月刊短波2017年8月号(第5版)
編集 赤林隆仁  時間 JST
 

◎Radio Mi Amigo「弾圧記念」特別放送 5 版新規
 ドイツのHansjoerg Biener博士によると、1974年8月にオランダと英国で海賊局に対する弾圧が強化されたことを記念してスペインのRadio Mi Amigoは来る8月28日の02:00-04:00に11845kHz(Gavar送信所、100kW)より特別放送を実施する。詳しくは http://radiomiamigointernational.comを参照のこと。(WWDXC TP 1311) 




◎今年のハムフェアは9月開催 ~JSWC出展・国際放送講演会開催 4 版新規
 
今年のハムフェアは9月2日(土)、3日(日)の両日東京ビッグサイトで開催される。日本短波クラブ(JSWC)では例年取り 展示(ブース 番号J-19)と「国際放送講演会」を開催する。展示では各放送局グッズの提供、中古品の販売、アンケート、入会申込、相談等を実施する。 また「国際放送講演会」は会議棟604号室(ハムフェアの入場券なしでも入館可能)で9月2日の14:00-16:00に開催される、今年の 演目は「2017年BCL界波瀾万丈」 (赤林隆仁氏)、「SWL FEST報告と北米の短波事情」(尾原栄氏)の予定である。講演会はJSWC会員優先のため、一般聴講希望者はJSWC事務局(jswchp @ live.jp)に申込んで事前に聴講券を入手する必要がある。(JSWC 大武逞伯氏)

◎ドイツの送信所より新短波局Shortwave Radio Serviceが試験放送開始 ~趣味の放送局! 2版新規 3版追加

   ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、新短波局Shortwave Radio Serviceが8月1日よりドイツの送信所より試験送信を開始する。試験送信は10月28日まで行われる予定である。正式に免許を得た合法局である。試 験送信のスケジュールは以下の通り。放送は英語で現地時間の月~土曜(00:00以降は日本では翌日にドイツ北部のWinsen送信所から出 力1kW(無指向性送信)で行われる。
 19:00-21:00 23:00-01:00 03:00-05:00  6160
 21:00-23:00 01:00-03:00 05:00-07:00  3975
  ベネルクス諸国、英国、アイルランドがメインターゲットエリアとなっている。受信報告は3975 @ shortwaveradio.de、及び6160 @ shortwaveradio.deで受付ける。
 英国のMike Barraclough氏によると、この局は短波愛好家が運営する趣味の局で、商業性、政治性はない。URLは http://shortwaveradio.de。
(DXLD 1731)
  スペインのManuel Ménde氏は8月6日の03:50-04:20に6160kHzで英語の試験送信を受信した。また米国のDan Robinson氏は8月6日の06:00に6160及び3975kHzで受信した。「6160, Europe's
Newest Voice on Shortwave」のID、試験音、音楽が繰り返された。(DXLD 1732)
 英国のAlan Gale氏によると、8月13日現在6160kHzはアンテナの試験を終了し、送信棟との最終連結行程に入っている。3975kHzの方はまだ試験電波発 射状態である。(WWDXC TP 1310)

◎突如「EDXC Radio 2017」送信 3 版新規 4版追加
 フィンランドのTanpereで8月18-20日に開催されるEDXC2017を記念して特別送信「EDXC Radio 2017」が8月10日の001:00-01:15にフィンランド国内の送信所より9290及び9270kHzで実施された。この特別送信の受信報 告の宛先はspaceshuttleradio @ yahoo.comまたはradiospaceshuttle @ hotmail.comで、EDXC2017の参加者には入り口で印刷された特別QSLカードが発行される。それ以外にはeQSLとして発行される。 (”EDXC2017”) 直前に通告がありました。出力が小さいため欧州でも非常に弱かったとのことです。EDXC2017に日本から出席 したJSWCの大武逞伯理事によると、オランダの海賊局が勝手に行ったものらしくEDXCと関係ないとのこと、EDXC会場でのQSLカード 配布もなかったとのことです。

