUの3300kHz復活
 カナダのRichard Langley氏によると、同国の時報局CHUの3300kHzはケーブルの破損で3月よりQRTしていたが、ケーブルを交換し5月31日の02:00に復活した。技術者によると、ケーブル自体に損傷は認められなかったが1981年以来地中に埋設されていたのが原因と思われる。7850kHz用のケーブル同じ年数埋設されているため、問題が起きる前に交換したいとしている。(WWDXC TP 1302)

◎KTWR太陽光発電装置完成
 TWR Global Update4月19日号によると、GuamのKTWRは2014年以来進めていた太陽光発電装置を完成させた。これは同局を運営する上で電気代が値上がりを続けて問題となったための措置である。500kW短波送信機が消費する電力量は馬鹿にならないほど大きい。2015年までに整備された太陽光発電装置は44kWHの発電能力があり、同局の電力料金を6%節減できたが、更に今回の増設で82kWHの能力となり節減率は9%に高まった。(WWDXC TP 1302)


KTWRの太陽光パネル群(TWRのHPより



◎Radio Milne Bay復活

 オーストラリアのRob Wagner氏によると、パプアニューギニアの(3365kHz)はこの12ヶ月聞こえていなかったが、このほど20:05頃復活しているのが確認された。言語は英語及びTok Pisin。米国のRon Howard氏も確認している。(WWDXC TP 1302)

◎Greenville送信所最新状況
 米国のJames Mills氏によると、上記の予算措置で一応安泰となったVOA Greemville送信所を同国のPaul Thurst氏が最近訪問したレポートが、Engineering Radioの2017年4月号に掲載されている。http://www.engineeringradio.us/blog/2017/04/voa-site-b-greenville-nc/。(WWDXC TP 1302)写真多数。

◎西蔵人民広播電台の非登録周波数
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、中国の西蔵人民広播電台はHFCC未登録の以下の周波数・スケジュールで出ている。
 09:00-21:30 13870  チベット語・英語
 09:00-23:00 15680  中国語
 05:50-09:00  7385  チベット語・英語
  21:30-03:05  7385  チベット語・英語
  05:00-09:00  7240  中国語
  23:00-03:00  7240  中国語
 送信所は拉薩、出力100kW、送信方向286度。(WWDXC TP 1303)

◎東方送信所からの中央人民広播電台の非登録周波数
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、中国の中央人民広播電台は東方送信所(出力100kW、15度)から以下のようにHFCC非登録周波数で放送中である。
 第8放送 民族之声 18:00-00:00  9695 朝鮮語
           06:00-12:00 12070 モンゴル語
 第10放送  老年之声  05:25-08:00  9620 中国語
            08:00-22:00 17875 中国語
           22:00-03:05  9620 中国語
 第16放送 交通広播 05:55-07:30  9700 中国語
           07:30-20:00 17780 中国語
               20:00-01:05  9700 中国語
 第17放送 郷村之声 12:00-18:00 15190 カザフ語
(WWDXC TP 1303)送信所は北京から東方(海南省)に変更された模様です。

◎Radio Documenta 14送信延長
 ドイツのChristian Milling氏によると、Radio Documenta 14は以下のように送信期日を延長して出ている。周波数は15560kHz(Kall送信所)。
 6/18 6/24 6/30 7/6 07:00-15:00
  6/19 6/25 7/1 7/7 15:00-19:00
  6/20 6/26 7/2 7/8 19:00-23:00
  6/21 6/27 7/3 23:00-03:00
  6/23 6/29 7/5 03:00-07:00
(WWDXC TP 1303) 6/17迄の予定でした。

◎Radio SakhaのA17スケジュール
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、ロシアRadio Sakhaの夏スケジュールは次のようになっている。7345kHzのみ。
 土・日 09:00-12:00
  12:00-14:01
 18:00-21:00
  月-金 21:00-22:00
  月-金 06:00-07:00
  07:00-09:00
(WWDXC TP 1303)

◎ロシア残存中波局リスト?
 ロシアに残存する18の中波局(モスクワ 2、St.Petrsburg 3、極東地区 13)のリストがhttp://vcfm.ru/radio/radio.php?band=amに掲載されている。(WWDXC TP 1303) かってアクティブであった局がすべて掲載されており、どれが残存局だか良く分かりません。
 
◎Dimtse Radio ErenaのA17スケジュール
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、エリトリア向秘密局Dimtse Radio ErenaのA17スケジュールは次の通り。
 火-土 02:00-02:30 ティグリナ語
 火-土 02:30-03:00 アラビア語
 日 02:00-03:00 アラビア語
 月 02:00-03:00 ティグリナ語
 周波数は11965kHz(Kostinbrod送信所、50kW、195度)。
 米国のArtie Bigley氏によると、同局に関する情報はhttp://erena.orgに記載されている。
(DXLD 1723)