◎プエルトリコから短波実験信号! 2版新規  3版追加
 プエルトリコのAreciboから、7月25日より5125または5095kHzないしは8175kHzを中心に(周波数は数十kHz範囲 で動く場合有り)電離層及び月面反射観測用の実験電波が発射されている。変調音、パルス音が載ったキャリアが出るがIDは出ない。受信報告に 対してはこの実験に関わっているハムのW3HNKよりQSLカードが発行される。(DXLD 1731)
 米国のMark Coady氏は上記の電波(Ionosphere HF Heater Transmission)を5125kHzで8月1日の07:14-07:20に受信した。フロリダ州での信号は強力であった。(WWDXC TP 1310)

◎ザンビアのKVOHスケジュール変更  
2版新規
 Bulgarian DX Blogによると、ザンビアのKVOH(Voice of Hope)は7月31日よりスケジュールを変更した。新スケジュールは以下の通り。すべてLusaka送信所、100kW。放送は英語。
  月-金 14:00-17:00 9680 0度 アフリカ南部向 11680 315度 アフリカ西部向 (新設)
 火ー土 01:00-04:00 4965 0度 アフリカ南部向 6065 315度 アフリカ西部向 (時間変更)
 土・日 21:00-02:00 9680 0度  アフリカ南部向 13680 315度 アフリカ西部向 (変更なし)
 日・月 02:00-02:30 9680 0度 アフリカ南部向 13680 315度 アフリカ西部向 (新設)
(DXLD 1731)

◎TDXCより「Propagataion」第5号発行

 DXersサークル(TDXC)の会誌「PROPAGATION」第5号(8月1日版)が発刊された。今回の特集1は「海外で楽しむ BCL」。TDXC初の海外遠征ペディとして、海の仲間とも交流した「Oregon Cliffぺティ」、メンバーの一人が仕事で訪れたペルーで、ラジオ受信にも精力的に取り組んだ「ラジオ放浪記~ペルー・リマ編」が掲載されている。特集 2は「アンテナをつくろう」。アンテナのオーソリティによる投稿記事をはじめ、アンテナ好きのメンバーの様々な取り組みが紹介されている。他 にはDXの名所でのペディションレポートやペディにまつわるノウハウ記事、受信紀行文、PCを使ったBCL術各種、対談記事、OM探訪、 シャック訪問、書評、川柳道場、そしてアマチュア無線まで、16名のメンバーが総力を挙げて執筆している。盛夏の休日、涼しい部屋でビールで も飲みながらまったりと読んで頂きたい。http://my-bcl-life.sakura.ne.jp/PROPAGATION.htm よりpdf版を無料でダウンロードできる。(TDXC 中川弘夫氏)

B5版154ページ 表紙絵も編集も長谷川眞也氏



◎Radio Malabo復活! 2版追加
 廃止されたと思われていた赤道ギニアのRadio Malaboが6250kHzで復活していることが、米国のBrandon Joradan氏によって7月27日の08:30頃確認された。その後他のDXerも確認している。スペイン語プロでアフリカ音楽が多い。(DXLDyg  7./27他)
 スペインのManuel Méndez氏によると、信号は強く05:05に「Estimados oyentes, les informamos que en estos momentos Radio Malabo está transmitiendo además de en frecuencia modulada, en onda corta en la banda de 48 metros, frecuencia de 6250 kilociclos por segundo, para Guinea Ecuatorial y para todo el mundo, les rogamos reporten cómo están recibiendo a nuestra emisora」とのIDが確認できた。(DXLD 1731) FMと6250kHzをアナウンスしていることから意図的な復活間違いなしです。

◎Radio der Dokumenta 14 8月も放送

 
Radio der Dokumenta 14は放送スケジュールを延長し7月29日~8月8日にも放送を行う。スケジュールは以下の通り。送信所はKall-Krekelで、出力は1kW、無指 向性で欧州中部向。言語は英語・フランス語・その他。周波数はすべて15560。
 20:00-21:00  (7/29-8/7)、 03:00-04:00(7/30-8/8)、05:00-06:00(7/30-8/8)
(SWDX Bulgaria News 7/29)
 
◎Voice of Adal情報
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、エリトリア向秘密放送Voice of Adalは次のように放送中である。送信はIssoudun送信所、出力100kW、125度。
 木・日曜 00:00-00:58 15205  00:00 アラビア語 00:30 ティグリナ語
(DXLD 1726)

◎AIRの短波DRM放送全面休止
 インドのJose Jacob氏によると、All India Radioは短波による国内向DRM放送を全面的に休止した。しかし中波による国内向DRM放送は全国31局が継続して行っている。中波によるDRM放送 の詳細は
http://allindiaradio.gov.in/Oppurtunities/Tenders /Documents /Revised%20update%20for%20DRM%20Transmitters%2021april%202017.pdfを 参照すること。(DXLD 1726)

◎BBC MonitoringがCaversham Park宮殿を来年離れる
 英国のChris Greenway氏によると、BBC Monitoringは1943年以来業務を行って来た
Caversham Park宮殿を、2018年5月で引払うことになった。同宮殿の北3マイルにあるCrowsley Park受信所、世界11カ所にある支所は維持される。(DXLD 1726) このような「宮殿」に公的機関が入るのは珍しいことではないようです。日本の1964年東京五輪組織委員会は赤坂離宮(現赤坂迎賓館)にあり まし た。

(左)Cavesham Park宮殿  (右)1985年1月Crowsley Park受信所で受信業務を行う局員(YouTubeより)
 

◎5055kHzでNQ Radio準備中
 オーストラリアのCraig Seager氏によると、同国の新短波局NQ Radioは7月中の開局を目指して準備中である。コールサイン4KZ、出力1kWで、Innisfailに設置された逆Vアンテナより電波が発射され る。開局に時間がかかっているのは、長雨でアンテナ支柱を張ることが出来ない状態が続いているため。受信報告にはQSLカードを用意してい る。(WWDXC TP 1305)

◎Isle of Music毎週月曜日放送
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、米国のキューバ音楽専門局「Isle of Music」はブルガリアKostinbrod送信所より、毎週月曜日の00:00-01:00に9400kHz(100kW、30度)で欧州東部向に放 送されている。番組は英語及びスペイン語。(WWDXC TP 1305)

◎Caribbean Beacon音質改善
 米国のLarry Will氏によると、Caribbean Beaconより11775kHzで行われているUniversity Networkの番組は信号が強いにも拘わらず、音声の歪みがひどく聞くに堪えない状況がここ数ヶ月に渡って続いている。送信を依頼している側はあまり気 にも止めていないのか?(DXLD 1727)
 7月初旬から送信機の改善を行った模様で11775kHz、6090kHzともに通常の音質で受信できるようになった。(WWDXC TP 1306)


◎Caribbean Beaconの25mb波周波数変更か?
 米国のHarold Frodge氏、Glenn Hauser氏等によると、University Networkを中継しているCaribbean Beaconの11775kHzは7月12日以降聞こえておらず、代わりに11865kHzで聞こえている。25mbの周波数を変更した模様である。なお 6090kHzの方は変更なしである。(DXLD 1729)





◎オーストラリアのRadio and Television Broadcasting Stations Bookをインターネット上で提供

 Australian DX News 7月号によると、Australian Communications and Media Authority(ACMA)は、同国で免許を受けているすべての放送局のリストを「Radio and Television Broadcasting Stations Book」という形でインターネット上で提供している。http://www.acma.gov.au/Industry/Spectrum /Radiocomms-licensing/Apparatus-licences/list-of-licensed- broadcasting-transmitters#stations_book。以下の9内容のリスト(2017年6月現在)がpdf形 式で一括また は個別にダウンロード可能である。
 1. コールサイン別中波放送
 2. コールサイン別FM放送
 3. 周波数別中波放送
 4. 周波数別FM放送
 5. 地域別中波・FM放送
 6. 地域別デジタルラジオ放送
 7. コールサイン別TV放送
 8. チャンネル別TV放送
 9. 地域別TV放送
(DXLD 1727)