◎甘南PBS周波数戻る
 米国のRon Howard氏によると、中国の甘南人民広播電台は5970kHzから5979kHzにシフトしていたがこのほど5970kHzに戻った。他に3990kHzが使用されている。6月11日の22:15頃に確認した。(DXLD 1724)

◎Channel 4 KesäsaunditがQRP送信テスト
 ドイツSpaceshuttle RadioのDick Spacewalker氏によると、Channel 4 Kesäsaunditが去る6月14日の04:00-08:00にSapceshuttle RadioよりQRP試験送信を行った。内容はアナウンスと音楽。周波数は9270kHz、出力は5W!受信報告等はspaceshuttleradio @ yahoo.comの同氏へ。(DXLD 1724)

◎カザフスタンFM局リスト公表
 Rus-DX 6/11号によると、カザフスタンの最新FM周波数表が公表されている。http://www.vcfm.ru/vc/kazakhstan.htm。(DXLD 1724) 世界標準FMバンドの60-70MHz帯の旧ソ連FMバンドが併用されています。

◎Radio Kuwaitは15540kHzのみ? ~Radio Bahrainの番組も中継?
 Radio Kuwaitは03:00-06:56に15540kHz(250kW、310度)でのみ出ている模様である。6月5日には以下のようにモニターされた。
 03:00-06:00 英語 (03:30、05:50にニュース、04:30-04:50 Radio Bahrainの番組)
  06:00-06:56 アラビア語
(DX RE MIX NEWS #1012)

◎トランプ政権中国向放送の予算カットを推進
 米国のArtie Bigley氏が「World Tribune」の報道として伝えたところによると、トランプ政権はRadio Free Asia(RFA)の中国向放送の予算450万ドルをカットする予定にしている。この政策には与党共和党内を中心に中国が米国内での宣伝工作を活発化して来ている時期にこのような措置を取ることに反対する意見がある。RFAは(予算がカットされても)中国語放送を継続する意向である。(DXLD 1724)

◎VOAはこのところQSL発行せず
 米国のMick Delmage氏によると、このところVOAに受信報告を送っても返信が来なくなっている。VOAは現在でも、lettersuser @ voanews.comに報告を送るようにwebサイトで指示をしているが。海外のIBB中継局から直接の返信は期待できる。(DXLD 1724) Kim Elliott氏のようなBCL理解者の解雇と予算削減によるものでしょう。

◎2017 IRCA/NRC/DecalcoMania Convention
 IRCA(International Radio Club of America)のMike Sanburn氏によると、同クラブをホストとする「2017 IRCA/NRC/DecalcoMania Convention」が来る8月17-19日にネバダ州RenoのBest Western Airport Plaza Hotelで開催される。宿泊希望者は+1 775 348 6371に電話してIRCA料金を希望すると1泊$100(税別)の特別割引料金が適用される。参加料金は$25で、Mike Sanburn, PO Box 1256,Bellflower CA 90707-1256、USAに送金するかmikesanburn @ hotmail.comにPayPalで送金する。出展、発表の希望者はMark Durenberge氏(メール Mark4 @ durenberger.com)に相談すること。(DXLD 1724) NRCはNational Radio Club、デカルコマニアは移し絵・転写技術。

◎Shepparton送信所の技術者豪州議会上院で訴え
 米国のArtie Bigley氏によると、廃止されたオーストラリアShepparton短波送信所の旧技術者が同国連邦議会上院の公聴会に招かれ、短波放送の重要性について訴えた。この送信所で働いていたGary Baker氏で、短波送信の復活を求める運動を行っている。Baker氏は「短波放送は太平洋各国に人々の他地球の裏側でも聞いている人がいる。短波送信所を新設すると5000万ドル以上かかるため、Shepparton送信所をそのまま短波送信に利用することが望ましい。」と語った。ABCが議会の短波復活の動きを拒否して、Shepparton送信所を既に売りに出してしまったため、議会が短波復活の議決を行っても、そのままでの復活が事実上不可能となっている。(WWDXC TP 1304)

◎フランスTDFがDRMでSmartCastの試験
 英国のMike Terry氏によると、フランスTDFはIssoudun短波送信所よりDRMによるSmartCast放送の試験を行う。期間は5月29日~7月30日で毎日18:00-20:00に6175kHzで行われる。(WWDXC TP 1304) SmartCastは通信と放送を融合したサービスで、ある番組を視聴したら個人のポイントがたまる、ある音楽を聴いたら自動的にCDの発注がかかる等の機能を持った放送です。