◎CBC-New Foundlandも短波停波
 米国の
Richard Cuff氏によると、カナダCBCで唯一残ったCKZN(New Foundland)はHappy ValleyのCBC Radio One(CFGB-FM)を中継しているが、6月中旬からQRTしている。これはCBCが意図的に行っていることで、短波を停波して苦情が 来るかどうかを見ているものである。苦情がこなければそのまま廃止するつもりである。(DXLD 1727)
  カナダのRichard Langley氏によると、CKZNの停波は無期限の模様で、廃止に対するコメントをカナダ国内から求めている。コメントはHalifax在住でCBC各 局に対するQSLを発行している高級送信技術者のLarry Wartman氏(E-mail:larry.wartman @ cbc.ca)へ。(WWDXC TP 1306)
中波、FM、WiFiも届かない僻地のリスナーは切り捨て?




◎2017年の熱帯放送バンド局の状況

 デンマークのAnker Petersen氏は1973年以来、2200-5800kHz間の熱帯放送バンドを使用している国内向短波放送局の数を記録・分析してきた。秘密局を除 くアクティブな放送局の数は2017年4月現在で次表のようになっている。  

地域 1973年 1985年 1997年 2009年 2017年
アフリカ中部 102 76 40 18 6
アフリカ南部 57 39 33 20 12
中東 9 4 1 0 0
インド亜大陸 62 45 45 29 14
東南アジア 40 29 21 4 1
インドネシア 171 105 65 13 4
中国・台湾・蒙古 119 110 75 32 18
旧ソ連地域 38 28 28 9 10
極東 38 28 28 9 10
パプアニューギニア 17 20 20 15 4
豪州・太平洋地域 10 4 13 8 4
中央アメリカ・メキシコ 21 23 24 5 1
カリブ海地域 29 3 3 2 3
南米北西部 98 41 19 3 2
エクアドル 47 33 22 5 0
ペルー 78 69 78 28 6
ボリビア 35 42 25 14 2
ブラジル 107 87 67 35 21
南米南部 5 2 1 0 0
合計 1106 819 627 247 114

   このところ全世界的に局数はコンスタントに減少し続けている。短波送信所を維持し続けるよりも他のメディアに切り替えた方が安価であるという経済的理由に よるところが大きい。2016年の138局と比べて24局という大幅な減少となっており、特に減ったのはオーストラリア北部地域と南米であ る。2016-17年で閉局したと見られる放送局は以下の通りである。

周波数kHz 出力kW 局名・所在地 最終確認月
2325 50 VL8T, Tennant Creek, NT Australia 2017/1
2485 50 VL8K, Katherine, NT Australia 2017/1
4409.8 0.5 R Eco, Reyes, Beni, Ballivián Bolivia 2016/2
4451.2 1 R Santa Ana, S. Ana del Yacuma Bolivia 2016/1
4750 20 RRI Makassar, Sulawesi Indonesia 2016/5
4754.9 10 R Imaculada Conceição, MS Brazil 2016/2
4755.5 1  The Cross R, Pohnpei Micronesia 2015/5
4760 1  The Cross R, Pohnpei Micronesia 2015/1
4780 50 R Djibouti, Dorale Djibouti 2015/2
4795.9 3 R Lípez, Uyuni, Potosí Bolivia 2016/8
4825 10 R Canção Nova, SP Brazil 2016/2
4835 50 VL8A, Alice Springs, NT Australia 2017/1
4880 50 AIR, Lucknow, Uttar Pradesh India 2016/3
4885 5 R Dif. Acreana, Rio Branco, AC Brazil 2016/2
4895 10 Mongolian R, Murun Mongolia 2015/1
4910 50 VL8T, Tennant Creek, NT Australia 2017/1
4914.9 10 R Dif. Macapá, Macapá, AP Brazil 2015/11
4940 1 R San Antonio, Villa Atalaya Perú 2015/7
4990 50 AIR, Itanagar, Arunachal Pradesh India 2015/9
5010 100 R Taiwan Int., Kouhu Taiwan 2016/3
5025 50 VL8K, Katherine, NT Australia 2017/1
5035.1 5 R Rio Mar, Manaus, AM Brazil 2016/7
5460 ? R Bolívar, Bolívar, La Libertad Perú 2016/2

(DXLD 1727) 使用周波数から見た局数であり、必ずしも局がなくなってしまったと言えない場合(他のバンドでは放送中、単なる一時的送信停止等)もありますが、全体傾向 としては的確だと思われます。この趨勢で減り続ければ5年後にはゼロですが!

◎AIRがハッジ巡礼者向特別放送
 All India Radioは2017年のハッジ巡礼者向特別放送を8月2日~9月30日の14:30-15:00に11670 15210kHzで実施する。(中国 李萌氏) 2017年のハッジは8月30日~9月4日ですので、その前後にインドからサウジアラビアを巡礼するイス ラム教徒向の放送です。

◎Moosbrunn短波送信所のビデオ公開
 米国のAlan Gale氏によると、オーストリアのMoosbrunn短波送信所のビデオ(ドイツ語)がMax Berger氏によりYouTube上で公開されている。使用中のアンテナ、送信機、制御室内が詳細に観察できる。 https://www.youtube.com/watch?v=1h0qz8CPWMU&feature=em- uploademail。(WWDXC TP 1306)
  ドイツのKai Ludwig氏によると、このビデオで100kWのThomcast社製短波送信機(2000年導入)、終段管キャビネット、10kWの Continental社製短波送信機(1984年導入)、1960年代から使用されている4基のTelefunken社製 100kW短波送信機、更にTelefunken社製500kW短波送信機2基(現在は300kWで運用)を観察することができる。 (DXLD 1728)


Moosbrunn送信所のカーテンアンテナ(上記ビデオより)



◎Radio Bulgaria中波のトルコ語放送も廃止か?

 ブルガリアのRumen Pankov氏によると、Radio Bulagariaは短波放送廃止後も中波576kHz1日3回のトルコ語放送を行っていた。しかしこのところ576kHzの放送自体が確認できない。可 能性としてはFMに切り替えられ中波が廃止された模様。放送ターゲットであるトルコ人が多く居住する黒海沿岸地域では隣国トルコから のFM放送が強く、従来から地元の放送と混信を生じており、FM化はあまり効果的とは言えない。(WWDXC TP 1306) 576kHz(200kW)はFM化の後もブルガリアで唯一Vidinから第一放送、議会放送、国内向トルコ語放送の送信を行っていました。

ウクライナのDXerが取得したVidin 576kHzのeQSLカード (Liviv_DXより)



◎AIRがアフガン・パキスタン国境地域向用にデジタル短波送信機設置
 英国のMike Terry氏によると、All India Radioはアフガン・パキスタン国境地域向放送用に新型のソリッドステート・デジタル式100kW短波送信機2基を導入した。2017年8月末を目処に 運用を開始する。新型送信機はDelhiの送信所に設置される。(WWDXC TP 1306)

◎モロッコMedi 1が短波送信廃止
 ドイツのHansjoerg Biener博士によると、モロッコの民間局Medi 1の送信責任者からきたメールによると、同局は短波送信を廃止した。
(WWDXC TP 1306)
  ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、同局はモロッコ北部のNador送信所より9575kHz(250kW、110度)で北アフリカ向フランス語・アラビア語放送を 24時間行っていた。廃止されたのは4月末と見られる。(DXLD 1728)