◎ニューカレドニアで中波廃止
 ニュージーランドのBryan Clark氏によると、ニューカレドニアの国営局RNCは666kHzと729kHzで行われていた中波放送を廃止した。ニュージーランドでは6月初旬から聞こえなくなっているのが確認されている。フランスは海外領土でもFM化を推進しており、既にポリネシア、レユニオン、グアドループ、マルチニークではFM局しか存在しなくなっている。(DXLD 1725)

◎ノルウェイFM放送中止に
 英国のMike Terry氏によると、ノルウェイ公営のNRKは放送のデジタル化を推進するためにFM放送の廃止に着手した。既に4月26日にTelemark、Buskerud、Hedmark、OpplandでFM放送が停止された。更に6月21日には、Aust-Agder、Vest-Agder、Rogaland、Hordaland、Sogn og Fjordane地域のFM局廃止が開始され、9月15日までにこの地域のFM局はすべて廃止される。既にノルウェイ議会は大都市からFM放送を追放することを議決しており、NRKは9月20日にOslo、Akershus、Østfold、VestfoldでのFM放送も廃止し、P4・Radio Norwayも含めた公営放送は12月までにすべてのFM放送を中止する。地方の民間局200はまだFMで放送しているが2021年12月31日でFM免許はすべて打ち切られる。政府はすべての国民がDAB対応の受信機を購入すると見ている。しかし主要な市場であるカーラジオでは300万台の内200万台がDAB未対応であるとされている。(DXLD 1725) ラジオを聞く人がいなくなるリスクが伴いますね。

◎Radio Sakhaがオンライン放送開始
 ロシアのAnatoly Klepov氏によると、同国で短波放送も行っているRadio Sakhaがオンライン放送を行っている。URLはhttp://nvk-online.ru/radio-sakha/。(DXLD 1725)

◎その後のradiogram
 旧VOA職員のKim Andrew Elliott氏によると、6月25日以降氏は制作したradiogramの番組をmp3形式でWRMIに送付して送信してもらっている。当面WRMIからのradiogramの放送はMFSK32形式、中心周波数1500Hzで行われる。
 スケジュールは次の通り。
 日曜  15:00-15:30 7730
  月曜  05:30-06:00 11580
  月曜  08:30-09:00 11580
  受信報告はradiogram @ verizon.netに、またwebサイトはhttp://swradiogram.netを参照のこと。放送中や前後にはTwitterの@SWRadiogramも注目すること。(DXLD 1725) URLにはMighty KBCやIBCのradiogramスケジュールも掲載されています。

◎米国新局がDRM短波放送を計画
 英国のMike Terry氏によると、Turms Tech LLC社は欧州、中東向にDRM短波実験放送をニュージャージー州から行うことをFCCに申請している。送信にはニューヨーク北方にあるArmstrong Towerを使用し八木アンテナから9650、15450kHz、出力10kWで短波放送を実施する予定である。(DXLD 1725) Armstrong Towerはニュージャージー州Alpineにある高さ130mの送信鉄塔で1938年にEdwin Armstrongが42.8MHzで最初のFM実験放送を行ったことで有名です。「受け狙い」だけのようにも見えますが?

Armstrong T
ower (Wikipediaより)


◎Radio Japanスケジュール表の配布を停止
 ブルガリアのRumen Pankov氏によると、Radio Japanは冊子形式のスケジュール配布を初めて中止した。影響は少ないが。(DXLD 1723) 周波数チャートはhttps://www3.nhk.or.jp/nhkworld/resources/brochure/pdf/rj_frequency.pdfで提供されています。

◎Radio Shack全店閉店
 Radio Shackは全米で営業していた1,000店を5月30日一斉に閉店した。一時は全米で7,400店舗(2004年)もあった。6月以降はニューヨーク・ペンシルベニア・テキサスに70のショールームが残るのみとなった。同社は一度倒産して再建したが今年3月に二度目の倒産に見舞われ、5月までに365店舗を売却していた。(DXLD 1723) BCL製品を多数販売しており、BCL受信機も数機種製造・販売していました。20世紀には東京の新宿と小金井にも店舗がありました。会社は残存しているようで、webサイト(http://www.radioshack.com)は残っています。


◎AIR Imphalが独自webサイト開設
 All India RadioのImphal局はAIR初となる独自webサイトの開設と独自スマホアプリの提供を行った。URLはhttp://www.airimphal.in。僻地や近隣で電波の届かない地域を効率的にカバーするためとされている。(DXLD 1723) 実際には携帯アプリ提供サイトにつながります。ラジオより携帯で聞いて欲しいということでしょうか?





出典の略称 
   DXLD: DX Listening Digest
   DXLDyg: DX Listening Digest Yahoo Group
   WWDXC TP: World Wide DX Club Topnews
   HCDX: Hard-Core-DX
   JSWC: Japan Shortwave Club
   NDXC: Nagoya DXers' Circle
   WRTH: World Radio TV Handbook



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