◎BDXCから「Radio Museums in the UK and Ireland」発表

 British DX Club(BDXC)は英国・アイルランドにある無線通信関連の博物館を網羅した「Radio Museums in the UK and Ireland」をwebページ上に発表した。http://www.bdxc.org.uk/museums.html上で参照可能である。 (WWDXC TP 1306)

◎ブラジルRB2はRádio Evangelizarに
 ドイツのHansjoerg Biener博士によると、ブラジルでかってRB2とリストされていた周波数は現在Rádio Evangelizarとしてリストされている。https://www.padrereginaldomanzotti.org.br/padre/ま たはhttps://www.padrereginaldomanzotti.org.br/rec/frequencias- de-radios/を参照のこと。
 リストされている周波数は次の通り。
 FM 99.5 MHz – ZYN289 – Curitiba
 FM 90.9 MHz – ZYT992 – Lapa
 AM 1060 KHz – ZYJ246 – Curitiba
 AM 1430 KHz – ZYJ200 – Curitiba
 49m 6.040 KHz – ZYE 725 - São Paulo及びRio de Janeiro向
 31m 9.725 KHz – ZYE 725 - Paraná州のMinas Gerais及びGoiás向
 25m 11.935 KHz – ZYE 725 - 国外向
 AM及び短波放送のスケジュールはhttps://www.padrereginaldomanzotti.org.br/rec /prog-radio-am-oc/に掲載されている。またインターネットのストリーミング放送がhttps: //www.padrereginaldomanzotti.org.br/rec/radio-am/で実施されている。 (DXLD 1728)



◎Nauen送信所での感想
 ドイツのKai Ludwig氏によると、同氏はNauen短波送信所をこのほど訪問したが、職員がアンテナの回転方向をスマホで操作しているのを見て驚いた。また Interrsat 20衛星から送られているNHKの番組を受信するために東方水平に向けられた巨大なパラボラにも目を見張った。(DXLD 1728)

◎Radio JapanインドBig FMより中継
 インドのJose Jacob氏によると、Radio Japanのヒンズー語サービスがインド国内のBig FMより現地時間の00:00-00:30に中継されている。中継を行っているのはBig FMの内
Bengaluru、 Hyderabad、 Kolkata、Mumbai、New Delhiの5局であり、周波数は何れも92.7MHzである。URLはhttp://927bigfm.com/である。インドは国内法で民間放送が ニュースや解説を行うことを禁止しているため、それら以外の番組のみが中継されている。(DXLD 1728)

◎Marconi Radio International復活
 一時QRTしていたイタリアのMarconi Radio Internationalが7月9日より11390kHzで復活した。時間は17:30-20:30で出力はわずか25Wである。mp3形式で録音した クリップを添付した受信報告を歓迎する。宛先はmarconiradiointernational @ gmail.com。 (DXLD 1728)

◎KBS国際放送
金 堤送信所のメンテナンス
 韓国のKBS国際放送は金堤(キムジェ)短波送信所のメンテナンス作業を行うため、2017年7月7日~11月30日の間送信品質 が低下することがある。(DX REMIX NEWS #1018) 日本語放送の場合、06:00-08:00 9805、10:00-11:00 9580、11:00-12:00 11810kHzの放送が影響を受ける場合があると同局では言っています。

◎Radio Sama
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、キプロスに本拠地を置くFEBA Radio系のアラビア語局Radio Samaは17:00-17:30にMoosbrunn送信所(100kW、115度)より15260kHzにて放送している。(WWDXC TP 1307) 他には02:00-02:30 12045、04:00-04:30 7425kHzもあるとのことです。 




◎西蔵PBSの4920kHz復活
 米国のRon Howard氏によると、中国・西蔵人民広播電台の4920kHzは数ヶ月間停止していたが、7月16日の21:00頃復活しているのが確認された。 6200kHzとパラ。チベット語。これで同局のチベット語プロは4905、4920、6025、6110、6130、6200、 7255、7385 kHz、中国語プロは4820、5935、6050、7240、7450 kHzで出ていることになる。(WWDXC TP 1307)

◎Radio Kuwait極東向も復活
 日本のKouji Hashimoto氏によると、7月17日にRadio Kuwaitの極東向アラビア語放送が復活しているのが確認された。(WWDXC TP 1307)
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、7月20日現在アクティブなスケジュールは以下の通りである。何れも送信所はKabad。
 14:00-18:00 15515 250kW 59度 極東向アラビア語GS
 17:00-19:00 7250 250kW 無指向 西アジア向ペルシャ語
 01:00-03:00 15540 250kW 100度 南アジア向ウルドー語
 02:00-05:00 13650DRM 250kW 350度 北米東部向アラビア語GS
 03:00-06:00 15540DRM 250kW 310度 欧州西部向英語
(DXLD 1730)


◎オランダ最後のAM局が9月オフエアー
 Mediumwave.Infoによると、オランダで最後まで中波AM放送を行っていたChristian broadcaster Groot Nieuws Radioの1008kHz(Flevoland送信所)の放送が9月で停止されることが決まった。Flevoland送信所との送信契約が2017年9 月までであったが、同送信所を管理するNOVEC社は同送信所を廃止する意向であったため契約更新を拒否したからである。廃止の理由 としてNOVEC社は中波アンテナ支柱のメンテナンスに費用がかかることをあげている。Christian broadcaster Groot Nieuws Radioには2020年までの放送免許が与えられいるものの、オランダ全土をカバーする大出力での中波放送は事実上終焉となる。Flevoland送信 所は1980年より運用が開始され、600kW中波送信機2基を有する大送信所であった。元々オランダ公営放送の中波第一・第二放送 用に建設されたものであるが、同国の放送FM化の方針で、2004年からは民間放送への時間貸しを行うようになり、2015年にはオ ランダ公営放送の送信はすべて打ち切られた。(WWDXC TP 1307)

Flevoland送信所1008kHz中波送信(400kW)用鉄塔(MDS975 archiveより)


◎Radio Sakhaの7295kHz復活
 米国のRon Howard氏によると、ロシアRadio Sakhaの7295kHzが7月中旬より復活した。同波は2017年2月末より停波しており、7345kHzのみが使用されていた。20:00に Khomus Chemchoeva(ヤクーツク口琴)によるISが出る。(WWDXC TP 1307)

◎韓国「自由の声」更に増波
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、韓国の北朝鮮向「自由の声」放送は7月13日より更に2波を追加した。追加された周波数は6055、6100kHzの2波で、華 城送信所(10kW、無指向性)からの送信である。6055kHzの方はラジオ日経、6100kHzの方は朝鮮中央放送の周波数と同 一で正しい周波数選択とはいえない。同局の他の周波数は
5920、5940、 6020、6135kHzであり、放送時間は12:00-17:00、 18:00-24:00、01:00-05:00、06:00-11:00となっている。なおHFCCには24時間放送と登録されて いる。(DXLD 1729)

◎ロシアのVLF時報局
 イタリアのRadiorama誌によれば、旧ソ連では1973年よりVLF時報局が試験送信を開始し、ロシアとなった現在では5局 で時報局ネットワークを形成している。送信所はロシア・ベラルーシ・キルギスタン内に存在し、それらは以下の通りである。
 RJH69 Molodechuno (ベラルシ)
 RJH63 Krasnodar
 RJH77 Arkhangelsk
 RJH99 Nizhy Novgorod
 RJH66 Bishkek(キルギスタン)
 RAB99  Khabarovsk
  周波数は各局とも25.00、25.10、25.50、23.00、20.50kHzが同時に使用されて、局ごとに異なる一定のシーケンスで時刻に関する FSK信号が送信されている模様である。ベラルーシのRJH69は18:00の開始時にCWでIDが出るので確認できる。これらの局 の詳細はhttp://www.vlf.it/russianvlf/russianvlf.htmに掲載されている。(DXLD 1729) 受信報告に対しては短波時報局を運用しているMoscowのIMVPからQSLカードが発行されるとのことです。

◎IBB
São Tomé中継局QSLカード発行を終了
 ロシアの
Alexander Golovihin氏らがIBB São Tomé中継局の局長秘書であるHelena de Menezes女史(E-mail:HMENEZES @ bbg.gov)から受取ったE-mailによると、同中継局はQSLカードの発行を終了したとのことである。今後はメールによるテキストベースの eQSLのみとなる。(DXLD 1729) 宛先はIBB São Tomé Transmitting Station C.P. 522 Pinheira, São Tomé,  São Tomé é Principeです。

◎AM Radio Log第38版発行
 米国National Radio ClubのWayne Heinen氏によると、同クラブが毎年発行している「AM Radio Log」の第38版が8月末に発行される。300ページ。米国・カナダの中波局の情報を網羅したもので、中波DXer及び同地方へ旅行するDXerには大 変役に立つ資料である。価格は1冊送料込みで$49.75である。Paypalによる送金可能。詳細は http://www.nrcdxas.org参照のこと。(DXLD 1729)

◎DARCが9月に特別短波送信
 ドイツのDeutcher Amateur Radio Club(DARC)は来る9月18-23日に短波特別放送を行う。これは9月16-22日に同国Lundshutで第24回第一地域アマチュア無線連合 会議(International Amateur Radio Union Region 1 Conference)が開催されるのを記念したものである。
 スケジュールは次の通り。送信所はMoosburunn、言語はドイツ語・英語の予定。
 02:30-03:00 13775 300kW アフリカ向 9790 100kW 東欧・ロシア・中東向
  03:00-03:40 6070 100kW 欧州北部・中部・南部向  9450 100kW 欧州西部向
(DXLD 1730) 日本では02:30からの9790kHzが狙い目か?

◎AM局が激減するカナダ
 カナダの
Shawn Axelrod氏によると、同国ではAMラジオ放送の減少が著しい。NRC AM Radio Log等から推計した中波局(40Wの低出力局も含む)の数は以下の通りである。
 
2011年 330局
 2012年 318局
 2013年 303局
 2014年 277局
 2015年 262局
 2016年 257局
 2017年 247局
 過去わずか6年間で83局が消滅しており、これはAM放送全体の25%に当る。更に2019年までにAMからFMに転換する申請が2017 年6月30日現在で21局から出されている。現状でもプリンスエドワード島にはついにAM局が一局もなくなってしまっており、特にカナダ北部 からはAM局が近々に消え去ると見られる。CBCはFM化に熱心で800万カナダドルを投じてFM化を推進している。FM化の理由は送信機や 送信 アンテナがAMより安いという理由である。欧州各国と同様カナダからはAM局がなくなる日がやってくるのであろう。(DXLD 17230)

◎英長波時報局MSF一時休止
 英国のMike Terry氏によると、同国の長波時報局MSF(60kHz)は定期メンテナンスのため8月14-31日に毎日08:00-19:00BST(英国夏時 間=JST-8H)に送信を休止する。詳しくは

http://www.npl.co.uk/science-technology/time-frequency /products-and-services/time/msf-outagesを参照のこと。(DXLD 1730)

◎RNZIが周波数変更
 Radio New Zealand Internationalは7月28日よりA17スケジュールの内13:59-15:58の太平洋向放送の周波数を9700kHzから9630kHzに 変更した。ルーマニアとの混信を避けるためである。

(SWDX Bulgaria News 7/29)


出典の略称 
   DXLD: DX Listening Digest
   DXLDyg: DX Listening Digest Yahoo Group
   WWDXC TP: World Wide DX Club Topnews
   HCDX: Hard-Core-DX
   JSWC: Japan Shortwave Club
   NDXC: Nagoya DXers' Circle
   WRTH: World Radio TV Handbook



トップページ